iPadでの『太平記』読書が時間の関係もあってはかばかしく進まない中、気が付けばジャパン・ナレッジで筑摩の「明治文学全集」が読めるようになっていた。こちらはPCでも比較的ページめくりに時間がかからなかったので、iPadとの住み分けも考えて、PCで読んでみた。 とりあえずは、最初の作品からだろうということで、第1巻「明治開花期文学(一)」を開く。この「明治文学全集」は、…
日本の参議院と同じで、しばしば不要論が登場するチェコの上院だが、下院や政府から独立して機能しているので、特に議員の構成が下院と大きく異なっている場合に、独自の活動で存在感を示すという点では、廃止しても何の問題もなさそうな参議院とは違っている。去年の夏のビストルチル上院議長を代表とする議員団の、政府の反対を押し切っての台湾訪問も、その活動の一つである。 そ…
時代小説、歴史小説を濫読して飽きた後は、推理小説に手を伸ばした。赤川次郎の『三毛猫ホームズの推理』があるのを思い出して、久しぶりに読んだのが、推理小説に移ったきっかけである。中学時代に、確かシリーズの十冊目ぐらいまでは読んだと思うのだけど、一冊目の時点ではシリーズ化はあまり考えていなかったような印象を持った。一冊目が売れたから、出版社の要請で続編を出してシリ…
すったもんだの果てに、野党の二つのグループ、海賊党と市長連合のグループと、市民民主党、TOP09、キリスト教民主同盟のグループが合意に達し、下院議員の署名を集めて提出したバビシュ内閣に対する4回目だったかの内閣不信任案の審議が今日行われた。選挙まで半年をきったこの時期に不信任決議が可決されても、大統領はゼマン大統領だし何も変わらないとは思うのだが、バビシュ氏を追い…
チェコが入っていたグループAは、さらに大きな驚きが待っていた。こちらのグループに入っていたのは、ロシア、スウェーデン、チェコの準々決勝常連国に、最近安定して結果を出してい印象のあるスイス、不安定だけど強いときには強いスロバキア、さらにはデンマークと元開催国のベラルーシ、イギリスという組み合わせだった。 そもそも、イギリスがアイスホッケーの世界選手権に出場し…
ラトビアで開催されているアイスホッケーの世界選手権で、自分の目を疑ってしまうような異例の結果が相次いでいる。そもそもベラルーシとラトビアで共同開催だったのが、政治的な圧力でベラルーシの開催権が剥奪されてラトビア単独開催になったこと自体が異例だし、観客なしでの開催も異例なので、異例の結果が出るのも当然なのかもしれない。 アイスホッケーの世界選手権には、以前は…
昨シーズンが完了しなかった関係で、降格するチームがなく昇格するチームを受け入れて全18チームで行われたチェコサッカーの一部リーグ、フォルトナリガも土曜日に最終節が行われて全日程を終了した。最終の2節は全試合同時開催になっていて、以前はチェコテレビで一試合中継しながら、大会上でスコアが変化するたびに割り込みでその様子が伝えられたのだけど、今年の最終節の中継ではそ…
女子のインテルリガに続いて、男子のエクストラリガも、日曜日の午後の決勝の最終戦で、終了し最終順位が決定した。 優勝と準優勝以外はすでに決まっていて、下から紹介すると、9位から12位の4チームで行われたプレーアウトと呼ばれる追加のリーグ戦は、レギュラーシーズンの勝ち点をそのまま持ち越すこともあって、順位に変動はなかった。つまり、9位ブルノ、10位フラニツェ、11…
テレビでは全く放送されず、存在を忘れてしまいそうになるハンドボール女子のインテルリガのレギュラーシーズンが終わり、いつの間にかプレーオフが始まっていた。スロバキアのほうは知らないが、チェコ側のプレーオフは終了して最終的な順位が決定した。予想通り今年もまたモストが優勝。これで八回目だというが、来シーズンはコレショバーがドイツから帰ってくるからさらに強くなりそう…
やんごとない事情で来週職場に出る必要が出てきた。現在のチェコでは、職場に出るためには、光の条件が課されている。感染したこともなければワクチン接種を受けたこともない人間には、検査を受けるしかない。職場が提供している定期検査は、金曜日の午前中というこちらに外せない用件がは言っている時間帯設定されていたため、受けることができず、ずっと自宅で仕事をしていたのだが、そ…
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iPadでの『太平記』読書が時間の関係もあってはかばかしく進まない中、気が付けばジャパン・ナレッジで筑摩の「明治文学全集」が読めるようになっていた。こちらはPCでも比較的ページめくりに時間がかからなかったので、iPadとの住み分けも考えて、PCで読んでみた。 とりあえずは、最初の作品からだろうということで、第1巻「明治開花期文学(一)」を開く。この「明治文学全集」は、…
いや、覚悟はしていたのだけど、『太平記』長い。軍記物とて登場人物も多くなってきて、断片的な時間を見つけての読書では、話の流れを追いきれなくなってきた。それで、1頁、2頁ずつではなく、一章分ぐらいずつ読むようにしているのだが、そのためのまとまった時間を取るのも厄介だし、一章まとめて読むとなると、時間もかかるので、完全に気楽にというわけには行かず、多少の気力が必…
日本の歴史的な時代区分の中で、一番理解しにくい時代が室町時代だというのに異論のある人はあまり多くないだろう。末期の戦国時代として画期される部分も、織田信長の登場以降は、日本が統一されていく過程としてわかりやすくなるけれども、その前の応仁の乱から三好政権のあたりは、何がどうしてこうなったのかわからないことが多く、全体的な歴史の動きが見えてこないというか、理解で…
年が明けて、職場に出られるようになると、iPadをしばしば持参するようになった。どうしても発生してしまう待ち時間や、休憩時間に暇つぶしがてら古典を読もうと考えたのである。職場のほうがwi-fiの状態がよくて、ページめくりが失敗することもほとんどなく、ストレスなく読み進められるので、特に『太平記』のような長い長いお話を読む際にはありがたい。 ただ、自宅と職場の間を持ち…
思い返してみれば、軍記物語は、『平家物語』を部分的に読んだことがあるぐらいである。それで、『太平記』に行く前に、時代はさかのぼるけれども、古い軍記物語を、一つ二つ読んでおくことにした。『平家』は、光瀬版を通読したので理解はしやすいだろうけど、長すぎるので、先ずは、あれこれ伝説に彩られた平将門の反乱を描いた『将門記』を選んだ。昔荒俣宏の『帝都物語』を読んで以来…
続いて全集でも同じ巻に収録されている『徒然草』である。こちらは、『方丈記』が平安から鎌倉への転換期に書かれたのに対して、鎌倉、室町の転換期に書かれている。ただ、同時代の作品、もしくは『徒然草』のほうが古いんじゃないかと思い込んでいたことは、自戒も込めて書いておかねばなるまい。この誤解は、文章を読んで受ける印象から生まれたもので、文学史などで書誌的なことを学ん…
ほぼ一年前に書いて放置していたものである。 次なる読書の対象として選んだのは、「ゆく河の流れは絶えずして」で始まる冒頭の部分が名文の誉れも高い『方丈記』である。久しぶりの古典ということを考えると、平安期の女流文学の作品を読むのはつらい。読みやすそうなものとなると、こちらが学んだ古典文法に比較的忠実な形で書かれている中世の擬古文である。その代表が『方丈記』と『…
『霊異記』といえば、ジャパンナレッジでは、「東洋文庫」にも入っていて、原文はないが、現代語訳で読めるようになっている。以前、加入したばかりのときに、せっかくだから「東洋文庫」も読んでみようと思って手を出したのが、日本の『霊異記』と中国の『捜神記』だったのだけど、コンピューター画面上での表示とページめくりの遅さにたえかねて、どちらも最初の数話で投げ出してしまっ…
古典の読書を始める前にしたことは、一度の充電でできるだけ長く読み続けられるように、設定を変更することだった。最近のPCも含めたこの手の機械は、作り手だけが便利だと考えている機能が山のようについていて、しかも購入時点でオンになっているのが困り物である。それで設定画面を開いて、オンになっているのを片っ端からオフにしていった。ネット閲覧ソフトが動いて、ジャパンナレッ…
昨年の11月末だったか、12月初めだったかに届けられたiPadは、大きな箱に入れられていた。パッケージも、本体と充電のためのアダプターしか入っていないのを考えると、ちょっと厚すぎないかと言いたくなるもので、ちゃんとしたマニュアルが入っているんじゃないかと探してしまった。アップルの製品にそんなもの期待するのが間違いだったけど。 実際に手にしたiPadは、思っていたより…
個人用のコンピューター、つまりパソコンの一般への普及の黎明期ともいえる1980年代に中高生だった我々の世代にとって、アップル社のパソコン、マッキントッシュは憧れの対象だった。あのころ実際に目で見て触ったことのあるパソコンは、せいぜい友人の持っていた会社は忘れたけどMSXとかいう規格のものだけで、NECの98、88シリーズも存在は知っていたけど、テレビでしか見たことはなかっ…
承前 プラーハは百塔の都とも称せられて居る。ゴチック式の尖塔高く林立したる盛観は他の欧州に於ける都府で多く見らるるものでない。夫が皆中古の面影を存して基督教の勢力を振った当時を追憶せしむるのである。大詩人ゲーテはプラーハを都市のディヤデムにある真珠なりと激…
諸戸博士のモラビア・シレジア紀行に続いて、歴史学者の黒板勝美氏が世界周遊旅行の途中でプラハに立ち寄った際の記録を紹介する。『西遊二年欧米文明記』(1911年刊)については、すでにここで簡単に紹介したが、今回は記事を引用しながら、解説を加えてみる。黒板博士がこの世界旅行に旅立たれたのは1908…
これまで、猛禽類のうちの昼行性のもの、タカ、ワシの仲間について、日本語での名称とチェコ語での名称を検討してきたのだが、毒を食らわば皿までで、夜行性の猛禽類、つまりはフクロウ、ミミズクの仲間についても取り上げることにする。 昔話、それをモチーフにした映画なんかにもよく登場するから、チェコ語でフクロウのことを、一般的にはsovaと呼ぶということは知っている人も多い…
チェコ語で小型の猛禽類を表わす言葉がsokolなのに対して、大型のものはorelと呼ばれる。こちらは、幸いなことに、日本語のワシと、意味だけでなく使い方でもほぼ対応している。つまり、一般的には「ワシ=orel」で、具体的な種名を表わすときに、日本語ではワシの前に、チェコ語では後ろに言葉を付け加えるのである。 だから、お気に入りのテレビドラマ「チェトニツケー・フモレスキ…
日本語の種名としてのハヤブサが、チェコ語のsokol stěhovavýに相当することはすでに紹介したが、他のハヤブサ科の鳥たちもsokolなのだろうか。残念ながらタカの場合と同様に、sokolという言葉が使われるのはハヤブサ一種だけで、ほかの鳥たちは別の言葉で呼ばれているようである。 今回はチェコ語を基準に紹介する。日本語で聞いてもどんな鳥なのか、普通のハヤブサとどう違うのか…
さて、次の問題は、sokolのもう一つの訳語であるハヤブサである。日本語でハヤブサに対するイメージというと、やはり「速いもの」、「スピードのあるもの」だろうか。たしか、鉄道の特急や、バイクの愛称として使用されていたが、それも速さを強調するために付けられたもののはずだ。新幹線の命名に使われた音や光の速さが、目に見えない、実感できない速さだとしたら、ハヤブサは目で見る…
前回書いたように、日本語の「タカ」には、トビやノスリなども含まれるのだが、それらのタカの仲間たちはチェコ語では何と呼ばれているのだろうか。種の名称としてはjestřábだということが確認できたので、日本語でタカと呼ばれる鳥たちの多くはjestřábに形容詞が付いた形で種名とされているのだろうと予測したのだが、その形のものは「オオタカ=jestřáb lesní」だけだった…
チェコ語のsokolについては、確か京産大の出版局が発行した『チェコ語・日本語辞典』で調べたときに、「鷹」とあるのを見て以来、ずっとタカを意味するものだと思っていた。実際に、使われる場合も、日本語のタカと同様、大抵は小型の猛禽類(チェコ語ではdravec)を指すのに使われていたし、鷹狩、鷹匠を意味するチェコ語の言葉も、sokolから派生したものだったし、自分の頭の中には、sok…
チェコに住んでいる人は、気づいていると思うが、昨年の十一月、十二月ぐらいからチェコ政府による外国人いじめが一段と進行している。外国からの郵便物に関しては、その内容が何である可に関わらず、手紙扱いであったとしても、確か50グラム以上のものは、全て税関で止めて通関手続きを求めるようになっているのである。これまでは、2キロ以下の手紙扱いで送ったものは、箱入りの小包で…
『霊異記』といえば、ジャパンナレッジでは、「東洋文庫」にも入っていて、原文はないが、現代語訳で読めるようになっている。以前、加入したばかりのときに、せっかくだから「東洋文庫」も読んでみようと思って手を出したのが、日本の『霊異記』と中国の『捜神記』だったのだけど、コンピューター画面上での表示とページめくりの遅さにたえかねて、どちらも最初の数話で投げ出してしまっ…
古典の読書を始める前にしたことは、一度の充電でできるだけ長く読み続けられるように、設定を変更することだった。最近のPCも含めたこの手の機械は、作り手だけが便利だと考えている機能が山のようについていて、しかも購入時点でオンになっているのが困り物である。それで設定画面を開いて、オンになっているのを片っ端からオフにしていった。ネット閲覧ソフトが動いて、ジャパンナレッ…
昨年の11月末だったか、12月初めだったかに届けられたiPadは、大きな箱に入れられていた。パッケージも、本体と充電のためのアダプターしか入っていないのを考えると、ちょっと厚すぎないかと言いたくなるもので、ちゃんとしたマニュアルが入っているんじゃないかと探してしまった。アップルの製品にそんなもの期待するのが間違いだったけど。 実際に手にしたiPadは、思っていたより…
個人用のコンピューター、つまりパソコンの一般への普及の黎明期ともいえる1980年代に中高生だった我々の世代にとって、アップル社のパソコン、マッキントッシュは憧れの対象だった。あのころ実際に目で見て触ったことのあるパソコンは、せいぜい友人の持っていた会社は忘れたけどMSXとかいう規格のものだけで、NECの98、88シリーズも存在は知っていたけど、テレビでしか見たことはなかっ…
承前 プラーハは百塔の都とも称せられて居る。ゴチック式の尖塔高く林立したる盛観は他の欧州に於ける都府で多く見らるるものでない。夫が皆中古の面影を存して基督教の勢力を振った当時を追憶せしむるのである。大詩人ゲーテはプラーハを都市のディヤデムにある真珠なりと激…
諸戸博士のモラビア・シレジア紀行に続いて、歴史学者の黒板勝美氏が世界周遊旅行の途中でプラハに立ち寄った際の記録を紹介する。『西遊二年欧米文明記』(1911年刊)については、すでにここで簡単に紹介したが、今回は記事を引用しながら、解説を加えてみる。黒板博士がこの世界旅行に旅立たれたのは1908…
これまで、猛禽類のうちの昼行性のもの、タカ、ワシの仲間について、日本語での名称とチェコ語での名称を検討してきたのだが、毒を食らわば皿までで、夜行性の猛禽類、つまりはフクロウ、ミミズクの仲間についても取り上げることにする。 昔話、それをモチーフにした映画なんかにもよく登場するから、チェコ語でフクロウのことを、一般的にはsovaと呼ぶということは知っている人も多い…
チェコ語で小型の猛禽類を表わす言葉がsokolなのに対して、大型のものはorelと呼ばれる。こちらは、幸いなことに、日本語のワシと、意味だけでなく使い方でもほぼ対応している。つまり、一般的には「ワシ=orel」で、具体的な種名を表わすときに、日本語ではワシの前に、チェコ語では後ろに言葉を付け加えるのである。 だから、お気に入りのテレビドラマ「チェトニツケー・フモレスキ…
日本語の種名としてのハヤブサが、チェコ語のsokol stěhovavýに相当することはすでに紹介したが、他のハヤブサ科の鳥たちもsokolなのだろうか。残念ながらタカの場合と同様に、sokolという言葉が使われるのはハヤブサ一種だけで、ほかの鳥たちは別の言葉で呼ばれているようである。 今回はチェコ語を基準に紹介する。日本語で聞いてもどんな鳥なのか、普通のハヤブサとどう違うのか…
さて、次の問題は、sokolのもう一つの訳語であるハヤブサである。日本語でハヤブサに対するイメージというと、やはり「速いもの」、「スピードのあるもの」だろうか。たしか、鉄道の特急や、バイクの愛称として使用されていたが、それも速さを強調するために付けられたもののはずだ。新幹線の命名に使われた音や光の速さが、目に見えない、実感できない速さだとしたら、ハヤブサは目で見る…
前回書いたように、日本語の「タカ」には、トビやノスリなども含まれるのだが、それらのタカの仲間たちはチェコ語では何と呼ばれているのだろうか。種の名称としてはjestřábだということが確認できたので、日本語でタカと呼ばれる鳥たちの多くはjestřábに形容詞が付いた形で種名とされているのだろうと予測したのだが、その形のものは「オオタカ=jestřáb lesní」だけだった…
チェコ語のsokolについては、確か京産大の出版局が発行した『チェコ語・日本語辞典』で調べたときに、「鷹」とあるのを見て以来、ずっとタカを意味するものだと思っていた。実際に、使われる場合も、日本語のタカと同様、大抵は小型の猛禽類(チェコ語ではdravec)を指すのに使われていたし、鷹狩、鷹匠を意味するチェコ語の言葉も、sokolから派生したものだったし、自分の頭の中には、sok…