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  • 安倍公房「公然の秘密」

    ★今は亡き某芸能プロダクションの経営者が、所属する少年たちに性的虐待(そういっても良かろう)を与えていたことが話題になっている。(これは、氷山の一角なのかも知れない。)★事件が発覚し、報告書が出され、性被害の事実が明確となった。それを受けて、ニュースキャスターは正論とマスメディアとしての反省を述べていたが、それには業界としての白々しさも感じる。★有力事務所であるがゆえに、カリスマと言われる人物であるがゆえに、業界の中で「公然の秘密」として扱われてきたのではないだろうか。★そしてこれは、芸能事案に限らず、例えば絶対安全と叫ばれてきた原子力発電、メディアにとって大スポンサーである電力会社への忖度はなかったのか。大手広告代理店の不祥事も然りである。★そんなことを考えながら、安倍公房さんの「公然の秘密」(「笑う月...安倍公房「公然の秘密」

  • 筒井康隆「家族八景」より

    ★「文學界」6月号で、筒井康隆さんの「老耄よりの忠告」という文章を読んだ。88歳に達した著者が、自らの老齢の経験から読者諸氏へ送った「忠告」の書である。★私など著者より20歳以上も若いのだが参考になった。何といっても筒井節の健在なのがうれしい。★そんなこんなで、今日は筒井康隆さんの「家族八景」(新潮文庫)から、「無風地帯」を読んだ。★七瀬は18歳のかわいいお手伝いさんだ。彼女には人の心を読む能力がある。いや、望む望まざるに関わらず、他人の心の声が聞こえてくるのだ。(慣れたこととはいえ、結構辛そうだ)★今回、七瀬が訪れたのは尾形家。会社の重役らしき父親と年の割に老けて見えるその妻。夜中まで遊んでいるドラ息子とドラ娘の4人家族。外から見ると裕福で仲が良い理想的な家族なのだが、彼らの心の中はグチャグチャ。家族を...筒井康隆「家族八景」より

  • 司馬遼太郎「忍者四貫目の死」

    ★昼食時、ふとテレビをつけるとNHKで「生誕100年司馬遼太郎雑談昭和への道(1)何が魔法をかけたのか」を流していた。1986年作品の再放送だ。陸軍の内部対立。皇道派に対立する統制派のエリート、永田鉄山軍務局長が惨殺されるまでが語られていた。★司馬さんの姿を見て、久しぶりに彼の作品が読みたくなったので、「侍はこわい」(光文社文庫)から「忍者四貫目の死」を読んだ。★上洛した織田信長。敵対するものを徹底して滅ぼすことで恐れられていた。有力な戦国大名も少なくなり、その一人、甲斐の武田信玄が信長を暗殺するため、刺客を送ったという噂が流れた。★刺客は「知道軒道人」という忍者で、伊賀、甲賀を問わず名の知れたレジェンドだった。彼の手にかかれば信長とて危ない。さすがの信長も警戒してお抱えの伊賀者・蚊羅刹に「知道軒道人」暗...司馬遼太郎「忍者四貫目の死」

  • 荻原浩「成人式」

    ★夏休みが終わると、今年も受験態勢に入る。今日は朝からweb模試とかで、高校生が来ている。スマホで解答する形式とか。時代は移り変わっている。★「まだまだ頑張ろう!」と気持ちは若いが、年を追って体が動かず、痛いところ、できないことが増えていくのは仕方ないことか。★さあて今日は、荻原浩さんの「海の見える理髪店」(集英社)から「成人式」を読んだ。泣いて、笑って、最後は泣き笑いするような作品だった。★ビデオに映し出される少女、うまく回らないセリフを何回も練習している。幼稚園の発表会で天使を演じるという。ビデオを観ている父親は親バカだと自覚しながら、その天使を見つめ続ける。★少女は成長し中学生。父と娘は気まずい空気に陥ることも増えた。避けてるようでいて、嫌っているわけではない。そこは親子だからだ。★その娘が卒業を前...荻原浩「成人式」

  • 角田光代「ロック母」

    ★夏期講座最終日。寄る年波には勝てないが、何とかここまでたどり着いた。★今日は、角田光代さんの「ロック母」(講談社文庫)から表題作を読んだ。★主人公の女性、離島の暮らしが嫌で島を離れ、年下の彼氏ができて妊娠するも、彼氏からは冷たい仕打ちを受ける。このままシングルマザーになるのかと、何となく諦めながら、臨月のお腹を抱えて故郷に帰る。★10年ぶりの故郷。温かい受け入れを期待したが、母親は主人公が高校時代に聴いていたロックミュージックを大音量で聴きまくり、父親はそんな母親を避けるかのように存在感が薄い。★そして、出産場面。両耳に響き渡る新生児と祖母となった母親の号泣、大音響のロックミュージックに勝るとも劣らない場面が印象的だった。☆今日からバスケットボールのワールドカップが始まるらしい。角田光代「ロック母」

  • 福沢諭吉「福翁自伝」

    ★夏期講座はあと1日を残すのみ。今年もまずは無事に終われそうだ。★甲子園の高校野球は慶応高校が優勝。応援の在り方が少々論じられているが、戦争を挟んで105回を数える大会、いろいろな意味で変革期が訪れているのかも知れない。★さて、慶応高校の優勝を記念して、「福翁自伝」(岩波文庫)を読み返した。巻末に「1985年6月25日読了」とあるから、大学院生時代に1度読んだようだ。★九州の小藩、中津藩の下級士族の家に生まれた福沢諭吉。若くから身分制度に疑問をもち、「門閥制度は親の敵で御座る」(14頁)との意気込みで、幕末から明治の変革期を駆け抜けた。★大阪では緒方洪庵の適塾に学び、江戸の藩邸に蘭学塾を開きたいという上役の依頼を受けて江戸に出る。時代は蘭学から英学に。日米修好通商条約批准のためアメリカを訪れる咸臨丸に便乗...福沢諭吉「福翁自伝」

  • 宮本輝「紫頭巾」

    ★夏期講座22日目。夏休みも残り少なくなってきた。まだ宿題を残している子どもたちはせっせと励んでいる。マンガ「サザエさん」では、カツオの宿題を一家総出で処理するなんて話があったように薄っすら記憶している。さすがに最近は、それほど要領の悪い生徒は見かけない。★さて今日は、宮本輝さんの「五千回の生死」(新潮文庫)から「紫頭巾」を読んだ。小学生たちが女性の死体を見つける。ある児童は、彼女が紫の頭巾をかぶって占いをしていたというが、かれはちょくちょく嘘を現実のように話すので友人たちは信じない。★その町は在日朝鮮人の人が多く住み、北への帰還事業が始まっていた。その町に住む人も、1軒、また1軒と新潟経由で帰国の途に就いた。国境など気にもしなかった子どもたちの間にも、複雑な国際関係が影を落とす。★映画「キューポラのある...宮本輝「紫頭巾」

  • 劉慈欣「月の光」

    ★夏期講座21日目。残るは4日間。昼の酷暑は相変わらずだが、日の入りが随分早くなったような気がする。★今日は、劉慈欣さんの「円」(ハヤカワ文庫)から「月の光」を読んだ。★月を眺めていると未来の自分から電話がかかってきた。科学の成果で寿命が200歳まで伸びたという。しかし、化石燃料の消費による温暖化の影響で、海沿いの都市は水没してしまったという。★未来の自分は、化石燃料の使用を止めるため、ある発明品を過去の自分に教える。果たして、未来の自分と過去の自分が協力して、未来を救うことはできるのか。★成功したかに見えたのだが、未来を変えるというのはなかなか大変そうだった。★化石燃料は地球温暖化ガスを排出し、そもそもいつかは尽きてしまう。核燃料は廃棄物の処理が課題だ。自然エネルギーはコストと効率が課題か。核融合は禁断...劉慈欣「月の光」

  • あさのあつこ「ランニング」

    ★高校野球もあと準決勝と決勝を残すのみ。年によって見たり見なかったり、今年はたくさんの試合を見た。★時代の流れか、球児の髪型が変わった。それからもう一つ、最近の校歌が素敵だ。今年の甲子園には残っていないが、愛知至学館の「夢追人」、大分明豊高校の「明日への旅」は、普通にJ-POPの名曲だ。★福工大城東高校の校歌には、昔懐かしいドラマ「アテンションプリーズ」を思い起こした。「やればできるは魔法の合い言葉」の済美高校の校歌には今でも励まされる。★さて今日は、あさのあつこさんの「晩夏のプレイボール」(角川文庫)から「ランニング」を読んだ。青春ドラマを絵に描いたような作品だったが、何だかジーンとくる。(夏木陽介さんの「青春とは何だ」、竜雷太さんの「これが青春だ」、村野武範さんの「飛び出せ!青春」、中村雅俊さんの「わ...あさのあつこ「ランニング」

  • 田口ランディ「アンテナ」

    ★今日は授業が少なかったので、月に1度の診察に行き、1か月分の薬(高血圧、糖尿病など)をもらってくる。★高校野球、特に贔屓のチームはないのだが、見始めると止められない。断片的ながら4試合とも見てしまった。★田口ランディさんの「アンテナ」(幻冬舎文庫)を読んだ。ある家族、自宅から少女が姿を消した。それから10余年。家族それぞれがその現実を受け入れられず、心を病んでいる。★母親は宗教に走り、弟は妄想に生き、主人公である兄は、哲学を学びながら、鬱屈した日々を送っている。彼は友人の紹介であるSM嬢と出会い、彼女の調教を通して魂の解放をめざしていく。★随分とスピリチュアルな作品で、好き嫌いが別れそう。ユングの考えだったか、共振、共鳴など一人ひとりの意識を超えた領域はあるのかも知れない。オーラやアンテナなど表現は何で...田口ランディ「アンテナ」

  • 赤瀬川隼「春の挽歌」

    ★高校野球は休養日。休養日が設けられたり、クーリングタイムができたり、延長戦にタイブレイクが導入されたりと高校野球は少しずつ変わってきている。ベンチ入りが20人というのにも驚いた。明日はいよいよ準々決勝だ。★今日は、赤瀬川隼さんの「白球残映」(文春文庫)から「春の挽歌」を読んだ。★ある家族。88歳になる父親が亡くなり、葬儀の準備が始まっている。父親は戦前、国鉄の幹部として奉職していた。ところが敗戦。戦後、GHQともめて退職を余儀なくされたそうだ。★彼は社会人野球で活躍していた「国鉄」の選手たちをマネージャーのような立場で支えていた。彼は国鉄を追われていたが、国鉄球団がプロに転じた後も、選手たちの相談に乗り、励まし続けた。★葬儀の日、かつて父親に世話になったという人々が駆けつけてくれた。どの顔ももはや70歳...赤瀬川隼「春の挽歌」

  • 島田荘司「写楽 閉じた国の幻 下」

    ★甲子園はベスト8をかけた戦い。慶応の選手を見て、球児のヘアスタイルも変わってきたなぁと思った。★youtubeに上がっていた物まね番組に刺激されて、ドラマ「101回目のプロポーズ」(1991年)を観た。面白いドラマだった。特に最終回は絶品だね。野島伸司さんの脚本。浅野温子さん、武田鉄矢さん、いいなぁ。現実とファンタジーのギリギリの線で、どうしようもないほど素敵なハッピーエンドだった。★島田荘司さんの「写楽閉じた国の幻下」(新潮文庫)を読み終えた。寛政年間、彗星のごとく現れ、わずか2年で姿を消した写楽とは何者なのか。★能役者説や当時人気の浮世絵師・文人説など諸説あり、あまりに資料が少なく謎が多い。本書はこの写楽の真相に、大胆な仮説を立てている。新書でも読めそうだが、小説の形なので一層親近感がもてる。★全体...島田荘司「写楽閉じた国の幻下」

  • 伊集院静「菓子の家」

    ★夏期講座18日目。残るは7日間。気圧のせいか、朝、身体がだるかったが、昼過ぎから調子が上がってきた。★今日は伊集院静さんの「受け月」(文春文庫)から「菓子の家」を読んだ。伊集院さんの作品にしては随分と「甘い」作品だなと思ったけれど、最後の方で「ああ、そういうことか」と納得した。★40歳を過ぎた男が主人公。実家は相当な資産家だったようだが、男が事業で使い果たし、その上、20億円もの負債を抱えてしまった。★要は、この男は「ぼっちゃん」で、その甘さからうまい具合に周りに乗せられ、結局借金だけを背負ったのだ。自業自得に違いない。★もはや返済の当てもなく、遂に破産。債権者との調整は整理屋に頼むことにしたようだ。★悪徳金融だけではなく、懇意にしていた知人からも借金をしていたから心が痛まないではないが、もはやにっちの...伊集院静「菓子の家」

  • 林真理子「最終便に間に合えば」

    ★台風。荒天の上、近隣のスーパーはどれも臨時休業とのことで、今日1日、家に缶詰めのようだ。★林真理子さんの「最終便に間に合えば」(文藝春秋)から表題作を読んだ。世界的な動乱や不条理な殺人事件など全く登場しない。それでいて、女と男のやり取りが実にスリリングに描かれている。★ビジネスで成功し、メディアでも話題となっている女性が、旅先の札幌で7年ぶりに元カレと食事をする。なぜ今さら会おうなどと思ったのか、彼の体に未練があったのか、それとも過ぎ去りし日の愚痴を語りたかったのか。★7年の時間は二人を少しは大人にした。二人は、もはや30代。冷静に対処できるはずだった。★女性は翌日に予定があり、今夜の最終便で東京に戻らなければならない。店から空港までの時間。タクシーという限られた空間のわずかな時間の間に展開される男女の...林真理子「最終便に間に合えば」

  • 森絵都「器を探して」

    ★ドラマ「VIVANT」は急展開。散りばめられた伏線の数々。繰り返されるどんでん返し。目的のためには手段を選ばないドラマ「24」のような毒もある。最後まで観終わって初めて全体像が浮かび上がるモザイクのような作品だ。★さて今日は、森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート」(文春文庫)から「器を探して」を読んだ。★パティシエを目指す弥生という女性が主人公。彼女はヒロミという女性がつくるケーキに惚れこみ、彼女のビジネスを手伝うことになる。弥生は、ヒロミのケーキを信奉し、まるで信者が布教するように頑張ったという。★それから8年。ヒロミのケーキは評判を呼び、マスメディアへの露出も増えた。小さな店では生産が追いつかず、大きな物件に移転。弥生の役割も「専属秘書」になった。★ヒロミはケーキづくりやビジネスにカリスマ性を...森絵都「器を探して」

  • 鷲田清一「死」

    ★京都新聞「天眼」のコラム。哲学者の鷲田清一さんの「『反省』の時?」を読んだ。★鷲田さんの論稿は高校の教科書に採用され、大学入試問題にも時々見かける。哲学者の言葉は難しい。何を言っているのかわからない。どういうことなのかと2度、3度読み返し、運が良ければわかったような気になり、ほとんどの場合、わからないままで終えてしまう。★わかるわからないは別として、わずかな時間でも考えるきっかけをつくってくれることに意味があるのかも知れない。★今回のコラム。リアルな体験として老いに直面する鷲田さんが、わかりやすい言葉で日常を語られている。日々「思いどおりにいかないことが増えてきた」「そのつど立ち止まるよりほかない。嫌でも状況を、そしてその中のじぶんを省みる」。「視線の習慣をひっくり返」し、「ものに『合わせる』『従う』と...鷲田清一「死」

  • あさのあつこ「空が見える」

    ★授業が暇な土曜日。合間にテレビを見る。毎年のことながら甲子園では熱戦が続く。★少子化やスポーツの多様化の影響で、野球は私が子どもの頃ほど人気がない。(サッカーやバスケットボールに押され気味だ。)そのせいか、最近は打高投低で、私が小学生の頃に見た「三沢高校vs松山商業」のような息詰まる投手戦は少なくなった。点差が開く試合も目立つ気がする。★それでも勝ち抜いてベスト8ぐらいになると、見ごたえのある試合に出会える。★さて今日は、あさのあつこさんの「晩夏のプレイボール」から「空が見える」を読んだ。少し胸が熱くなる作品だった。★壮年の夫婦。夫は不治の病でベッドに横たわる。もはや宣告された余命を過ぎているという。日々衰えていく夫を見守る妻。彼女は二人で歩んだ歳月を振り返る。★二人には一人息子がいた。家業がスポーツ店...あさのあつこ「空が見える」

  • 山口瞳「庭の砂場」

    ★夏期講座第3クール終了。暑くて嫌な夏も、残り少ないと思うと名残多い。この暑い夏をあと何回経験するのかなと思うと、少々心細くもなる。★さて、そんな感慨を持ちながら、山口瞳さんの「庭の砂場」(文藝春秋)から表題作を読んだ。妹と弟を立て続けに看取った主人公。二人とも54歳だった。主人公も60歳を超えた。★二人の親族の思い出を辿りながら、人生は短いと実感する。「これ以上生きていたって、面白いことなんてないよ」と強がりを言いながら、なぜか涙が出てくるという。★エッセイなのか私小説なのか。本の帯にある「寂寥」という言葉がじわじわと伝わってくる作品だった。☆夏休みも半分が終わり、塾生たちの夏休みの宿題もほぼ終わっている。お決まりのドリルは早々に仕上げ(時々解答を見ながら)、世界の国調べ(中学1年生)や歴史新聞(中学2...山口瞳「庭の砂場」

  • 篠田節子「水球」

    ★夏期講座14日目。残るは11日。何とかここまでたどり着いた。★世の中では台風が吹き荒れ、マイナ保険証問題で政府が窮地に陥り、某大学では運動部の学生の薬物使用で大いにもめている。とりわけ大学側の記者会見は噴飯もので、組織防衛なのか、自己保身なのか。★教育機関云々の話もあったけれど、大学生と言えばもう十分成人なのだが。この事件を受けて「明日は我が身」と、冷や汗ものの大学もあるかと思う。★さて、篠田節子さんの「家鳴り」(新潮文庫)から「水球」を読んだ。主人公は証券会社に勤める50代の男性。高卒ながら猛烈に働き、大卒の社員と渡り合い、勤続33年、中堅証券会社ながら、管理職まで昇りつめた。★浮き沈みの激しい業界。オイルショックやバブルなどいくつもの荒波を乗り越えて、郊外に邸宅を建て、妻と共に2人の息子を育て上げた...篠田節子「水球」

  • 平野啓一郎「『本当の自分』幻想がはらむ問題」

    ★ドラマ「vivant」の中で主人公の乃木は、危機に直面するともう一つの人格らしきものと対話を始める。弱気な人格と強気な人格。乃木の過去の生い立ちに原因がありそうだが、これからの物語にどう影響を与えるやら。★さて、高校生が夏休みの国語の課題で平野啓一郎さん「『本当の自分』幻想がはらむ問題」と格闘していたので、便乗して読んでみた。★「『本当の自分』幻想がはらむ問題」は「私とは何かー『個人』から『分人』へ」(講談社現代新書)に収められている。★果たして「私とは何か」。本書では「人間の基本単位考え直す」という。従来、場の空気を読みながらキャラやペルソナを変えその時々の自分を演じていても、根幹には揺るがせない「本当の自分」があると考えられてきた。著者はそれを「神話」だという。★著者は、それぞれのコミュニケーション...平野啓一郎「『本当の自分』幻想がはらむ問題」

  • アダムズ方式

    ★当選議席数を決める方法にドント方式というものがある。得票数を整数で割り、その数が大きいものから当選者数を決めるというもの。議席が埋まるまでそれを繰り返すというものだ。★今日、高校生の「政治経済」の問題でアダムズ方式というものを知った。1票の格差を是正するために、都道府県ごとの議席数を決める際に活用される計算法らしい。★すでに2016年に法律が決まり、これに基づいて衆議院小選挙区の10増10減が行われたということを知った。★アダムズ方式の名前はアメリカ第6代大統領ジョン・クィンシー・アダムズに由来するとか。在任が1825年から29年というから、日本はまだ江戸時代だ。まだ黒船も来ていない時代だね。その時代の遺物が活用されるというのも興味深い。★10増10減は自公連立にひびを入れ、その余波か大阪の公明vs維新...アダムズ方式

  • 内館牧子「小さな神たちの祭り」

    ★政府はマイナンバーカードをめぐって右往左往。そもそもマイナンバーは財務省の思惑。マイナンバーカードはどういう意図だったかな。ともかく、普及を急ぐあまり、何でもかんでも無理に一本化しようっていうのがムリだったんだね。★もし秋に総選挙があるなら「マイナ解散」「マイナ選挙」って感じになるのかな。各党の考え方も聞いてみたいものだ。★さて、塾生が夏休みの感想文に内館牧子さんの「小さな神たちの祭り」を書くというので、便乗して読んでみた。ドラマを小説化したものらしい。★東日本大震災。1人だけ東京の大学に通っていたために難を逃れた男性。家族全員が行方不明のままだ。★数年の月日が流れ、大学を卒業、就職もしたが、喪失感は消えない。遂に帰郷を決意するのだが。★2011年3月11日。リアルタイムで伝えられる津波の映像に釘付けに...内館牧子「小さな神たちの祭り」

  • 逞しい若者たち

    ★ドラマ「vivant」第3回を観た。3回目にもなると少々冗長に感じたが、それでも楽しめた。★月9ドラマに江口洋介さんが帰ってくるという。懐かしかったので「ひとつ屋根の下」を観始めた。1993年放送開始だから、もう30年が経過しているのか。当然ながらみんな若い。15歳設定の四男は山本耕史さんだったんだね。最高視聴率37.8%は今のご時世では考えられない。★さて、元塾生たち、中でも今大学生の諸君はこの夏、留学する者が多い。ここ数年はコロナ禍で思うように動けなかったから一気に動き出した感じだ。★京都女子大に通う子は明日からカナダへ。関西外大に通う子は9月からニュージーランドに旅立つ。ふたりともワケあってひとり親家庭だが、2つ3つとアルバイトを掛け持ちし、貯めたお金でのチャレンジだ。逞しい限りだ。★彼らが活躍す...逞しい若者たち

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