そもそもおれたちは銀河の東の方から放逐されてここにいる。おれたちは一人ひとり箱詰めされて、発送されたのをすっかり忘れてしまって、この大地も植物も水のなかのいきものも、自分たちの仲間のような気分でいる。緩衝材とともにここに送られてきて、開封されて空気というものを初めてすったのに、そんなことなかったように暮らしている。コンビニでパンを買ったら、レジから「クーポンが発券されました」という声が聞こえて、おれはペット・ボトルのブラック・コーヒーを一本もらった。そんなことがもう一度あって、いよいよおれの栄光はきわまって、ボスポラス海峡より東の教会をすべて統治するのではないかと思った。その後、おれは真実を知…