熊野古道のある小さな町で夫婦2人と猫一匹、田舎暮らし始めました。
横浜から、和歌山県新宮市と三重県熊野市に挟まれた紀宝町という田舎町に引っ越し、ピアニストの主人と田舎暮らしをスタートさせました。手作りのログハウスで、半農生活、半自給自足、経済的な自活を目指して日々を丁寧に暮らしています。
終わったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
気持ちはこの上なく元気なのだけど、わたしはとりあえず人間です、というレベルでグダグダになっているのである。 二月上旬からフィリピンのマクタン、ドゥマゲテ、シキホールと島を転々とし、台風に巻き込まれ帰宅もずれてやっと自宅にたどり着いた。 一気に疲れや気のゆるみが出たのか、風邪も...
おなかがすいたな、ブラウニーが食べたい、けど、家には甘いものが今は何もない。 つくる元気はないし、あたたかいお茶で濁して眠ろう。眠ろう。 力強く、やさしい夢が見れるように。 風がびゅーびゅー吹いている。こんな夜は、もうみんな息なんてしていないだろう。カエルも鹿も...
事故の筋肉痛が治ったと思ったら、背中がぎっくり背中になってしまったよう。 腰や首以外にもあるなんて! もしかしたら、事故で筋肉が緊張で凝り固まっていたのかも。 右側の肩甲骨の横のとこがとても痛いのだけど、不思議と左手を使った時のほうが痛いのだ。筋肉のつながりや動きってふしぎ...
あ、と思う間もなく、地面にたたきつけられる。 何が起こったのかを把握する前に、自分の口から驚きの声が上がるのを遠耳に聞いていた。 2人でバイクに乗って6年……あっけなくわたしたちは転んでしまった。
波風おさまる、今日。
波風たつ、としのせ。
オーブンの窓の茶色い窓の向こうで、ふくふくと膨れていくスポンジケーキ。 スポンジケーキは、子供のころ、何度も何度も何度も焼いたから、今でも得意。わたしが料理や製菓が好きになるきっかけでもあった。 スポンジケーキの味が好きだったのではなく、卵を泡立てていくと、何倍にももったり...
夜には夜の安心があると知る。 日が暮れてしまうと、そこから部屋の明るさは安定し、それが集中のもとになる。時間がすこしだけゆっくりとなり、そのあいだにいろいろなことができるし、いろいろを考えることができる。静かに。
新しい元号がなんになるか、という話で盛り上がるうちに、1時間半歩いてしまう。いくら動かしても口は疲れないけれど、足はじーんと疲労がたまる。 そんな体に鹿肉のカレーがおいしい。
猫が、3匹こどもを産む夢を見た。
玄関側の窓辺、暖炉の並びに、東京から気に入って買って持ってきたソファをふたつ並べている。 今日の井内は、鉛筆の粉で紗をかけたみたいにグレイ。車が時折道をゆく(大体白の軽トラ)以外は動くものがほとんどない。 野良猫も来ていないのだし、特別静かな昼の時間。
冷蔵庫に残っていた野菜のきれはしを全部刻んで、野菜たっぷりのコンソメスープをつくる。 ローレルを2枚、白コショウと、隠し味に、トマトを感じないくらい、ケチャップを少し。 家の味のたべものを腹におさめて、帰ってきた実感を体に染ませていく。
エスカレーターに乗ると、つい左に並んでしまい、あ、しまった右だった、と並びなおすのを一日繰り返していた。 大阪天王寺は、人でいっぱい。黒やグレイのアウターで、春夏秋よりくすんだ冬の都会。
結婚後、はじめて戸籍謄本を取得した。 調べてみるまで、わたしは戸籍についてまったくよくわかっていなかったんだなぁ。10代でパスポートをつくったとき、わたしの戸籍は実家にあり、実家のある志摩市ので手続きをした。 今、わたしの戸籍は、大阪の柏原市にある。 井上と結婚したとき、書...
わたしのなかで、荒波のような数週間が流れ、そしてふたたび地に足がつく。 帰ってきたと感じ、おかえりなさい、と口にして、わたしは何度も何度も自分で台無しにしたところへ戻っていける。 それは、誰かがいかに、そこは不完全で、アンバランスだと行ったとしても、わたしにとって、平らで、う...
42号線沿いのローソンで、井上はアイスカフェラテを、私はホットのデカフェラテを買った。コーヒーは弱いのだけど、ミルクがたっぷりでこれはこれでとてもおいしい。 手にもって、道路むかいの防風林を抜け、浜辺へと出る。
夏がぶり返した日。じりじりと射す日差し。朝、散歩みち、なるだけなって放置されたイチジクが、うんだように転がっている。 でも、洗濯物がよく乾くので、うれしい気持ち。調子に乗って2回洗濯機を回した。
1週間くらい前に、幕を引いたみたいに夏が終わって、一気に肌寒くなった。夏らしいとうもろこしのようなにおいの風があっちこっちに飛んで行って、もう土のにおいが強くなり、夕暮れははちみつ色。 そのせいで、煮込み料理が続いている。
遅い夏がやってきた。37℃の温度計を凝視して、目のほうが先に溶けていく。どろどろ。
暑い。日が当たる時間帯の2階の寝室は、うだるよう。昼前には目が覚めても、おなかが痛くて丸まったまま、じっとしていたら、体中からじんわりと汗がにじみ、気持ち悪いのをとおりこして、少し気持ち良くなってくる。 ぬるいシャワーで全部洗い流したら、おなかが痛いのも少しずつましになっている...
井内中が、香ばしく焼けるにおい。黄金色の稲が刈られたにおい。 大きく息を吸って吐いて体の力をつとめて抜く。
夕方から、バイクに乗って熊野へ。今日は、熊野の大花火大会だから、気もそぞろになっている。 じめじめとした風を切って、141号線をゆくと、熊野にゆくにつれ車が増えていき、市街地の手前のトンネルから、少し渋滞気味となる。これは、ここらへんではおそらく今日一日ひか見られない光景だろう...
8/15は、紀宝町の鵜殿港のお祭り。 港のすぐそばに、ローカルなスーパーがあるので、そこでお祭り中に食べるお菓子などを買う。となりに、小さなコーナン(ホームセンター)があり、そこでものすごく安い季節外れのプラムと桃の苗も買った。
夕立のあと、外へ出てみたら、山が蒸発していくみたいに、白い息を吐いていた。こもった熱が、雨と一緒に逃げていく。そこいらじゅうが、その日最後のオレンジ色の光を浴びてきらきらと光る。それをすーっと経つようにバイクで走っていった。
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