擬宝珠 - はんなりマンゴー
フィリピン生まれの愛犬マンゴーとともに京都及び関東の京都上京区だと提唱する高円寺で自分のルーツ探し。
陶芸、多肉植物、カフェめぐり、外国人もてなし、内装、御朱印、寺社仏閣、料理。
全草が有毒だと言われる彼岸花。食べるともう「彼岸=あの世」に行くだけだとも言われる。 リコリンという有毒物質は花の蜜には含まれないのだろうか。あるいは揚羽蝶には耐性があるのか、敢えて毒を取り込んでいるのだろうか。 これが薄暗い森の中ならば死花に死蝶の幻想的な景色になるのかもしれないが青空の下の市街地だと華やかな光景でしかない。 一輪、家の中に招き入れた。もう盛りを過ぎた花なのですぐ枯れてしまうだろう一時の光景。
いつぞやの大学の友人と行った中野のマグロマート。 マグロの各部位を刺身として食べさせてくれたりとマグロ尽くしなのだが臭みもなく美味。 これまで弁当でしか食べたことがなかったが、マグロマートには店舗ならではの魅力もあると学んだ。 名物のマグロの中落ちを木のスプーンでこそげ落として手巻き寿司にして食べる。複数で卓を囲むと盛り上がる一品。表を食べ尽くしたらひっくり返して裏も食べるのでなかなか量もある。 美味いな。 家族と来たい。
植物を引き立たせることを優先して全て白くまとめた蝉幼虫の陶蟲夏草鉢。良いのではないか。 開口部を大きくとっているので、何か群生株を植えたい。 金網で形を作ってあげて土を上部に立ち上がらせようか。 巨大な粘菌菌糸体のような形状にしてみたら面白いかもしれない。 試作品としては上々。 脚の関節をしっかりとドベで着ける。 水抜き穴を増やす。 どう接地させるかを再検討。理想は6本脚の先だけで設置して胴を浮かせること。 次の作品への発想が広がる。
お題を頂いた。「もしも」といった想像上の設定で博物的なモノを造ってくださいとのこと。 そこで作ってみたのがカンブリア期の古代生物「アノマロカリス」を苗床にして育つキノコを模した鉢。造形作業2時間。 アノマロカリスは海の中の生き物だし、カンブリア期のその頃に冬虫夏草のような寄生するキノコがあったかは知らない。そもそもアノマロカリスは最大体長38cmと推定される比較的大きな生物でキノコの寸法とも合わない。 そんなありえないものを組み合わせた姿形を表現するのが「もしも」のお題なわけだ。 体側のヒレや頭から出た2本の前部付属肢がいかにも繊細で触るだけで壊れそうだ。無事に焼けるだろうか。気休めに粘菌子実…
変わらずに暑いように思えても確実に季節は進んでいる。
踊り子号に乗る前に時間があったので下田のペリーロードを散策した。あの黒船で江戸幕府に改革を迫ったペリー提督がついに下田と函館を開港させることに合意した日米和親条約。 追ってその日米和親条約の細則を定めた下田条約を調印したのがこの了仙寺だという。間違いそうだが日米和親条約を下田で調印したわけではない。 初代駐日米国公使タウンゼント・ハリスはかつて父と兄が営む貧しい陶磁器の輸入業を手伝っていたらしい。その後、輸入貿易船を手に入れて上海に渡っていたハリスはペリー率いるアメリカ東インド艦隊に乗船を願い出て日本に渡ろうとするも軍人ではない為断られている。 しかし諦めずに「ハリスは国務長官など政界人の縁を…
南伊豆国民休暇村の屋上はテラスになっていて足湯がある。 弓ヶ浜を防砂林越しに望める見晴らしの良い屋上テラスだ。 そこに並ぶハンモックに揺られ夕陽を堪能し、夜には星空カフェもありリンゴジュースやコーヒーを飲みながら星空を楽しむことができる。 最近は便利なもので星空アプリでその方角を見ると星座を教えてくれる。 満天の星空。この画角に写る最も明るい星、3点が夏の大三角形だ。左に鷲座アルタイル、右上に白鳥座デネブ、右下に琴座ベガの二等辺三角形を頂点を左に倒した形をしている。 写真に写っていないがベガ、アルタイルを1辺とした下側にある正三角形のもう一つの星はラス・アルハゲ。もう少し知名度があっても良さそ…
ちょうど1年前の9月18日に亡くなった愛犬マンゴー殿を偲び悼む「羊頭狗肉」2弾。 子犬だったころを思い出して頭の大きい足取りも不器用な頃の姿。ホテルのスリッパを嚙みちぎって部屋をゴミだらけに散らかしたっけ。 アイキャッチと呼んだか、羊の眼も犬の眼も光が当たるとより生き生きとした表情になる。羊頭を被った人に手をさらに加える前に乾燥して中途半端な状態で造形が中断されてしまったのが少し残念。 大きな不幸もなくそれなりに幸せな犬の一生を送ってくれたのだと思うし14歳の死は悲劇でもないはずだが寂しい。あの温もりと獣臭が時折、実感を持って思い出されてしまう。 作り続けたら部屋が溢れてしまう。
コロナ禍で長らくご無沙汰していた南伊豆国民休暇村に4年ぶりに来た。9月の連休は直射日光は和らぎつつも暖流のおかげで泳ぐには十分に水温が高いので穴場だ。 遠浅の弓ヶ浜で泳ぎ、砂の城を築いて遊ぶ。 大きくなったな。兄は無駄にプール用の帽子を被っている。子供達の荷造りは子供達に任せているので余計なものを持ってきていたり肝心なものを忘れていたり。一度、弟が代えのパンツを忘れて兄のパンツを借りていることもあった。 南伊豆国民休暇村の素晴らしいところは目の前に遠浅の美しい砂浜。そして徒歩数分で宿に戻り温泉で海水を洗い流せる。 そして足湯もある屋上のハンモックで涼むことができる。 3度目の南伊豆国民休暇村泊…
宝石象虫の陶蟲夏草一輪挿し。 右前脚が欠損しているのだが、単に造形ミスのように見えてしまう。 中、後肢なども欠損させて風化した亡骸なのだともっと主張させるべきだった。 脚を欠損させるならばもっとわかりやすくしないとダメだ。 白い釉薬に翡翠色を垂らして滲ませた模様は面白そうだ。まるで日本画の垂らし込み技法のよう。これを宝石象虫の背中の模様のように作為的に作ってみたい。 習作としての学びはあった。
オレンジでもイエローでも黄花秋桜(キバナコスモス)なのは色に対しての感受性に乏しすぎやしないか。 花弁の透過性は素晴らしい。見下ろすよりも見上げるべき花だ。 一輪挿しの良いところは冬虫夏草のコンセプトから遠ざかろうとも庭に咲く草花を摘んで家で楽しめるところ。植木鉢にはない楽しみの軽さがある。 一通り生花を楽しんだら、粘菌の子実体らしさの出るドライプランツに挿し替えると落ち着きが出る。 釉薬が流れすぎたか。
ヒスイホコリと名付けた粘菌子実体を加飾した一輪挿しや植木鉢の作品群。 こんなに作ってどうするのか。売るのだ。売る前提だからこそこれだけの数を作った。 売ることは生産量を上げることに繋がり、制作技術の向上にもつながるようだ。 しかし庭の一角に一面に苔を張ってこれら鉢を半分埋めて植物がニョキニョキ生えている光景も面白そうな気がする。 なんだかとってもアートな静寂な光景になりそうな気がする。 苔からヒスイホコリが、ニョキニョキと飛び出している光景も面白そうだ。鉢は地中に埋めてしまい、ヒスイホコリと蟲だけが苔の中から飛び出ている苔海原。 大掛かりな作品も作ってみたい。 このヒスイホコリと名付けた粘菌子…
初めてツノゼミを作ってみた。一部の人たちの間では人気のあるモチーフなので逡巡があった。 実際の角はもっと長いらしい。とりあえず初号はこんな感じで。 丸い球ももっと細い軸で繋がっているが強度的にこれ以上細く造るのは何か工夫しないと難しい。 初めてにしてはまあまあか。もう少し練習を重ねていきたい。
腹部の段々がうまく表現できたように思う。グロテスクと写実とデフォルメのはざま。 草食の昆虫にもかかわらず致死的な被害をもたらす凶蟲でもある。 生息地に食料がなくなると翅が伸び大群となって長距離飛翔して新天地の穀物を食い尽くす災い。そんな蟲になぜ虫偏に皇という漢字を当てたのだろうか。 かなり多めに釉薬を発砲させ粘菌子実体に筆塗したのだがどうだろうか。粘菌らしいアメーバ状に広がり形を変えていく雰囲気が出たように思う。 枯れた茎と種の鞘が雰囲気としてはあるように思っている。 眼の虚ろさが良い。肢はここまで欠損させないほうが良かったかもしれない。次回は後肢はしっかりと残そう。 例えば天面の蟲の周囲に苔…
団子蟲の陶蟲夏草一輪挿し。粘菌子実体に緑青色が綺麗に発色してくれた。 表面を発泡させたテクスチャーで有機性を表現するのではなく、釉薬の複雑で深い色合いで有機性を表現する試み。 ドライプランツを合わせるとヒョロヒョロと伸びて炸裂間近の胞子嚢のような世界観がより広がる。 棒状に伸びた枝ではなくこのようにヒトクネリした枝を探すのに苦労する。 良いんじゃないかね。この様式は一つの完成形に達したと思う。
ひょんなことから埼玉スーパーアリーナのLDH主催のSAMRISEというコンサートに顔を出してきた。 私はEXILEやRAMPAGEなどのファンでもないしコンサートにも行かないのでターゲット客層ではないことを前提にしておく。 ライブと食と酒の新しい形の祭典なのだそう。 LDHがライブをしているアリーナのメイン会場。 スマイルバーというビール、ワイン、ウィスキー、日本酒など試し尽くせない各ジャンルの酒をテイスティングできる飲食ブース。 会場の外でも阿波踊り、よさこいなどパフォーマンスしている外会場。 これら3エリアで構成されているがバラバラに行われている印象があってそのエリア間の人の移動は少ないよ…
2年かけて産卵させ幼虫から育てあげたミヤマクワガタ。手の上に乗せて動き回らせるのが少し痛くくすぐったく、可愛い。 クワガタの最大の可愛いポイントは触覚だとようやくわかった。立派な大顎がクワガタの見どころなのは間違いないが、可愛いと思うのはフワフワと動く触覚。異論は認めない。 小ぶりなミヤマは元気に動き回る。 一番大きい個体は無事に綺麗に脱皮したが原因不明の予後不良で亡くなってしまった。内部は腐りかけていたので難しいかもしれないが標本にできるか試みてもらうために「むし社」に預けてある。 幼虫期間が2年と長いのでもうミヤマクワガタのブリードはせずに家仕舞いさせて頂く。何せ2年後には息子たちの関心は…
何だかよくわからないものを作っている。羊の如意輪観音。前脚が六臂、後脚が一対。 手捻りで1時間半の造形。適度な雑さ、粗さで留めるのが肝要。精緻に端正に造ったら素朴さが消えてしまう。 人間の手のような姿勢をとらせると骨格の構造が異なる山羊の脚はなんだかおかしなことになってしまう。 光背のように鉢を背負う。そこに植物を植え込めるようにしてある。 これを10月初旬に京都に行く際に手土産に持って行こうと思っている。禅寺に仏像モチーフなど場違いで失礼かもしれない。 私的な空間で遊んでもらえれば良い。いや、来客が目にするところでは差し支えるだろうから内庭の隅の雨風が当たるところにでも置いて欲しい。 野晒し…
幡ヶ谷のラム酒専門店。ラムしか置いていない。それをロックやモヒートなど様々なスタイルで飲ませてくれる。 これまでの人生で最も美味しいと感じたラム酒はなんと日本国産だそうだ。国産黒糖キビを用い、麹や12種のスパイス&ハーブなどの伝統素材を活用して作られているという。作り手はスコットランド人。醸造所はなんと東京は田園調布。 ここまで個性的だが受け入れやすい風味が際立ったラム酒は初めて飲んだ。 2022年設立の真新しい蒸留所。これは話題になっていくブランドではないだろうか。他にジン、ウォッカもある。
昼顔が朝陽を透過して見せた奇跡的に美しい一枚。逆光はドラマチックにしてくれる。 たぶん、今のところ一番売れやすい人気の陶蟲夏草の型がクワガタの成虫の陶蟲夏草鉢。見た目のわかりやすさがある。 こちらは粘菌子実体を発泡させ、粘菌のアメーバらしさを強調したもの。不思議なものであまり銅系釉薬は発砲しない。 柘榴の花がこんなに元気な橙色だったとは。屋外で見るのと葉を落として室内に取り込むのでは印象が変わる。 キメの組み合わせはこちらだろう。バーゼリアレッド。まだ水分を含んでおり、葉は緑、花に紅色が残っている。 これをこのまま乾燥させて出来上がり。ドライプランツバージョンは落ち着く。
大土蜘蛛はタランチュラの和名だそうだ。大土蜘蛛と呼ぶと毒蜘蛛の印象が薄れる不思議。 胴や脚に粘菌の子実体を生やし、発泡させてより有機的に表現してみた。 なかなか満足のいく出来。 蜘蛛の兄弟鉢。 蠅取蜘蛛が威嚇の姿勢で朽ちている。 花を合わせるとどこか滑稽だ。 それを愛嬌と捉えれば許容できるかもしれないが真に迫る芯に欠ける。 やはり瑞々しい花ではなくドライプランツが合うように思う。 このドライフラワーのメタボリズム溢れる姿が秀逸。増殖して肥大して胞子をいまにでも撒き散らしそうな姿。蜘蛛の子の亡霊か。 なかなか手に入らない枝に出会えた。もう、他に変え難い。 枝にうねりがあって素晴らしい。 タランチ…
今回の釉薬を発泡させて粘菌が浸潤した様を表現する試みが最も成功したのがこの作品かもしれない。強度は損なわれるが細い軸の粘菌の子実体を蟲の横に添えた。ジクホコリだ。鉢の外周から飛び出さない範囲に作る分には問題なさそうだ。 ガラス瓶にもピッタリのサイズで水を入れ、花を活けられる。 上出来。
拾ったクスサンの繭を少し綺麗にして持ち帰った。それを合わせてみたら劇的。 アミダケのような雰囲気が加わった。自然の造形美の前には私の造形力なんぞ無力だと思い知らされる。 クスサンの繭をもっと収集して、陶器でジクホコリの軸だけ作って組み合わせたら巨大で精緻な粘菌子実体ができるのではないか。 問題は東京の住居近辺にクスサンは生息していない。奥多摩にでもいけば見つけられるだろうか。 朝陽を浴びると綺麗なのですよ。
地元住民が待ちに待った高円寺阿波踊り。溜まった鬱憤を晴らすかのような熱気だった。しかも本場徳島の阿波踊りが大雨に見舞われる不安があったので高円寺が希少な最大規模での阿波踊りとなった。コロナ前には3日間で100万人の観光客が集まると言われたが今年もそれに近いのではないか。 リズムが速くなる瞬間が好き。 3時間踊るのだから踊り子にも覚悟と修練がいる。しっかりと腰を落とし、膝を曲げ、脚を跳ね上げると美しいが体はきつい。なのに笑顔だと観客はもう魅了されてしまう。 激しい舞に時折差し込まれる静止。 ふくらはぎが張り詰める。 コミカルな動きで笑いをとる男衆も。 アジア連なんてのを初めて見た。各国の衣装を着…
命の尽きる最期の数週間を羽ばたかせた翅。その立派な翅を目立たせたかったが悪くない出来。 粘菌の子実体をイメージさせるドライプランツもサイズ感や形状が実に合うように思う。 そして空を引っ掻くように動く脚。 結実した7つの珠は蝉の魂か。儚さのようなものが何となく形にできたように思うのだけれどもどうだろうか。 左右は違うし作りは甘い。改善すべき点は多々あるが、愛すべき作品にはなった。 まだまだ踏み込める気がする。
「ブログリーダー」を活用して、マンゴーさんをフォローしませんか?
擬宝珠 - はんなりマンゴー
15品で臨んだ素焼き工程。 素焼きでは破損することなく無事に焼き上がった。収縮率の異なる土を組み合わせているため剥離したり一部が落下して割れたりすることは十分にある。 そして鬼門なのが釉掛け作業。素焼きしただけの状態はびっくりするぐらい強度がない。そもそも接合部がかろうじてついているだけだったりするからもつ部位を間違えるととれて本体が落ちる。 やってしまった。不注意で2品破損。しんどい。一つが倒れ、もう一つを巻き込んだ。 さらに今回、楽しみにしていたカマキリも釉掛け段階で破損して廃棄。さようなら。手跡のある粗さとディテールのバランスが良いと思っていたのに。顔を単純に三角形に作らず口吻の機構を適…
このセミ幼虫型の陶蟲夏草鉢でしばらく、庭摘みの花を活けて遊んだのでそろそろ何かを植えて育てることにした。 サボテンに見た目そっくりなユーフォルビアにするか 冬虫夏草感がとても出るクラッスラ「ゴーラム」にするか はたまた球状のホリダにするか。悩んだが決め手に欠け、他の人に判断を委ねてみることにした。 Threadsにひっそりと陶芸アカウントを作ってみたのだけれども、アンケート機能なんかがある。24時間で質問に誰かが答えてくれる。誰がどの案に投じたのかはわからない。結果としてはクラッスラゴーラムが一番人気だった。 そんなわけで植え込んでみた。ゴーラムは多肉植物といえど水を欲する方なので土は観葉植物…
酔った勢いで注文したのを忘れていた。注文したのは3月にシアトルの温室で翡翠葛を見てからで暖かくなった6月以降に発送される品だった。それが今日届いた。 3年越しのミヤマクワガタを飼育し終わったと思ったらまた厄介なものを迎え入れてしまった。ミヤマクワガタは酷暑の東京でも25℃を保つという厚さに対するチャレンジだけれども、ヒスイカズラは8℃を下回らないようにするチャレンジ。 簡易ミニ温室を作るしかないかな。ん。開花まで3年程度かかるとは知らなかった。 とりあえず今年の夏は毎日水やりして直射日光の元で大きく育って体力をつけてもらおうか。
週末も働く日には「庭の湯」に限る。そして途中に立ち寄りたくなるのが渋谷園芸。オザキフラワーパークを小さくしたような店だと思っている。 ガガイモの怪しい花に衝動買いしそうになったのだが、とても臭いのだよね。腐臭のする花。部屋で咲かれると「あれ、何か食べ物が部屋のどこかで腐ってる?」となる。断念した。 なかなか魅力的な容姿の多肉植物やサボテンを置いていて、今回気になったのはこちら。 そして園芸店らしからぬ素敵なレストランを併設している。 テラス席が春秋は気持ちが良い。夏冬だって客は多い。 室内席も風情があって捨てがたい。 しかしお気に入りはサンルーム席だろうか。 珈琲を飲み、クラブサンドを食べなが…
早朝にジョギングしてこの「バラード」でモーニングを食べながらその日の作陶計画を練り、丸一日工房に引き篭もることに充実を感じる。 カフェではなく喫茶と呼ぶのが正しいように根拠なく思ってしまう古色ある空間。 シュガーポットの銅の金属光沢が観ているだけで癒される。 そして50年前から変わらない一つの様式と化しているこの喫茶店モーニングのサラダ。 珈琲も酸味が強かったり奇を衒わない香り高くバランスの取れた安心して飲める味。 サラダ、ホットドッグ、珈琲のモーニングセット700円は今時、とても良心的な値段だ。他にもサンドイッチなどいくつかモーニングメニューはある。 このミルクピッチャーのスタイルの良さよ。…
ふとした空白の時間に最近亡くなってしまった親戚のKのことばかりを考えてしまう。 10歳ほど歳下だが一番近くに住んでいる親戚の男の子で子供の頃はそれなりの頻度で会っていた。まつ毛の長い子供の頃はなんとも可愛らしい彼だった。最近、自ら命を絶った。 大人になってからもう何年も会っていなかったので、会っていない日常と彼がこの世からいなくなってしまってからの日常の間で私にとって物理的な違いは無い。会いもせず生活で接点もなく助け合うこともない親戚はたくさんいる。会えば懐かしいし近況を聞くし親愛の情はあるのに。考えてみれば多くの親戚や友人に対して会いもしないくせに勝手に元気でやっていてくれることを期待してい…
焼き上がってから半年以上経っているかもしれないホウセキゾウムシをようやく作品に仕立てた。 コチレドン「福娘」を植えてしばらく手元で育てた。 これを追加納品した。 庭先において撮影。 こんなものをポツポツと散在させた庭にしたい。 治安がそこまで良くないようで庭先に置いておくと勝手に持って行かれてしまうのだよね。いつも通りがから際の楽しみにして置いてくれれば良いのに。
やはりフランスの痩せた海で育った貧栄養の牡蠣は日本のぷっくらと肥えた牡蠣とは違う美味しさがある。
パリの地下鉄は歴史が古い分、トンネルの高さや幅も狭く車輌も小さい。そしてよく止まる。フランス語のアナウンスは理解できなかったが乗客が一斉に「プターン」と吐き捨てていたのには笑えた。英語のF○CKみたいな意味だということだけはわかる。 北側からモンマルトルの丘を歩いて登り、 サクレクール寺院を目指す。 以前はモンマルトルのTerrass Hotelを定宿にしており、朝の散歩に無人のサクレクール寺院まで来たものだ。 オーバーツーリズムというやつか。寺院に入る為に100m近くの行列ができている。 階段はこの有様。歩いて降りるにも右往左往する賑わい。 迂回路を降りていき、博物標本の店を再訪した。前回訪…
ウサギノネドコ東京店に追加納品に行った。6つほど売れていた。私としては技量不足、魅力の発信不足を感じているが店長さん曰く売れ行きとしては上々で会期を考えるとちょうど良い追加納品のタイミングだという。 京都店で3ヶ月お呼びのかからなかったハエトリグモが売れていたり、今までの感覚だと早く売れていく傾向にあるダンゴムシとクワガタムシがまだ残っていたり。統計的有意性をうんぬんするほどのサンプル母数がまだ足らないということなのかもしれない。 お客さんは外国の方が半分だという。年代も30代、40代から60代までまちまちで欧米系が多いそうだ。 私の作品はどれも一点モノなので一般的なモチーフでもなく、買い求め…
5年ぶりだろうか。パリはモンマルトルより北にあるクリニャンクールの蚤の市。 蚤の市というには没落貴族の放出品のような高級品からジャンク品までピンキリの商品が並ぶ。 ギリシャやイタリアの石像だろうか。安っぽい石膏像ではない。 こんな貝や珊瑚の店もあった。ウニの骨格の大きなこと。 とても綺麗な貝が多いが日本でもう少し安く買えるものばかり。鮑貝を真珠質まで磨いたものが35€で売られていたのには驚いた。貝に関しては東南アジアに近く沖縄も擁する日本の方が豊富に手に入るのだろう。 室内にも店は続く。 クグロフなどの銅製菓子型は壁に飾っても素敵だし、実際に使えるのだろうけれども我が家には宝の持ち腐れだろう。…
5年ぶりだろうか。クリニャンクールの近くのリサイクルをテーマにした廃駅舎をリノベーションしたカフェレストラン。 前回は3月のまだ冬空だったが今回は気持ちの良い春日和。大勢が外の席を争う陽気。 モンステラは相変わらず元気に育っていた。 ベジタリアンやグルテンフリーのメニューが充実しているがここは鶏肉のプレートを注文。ハニーマスタードグリルで美味だった。野菜と果実を発酵させたジュース、クロワッサン、バゲット食べ放題が着いてくる。 2階も素敵なのだよね。 ヌシが気持ちよさそうに寝ていた。 屋上には蜜蜂の飼育箱が置かれていた。日本でも飼育箱を置いたら蜂蜜を採れるようになるのだろうか。 鉄階段には昔なが…
パリ出張時にこれまで3,4回会っている大学時代からの友人と夕食を共にした。 もうかれこれ20年もパリでドレスデザイナーとして組織にも属さずやってきたことで昨年政府から表彰を受けたという。COVID前にアトリエをお邪魔した際に会った奇天烈な日本語Tシャツを着ていたトランスジェンダーのアシスタントはGivencyのパタンナーをしているという。歴代のアシスタントは皆、ファッション業界でステップアップしており彼女もそう後押ししているそうだ。年齢に従い給与も上げていかないといけないので経営を考えると育ったら送り出し、給料の安い若い才能のある人を採用し育てていく方針らしい。 フランス人の夫は貴族で祖父は歴…
シャルトル大聖堂はシャルトルブルーと呼ばれる青いステンドグラスが有名だそうで 大聖堂の脇にはステンドグラス屋があった。 蟲モチーフと言っても蝶ばかりではあるが眺めていて楽しかった。 日本画の花鳥風月画的趣を感じる。 そのうち、ステンドグラスに絵を描いた作品を作ってみたいと思っている。
モンサンミッシェルに行こうと思っていたが19時の友人との食事の約束を考えると片道4時間の距離にあるモン・サン・ミシェルは少し遠すぎる。そこで1時間半で簡単に行けるシャルトルに行くことにした。 二階建ての窓からは田園風景を楽しめる。 今は花々も咲き美しいことこの上ない。 あっという間にシャルトルに到着。 これが私にとって海外の世界遺産101ヶ所目となるシャルトル大聖堂だ。のちのランスやノートルダム大聖堂の見本となった建築史において大きな意味を持つゴシック建築。
シテ島からルーブル周辺を散策し、パレ・ロワイヤルという旧王宮庭園に迷い込んだ。 ルーブル美術館の前の芝生にて。 そしてパレ・ロワイヤル庭園。ここでも写真を撮ったりして楽しんでいたのだが、ふと庭園の周囲に小さなギャラリーがあることに気付いた。 個展を開催しているアーティストBenjamin Seroussiは自分でアナログ写真を撮影し、それを大理石の板に印刷しているのだという。 大理石の縞模様が現れており、そこに彼の写真が重なっていて素晴らしい。 ライム岩のような岩は真っ直ぐに切ることが難しい脆い岩なのだそうだが氷裂釉のような結晶模様が入り人物の肌や衣服と重なると素晴らしい。 黒い小さな作品の値…
博物標本店の聖地とでもいうような有名店DEYROLLEはフランス・パリにある自然科学と教育学のためのパリのメゾンで剥製や標本、自然史に関連する多くの専門的な書籍も販売している1831年創業の老舗専門店。非常に貴重な動物個体の標本が数多く陳列されていたが不幸にも2008年に電気系統からの出火で全焼してしまったらしい。多くの人に大きな衝撃とショックを与えたという。 篤志家の寄附もあり20xx年に新しい地に復活することになった。 そんなDEYROLLE。壁はライムグリーンの部屋に様々な動物標本が置かれている。陳列というと違うかもしれない。サイズの揃った標本が一列に並んでいるのではない。大小様々なもの…
この明るさで20時。パリチームが各国から来た出張者たちをセーヌ川ディナークルーズでもてなして下さった。唯一の難点は23時まで途中離脱できないディナーでもある。 もはや高さ300mのエッフェル塔は決してとても高い塔とは言えないのだろうけれども周囲に構造建築が皆無なので100年前の人たちが見上げた時と変わらぬままに威風堂々としている。 人間が2倍の身長になったわけでもないのだから600mも800mも1000mもの高さの観光塔やビルは要らないのではないか。世界で何十番目かの高さのビルに囲まれた魅力の失った観光塔は沢山あるがエッフェル塔の魅力は全く褪せない。これは何か示唆的ではなかろうか。 橋の上から…
5年ぶり、いや6年ぶりだろうか。久しぶりのパリ。アラスカ方向を抜けていくので直行便でも14時間かかる。 Clichyというパリの北西にある中心観光地からは少し遠い場所にあるホテルに泊まった。内庭にある4階建ての落ち着いた雰囲気のホテル。 庭の草木が美しい。ソファ一つとっても洗練されてお洒落だな、と感心する。 残念ながら1日のどこかでまとまった雨が降る日々なので庭のデッキソファは濡れていて座れないのが少し残念。完全に内庭なので車も通らないとても静かな環境で気持ちが良い。 朝食はチーズがよりどりみどり、白カビウォッシュ系から山羊のハードチーズまで。 部屋も広々としていた。 縦にも横にも寝れるキング…
明治維新における様々な自由化が正しいと頭では理解しつつも商業や経済的自立に適応できずに没落していった武士階級。 民主化と経済の自由化が国に希望をもたらすと知りつつ、共産主義時代の非効率では生産的な働き方から変化適応できなかったルーマニアで見た多くの中高年たち。 彼らの心情はどのようなものだったのだろうかと思いを巡らせてしまう。 スペイン、ドイツ、イタリア、アメリカから来た人とロンドン勤務の同僚を合わせて25人ほどの集まりだが、私よりも若い人ばかりだった。私より年上は3〜4人しかいない。前職での集まりでは最年少の場合が多かったがいつのまにか老兵側になっていたことに少なからぬショック。 時差ボケし…
世界中の文化文明の工芸美術品のコレクションの質量において大英博物館は驚異的だ。一時期の帝国の軍事力をして世界中から簒奪しまくったのだから。幸か不幸か一箇所で世界中の美術を堪能できる。収蔵庫に眠っている品々は数倍に及ぶのだろうけれども。 ギリシャ文明の頃の鹿や馬のデフォルメされた姿には頬が緩むような愛嬌がある。 胴長の馬も良いね。 メソポタミア、シュメール美術は圧巻だった。紀元前10世紀以降のものとなると精緻で迫力がある。 21世紀に生きる私がこの水準に到達できない気がする。 シュメールの後で世界的に写実表現力は退化したのではないかと思うほど。 この羊のレプリカが欲しい。 山羊も素敵。頬の肉の膨…
内装がオシャレな店が多い印象のショーディッチ。 PCを持ち込んで長期戦で働いていると思しき人もいれば1人で手早く朝食を済ましにきたと思しき人も。 ロンドナーの若い3人組は大きな声でとめどなく笑いながら話し続けていた。私が入店した時点で手元の皿の上は食べ終わり既に何時間も話しているような雰囲気だった。映画で聴くようなクイーンズイングリッシュなので聴いていて面白い。 ストロベリーとラズベリーのスムージーのようなもの。 中東の煮込み料理のようなものだろうか。焼き締めたパンを漬けて食べる。あっさりと胃に優しい味で量もさほど多くなく、その時点で最も欲しい昼食だったので嬉しくなった。 これまたホテルの近く…
まずは教会とグラフィティ。 この東ロンドンはグラフィティが町中に溢れていることでも有名らしい。街が丸ごと美術館状態。 5人ほど、快晴の中、スプレー缶をカラカラ振りながら描いていた。 私の中のベストはこれ。ゾンビっぽい敬愛された女王陛下。 通り過ぎた後に振り返ると建物の側面壁に立派なグラフィティがあったりする。 前にも書いた気がするが高円寺のガード下などにもせっかく高円寺には女子美術大学があるのだから生徒の課題として壁画を描いてもらいたい。高円寺の雰囲気に合うし街が華やかになると思うのだよな。 商業的ゴミ。まさに。 こちらも味わい深く眺めてられる落書きのようなアート。 なんでこんなところにこんな…
毎週日曜日に開催されるというFlower Market、花市場はショーディッチのホテルから徒歩で10分ほどの近い距離にあった。 朝の8時ぐらいから業者が乗り付け路上のテントに生花を並べていく。 蕾を沢山つけた多肉植物の鉢。6ポンドでちょうど1000円ほど。日本の物価感覚だと安くはない。 3つで12ポンドなので2000円ほど。大きな株ではあるけれどこれも希少で人気の多肉でもないしとりわけ安いとも感じない。物価がそもそも高いのだろう。 色とりどりの鶏頭。 黄色や緑の鶏頭は染めずにこの色なのだろうか。 背後の建物も古めかしくてなんとも絵になる。 熱帯観葉植物も元気そうな株がどっさり 多肉植物はあれど…
ロンドンといえばパブ。ありがたいことにパブにハズレがない。いいなここ、と感嘆するようなパブが街角のあちこちにある。 私がたいそう気に入ったのがホテルから近いOLD BLUE LASTという交差点の角にある見た目も素晴らしい店。 どうやらLIVE MUSICもウリのパブらしい。壁沿いとカウンターに席がありフロアの中心はだだっ広く空いている。 このカウンターの背景の装飾が見たことのないカッコ良さ。黒と金はよく見かけるが背景がアッシュブルーでしかも文字の所々に螺鈿細工が入っていて複雑で深い輝きを魅せる。もう美術館に収蔵されててもおかしくない美術品。 どんな構造をしているのか。見ていてうっとりする。 …
ロシアのウクライナ侵攻のせいで今現在の欧州航路はこんなルートらしい。なんとアラスカと東シベリアの間であるベーリング海峡を抜けてグリーンランドの上を通過していく。飛行時間も伸び、燃料費も高騰すれば飛行機代が嵩むはずだ。ちなみにアラスカの先端にはYorkやWalesという街があってイギリスっぽい。 羽田空港のANAチェックインカウンターは端末セルフ方式に自動化され、機内預入荷物もセルフ方式に変わっていた。 手荷物検査でベルトを外す必要もなく、PCを取り出す必要もなく快適だった。 パスポートコントロールもパスポートの読み取りと写真撮影も自動化されている。おかげで海外渡航で一番嫌な時間のかかるプロセス…
なかなかここまでテーマ性の明確なギャラリーカフェもないのではないか。蟲、焼菓子、アンティーク。 東京駅から3時間ほど上越新幹線、両毛線、上毛電鉄と乗り継いだ大胡。大胡駅前はリトルオランダだった。 川沿いを8分ほど歩いた先にあるトタンの小屋。こちらが焼菓子と蟲雑貨の店「灯螂舎」。もともとは自転車やバイクの修理屋だった家屋を受け継いだという。 フレンチアンティーク雑貨屋に以前勤めてらしたという店主さんの美意識が隅々まで行き届いた店内。店を始める前から自室用に買い集めていた家具や雑貨も多いのだという。 そこに私の陶蟲夏草鉢も置かせていただいた。 白い陶器なので店の全体の雰囲気と調和しているのではない…
スタンダードプードルのいる中野駅前のカフェ「タイニーアリス」が閉店してしまっていた。犬欠乏症が加速する。犬と遊びたい。 まんだらけで「火の鳥」鳳凰編を買って芝生で息子と読む。私の中で最愛の漫画は何か一つを選べと言われればこれかもしれない。 羊頭狗肉オブジェを作り増したくなった。 これはなかなか気に入っている。植木鉢でも何でもない無用のオブジェなのだが、無用だからこそありのままが全てとも言える。 そんなわけで陶蟲夏草鉢を作る予定が狗と戯れるオブジェを作ってしまった。次に工房に行けるのは3週間後だということを忘れて半端なタイミングで作ってしまった。 少し兎寄りの大きな耳の狗と兎寄りな顔つきの山羊頭…
世に少しばかり打って出る。 表現が大袈裟かもしれない。しかし私の中では慌ただしい日常から時間を捻出して対応するには必要な意気込みだ。 群馬に「灯螂舎」というかなりコアな蟲マニアが集う昆虫原料を使ったオシャレ焼菓子屋がある。蟲にまつわるアートクラフト作家作品も展示販売している。そこに私の作品も置かないかとお声掛け頂いた。取り敢えず7点ほど送ることにする。 https://tourousha.jp/tochukasou-20230603/ 写真がしっかりしてるな。私も写真のクオリティを上げられるよう努めたい。 それとは別に自然造形物の展示販売をしている雑貨屋があるのだが、少し前にそこの社長と会って…
灯螂舎の昆虫原料入り焼菓子シリーズ。 5種類の焼菓子を頂いてしまった。 蚕沙という蚕の幼虫の消化不良の糞が入ったモノは美味しいのは知っている。蟲ではなく蚕に新鮮な桑の葉を半加工してもらっているようなものだ。世界一高級なジャコウネコの糞珈琲コピルアクの蚕版のようなもの。 フタホシコオロギのサブレを頂いた。前回食べたフタホシコオロギサブレはクミンとコリアンダーが入っておりスパイスの風味が強くて好みでなかったがアーモンドパウダーと合わせたこちらは美味しい。 フロランタンは思ってた以上に硬く焼き締められた焼菓子で焦げる手前まで最大限に焼いて風味が引き立てられた感じ。 購入した昆虫原料入りケーキ「洋梨香…
コロナが明けてというか、皆がもうコロナは無いものと見做し始めて3年ぶりに海外出張に行くことになった。 目的地はロンドン。久しぶりすぎて色んなコトを忘れているがかつては毎年のようにパリ出張やベルギーを出張していた。基本的に欧州出張はビジネスクラスで50万円代、片道12〜13時間という記憶。 今の会社ではエコノミークラスでしか飛行機に乗れないらしい。しんどい。若い頃は夜行列車やバスを乗り倒していたのに、随分と堕落したものだ。 しかもウクライナやロシアを迂回するので飛行経路が伸びて片道14時間以上もかかる。 さらに日曜出発便を取ろうとしたらエコノミークラスで往復料金が38万円もする。土曜出発だと27…
紫陽花も園芸品種の多さを見ると日本人に愛されている花だなとつくづく思う。 梅雨と言えば多くの人が連想する花は紫陽花だろう。菖蒲でもなく。 陶芸工房の塀に見かけない立派な紫陽花の株。 緑道にも様々な品種が並ぶ。 毎年同じ株を撮っているようで見覚えのない株がちらほらあることにも気付く。 花手水鉢に似合う花でもある。切花を水没させて長持ちする紫陽花は都合が良い。
6月1日時点では確かにまだ幼虫だった。 6月4日に確認してみると一番大きな幼虫が既に蛹になっていた。しかも立派な大顎が見えるのでオスだ。嬉しい。 羽化までに1ヶ月ぐらいはかかるらしい。直径10cmのボトルに頭部が腹部に畳まれる形でいるのでかなりなかなか大きい蛹のように感じる。腹部はもっと縮まるのだろうか。 瓶底で蛹化すると羽化不全しやすいとも聞くけれども下手に動かして傷つけるのも怖い。
紫太陽を市松紋様角鉢に避難させておいた。根詰まりした苗ケースに放置しておくと枯れてしまいかねない。 相性の良さそうな陶蟲夏草鉢が出来上がるまでここで育ってもらおう。
庭から摘み、鉢に挿してみた。 良いと思った。不思議な一体感がある。 そもそも冬虫夏草をモチーフにした鉢だからか。陶の子実体の翡翠色が羊歯植物の色合いとも相性が良く、焦茶色の新芽が引き締まる効果を発揮している。 茶と若葉色と翡翠色と白。色数の割に同系と茶と白なので煩くない。初夏の爽やかな色の組み合わせではなかろうか。 羊歯のこの瑞々しさをそのままにドライにできないものか。 現実逃避して山奥や田舎の工房に2ヶ月ぐらい引き篭もって作陶三昧したい。何のために働いているのだろうと考える頻度が年々増しているように思う。また呼応するように人生の残り時間を意識することが増えてきた。
年に3週ほどの休暇のために49週働き、毎週2日の週末のために5日働き、毎日7時間の睡眠と2〜3時間の私的な時間と食事時間のために10時間働く。 それが当たり前だと思って働いてきたが全く当たり前ではないことに気づき始めている。いまさら、遅いけれども。なのに週末が明ければまた職場に行く。来週もそのまた来週も。全くもって不自由だ。馬鹿で愚鈍とも思う。 夢に昨年亡くなった愛犬マンゴー殿が出てきてしまった。朝起きたらどうしようもない無力感、脱力感。どうしようもなく会いたい。一緒に過ごす時間が14年で終わるとは思わなかった後悔がある。職場に行って仕事熱心なふりをするのがしんどい。申し訳ないが全てどうでも良…
店舗に置きたいというお誘いに応じて7点ばかりを委託販売をお願いすることにし、初めて納品しにいく。 不特定多数の方に売るのは初めてだ。売るために作っている職業作家ではなく自分が欲しいものを作っているので手放すのは寂しい。そんなわけで記録に残しておく。 ヤマトカブトムシの角の豪壮さに対して眼がつぶらで愛嬌があると思っている。 鉢のへりに捕まった状態で死に、朽ち、胸部と腹部が離れかかっている。次回はもう少し分解し欠損している姿を鉢にしてみたい。 地中から這い出る途中で力尽きた蝉の幼虫。セミタケは地上で寄生し、十分に育った後は宿主を地表近くまで誘導するが蝉は地中で通常は力尽きる。地表に出ているというこ…
川治温泉、湯西川温泉、中三依温泉と温泉が続く温泉街道。 もう開き直って富士急の戦慄迷宮の鬼怒川版を作れば良いのに。3年連続サウナシュラン日本一の御船山楽園ホテルの廃墟TEAM LABデジタルアートを鬼怒川でも演出して貰えば良いのに。 逆手にとって廃墟を売りにした区画と緑の景観が美しい温泉リゾートの区画でメリハリつけて推せば良いのに。 滅びの美はもっと日本人の感性で昇華して外国人観光客にもアピールできるのではないか。
駅下車徒歩数分の好立地 高規格コテージ 線路脇のテントサイトだが電車は殆ど通らず 気持ちの良い温泉施設が管理棟 軽食、酒、アイスあり 歩いた先に美しい渓流の釣堀 手打ち蕎麦、各種川魚 塩焼きも美味、唐揚げも美味、そしてなんと刺身も。 注文が入るとまだ死ぬつもりはないらしいイワナやヤマメが跳ね回る。 これを塩を塗して塩焼き。左はヤマメか。 ヤマメの刺身なんてものは初めて食べた。クセも臭みもなく美味。あっという間に腹に消えた。天然ではなく養殖して放流している。天然の川魚を生食するのは禁忌。 食べ終わった刺身は骨煎餅にしてもらい、頭まで食べ切った。 手打ち蕎麦も絶品で大盛りにしないことを後悔した。 …