◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんの登校渋りの根底には、孤独感があるかもしれない・・・リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。登校に不安を抱えていたのは、誰もクラスに味方がいないという思考に囚われ、孤独な状態にいたからかもしれません。この状況を乗り越えるには、お手伝いや親切行動を通して他者との関わりを作り、他者の思いに触れることが必要だと考えていました。家庭でお...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
◆親御さんの協力が大きかったお母さんにケン君の漢字練習をお願いしたのが金曜日でした。土日が明けた翌日の月曜日、ケン君は、漢字練習帳を全てやってきました。「ケン君、これは、、、大変だったでしょう?」と言うと「父さんに叱られてやった」と答えました。でも、その顔つきは、どこかスッキリしたような、なにか吹っ切れたような表情になっていました。「お手伝いもしたの?」と聞くと「ん~~~、車の洗車をね、手伝った!...
◆「家で私が漢字をやらせます。必ず。」全部やれていない漢字練習を、私から強くケン君に言えませんでした。彼が学校に来られなかったら、心の指導はできないので漢字練習がやれてなくても、黙認する形にしました。少し日にちが経ってから、お母さんと話をすることがありました。「漢字練習が、やはりやれていません」と話をすると、お母さんは驚かれていました。「私がちゃんと見ていなかったから…」とお母さんはおっしゃっていま...
◆敵が現れた、でも逃げていたら勇者にはなれない漢字練習でも何でも、自分の目の前に現れたらバシッとやっつけたらいいんだよ。ゲームの世界なら、敵が現れたら逃げるのかな? 逃げたら経験値は貯まらないよね。自分が強くなりたいと思ったら、敵が現れたらバシッとやっつける。漢字練習があらわれた。バシッ計算練習があらわれた。バシッマット運動、バシッ工作、バシッこんな風に、目の間に現れた課題をバシッ、バシッとやっつ...
◆点と点をつなげたとき気づきが生まれる。その気づきが成長させていくアップルという会社の創業者のスティーブ・ジョブズという人はスタンフォード大学という有名な大学で「点と点をつなぐ」ことが大事だと言っています。自分の将来にとって何が必要か分からないけれど、目の前の出来事に全力で取り組むことが大切だと言っています。今、行っていること(点)が、別の何かの点にどのようにつながるかは分からないし、未来から人生...
◆一生懸命やった人しか分からない世界がある子ども達に話したこと つづき「みんなも、学校に来たくないことがあるでしょう。でも、それでも学校に行きなさいと親御さんが言うのは、それだけ大事なことだから。君たちの将来にとって、学校が必要だからです。漢字練習は私は厳しいですが、お母さんたちは、丁寧に書くなって言いますか?」子ども達は、一斉に首を横に振っています。「だよね。私は、漢字を丁寧に書くことで、漢字だ...
◆自由には責任が伴う子ども達に話したこと つづき「もう少し深く考えていくと、言う事をきくという事は、その人に甘えられるってことなんだ。例えば、廊下を走ってはダメだと言われますよね。でも、私が「廊下を走りなさい」と言って、君たちは、それを守ったとします。そうしたら、低学年の子とぶつかって怪我をさせてしまった。この場合は、誰の責任になりますか?」と聞くと、「先生」という声が聞こえてきました。「そうだよ...
◆両親の言う事をきくことは、両親の心を知るということ次の日、ケン君は約束通り登校してきました。宿題は、やってありました。が、必要な分しかやってなく、以前のやっていな部分に関しては、白紙のままでした。でも、前の週よりは表情が明るくなり、きびきびした動きに戻ってきたように思いました。少しは乗り越えられたのかもしれないと思いました。クラスの子どもに話したこと「お父さんやお母さんの言う事を聞きたくないって...
◆お母さんに謝らないとね教室から宿題の用具をとって、ケン君の家の車まで行くと、ケン君は泣きはらした顔で座席に座っていました。宿題を渡して、「ほら、お母さんを困らせてしまって・・・お母さんに謝らないとね」というと、彼は素直に「ごめんなさい」と言いました。お母さんも、「先生に迷惑をかけたんだから謝りなさい」とおっしゃってくれて、ケン君は私にも「ごめんなさい」と言いました。子どもが拗ねてしまった時には、...
◆宿題だ!車の座敷の下で落ち着きを取り戻したケン君。学校に来てから時間もずいぶん経っていたので、感情の高ぶりも落ち着いてきたのでしょう。でも、私の心の中では、無理に引きずり出して教室に連れて行くのはちょっと無理があるように思いました。ここら辺が潮時かな。。。お母さんに「お母さん、どうですか? 今日は一旦ここまでにして、漢字や計算の練習問題はたくさんあるので、それを家でする形にしますか?」このように話...
◆優しいお母さんの気持ちは無視していいのかい?我儘だと叱っても、ケン君は座席の下から出てこられませんでした。これは何を言っても無駄かもしれないなーと思いました。「ケン君、金曜日に君は感情のブレが大きすぎるという話をしました。手伝いとか人への親切行動が少ないという話もしました。お母さんの手伝いはしているのかね?」というと、彼は首を横に振って反応がありました。お母さんに「手伝いは?」と聞くと、「言えば...
教室に入れて頂いたら心の教育はできる。でもそれ以前の場所では、、、
◆それを我儘という「自分の感情に任せてすべきことをしない、それを我儘と言うのだ」と、彼に話しました。ふと、お母さんが横に立っているのに気が付きました。お母さんに、「ごめんなさいね、我儘と言ってしまって」と言うと、「大丈夫です。我儘ですから。」とおっしゃってくれました。たぶん、ケン君のお母さんなら「我儘」とう言葉を受け入れられる。そんな確信がありました。以前に担任した時、学年末に丁寧なお礼の手紙を頂...
◆問題は感情がブレすぎること土日が明けて、月曜日。お母さんからの連絡がなくて、ケン君は大丈夫だったなぁと安心していたところに、同僚から「ケン君が愚図っていて、駐車場にいます」と連絡がありました。車から降りられないとのことなので、駐車場に駆け付けると、ケン君は車の座席の下に潜りこんでいます。お母さんも困り果てて、目に涙を浮かべています。ケン君に声をかけると、座席の足の金属部分を固く握りしめて顔を見せ...
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◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんの登校渋りの根底には、孤独感があるかもしれない・・・リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。登校に不安を抱えていたのは、誰もクラスに味方がいないという思考に囚われ、孤独な状態にいたからかもしれません。この状況を乗り越えるには、お手伝いや親切行動を通して他者との関わりを作り、他者の思いに触れることが必要だと考えていました。家庭でお...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟子どもは、親が責任をとることで、安心して成長していくことができます。私の知り合いに、小学校低学年の時に、夢でうなされるほど担任と相性が合わなかった人がいます。その寝言を聞いて、ある日、彼の父親がはっきりと言ったそうです。「学校になんか、行かなくていい」。親が決めたことだから、その責任は親にある。彼はそれに存分に甘えることができ、残りの期間はのびのびと遊んで暮らし、次...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。彼女と二人っきりになったときに、一緒に喜びあったのですが、家庭での様子を聞くと、彼女は家でお手伝いを全くしないとのこと。共働きで忙しいお母さんも、きっと大変なのだろうと想像しました。ひょっとしたら、彼女の場合も「お手伝い」がキーワードになるかもしれない。この頃から考えるようになりました。すぐには...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日体育の授業の後、クラスの子どもたちに、そしてリコさんにも届くように話をしました。「一人で何かを成し遂げた喜びって、それは確かに素晴らしいものだよね。例えば、逆上がりが一人でできるようになった時、すっごく嬉しいよね。でもね、誰かに親切にして、その子が何かをできるようになってくれた時、どうだろう? 例えば、友達に逆上がりを教えてあげて、その友達ができるようになった時。...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日リコさんは、相変わらず自分のやりたいことだけをする日々。何か調子が悪くなると、途中で帰ってしまう。何が彼女を不安にさせるか、私にはトンと分からない日々でした。ただ、彼女の気分に振り回されてはいけないと思っていました。彼女の気分は彼女のものであって、その気分を私がどうこうすることはできない。そんな風に思っていました。私が、彼女の気分を良くする努力をしても意味はない。...
◆先生が怖くて学校に来られない親御さんとの面談で、とにかく学校に来ることを目標にして、漢字については厳しくしないし、宿題をやっていなくても叱らないということにしました。また、リコさんが帰りたくなったら家に帰すということにもしました。親御さんも何とか学校に登校させてくださったので、本当にありがたかったです。実際のところ、子ども達には「一番大切にして、一番考えてくれているのは親御さんだから、親御さんの...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が厳しくて学校に来られない。でも・・・私が変わる必要があるのだろうか? という疑問は常に頭の中にありました。実際のところ、リコさんが登校を渋っている間も、丁寧に漢字練習をする子がだんだん増えていったし、クラス全体の宿題の提出も良くなっていったのです。それはまるで、リコさんだけが取り残されている感じでした。他の子は前に進んでいるのに・・・リコさんは、登校を...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が怖いからと言って学校に来られない。もちろん、私に問題があるのですが、果たしてそれだけだろうか? と実は、悶々と悩んでいました。学校での指導は、当然厳しい側面が必要です。漢字練習に関わらず、ダメなものはダメだと指導することが大事なのは当たり前のことだと思うのです。社会にはルールがある。そのルールに適合しなくては、周りに人々と共に生きていくことは無理な話で...
◆先生が怖くて学校に来られない4月、新しい学年が始まりました。子ども達にとって希望に満ちた春がスタートするわけですが、学級担任にとっては夏休みまでの4カ月間はものすごく大変で、子どもたちを学校生活や学習の道に乗せるために、必死になってクラスを作っていきます。そしてこれも例年のことですが、漢字学習においては丁寧に書く意識が薄い子ばかりなので、厳しく指導する場面が増えます。たぶん漢字練習に関しては、学...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき「みんなは、漢字を通して最強の勉強法を学んでいます。言われた通りに学ぶことで、教えてくれる人の心がわかるようになっていきます。その人から考え方を学ぶことができます。っていうことはですよ、人の心がわかるようになる、ってことなんです。」ここまで言うと、子ども達の瞳が一斉に私の方に向いたように思いました。どの子も真剣に聞いています。「みんな、多...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき漢字練習を厳しくやっているのは、単純に漢字で良い点数を取れるようになるためではありません。私の言う通りに書く。書いて練習する。そういうことを通して、教えている私の考え方や心を学んでね、という事なのです。あ~先生は、ちゃんと折って書かなくては注意をするんだな、ちゃんと止めないと注意するんだな。そういうのは、私の心です。その心さえ分かるように...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと「漢字練習を丁寧に書かなくて私に叱られる。これってどういうことだろうね?」子ども達は、私の言っていることの意味が分からない様子です。「ずいぶん、みんなは漢字練習の字が上手になってきました。でも、叱られなくなるために必要だったのは、私の言った通りに書く、たったこれだけだったでしょう?」子ども達の様子を見ると、多くの子が首を縦に振っています。「そうそ...
◆漢字練習で人の心を知る人から教えてもらったり親切にしてもらったりしても、平気で無視をする。無視ができるというのが驚きなのですが、相手への感謝の心が育っていない。そこに子ども達にとって一番の課題がある。これは困った問題だなぁと思いました。親に、先生に感謝せよ、と言っても、そう簡単にはいきません。人の心は、コントロールできないですから。感謝の心を育てるために、昔の人はどうしていただろう? と考えてみ...
◆漢字練習で人の心を知る毎日子どもの漢字練習を見ていると、案外と子どもの心理状態が見えます。あ~この子は何かに悩んでいるなー、勉強にやる気を出してきたなー、なんてことも漢字ノートだけで分かります。漢字練習を通して子どもと会話をしている感覚があるのですが、これはテストも同じで、この子はココで躓いているのか、頑張ってできるよになったね、なんて思いながらテストの丸つけをしています。でも、ミツオ君の乱雑な...
◆漢字練習で人の心を知る嫌な事は先にする、そんな話をして学校でも宿題は先取りさせ、ミツオ君の宿題忘れや忘れ物は少しずつ減っていきました。漢字は丁寧にはなりましたが、でも、もう一押し、何かが足りないように思っていました。相変わらず提出物の字が、乱雑だったのです。ある日のこと、私はテストの丸つけをしていました。すると、名前が読めないテストが出てきました。なんとか名前を読むと、ミツオ君のテストでした。そ...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き「この前の道徳の授業で、忘れ物の授業をしたよね。みんなで、どうして忘れ物をしてしまうのかを話し合った時に、「面倒くさい」「部屋が散らかってる」「準備を後回しにする」という意見が出ました。この「面倒くさい」っていうのも後回しだよね。やりたくないから面倒だなって思う。「部屋が散らかっている」っていうのも、片付けを後回しに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き人の脳って不思議なもので、何か疑問があると、いつまでも覚えていて答えを探しているんだって。みんなも経験があるでしょう? これって何て名前だっけ?って思ったら、ずいぶん時間がたってから”〇〇だ!”ってピカッて思い出すってこと。」子ども達は口々に「ある!ある!」と言っています。「やりたくないこと…みんなだったら宿題ってことに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと「宿題を先にやっても良い事にしているけれど、それでも宿題を出せない人がいます。そういう人は、隙間時間や20分休みにやっているのだけど、ちょっとよく考えてみてくださいね。宿題は、やらなければならないことです。これは大丈夫ですか?」子ども達に聞くと、「はい!」という返事が返ってきました。「そうそう、やらなければならないこと。それ...
◆嫌なこと(漢字)を先にする朝、急いで宿題をやっているミツオ君に話したこと「ミツオ君さあ、、、毎日、漢字が丁寧に書けていないって叱られるよね。何度でも言うけれど、叱られるのが好きなの?」こう声を掛けると、ミツオ君は当然のように首を横に振ります。「私は宿題を前の日や、もっと前にやってもいいよ、って言っているよね。実際、クラスの子達は先にやっている。みんな、家で宿題をしたくないってね。じゃぁ、ミツオ君...
◆嫌なこと(漢字)を先にする毎日、毎日、乱雑な字で叱られるミツオ君。「先生が厳しいからだ!」と怒る様子も無いので、我が強いようでもありません。実際に普段のミツオ君は、明るい笑い声が教室中に響き誰とでも仲良く遊べる子で、自分の感情を爆発させるような場面は、見たことがありませんでした。いつもニコニコ笑っています。感情も落ち着いているし、頭も悪くないのに、なぜ漢字は丁寧に書けないのだろう?と不思議に思っ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 7「量が質に変わる」。車の運転でも同じなのでしょう。いくら理論を知ったからといって、実際に練習を重ねないとできるようにならない。だからサーキットに行って練習を重ねる必要がある。そうやって行動に移さないと、人は思考を深められないのだと思います。これは学校の学びも同じで、算数の理論を学んだからといって出来る子ばかりではありません。むしろ、出来ない子が大多数で...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 6クミコさんは、「私は勉強ができない」という強固な鎧を心に身にまとって「勉強ができない自分」を肯定して、現状維持の壁を破ることができませんでした。学習活動が遅いのは、完璧主義の問題もあると思っています。チューリップを植えるのが遅かった1年生は、失敗を恐れる心理があったのでしょう。クミコさんも、問題ができないことが怖い。失敗したらどうしよう、、、と思ったら...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 5丁寧に板書をノートに写すクミコさん。丁寧書いていたら、本人も勉強した気分になるから自分を否定することにもなりません。そこに落とし穴がある。クミコさんの問題は、できるようになる努力をしていないことと、苦手なことから逃げてしまう心にあると思いました。クミコさん自身は、「できる自分」になりたいと思っていることでしょう。でも、その未来に向かって歩き出す勇気がな...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 4クミコさんの授業での様子を見ていると、とにかく、なんでも丁寧なのです。板書を写す時も、とても丁寧にノートに書いていきます。丁寧すぎて、時間が掛かるのが問題で。。。その姿は、私には”逃げ”のように感じました。丁寧に書くことで、考えることから逃げている。授業では考えることや分かることが大切ですが、丁寧に字を書くことで、思考することを拒否しているのでしょう。以...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 3現状維持なら、自分は傷つくことはない。お母さんの話では、クミコさんは家では宿題ができなくて泣いているとのことなので、勉強ができないことで自分自身を責めているのでしょう。なら勉強したらいいじゃんって思うし、そんな風に苦しんでいるのは地獄のようだものだと思うのですが、そういう思考が常態化していると、抜け出せないんですね。クミコさんの問題も、「勉強ができない...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 2心の話には素直に反応して、しっかり話を聞くことができるクミコさんですが、授業となると、とたんに不安そうな顔となります。漢字は以前担任した時にかなり特訓をしたので、止め・はね・払いも完璧に書くことができるし、漢字小テストは、半分くらいは〇になっていたので、全然できないというレベルではないので、違和感がありまくりです。漢字が読めないという話はいったいなんだ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 1クミコさんは、前年度の担任からの申し送りで、文章は拾い読みで漢字も読めない、算数の文章題も全く解けないという子でした。前年度の成績は学年の中で最下位層に位置していました。以前に担任もした子で、当時も勉強が苦手だな、、、とは思っていたのですが、何度かお母さんから「お気楽先生が担任の時はやる気があったのに…」という相談を受けていたのです。再び担任した時は、(...
『人生とは自転車のようなものだ。 倒れないようにするには走らなければならない。』これはアインシュタインの名言です。最近、この言葉に出会ってかなり衝撃を受けました。同様な名言は数多く存在していて、泳ぐ魚は沈まない、回る駒は倒れない、など、このブログでも以前に書いた記憶があります。でもなぜ、再びアインシュタインなのか?それは自分自身にとって、「動けない」ことが大きな課題であると最近意識するようになって...
◆『いい人戦略』でいこう!3クラスで話したことまだまだ未熟な私たちだから、いい人を目指して努力していく。そんな話をしていたら、子どもから「嫌なことをした人にも、親切にするのですか?」という質問がありました。これには少し困ってしまったのですが、他の子がさっと手を挙げて「オキシトシンは、相手にもでるから…」と助け船を出してくれました。毎日、いろいろな話をしていますが、子ども達なりに知識をつなげる努力をし...
◆『いい人戦略』でいこう! 2クラスで話したこと「いい人であることは難しいです。だってね、悪口を言われたと思ったら心の中では、怒り爆発状態だものね。私だって同じです。でもね、戦略なんですよ。自分はたぶんいい人じゃない。だから、いい人のフリをする。いい人のような演技をする。例えば、人の顔って口の端…口角というけれど、そこをちょっと上に上げたら、笑顔だと思われる。逆に下げたら機嫌が悪いように見える。だっ...
◆『いい人戦略』でいこう! 1クラスで話したこと「悪口を言い続けたら友達が無くなっていく。これは、怖い話ではないですか? だって、そんな人と付き合ってなんていられないよね。クラスは、悪口を言わない人がほとんどだよね。ちょっと見回してごらんよ。少なくとも、大人しくあまり喋らない子は悪口を言わないでしょ? 休み時間になると外に飛び出してドッジボールをやっている子だって悪口を言っている暇なんてないよ。漢字...
◆自分の色眼鏡を変える 3クラスで話したこと つづき「こういうことはね、騙されたと思ってやってみると良いんだよ。周りの人は親切で優しい人ばかりだ、っていう色眼鏡をかける。そのためには、まず自分が親切で優しい人になることが必要なんだ。知らない世界というのは、信じられないことでしょう。でも教えて貰うというのは、知らない世界を知るってこと。学ぶは真似ぶなのだから、騙されたと思ってやってみる。ケンタ君は、実...
◆自分の色眼鏡を変える 2クラスで話したこと つづき「誰かが「嫌い」と言っているのを耳にしたら、簡単に自分のことだと思ってしまう。手紙を見せて貰えなかったら自分の悪口が書かれているのだと簡単に思ってしまう。人の他人を見る目というのは、これほどまでに曇っているのです。こういうのを、色眼鏡をつけて世界を見ていると言います。例えば、赤色の色眼鏡を掛けている人だったら、どんなものも赤みがかって見えていて、正し...
◆自分の色眼鏡を変えるクラスで話したこと つづき「悪口を言われた場合の対処の仕方の2つめは、自分の色眼鏡を変えるということです。1つめの”相手は変えられないからあきらめる”は、自分は悪くなく、相手が一方的に悪いという場合でした。でも、必ずしもそうじゃない場合があります。それは、自分が濃い色眼鏡をかけて相手を見ている場合です。ひょっとしたら、相手が悪口を言っていない可能性だってある。例えば、私は嫌われて...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)2クラスで話したこと つづき「でもまぁ、悪口を言われたり意地悪をされたりする原因が自分にはあるのだろうから、自分はよりよく生きていこうと思う事は大事だよね。よく皆に話をする人に親切にするとか自分への利益誘導をしないとかといった日々の努力も大事です。そういう努力をしていたら、自分は正しく生きているのだから悪口を言う相手が悪いって、ちゃんと思えるように...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)1サトコさん達の一件があって、子ども達に、友達との関係についてちゃんと話をしなければと思いました。女子は特に、高学年になると必ずといってよいほど人間関係で問題が出てくるものですから、よい機会だとも思いました。クラスで話したこと「昨日、ある女の子から相談がありました。友達から悪口を言われているというのです。悪口を言われた場合の対処の仕方は、2つある...
◆悪口を言われた 6「ミコさんの言う事を信じよう」と私がサトコさんに言った瞬間、サトコさんが驚いたように目を見開いてこちらを見ました。そして、ミコさんとクミさんは嬉しそうな表情になりました。ミコさんは、本当に言ってなかったのでしょう。そして今後も言わない自信があるのだと思いました。子どもの喧嘩というのは、双方が自分の正義を主張するばかりで、いつまでも後に残すことがあります。それは、相手の主張を受け入...
◆悪口を言われた 5サトコさんには、ミコさんの「言っていない」という言葉が届かない。それは、自分の正しさに固執してしまっているから。自分自身、サトコさんのような経験は何度もありました。でも、相手の言う事を「違う!」と思いたくなるけれど受け入れていくことが必要です。そうしなければ、問題の解決にはつながらないし、負の感情にずっと固執し続けていくことにもなります。サトコさん達に話したこと「サトコさんはミ...
◆悪口を言われた 4(先生もミコさんも、悪口を言っていないといっているけど、絶対に言った!)サトコさんの心の中は、こんな思いに囚われているのでしょう。その気持ちも分かる。自分の考えに囚われて悩んでしまう。自分の考えを正しいとして、人の言う事を受け入れられない。人は、そういうものなのだと思います。興福寺の阿修羅像は、とても人気の仏像です。仏教に取り入れられてからは、釈迦を守護する神となったそうですが...
◆悪口を言われた 3ミコさんに悪口を言われたと訴えるサトコさん。でもミコさんは言っていないと言うし、一緒にいたクミさんも言っていないと言う。でも、これはどこにも確証はありません。学校は、こういう確証のないトラブルばかりだとも言えます。実際にミコさんが言った可能性もあるわけで、これは困ったなーと内心思っていました。ミコさんの言い分を全て認めてしまったら、サトコさんを否定することになります。サトコさんの...