誰もいない海
秋なぎさよせる波のうれい笛いまはもう秋、誰もいない海、知らん顔して、人がゆきすぎても、かと思いきや、湘南のビーチはそれなりに、先日は北の国から錦秋行脚、大雪山のふもと、ひと足早く秋をさきどり、北の大地はすでに秋本番、というかもう雪だよりも、ここサザンビーチはまだ半袖、秋の深まりは、もう少し先なんだろう、ぼんやり渚に腰を掛け、寄せる潮騒をBGM、烏帽子岩越しに水平線を眺める、あの海の彼方、地球の裏側に思いを馳せる、サイモンとガーファンクル、コンドルは飛んで行く、本当に飛んでいるのか、谷底を見下ろして、この目で確かめてきたい、ここから東にずっと進めば、コンドルが飛んでいる谷間へ、そして、さらに東へ、すると、西から再びここに戻ってくる、わかってはいることだが、いつかはと、引き出しの片隅に潜ませている、航空便の手...誰もいない海
2024/10/31 23:59