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2017/06/21

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  • 男女・考ーその3

    夫が浮気しているのに別れない妻、妻が浮気しているのに別れない夫。こうした夫婦が増えている。形の上では夫婦であるが、心がすでに離反している。愛情が空洞化していてもひとつの家庭を保っている。特に、子供がいる場合など子供のためという大義名分で別れないでいる。もちろん、こうした夫婦でない場合もたくさんある。離婚が増えているのはそのためだ。夫婦ともに外で浮気しながら、家庭は維持しているというケースがこれからは増えるだろう。男女の関係が深まるとおのずと情が生まれる。昔からある男女の機微な関係は小説に描かれ、舞台で演じられてきている。現実世界に生きる男女はこれら非現実世に、ある時は共感し、ある時は憧れる。人の内側にはマグマのようなものが棲みついているのである。ある詩人は言う。女性はただこの世に有ると言うだけで、十分な意...男女・考ーその3

  • 男女・考ーその2

    男女の関係は、結果論では言い尽くせない。特に女性の多くは結婚に至らない愛は無駄だと思いがちだが、果たしてそうだろうか。その人とうまく結ばれたかどうかが問題ではなかにその人に甦る愛というものがあるものだ。愛は非論理であるとはよく言い得ている。夢中に愛しあっている時は、アバタもえくぼに見えていたものが、ひとたび二人の仲が冷えると、アバタがリアルにアバタに見える。一方で、燃えている二人にありきたりな常識や道徳を説いても無意味である。命が燃え尽きるほど人を愛した経験は、時が経ても鮮やかに甦る。ある瞬間に、命を燃やすことができた人と、そうでなかった人では、どちらが人間として幸せで、どちらが彩り豊かく、別れた後にも深く心に残り、あるいは別れたゆえに鮮やな人生を送ったか、これは疑問の余地はないだろう。恋というものは無垢...男女・考ーその2

  • 男女・考ーその1

    集中度において男は女にかなわない。女性が心霊術や催眠術にかかりやすいのはそのためである。女性は単純な作業でも集中できるが男にはそれができない。男と女がお互いに「あの人の気持ちがわからない」と言い合うのは、相手が自分と同じものだと思っているところに最大の錯覚がある。別れにおいて、男女の違いが著しい。女性は心が離れた時はきっぱりと別れられる。一方で、男は未練がましく、いつまでも燻り続ける。人はみんな「後の祭り」を繰り返している。あの時、ああしておけばよかったと悔いる。その時は頭でわかっていても行動に移せなかった。頭と体が別々に分かれてしまっていたのである。異なる夢。男も女もロマンチストで夢見ることが多いが、男は女に尽くす夢を見て、女は男に尽くされる夢をみる。性的魅力というのは、ただ外見さえ良ければというわけで...男女・考ーその1

  • 今を抜け出したくて

    翔子はこの20年ほど鬱の状態で過ごしてきた。翔子は事務職の経理の仕事を20年ほどつづけていた。経理の仕事は親の会社の手伝いということではじめていたのだが、そのうち欠かせない社員の一員となっていた。仕事に熟練するとやり気も増した。忙しい時には休みも返上して働いた。それでも毎日が充実し楽しかった。が、そのうち躰が思うように動かなくなった。気分も落ち込んだ。ふだんと違う自分の躰を案じて、翔子は心療内科を受診した。結果は、燃え尽き症候群という病名で、そのために気分がうつ状態になっているという診断だった。よもや信じられないことだった。自分は鬱になんかならないと自信をもっていたが、そうではなかった。医者の言うことによれば、鬱は心の風邪みたいなもので、誰もが罹る病気だと説明された。しばらくして翔子は会社をやめた。治療に...今を抜け出したくて

  • 回り道

    回り道絹枝は主婦である。好き合って結婚したはずなのに、今は少し冷えきった関係になってしまっている。そんなある日、絹枝は結婚前に付き合っていた龍一郎という男と出会う。偶然とはいえ、予期せぬ出来事だった。何か待っていたことが現実に起きたような思いがした。大通りの裏にある喫茶店に入って、お互いの近況を時間を忘れて語り合った。愉しいひとときだった。あっという間に小一時間が過ぎた。このまま別れるのが惜しい気がした。別れ際、龍一郎が「今は幸せか」と聞いてきた。本当の気持ちを訴えようとしたが、絹枝はその場は思いとどまった。今の気持ちを吐き出せば、一気に堰が切れるような気がしたからである。後日、実家に帰った折に、母に、過日、龍一郎に逢ったことを告げると、母は「あの人はまだ独身でいるらしいわよ」と告げた。そして母は、「あの...回り道

  • 歳月

    シングルパパである洋平は二女の子持ちである。妻が亡くなってからというもの大酒飲みのぐうたらな父親になった。二人の子供を抱える大変さに押しつぶされたのである。長女のユカはまだ10歳だったが、妹のサキの母親がわりになって家事をきりもりしていた。そんなたいへんな生活がつづくなか、気がつけばユカは18歳になっていた。ある日のことだった。呑んだくれた父が交通事故に遭い、それが原因で数日後、息をひきとるという不幸に出会った。ところが、災難はそれで終わらなかった。父親が多額の借金を抱え込んでいたことがわかったのだ。間もなく、取立てが押し寄せてきた。そんな不幸な姉妹を見かねて、周囲の人間がいろいろ手助けをしようとした。が、ユカはそれらの好意をきっぱりと断って、「親の借金は子の借金ですから」と言い放った。尋常の働きでは返せ...歳月

  • 取り戻せない過去

    絹枝は主婦である。好き合って結婚したはずの夫なのに、今は少し冷えきった関係になってしまっている。そんなある日、絹枝は結婚前に付き合っていた龍一郎に、駅前のバス停で出会った。偶然とはいえ、予期せぬ出来事だった。何か待っていたことが現実に起きたような思いがした。立ち話というわけにもいかないので、絹枝は龍一郎を促して、近くの喫茶店に入った。席につくとすぐに、堰を切るようにお互いの近況を話はじめた。違った世界に生きてきた二人の三年という月日がひどく長いように思えた。二人は時間を忘れて語り合った。あっという間に時が過ぎていった。話が進むにつれて、しだいに以前の二人の関係を取りもどしていた。このまま別れるのが惜しい気がした。でもこのままずっとというわけにはいかなかった。龍一郎と別れたあと、絹枝は、本当の気持ちを訴えよ...取り戻せない過去

  • まぼろしの彼の人を訪ねて

    その雅な響きに惹かれて、宗男は、越中の小京都と呼ばれる城端(じょうはな)を訪ねた。城端を選んだ理由はもうひとつあって、風の頼りに聞いた、そこに住むであろうと思われる、ひとりの女性の足跡を探し求めるためもあった。あてのない人探しではあったが、町筋を歩くほどに、もしかしたら逢えるかも知れない、という淡い期待があった。あいの風鉄道、高岡駅から城端線に揺られること50分ほどで終点の城端駅に着く。駅から街中へは10分ほど歩くことになるが、街の北側を流れる山田川を渡り、御坊坂をのぼりつめたあたりから、町並がひらけてくる。地元の観光パンフレッドがこの街を「情華舞歩」として紹介しているのにふさわし佇まいである。右手に、いかにも荘厳なたたずまいの寺域が現れた。善徳寺と記された看板が見える。道を回り込んでから、さっそく山門か...まぼろしの彼の人を訪ねて

  • あとの祭り

    郊外のこぢんまりしたアパートの一部屋を借りて、和夫と明美は暮らしている。二人はいずれも三十代の共働き夫婦であるが、和夫は職場に長く居つかずに転職を繰り返していた。そんな和夫のことを明美は特にとがめもせずに見守っていた。妻が汗水垂らして働いているのに、夫は頼りにならない存在だった。そんな妻の明美にすまないという思いがあればまだしも、いつしかそんな男勝りの妻に鬱陶しさを感じ始め、ついには妻を嫌悪するようになった。仕事のない時には家にいて、遊び半分で出会い系サイトをのぞいたりして暇を潰していた。そんな時ひとりの若い女の子が目に止まった。「最近出会い系を始めたばかりで、使い方が分からず困っていたところ、知人から、女性から男性に連絡した方が出会いにつながることが多いと聞きましたので、僭越ながら連絡させて頂きました」...あとの祭り

  • ある勘の働き

    ある男女の関わりを、近くで目にしてからというもの、わたしにはたくましい妄想がちらつきはじめたのである。そのふたりの関係は、はたで見ていてもいかにも紳士淑女の関係と見えていた。私と同じ絵画教室に属していたふたりは、教室ではふつうの振る舞いをするだけで、それ以外に特別の関係があるようには思えなかった。それが時間がたつにつれて、ふたりの関係がただならぬ間柄になっているように私には思えた。端から見ていても、ふたりがお互いを意識していることがうすうす分かった。ファーストインプレッションというあれである。直感的にひらめいた、というやつである。出来ている男女には独特の雰囲気が漂っていて、それとなく醸し出すものがある。それはもちろん目に見えないものだが、お互いのそれとなく交わす秘密の目遣いで、一目でピントくるものがある。...ある勘の働き

  • 意外な結末

    「男と女の仲は、思うようにいかないものだ」とつくづく幸雄は思った。幸雄は初世という名の三つ年下の妻と郊外にある小さなアパートで所帯を持っていたが、ある日、家に戻ると、妻の姿が消えていた。数日後、妻の親から、「私、家を出るから探さないで」という報せがあったことを聞く。自分の妻が突然、自分の知らない世界に消えていってしまった。それは不可解な朧な世界だった。初世と過ごした幸せな日々が走馬灯のように頭をくるくる回っていた。それらがすべて終わった実感がどっと胸に流れこんできた。後日、妻には男がいて、その男のところに走ったことがわかった。それは妻の友達から聞いた噂だった。その男とはどんな男か、幸雄は突き止めたく思った。妻はその男に騙されて、こんなことになったのに違いないと確信した。その男の正体をつかみたい、幸雄はそう...意外な結末

  • ボタンの掛け違い

    東京から郊外に走る電車のなかで希生は、次の駅で降りた女が晶子のような気がした。女は希生には気づかず、改札口に向かってホームを歩いていた。心持ちふくよかになった印象の晶子であったが懐かしかった。思わずあとを追って声をかけようかと思ったほどだった。希生は晶子とはもともと仲が悪くなって訣れたわけではなかった。今になって振り返ると、訣れた原因もはっきりした理由があるとは思えなかった。もう一年近くたっているが、希生がメールで晶子を誘ったのに、梨の礫であったこと。それに対して、希生はひどく気分を害して、そのまま放置したまま今日に至っている。希生が晶子と交際をはじめたのは、コロナの蔓延がはじまる一年前のことだった。きっかけは、ある趣味の会でのことで、晶子が不慣れな希生に対して、いろいろと親切にアドバイスしてくれたことが...ボタンの掛け違い

  • 妾の半生

    私は65歳。もう初老の気配濃くなる歳でありますが、その私が自分の半生を振り返ってみて、どうしても告白したくなることがございます。それをこれから少しずつお話したいと思います。言ってみれば、私の男性遍歴というものでありますが、自分でも思うのですが、数奇な運命であったような気がいたします。*私の生まれた家庭は裕福でした。父は一流企業の社長、母は昔からの名望家の娘でした。母は乗馬やテニス、華道や日舞を習う、いわゆるお嬢さん育ちでした。そんな両親のもとで、なに不自由なく育った私でございました。私の初恋は、相手が一方的に私を愛してくれた、という片恋から始まりました。中学校の頃です、相手は大学生で、いつ私を見染めたのか定かではありませんが、そんなことがありました。遠い記憶に、学習塾にそんな方がいて、その方は英語が担当で...妾の半生

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