◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
小学校の先生をやっています。教育の現場で日々思うことから、子どもが明るく楽しく学校生活を送るためには親として教師としてどう接していったらよいか、深く考えていきたいと思っています。
小学校の先生をやっています。 無駄にキャリアが長いわけですけど、 日々思うことを広く発信できたらな…と思い ブログを立ち上げました。
【ADHD?賢い子】自分の心を苦しめないために正しい行いをする
ヨウイチ君に話したこと つづき「大分前に、お坊さんの伝記を読んだことがあります。あるお寺の住職さんなんだけど、そこに過去に悪い事をしてしまった男の人が来ます。その男の人は、その過去にしてしまったことを悔いて、いつもいつも、何であんなことをしてしまったんだって苦しんでいました。君もよく苦しむから、そういうことは分かるよね。私も、過去にあったことを何度も繰り返して思い出し、自分を何度も繰り返して傷つけ...
ヨウイチ君に話したこと つづき「人生って、嫌な事、やりたくないことばかりだと言いました。でも、その中に楽しい事や嬉しいことも隠れて存在しています。それは宝探しみたいなもので、嫌なことであっても、どうせやらなければならないのだから、それらをどんどん片付けていったら、そういう楽しい事って見つけやすくなるよね。今の君は、すべきことを後回しにしているから、そういうものが山積みにいつもなっていて、楽しい事な...
ヨウイチ君に話したこと つづき「ルソーって昔の偉い人は、もっとも幸福な人とはもっとも苦しみを味わうことの少ない人のことだ。もっとも不幸な人とはもっとも喜びを感じることの少ない人のことだ。って言っています。例えば、宿題にしても、君は宿題で、毎日苦しみを味わっているよね。やってこないから注意をされる。休み時間に外で遊べないから、授業中に宿題を終わらせたい。でも、それをすると私に叱られる。でも他の子を見...
【ADHD?賢い子】人生はやりたくない事、めんどくさい事、嫌な事ばかり。-それが現実-
今年の担任の先生はコントロールできない。そういうことが分かってきたのか、ヨウイチ君は、しだいに暴れることも少なくなっていきました。もちろん、哲学的な話を毎日した結果でもあるのですが、でもその感情はどうしようもないのか、怒ることはなかなか減らせませんでした。授業中、よそ事をして注意される。それでブチ切れていたのですが、よくよく考えてみれば、よそ事をしなければ叱られないのです。そんな単純な話が、彼には...
【ADHD?賢い子】2学期の終わりには怒ることもなくなった。
クラスに話したこと つづき「泣く人もいます。その人も、泣いて自分の思う通りに状況を変えようとしているって思わない? いつまでの泣いている人がいて、みんな優しいから慰めてあげるけど、正直面倒って思う事はないですか?」こんなことを聞くと、優しい女の子達が大きく肯いていました。「怒ったり泣いたりして、自分の思う通りにしようっていうのは相手をしている私が変わらなきゃいけないって話だから、そんなの無理だよね...
【ADHD?賢い子】自分中心すぎて周りの人の優しさに気づけない
クラスに話したこと つづき「また、自分自身も人をコントロールする人になってはダメなんだよ。それは、宇宙船地球号の約束、、、みんなで仲良く暮らし、協力して助け合って自由に生きるっていう大切な約束を守らず、人を巻き込んで自分が好きなように生きていくってことだから。それじゃぁ、宇宙船地球号には必要ない人ってことになるし、最後の最後には、みんな離れていってしまうことでしょう。怒る人がいるでしょう? その人...
【ADHD?賢い子】コントロールする人がいたら離れるってことも大事
クラスに話したこと つづき「ヨウイチ君は私に注意されて暴れたわけだけど、大きな音が出るように机を倒す、大声を出して怒る、色々なものを投げつける、こんなことをされて、隣のモモさんは怖かったよね?」と聞くと、モモさんはちょっと躊躇しながら肯きました。たぶん、そういう恐怖は自覚していなかったのでしょう。それを私が口にしたので、少々ビックリしたのだと思います。大きな音、大きな声に、人は驚いて萎縮するもので...
【ADHD?賢い子】いくら頭が良くっても知らなきゃ解決できない
クラスに話したこと つづき「みんな、ヨウイチ君の苦しみが分かるんだね。ヨウイチ君、そこのところはちゃんと分からないといけないよ。みんな、君のことを心配していたんだ。だから「ごめんなさい」が言えたから、みんな安心して君の手助けをしてくれたんだ。みんなに感謝しなきゃね。単純に「ごめんなさい」を言うだけなんだから、そこから脱するのは実は簡単なことなんだけど、悩みの洗濯機に入ってしまっている人は、それが分...
怒って暴れるヨウイチ君。ヨウイチ君の隣は、どちらかというとか弱い感じのするモモさんの席でした。身体の大きいヨウイチ君が、隣で机を倒したり物を投げたりしている。それが、どんなに怖いことか、、、普通に考えたら、ヨウイチ君の怒りに巻き込まれてヨウイチ君の言いなりになってしまうでしょう。でもモモさんは、以前にも担任した子で、何が大切なのかもわかるようになって心もしっかりしている子なので、それが救いでした。...
【ADHD?賢い子】担任は必ず支配の外にいなければならない。
暴れるヨウイチ君に話を戻しましょう。授業を受けないので注意したら、それに腹を立てて机をダン!と倒し、近くのものを手当たり次第に投げているヨウイチ君。でも、ヨウイチ君の怒りも、つまるところは私をコントロールしたいという欲求なのでしょう。自分は授業を受けたくない。だから、物を投げ、大きな音を出し、私を自分の思う通りにしたい。幼いながらに、人を脅して自分の思う通りにする方法を身につけてしまっているのです...
【ADHD?賢い子】理性の時期にそれをまぬがれさせる必要がある。(ルソー)
最近、ルソーの『エミール』を読んでいるのですが、ルソーは、苦しみを感じることが最も少ない時代においてこそ、その苦しみを多くして理性の時期にそれをまぬがれさせる必要がある。と言っています。この一文を読んで、腑に落ちる感じがしました。その子の状況にもちろん依るとは思いますが、苦しみや悩みの少ない子どもが幼い時だからこそ、それらを乗り越えることを学ばなければならないのだと思います。いろいろな悩みがあり、...
跳び箱の指導で傷ついたとの連絡があり、次の日は登校できなかった4年生の子。私にはどうにも納得がいかないものがありました。それはどうしてなのか。当時を振り返って、「叱られたくない」というその子が思う通りに、私はコントロールされたと感じたのが問題なのだと思いました。泣いて弱い自分を演出して人をコントロールする。それは、妻を支配したアルコール患者と同じです。人は自由であるべきです。一番嫌なのは、誰かから...
当時は4年生を担任していたのですが、同じ学年に教室になかなか入れない子がいました。お母様が毎日学校に送ってくるのですが、教室に入るのに不安があるとのことで保健室の入口で、ずっと立っている姿をよく見かけました。その頃、登校不安のある子どもに対応してくれるボランティアの方がいたので、その子の横には、常にボランティアの方が付きっきり状態でした。そのボランティアの方は、とても優しくお母さんっぽい雰囲気の方...
【ADHD?賢い子】『他人を支配したがる人たち』(ジョージ サイモン)
丁度その頃、『他人を支配したがる人たち』という本を読みました。その中で、アルコール依存症患者の話がありました。患者と共依存の家族の関係というのは以前から知っていましたが、それだけではなく、依存症者が家族を支配する構造もあるということが書かれていて、衝撃を受けました。共依存というのは、例えばアルコール依存症なら、患者に必要とされることに自分自身の存在価値を見出してしまい、患者から頼りにされることに依...
親御さんからお叱りを受けるのは、自分自身の問題は当然あったのですが、その一方で、怒ったお母様の代弁をしたお父様は、どういう心境なんだろう?と考えていました。話をする中で、お父様は実際には見聞きしてことでなく、お母様が言っていることの又聞きでした。沢山のご指摘がありましたが、1点は私のミス、、、というか、上手く伝えられなかったのが問題だったのですが、それが起爆剤となり、お母様は爆発したのでしょう。た...
【ADHD?賢い子】「怒る」「泣く」というのは、どういうことなんだろう。。。
ヨウイチ君は、何かのスイッチが入ると暴れるわけですが、感情の起伏が大きく、感情に流されてしまって怒ったり泣いたりするというのが、実は、過去の私の大きな課題でもありました。「怒る」「泣く」というのは、どういうことなんだろう。。。大分昔の話になりますが、こういう職業をしているので、親御さんからお叱りを受けたことがありました。当時は4年生を担任していました。お父様からの電話ということで対応したところ、私...
感受性とは、外界からの刺激や印象を受け入れる能力や、物を感じ取る能力のこと。ヨウイチ君が、瞬間湯沸かし器のようにあっという間に沸点に達して怒りを爆発させてしまうのは、この感受性が強すぎるからだと思っていました。普通なら何とも思わないことでも、彼には大きな刺激となってしまうのです。繊細過ぎるので、耐えきれなくなって暴れるという行動をしてしまうのでしょう。自分自身、ずいぶんと生き辛さを抱えて生きてきま...
【ADHD?賢い子】怒る、暴言、物に八つ当たり、教室から飛び出す
ヨウイチ君を担任し、毎日が戦いの日々でした。彼は、授業を受けない、言う事を聞かない、好き勝手なことをする、、、そんな子でしたが、それを注意すると、ブチ切れて物に八つ当たりし、最後には自分の殻に閉じこもってしまい拗ねて動かなくなるのです。授業を受けないので注意する。掃除や宿題など、すべきことをしないので注意する。こういうことは学校生活では当たり前にあることですが、ヨウイチ君は注意されると、それに腹を...
【ADHD?賢い子】混沌・孤独の渦から救い出すことができるのが教育の力
毎年、毎年、ADHDの疑いといわれる子ども達を担任します。でも、どの子もちゃんと授業ができるようになるし、次第に落ち着いていき、子どもらしい笑顔で学校生活を送れるようになります。そして、どの子も賢い。ヨウイチ君も賢いのです。昨年までは授業もまともに受けなかったので通知表の成績は悪いですが、今では国語でも算数でも、深く考えた発言をたくさんできる。漢字も1回か2回ですぐ覚えてしまう。算数の計算もあっという...
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◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんがお手伝いができるようになり、学校にも1日いられるようになった頃、「そういえば、私、先生に怒られたことないよね」と、ぼそっと言いました。「そうそう、リコさんを直接叱ったことってないよね。友達が叱られているのを、全部自分に言われたことだと思っちゃっていた。でも自分はちゃんと努力しているって自分のことを冷静に見えるようになったら、そんな風に人のことで不安になること...
◆結局、最強はお手伝いだった!ある日の休み時間、私の机の近くに座っているリコさんを呼びました。 その日は忙しくて、机の上が子ども達の提出物が山積みになっていました。リコさんは宿題のプリントを一生懸命やっていました。「ちょっと悪いんだけど・・・」と言うと、「先生、何か手伝えること、ある?」 と、彼女が言ったのです。私は、内心「きた!」と思いました。「うん、実はね、このプリント、掲示するのを手伝ってくれ...
◆結局、最強はお手伝いだった!リコさんの登校渋りの根底には、孤独感があるかもしれない・・・リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。登校に不安を抱えていたのは、誰もクラスに味方がいないという思考に囚われ、孤独な状態にいたからかもしれません。この状況を乗り越えるには、お手伝いや親切行動を通して他者との関わりを作り、他者の思いに触れることが必要だと考えていました。家庭でお...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟子どもは、親が責任をとることで、安心して成長していくことができます。私の知り合いに、小学校低学年の時に、夢でうなされるほど担任と相性が合わなかった人がいます。その寝言を聞いて、ある日、彼の父親がはっきりと言ったそうです。「学校になんか、行かなくていい」。親が決めたことだから、その責任は親にある。彼はそれに存分に甘えることができ、残りの期間はのびのびと遊んで暮らし、次...
◆親子の甘えの構造と、大人の覚悟リコさんに「人の喜びが自分の喜びとなる」という大切な気づきがありました。彼女と二人っきりになったときに、一緒に喜びあったのですが、家庭での様子を聞くと、彼女は家でお手伝いを全くしないとのこと。共働きで忙しいお母さんも、きっと大変なのだろうと想像しました。ひょっとしたら、彼女の場合も「お手伝い」がキーワードになるかもしれない。この頃から考えるようになりました。すぐには...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日体育の授業の後、クラスの子どもたちに、そしてリコさんにも届くように話をしました。「一人で何かを成し遂げた喜びって、それは確かに素晴らしいものだよね。例えば、逆上がりが一人でできるようになった時、すっごく嬉しいよね。でもね、誰かに親切にして、その子が何かをできるようになってくれた時、どうだろう? 例えば、友達に逆上がりを教えてあげて、その友達ができるようになった時。...
◆親切が閉ざされた心の扉を開いた日リコさんは、相変わらず自分のやりたいことだけをする日々。何か調子が悪くなると、途中で帰ってしまう。何が彼女を不安にさせるか、私にはトンと分からない日々でした。ただ、彼女の気分に振り回されてはいけないと思っていました。彼女の気分は彼女のものであって、その気分を私がどうこうすることはできない。そんな風に思っていました。私が、彼女の気分を良くする努力をしても意味はない。...
◆先生が怖くて学校に来られない親御さんとの面談で、とにかく学校に来ることを目標にして、漢字については厳しくしないし、宿題をやっていなくても叱らないということにしました。また、リコさんが帰りたくなったら家に帰すということにもしました。親御さんも何とか学校に登校させてくださったので、本当にありがたかったです。実際のところ、子ども達には「一番大切にして、一番考えてくれているのは親御さんだから、親御さんの...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が厳しくて学校に来られない。でも・・・私が変わる必要があるのだろうか? という疑問は常に頭の中にありました。実際のところ、リコさんが登校を渋っている間も、丁寧に漢字練習をする子がだんだん増えていったし、クラス全体の宿題の提出も良くなっていったのです。それはまるで、リコさんだけが取り残されている感じでした。他の子は前に進んでいるのに・・・リコさんは、登校を...
◆先生が怖くて学校に来られないリコさんは、私が怖いからと言って学校に来られない。もちろん、私に問題があるのですが、果たしてそれだけだろうか? と実は、悶々と悩んでいました。学校での指導は、当然厳しい側面が必要です。漢字練習に関わらず、ダメなものはダメだと指導することが大事なのは当たり前のことだと思うのです。社会にはルールがある。そのルールに適合しなくては、周りに人々と共に生きていくことは無理な話で...
◆先生が怖くて学校に来られない4月、新しい学年が始まりました。子ども達にとって希望に満ちた春がスタートするわけですが、学級担任にとっては夏休みまでの4カ月間はものすごく大変で、子どもたちを学校生活や学習の道に乗せるために、必死になってクラスを作っていきます。そしてこれも例年のことですが、漢字学習においては丁寧に書く意識が薄い子ばかりなので、厳しく指導する場面が増えます。たぶん漢字練習に関しては、学...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき「みんなは、漢字を通して最強の勉強法を学んでいます。言われた通りに学ぶことで、教えてくれる人の心がわかるようになっていきます。その人から考え方を学ぶことができます。っていうことはですよ、人の心がわかるようになる、ってことなんです。」ここまで言うと、子ども達の瞳が一斉に私の方に向いたように思いました。どの子も真剣に聞いています。「みんな、多...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと つづき漢字練習を厳しくやっているのは、単純に漢字で良い点数を取れるようになるためではありません。私の言う通りに書く。書いて練習する。そういうことを通して、教えている私の考え方や心を学んでね、という事なのです。あ~先生は、ちゃんと折って書かなくては注意をするんだな、ちゃんと止めないと注意するんだな。そういうのは、私の心です。その心さえ分かるように...
◆漢字練習で人の心を知るクラスの子ども達に話したこと「漢字練習を丁寧に書かなくて私に叱られる。これってどういうことだろうね?」子ども達は、私の言っていることの意味が分からない様子です。「ずいぶん、みんなは漢字練習の字が上手になってきました。でも、叱られなくなるために必要だったのは、私の言った通りに書く、たったこれだけだったでしょう?」子ども達の様子を見ると、多くの子が首を縦に振っています。「そうそ...
◆漢字練習で人の心を知る人から教えてもらったり親切にしてもらったりしても、平気で無視をする。無視ができるというのが驚きなのですが、相手への感謝の心が育っていない。そこに子ども達にとって一番の課題がある。これは困った問題だなぁと思いました。親に、先生に感謝せよ、と言っても、そう簡単にはいきません。人の心は、コントロールできないですから。感謝の心を育てるために、昔の人はどうしていただろう? と考えてみ...
◆漢字練習で人の心を知る毎日子どもの漢字練習を見ていると、案外と子どもの心理状態が見えます。あ~この子は何かに悩んでいるなー、勉強にやる気を出してきたなー、なんてことも漢字ノートだけで分かります。漢字練習を通して子どもと会話をしている感覚があるのですが、これはテストも同じで、この子はココで躓いているのか、頑張ってできるよになったね、なんて思いながらテストの丸つけをしています。でも、ミツオ君の乱雑な...
◆漢字練習で人の心を知る嫌な事は先にする、そんな話をして学校でも宿題は先取りさせ、ミツオ君の宿題忘れや忘れ物は少しずつ減っていきました。漢字は丁寧にはなりましたが、でも、もう一押し、何かが足りないように思っていました。相変わらず提出物の字が、乱雑だったのです。ある日のこと、私はテストの丸つけをしていました。すると、名前が読めないテストが出てきました。なんとか名前を読むと、ミツオ君のテストでした。そ...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き「この前の道徳の授業で、忘れ物の授業をしたよね。みんなで、どうして忘れ物をしてしまうのかを話し合った時に、「面倒くさい」「部屋が散らかってる」「準備を後回しにする」という意見が出ました。この「面倒くさい」っていうのも後回しだよね。やりたくないから面倒だなって思う。「部屋が散らかっている」っていうのも、片付けを後回しに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと 続き人の脳って不思議なもので、何か疑問があると、いつまでも覚えていて答えを探しているんだって。みんなも経験があるでしょう? これって何て名前だっけ?って思ったら、ずいぶん時間がたってから”〇〇だ!”ってピカッて思い出すってこと。」子ども達は口々に「ある!ある!」と言っています。「やりたくないこと…みんなだったら宿題ってことに...
◆嫌なこと(漢字)を先にする後回しにしてしまうことについてクラスで話したこと「宿題を先にやっても良い事にしているけれど、それでも宿題を出せない人がいます。そういう人は、隙間時間や20分休みにやっているのだけど、ちょっとよく考えてみてくださいね。宿題は、やらなければならないことです。これは大丈夫ですか?」子ども達に聞くと、「はい!」という返事が返ってきました。「そうそう、やらなければならないこと。それ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 7「量が質に変わる」。車の運転でも同じなのでしょう。いくら理論を知ったからといって、実際に練習を重ねないとできるようにならない。だからサーキットに行って練習を重ねる必要がある。そうやって行動に移さないと、人は思考を深められないのだと思います。これは学校の学びも同じで、算数の理論を学んだからといって出来る子ばかりではありません。むしろ、出来ない子が大多数で...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 6クミコさんは、「私は勉強ができない」という強固な鎧を心に身にまとって「勉強ができない自分」を肯定して、現状維持の壁を破ることができませんでした。学習活動が遅いのは、完璧主義の問題もあると思っています。チューリップを植えるのが遅かった1年生は、失敗を恐れる心理があったのでしょう。クミコさんも、問題ができないことが怖い。失敗したらどうしよう、、、と思ったら...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 5丁寧に板書をノートに写すクミコさん。丁寧書いていたら、本人も勉強した気分になるから自分を否定することにもなりません。そこに落とし穴がある。クミコさんの問題は、できるようになる努力をしていないことと、苦手なことから逃げてしまう心にあると思いました。クミコさん自身は、「できる自分」になりたいと思っていることでしょう。でも、その未来に向かって歩き出す勇気がな...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 4クミコさんの授業での様子を見ていると、とにかく、なんでも丁寧なのです。板書を写す時も、とても丁寧にノートに書いていきます。丁寧すぎて、時間が掛かるのが問題で。。。その姿は、私には”逃げ”のように感じました。丁寧に書くことで、考えることから逃げている。授業では考えることや分かることが大切ですが、丁寧に字を書くことで、思考することを拒否しているのでしょう。以...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 3現状維持なら、自分は傷つくことはない。お母さんの話では、クミコさんは家では宿題ができなくて泣いているとのことなので、勉強ができないことで自分自身を責めているのでしょう。なら勉強したらいいじゃんって思うし、そんな風に苦しんでいるのは地獄のようだものだと思うのですが、そういう思考が常態化していると、抜け出せないんですね。クミコさんの問題も、「勉強ができない...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 2心の話には素直に反応して、しっかり話を聞くことができるクミコさんですが、授業となると、とたんに不安そうな顔となります。漢字は以前担任した時にかなり特訓をしたので、止め・はね・払いも完璧に書くことができるし、漢字小テストは、半分くらいは〇になっていたので、全然できないというレベルではないので、違和感がありまくりです。漢字が読めないという話はいったいなんだ...
◆できないという呪縛から脱出したクミコさん 1クミコさんは、前年度の担任からの申し送りで、文章は拾い読みで漢字も読めない、算数の文章題も全く解けないという子でした。前年度の成績は学年の中で最下位層に位置していました。以前に担任もした子で、当時も勉強が苦手だな、、、とは思っていたのですが、何度かお母さんから「お気楽先生が担任の時はやる気があったのに…」という相談を受けていたのです。再び担任した時は、(...
『人生とは自転車のようなものだ。 倒れないようにするには走らなければならない。』これはアインシュタインの名言です。最近、この言葉に出会ってかなり衝撃を受けました。同様な名言は数多く存在していて、泳ぐ魚は沈まない、回る駒は倒れない、など、このブログでも以前に書いた記憶があります。でもなぜ、再びアインシュタインなのか?それは自分自身にとって、「動けない」ことが大きな課題であると最近意識するようになって...
◆『いい人戦略』でいこう!3クラスで話したことまだまだ未熟な私たちだから、いい人を目指して努力していく。そんな話をしていたら、子どもから「嫌なことをした人にも、親切にするのですか?」という質問がありました。これには少し困ってしまったのですが、他の子がさっと手を挙げて「オキシトシンは、相手にもでるから…」と助け船を出してくれました。毎日、いろいろな話をしていますが、子ども達なりに知識をつなげる努力をし...
◆『いい人戦略』でいこう! 2クラスで話したこと「いい人であることは難しいです。だってね、悪口を言われたと思ったら心の中では、怒り爆発状態だものね。私だって同じです。でもね、戦略なんですよ。自分はたぶんいい人じゃない。だから、いい人のフリをする。いい人のような演技をする。例えば、人の顔って口の端…口角というけれど、そこをちょっと上に上げたら、笑顔だと思われる。逆に下げたら機嫌が悪いように見える。だっ...
◆『いい人戦略』でいこう! 1クラスで話したこと「悪口を言い続けたら友達が無くなっていく。これは、怖い話ではないですか? だって、そんな人と付き合ってなんていられないよね。クラスは、悪口を言わない人がほとんどだよね。ちょっと見回してごらんよ。少なくとも、大人しくあまり喋らない子は悪口を言わないでしょ? 休み時間になると外に飛び出してドッジボールをやっている子だって悪口を言っている暇なんてないよ。漢字...
◆自分の色眼鏡を変える 3クラスで話したこと つづき「こういうことはね、騙されたと思ってやってみると良いんだよ。周りの人は親切で優しい人ばかりだ、っていう色眼鏡をかける。そのためには、まず自分が親切で優しい人になることが必要なんだ。知らない世界というのは、信じられないことでしょう。でも教えて貰うというのは、知らない世界を知るってこと。学ぶは真似ぶなのだから、騙されたと思ってやってみる。ケンタ君は、実...
◆自分の色眼鏡を変える 2クラスで話したこと つづき「誰かが「嫌い」と言っているのを耳にしたら、簡単に自分のことだと思ってしまう。手紙を見せて貰えなかったら自分の悪口が書かれているのだと簡単に思ってしまう。人の他人を見る目というのは、これほどまでに曇っているのです。こういうのを、色眼鏡をつけて世界を見ていると言います。例えば、赤色の色眼鏡を掛けている人だったら、どんなものも赤みがかって見えていて、正し...
◆自分の色眼鏡を変えるクラスで話したこと つづき「悪口を言われた場合の対処の仕方の2つめは、自分の色眼鏡を変えるということです。1つめの”相手は変えられないからあきらめる”は、自分は悪くなく、相手が一方的に悪いという場合でした。でも、必ずしもそうじゃない場合があります。それは、自分が濃い色眼鏡をかけて相手を見ている場合です。ひょっとしたら、相手が悪口を言っていない可能性だってある。例えば、私は嫌われて...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)2クラスで話したこと つづき「でもまぁ、悪口を言われたり意地悪をされたりする原因が自分にはあるのだろうから、自分はよりよく生きていこうと思う事は大事だよね。よく皆に話をする人に親切にするとか自分への利益誘導をしないとかといった日々の努力も大事です。そういう努力をしていたら、自分は正しく生きているのだから悪口を言う相手が悪いって、ちゃんと思えるように...
◆相手は変えられないことをあきらめる(明らかに見る)1サトコさん達の一件があって、子ども達に、友達との関係についてちゃんと話をしなければと思いました。女子は特に、高学年になると必ずといってよいほど人間関係で問題が出てくるものですから、よい機会だとも思いました。クラスで話したこと「昨日、ある女の子から相談がありました。友達から悪口を言われているというのです。悪口を言われた場合の対処の仕方は、2つある...
◆悪口を言われた 6「ミコさんの言う事を信じよう」と私がサトコさんに言った瞬間、サトコさんが驚いたように目を見開いてこちらを見ました。そして、ミコさんとクミさんは嬉しそうな表情になりました。ミコさんは、本当に言ってなかったのでしょう。そして今後も言わない自信があるのだと思いました。子どもの喧嘩というのは、双方が自分の正義を主張するばかりで、いつまでも後に残すことがあります。それは、相手の主張を受け入...
◆悪口を言われた 5サトコさんには、ミコさんの「言っていない」という言葉が届かない。それは、自分の正しさに固執してしまっているから。自分自身、サトコさんのような経験は何度もありました。でも、相手の言う事を「違う!」と思いたくなるけれど受け入れていくことが必要です。そうしなければ、問題の解決にはつながらないし、負の感情にずっと固執し続けていくことにもなります。サトコさん達に話したこと「サトコさんはミ...
◆悪口を言われた 4(先生もミコさんも、悪口を言っていないといっているけど、絶対に言った!)サトコさんの心の中は、こんな思いに囚われているのでしょう。その気持ちも分かる。自分の考えに囚われて悩んでしまう。自分の考えを正しいとして、人の言う事を受け入れられない。人は、そういうものなのだと思います。興福寺の阿修羅像は、とても人気の仏像です。仏教に取り入れられてからは、釈迦を守護する神となったそうですが...
◆悪口を言われた 3ミコさんに悪口を言われたと訴えるサトコさん。でもミコさんは言っていないと言うし、一緒にいたクミさんも言っていないと言う。でも、これはどこにも確証はありません。学校は、こういう確証のないトラブルばかりだとも言えます。実際にミコさんが言った可能性もあるわけで、これは困ったなーと内心思っていました。ミコさんの言い分を全て認めてしまったら、サトコさんを否定することになります。サトコさんの...