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ここは小さな高校です https://blog.goo.ne.jp/5381naninani

英語の授業を通して、田舎の小さな高校で学ぶ素敵な生徒たちを紹介しています。

ここは小さな高校です
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2017/05/01

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  • ナナ子 -ショートショート(2)

    ナナ子ー(2)妙高山から夕立が降ってきたので、シゲルたちは神明社の境内に駆け込んだ。シゲルたちは御堂に潜り込んで、パッチ(めんこ遊び)をした。赤バットの川上や青バットの大下、火の玉投手荒巻などの絵がある丸いパッチで、阪神ファンのシゲルは物干竿の藤村選手のものを集めていた。雨が上って午後4時が過ぎて、仲間たちが家に帰ってしまうと、シゲルは急にあの女の子のことが気になってきた。雨に濡れていないだろうか、無事にお家に戻っているだろうか。路傍に花咲く畑道を抜けて、あの女の子が現れたヒナゲシのお花畑に出ると、道端の土が小高く盛られていて、その上にはユウスゲの花びらで縁取られた、子供の握りこぶしほどの小石が載せてあった。あの女の子は何処にもいなくて、ヒグラシだけが鳴いていた。カラマツの林のもっと上の方にある白樺林の中...ナナ子-ショートショート(2)

  • ナナ子(ショートショート)

    ナナ子(ショートショート)「あのセミでっかいぞ。シゲちゃん、登って捕ってこねか」仲間に煽てられて、シゲルはその大きなカラマツの木に飛びついた。真上から照り付けてくる太陽の光線は、カラマツの枝で多少は遮られてはいたが、その熱気は下生えまで達して、ムンムンと子供たちの周りを囲んでいた。こっくりと頷いて、シゲルは丈夫そうな枝に手を掛けながら、抜き足差し足でアブラゼミに近づいていく。セミは、鳴いている間は逃げないものだ。息を止めて右手をヒョイと伸ばした。「おーい、捕ったぞ」「でっかいか。気いつけて下りてこい来いや」仲間たちも、皆、自分がそのセミを捕った気分になって、はしゃぎながらカラマツの林の藪から出てきた。意気揚々と、ダラダラ坂の野道を下りていく。道端のミヤコグサや立葵、そして・・・ヒナゲシの花。あれ、れ、ヒナ...ナナ子(ショートショート)

  • チハル

    チハル(青春の幻影)前回の『ファニー』と併せて読んで頂けると有難いです。その翌日、僕はあの少女に会えるかも知れないというバカげた考えと、いつもの習慣で、古本屋で見つけた『ハイネ詩集』を片手に砂浜へ向かった。昨日の場所まで行くと、ベージュ色のカーディガンを纏った彼女が白い砂の中に立っていた。そんなことがあってから、チハルという松葉杖の少女との黄昏時の散歩が僕の生きがいの全てになっていた。僕はチハルと連れ立って、何回も何回も名曲喫茶や映画にいった。シューベルトやチャイコフスキーを聴いたし、『慕情』や『ローマの休日』も観た。チハルのまだ蒼い籠には、いくつもの素敵な果実が入っていて、デートのたびに熟れていった。僕たちは、その蜜のように甘い果実を二人だけで食べた。しかし、嫉妬深い運命の神様が、残酷にもチハルと僕を不...チハル

  • ファニー(人生の幻影)

    ファニー『クリスマスキャロル』や『二都物語』の作者チャールズ・ディケンズの短編小説AVisionofLife(人生の幻影)から、勉学に励む少年期の「学び」、青年期の「恋人」、老人の「幻影」の3コマの映像を英訳しました。少年その昔、一人の旅人がいて、彼は旅に出ました。そして、森の中のうす暗い道を辿っていくと、勉強の好きな少年に出会いました。そこで、旅人は少年と一緒にジュピターやジュノー、ギリシャやローマのことなどを学びました。勉強だけでなく、乗馬やクリケットも楽しんだし、夜中までダンスもしたし「シアター座」にも行きました。だが、ある日、旅人はこの少年を失いました。その名を呼んでも戻っては来なかったので、旅人は一人で旅を続けました。恋人旅人はまた一人で旅を続けました。しばらくの間は何ものにも出遭わなかったが、...ファニー(人生の幻影)

  • 馬謖は斬られた!

    あの知事選の2年前、彼は東京中央卸売市場長になった。順調にいけば、年内に豊洲移転が終わり、彼(K氏)は最後の築地市場長で、初代の豊洲市場長となるはずだった。しかし、知事が代わったとたんにあの騒動がもちあがったのである。テレビでは、小池知事になった都議会で、盛り土問題について答弁する彼(中央卸売市場長)の姿が放映されていた。部下をかばいながら誠実に答弁している彼の姿に、私は心を打たれた。わが家の近所にK君という少年がいた。とても聡明な少年だった。小学1年だった私がスキーで右足を骨折した時、一人の中学生が私を背負って整骨院まで運んでくれた。その中学生が大人になって結婚して、K君が生まれた。そんな縁で、高校3年生になったK君に英語を教えたことがあった。苦手な英語が分かるようになって東大に合格できたのは私のお陰だ...馬謖は斬られた!

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