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2016/05/01

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  • 個人店とチェーン店の棲み分け

    薬局の利用 個人店とチェーン店、棲み分けができるのではないかと感じています。 利用者の性格、利用目的によって「チェーン店でもいい人」と「相性の良い個人店でないとだめな人」に分かれるでしょう。 チェーン店のメリットは、標準化された対応です。マニュアルの質が上がれば、社員の質にあまりよらず高いレベルの対応がなされます。読みやすく、マニュアルを読んだだけで再現性のあるものであるかどうかが鍵になってきます。全体の底上げができるのがマニュアルの良いところです。能力の高い社員切れば、マニュアル+アルファを考える余裕ができるでしょう。 個人店は社員の資質と客との相性が物を言います。相性さえ合えばきめ細かいサ…

  • 孤立対策をしたい周りの人とほっといてほしい本人

    仕事で介護関連の業務をやっている方なら、一度は見聞きしたことがあると思うのが介入困難例。 他人を家にいれるのを嫌がる→これはむしろ自然なことで、自宅は気を使わないでいい自分の空間なので他人に入ってこられるのは困る それならば地域の色々なイベント(規模の大小や内容など幅広い内容)に参加してもらう、どれか一つでも参加すればOK 外に出ることを促す→散歩でもなんでもOK 女性は何かしら外に出ることが多いのですが、高齢になった男性の中には、他の人との関わり方に課題のある方がいます。何故か喧嘩腰、過去の栄光を持ち出す、そもそも他人とかかわらないなど。施設でも男性が孤立している維持例が多いです。たまに朗ら…

  • 薬剤師調査票の質問項目を改善したい

    薬剤師受給の元資料として薬剤師調査を行っていると思われます。 しかし、この質問項目だけで需給を満たすとは思えません。 年齢、性別、生育歴だけで対応できるのでしょうか。 追加するなら ・本人の病気や家族の世話などで現在の状況より長い時間働けない事情があるかどうか (その代わりに現在の就労時間を記載している欄が存在していると思われるが、 ひとり親の場合など常勤で就労しているが世話する家族がいて夜間休日対応は難しい人もいる) ・現在の居住地を離れられない事情がある このあたりまで調べれば、時間帯別、場所別の需給を調べることができそうですが、「薬剤師はやる気がない」という判断をされかねないリスクもあり…

  • チェーン店のマニュアル対応が呼ぶ安心

    旅行中でも食事はチェーン店に行く、という人が少なからずいるようです。 どこに行っても一定のレベルのサービスが提供される、というのが安心のようです。 旅行に行って、個人の店に入るのは勇気がいりますね。その店が美味しいかどうかわからないで利用するのは。口コミ評価サイトで評価がわかるならば評価の高い店に入れば安心です。しかし、地方都市では評価する人も少ないのでいい店かどうかを決めるのば自分です。自分の判断が間違っていて、まずかった場合は非常に後悔します。後悔するぐらいなら、大体の味のレベルが分かるチェーン店に行くという気持ちは理解できます。 他の業界でも同じことが言えそうです。チェーン店だと、誰が入…

  • 生活保護負担金徴収は難しい

    生活保護負担金ありは難しい課題だ。 日本国憲法第25条 第1項すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 第2項国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号) (この法律の目的)第一条この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。 (医療扶助の方法)第三十四条 医療扶助は、現物給付によつて行うものとする。ただし、これによ…

  • マイナ保険証で起こっている現場の手間

    マイナ保険証導入、医療の現場では少しバタバタしております。 1.提示に手間取る患者 今の時期だけだと思いますが、マイナンバーカードの読み取りに時間がかかり、使用方法の説明にスタッフが取られてしまうリスクがあります。 2.保険切り替え直後の照合 転職や転居などで保険が切り替わることがあります。 保険切り替えの手続きそのものは人の手で行われるので、反映に時間がかかります。保険証の返却と送付がない分短くなっていますが、健康保険組合と職場や行政との手続きは自動ではありません。 保険を切り替えた翌日に受診した場合、マイナ保険証を使えば本人照合は可能です。しかし、保険は宙ぶらりんですので、正確なものはわか…

  • 今の高齢者も想定外だった

    今の高齢者も こんなに長生きするとは こんなに体調が悪くなるとは 思わなかったのでは 今年の80際の方が生まれたのが1945年。 中学卒業時の就職率が40%ぐらい。高校卒業後の就職が4割で、大学に行くのは2割いかないぐらい。(男子は2割だが、女子は1割未満) 定年が60歳以上になったのが1994年なので、今の80代は多くが60歳定年です。 20歳の頃の平均余命(1965)は男性50.18 女性54.85 →この時点では70歳ぐらいまでしか生きられないと思っていた 40歳になった時点での平均余命(1985)男性は36.63(76歳)女性41.72(81歳) 更に延びました 20代の頃の予想よりも…

  • 薬価はなぜ下がり続けるのか

    薬価の下げが止まりません。 おかげで、ジェネリック世界最大規模のメーカー・テバが日本から撤退したり新薬が日本で発売されなかったりも問題が出ています。 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001005039.pdf こちらの3ページ 2011年を100とすると、2022年には66.8ですよ。 10年で2/3の価格 デフレにもほどがある。 薬価改定は薬価を市場実勢価格に合わせることを基本としています。 薬価をそのまま市場実勢価格にまで引き下げてしまうと、医薬品の流通管理に必要な配送料、保管・廃棄費用などが加味されないために、「調整幅」が設定されています。…

  • 老後のイメージ

    「自分の体の機能が落ちて、誰かの手助けが必要な状態で生きる期間が10年ある」 これが行政施策で提示している老後のイメージです。 実際の国民生活基礎調査によると、2001年から2019年まで、平均寿命と健康寿命の差は男性で9年女性で12年なのは変わっていません。 www.e-healthnet.mhlw.go.jp 簡易生命表によると、令和5年においては健康寿命とその年令での平均余命の間の期間がだいたい15年あります。 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-02.pdf その期間なるべく体の機能や生活の質が良い…

  • 医療崩壊は人手不足から起こる

    労働力人口の減少と医療・介護需要の増加についての表が掲載されています。 (7ページ目) https://www.mhlw.go.jp/content/10802000/001090217.pdf 2040年 労働力人口は減少(2018年6665万人→2040年5245万人から6024万人) 介護・医療需要は増加 働いている人の1/5は医療・福祉職に就かないと需要を満たせない 効率化しないとどの職業も足りない という状況です。 公定価格ではない他の業種は物価を売る側が決めることができます。事業を維持するための利益を得るために、売値を上げることができます。しかし、医療はそれが難しいです。それ故、給…

  • 医療リテラシーを育てよう

    日本人は医療リテラシーが低いとのたまってしまう医師がいますが、 なぜ国民の医療リテラシーを育てないのか、保健指導が医師の業務だろと私は思います。医師法第一条を何度も読めと。 公衆衛生の分野は、日頃からの国民への啓発と医療従事者の言動が物を言うと考えています。 日頃からフラットな情報提供しつつ、国民を馬鹿にした態度を取らないことが重要。医療従事者自身が襟元を正した行動をしていないと、感染症流行時のような有事には説得力を持たないでしょう。 「俺の言うことを聞いていればいいんだ」という一点張りでは生活指導やそもそも病院にかかっていない人へ声は届かないでしょうし、現在のように堂々と反医療的な発言をする…

  • 長期収載品はいい薬なのに

    医薬品の長期収載品の選定療養費制度が2024年10月より導入されました。 病院で使う薬は薬価が収載され、健康保険を使うときはこの薬価で薬代の支払いを行います。薬価は毎年更新され、原則としてだんだん下がっていきます。 長期収載品というのは、長期間薬価がついている薬のことです。 薬価がつかなくなるのは、販売中止になったときです。 販売中止になる理由 ・売れなくて ・薬価が下がりすぎて採算が取れなくなった(こうならないために薬価が上がる薬もある) ・有害であったり効果がないと判定された つまり、長期収載品と呼ばれる薬は 効果があり 有害でなく 使いやすいのでよく売れる いい薬です。治療ガイドラインに…

  • 理解できないことに対する不安

    いわゆる反ワクチン・反医療の方の根本にあり行動の発端となっているのは不安と恐怖だと思います。 自分の理解の追いつかない病気が流行って、 理解できないままに自分の行動を制限され 理解できないうちに治療薬や予防策が提示され、その作用や根拠も難解 となったら、不安になるのも仕方ありません。 ウイルスや科学の進化はその人の理解を待ってはくれません。 不安を不安のまま外に出せば寄り添ってくれる人がいたかもしれません。不安の出し方が怒りになってしまったり、不安の感情を受け入れてもらえず、なんども(自分の理解できない)科学でボコボコにされたら、頑なになってしまいます。 にほんブログ村 にほんブログ村

  • 反ワクチンの流れ、止まる?

    SARS-CoV2 mRMAレプリコンワクチン「コスタイベ」を発売するMeiji Seikaファルマが法的措置をほのめかした途端に、反ワクチン活動をしていた組織が大人しくなりました。 企業が裁判をしてくるということ 企業内に法務部門が存在し、訴訟経験がある そして、訴訟対策もしている 個人の医療従事者が依頼する弁護士以上に緊密な連絡が取れ、専門能力も高い 訴訟戦略がしっかりじているため、勝てる確率が高い裁判をしてくる そもそも企業は個人よりお金を持っている 確実に自分が勝てる裁判を仕掛けてくるから、やはり怖くなってしまったようです。 名誉毀損なら、明確な証拠があれば司法も判断基準がしっかりあり…

  • 学会の場は色々な出会いの場

    第57貝日本薬剤師会学術大会 この大会、他の学会に比べ交流の場に使われている割合が高いように思います。というのが、他の学会に比べテーマが幅広く学習する内容が比較的平易であるため、裾野が広いです。 ただし、ここでしかやらないのが行政の動きに関するシンポジウムです。これが病院薬剤師の学会との大きな違いと感じています。逆に行政の動きについての話を嫌って学術職の強い学会に参加する人が主流であることも薬剤師の職能向上に良くない影響を与えていると感じています。学術的に能力向上するのも大事だし、免状を与えている厚生労働省の動きを知るのも両方大事です。特に、行政は明確なメッセージを出さないことが多いので、学会…

  • プロフェッションと丸投げの間に

    法令や制度改定を利用者に説明するとき、難儀することがあります。制度改正は政治の方針や法律に則って、行政が細かい通知ややり方を決める。そして現場で運用するわけだが、これに噛みついてくる利用者がいる。 確かに「医学的判断」「薬学的判断」はプロのやることですが、すでに行政の側で答えが決まっていて、それを行政から明示されずに正解を出せと言われている気がする。ゴールポストを変える気満々じゃないかと疑ってしまう。最近は特に公平な制度を求める世論が多いので、そのための細かい制度決定は行政が行うべきである。 国民も、制度に対する意見は行政に行うべきである。医療従事者に求められても違うのである。 もちろん、医療…

  • 災害時にマルチビタミン・マルチミネラルのサプリメントは必要か

    大規模災害時には電気・ガス・水道が止まり、通常の食事がとれません。 現に、災害時には口内炎ができる人が多いという報告があります。災害避難時(自宅避難も含む)にマルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントを持っておくのも一つの方法です。 ただ、市販のサプリメントで「これひとつさえあれば、ビタミンミネラルが種類もまんべんなく、量もバランスよくとれる」ものは存在しない。なにかしらのばらつきがある。 例えば、 ディアナチュラ ストロング39アミノマルチビタミン&ミネラル 総じて水溶性ビタミンは1日の必要量がとれるようになっている。脂溶性のビタミンやミネラルは必要量の1/2や1/3と、とりすぎないように…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(148)「地域に話し相手がいること」

    今回は2024/9/25発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 「地域に話し相手がいること」 現在勤務する薬局は、長年利用される高齢の方が多いです。薬局ができてからの年月も長く、規模は大きくないですが地域での知名度は高いです。長く勤務されているスタッフも多く、店員と顧客という関係を超えた関わりになっています。 そういうわけで、世間話をされる方もちらほらいらっしゃいます。特に、伴侶を亡くされた方が多い印象です。会話の機会が著しく減ってしまうとのことです。先日帰省した時に父親も同じようなことを言っていました。家の外で庭作業をしていると、近所の、これまた伴侶を亡くした人が外に…

  • グレーにしておきたい残薬問題

    残薬問題が取り沙汰されている中、こちらの残薬の使い方について話題に。 子どもの薬の飲みあまり。 頓服が余るのは当たり前でなおかつ余った場合の対処法を口頭で説明している場合もありますが、内服を最後まであえて飲まずに次に同様の症状が出た時に飲ませる事例もあります。 そもそも薬の処方量は、「現在の症状に対し、これだけの期間今回の処方の薬で様子を見る。それでも治らなければ次の治療にかかる」という基準で決まります。内服は飲みきり前提、頓服は飲みきった場合は次の治療にかかるということになります。 薬が余った場合はどうすればいいか?ですが 医療従事者としては「余ったものは捨てて、診察を受けて」と言うしかあり…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(147)「マイナ保険証利用で生まれる複雑な悩み」

    今回は2024/9/11発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 マイナンバーカードを保険証として本格的に利用するようになる日がどんどん近づいてきました。服薬・検診情報の共有化がなされ、効率的な医療が行われるようになると言われていますが、先日薬局であった出来事を見るに、必ずしも利点ばかりではないようです。 ある患者さんが相談に来ました。今のかかりつけ医の治療方針では不安なので他の医療機関に行きたいと。しかし、ご近所さんだからだからなにかの拍子に新しい医療機関にかかっていることがバレたら急に体調を崩しても元のかかりつけにはもうかかれないのではないかと不安でもあると。 地域医…

  • 長生きの価値が下がっている気がする

    長生きすると年金でお金がかかると若い人に文句を言われる時代になったなとか感じています。お金がかかる、その上文句ばかり言う。 コスパで人の人生を考えると 生んだ子どもが育って独立して、働けなくなったら終わり という全く遊びのない人生になってしまい文化もクソもなくなります。 そもそもこの考え方だと、恣意的に他人の生き死にを握れるようになるので望ましくはありません。医学的にどこまででできるのか、可能な限り挑戦するのが良くないといいますが、家族の気が変わって裁判なんてことになったら心身ともに負担が大きくなり、他の患者の治療にも関わるから手を抜くことはできません。 日本人の死因のトップががんであるのは変…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(146)「地域の店を守ることの大切さ」

    今回は2024/8/28発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 南海トラフ地震の注意情報が発表されました。地震に限らず大きな災害が起こったら、移動手段と物流網は寸断されます。そうなると、復旧するまでは地域の人たちで協力し生活をしていくことになります。移動できる距離が非常に短くなります。 そこで役に立つのが地域の小売店です。インフラになりうる大規模(展開)の小売店舗には商品は揃いますが、発災当初は従業員が十分揃わない可能性があります。(近隣に住んでいるのはおパート従業員で、家族の世話があって働けない人がいるし、社員は勤務先店舗とは離れたところに住んでいるため、もちろん、比…

  • 結局お薬手帳は紙なのかアプリなのか

    お薬手帳は紙かアプリか 時々話題になるこの二者選択 結論としては「両方持っておけ」です。 そして、将来的にはマイナンバーカードからの薬剤情報取得がリアルタイムに近くなるので電子的記録に関してはさらに確実に行われるでしょうから、紙の手帳の記録を継続的にしておくことをおすすめします。こちらは記載した時点での情報が残るので、改ざんされるリスクが低いです。 マイナンバーからの医療情報取得は「災害時モード」で閲覧可能になるでしょう。 災害の起こり方によっては、手荷物を持てずに逃げることになるから紙の手帳が流されても代わりの身分照合手段で過去の薬剤情報を取得できるようになります。また、運良く手荷物を持って…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(145)「DgSでの処方箋調剤が増えた場合」

    今回は2024/8/14発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 本紙既報の通り、ドラッグストアでの処方せん受付比率が上がってきて、20%も視野に入ってきました。買い物している間に薬が揃うのは非常に便利です。何なら生活用品を選んでいる間に準備ができて、用事をまとめて済ませることができます。 今後もドラッグストアでの処方せん調剤は増えていくと思われます。その場合、どうなっていくのか勝手に妄想しました。 ドラッグストアは処方せん調剤以外の売上があります。そのため、医師に対しても強気で出られるように思います。門前の薬局だと、処方せんを出さないぞと言われたら多少の無理難題を受け入…

  • 地震学者・気象庁の方の抑制的な態度

    yomidr.yomiuri.co.jp この記事の地震学の専門家の方の発言が抑制的でした。 1週間の理由について、政府の中央防災会議で臨時情報の制度設計に携わった福和伸夫・名古屋大名誉教授は、「避難が1週間を過ぎると体調を崩したり、社会活動の維持が難しくなったりすることを考慮した」と明かす。 同庁の束田進也・地震火山技術・調査課長も「自然科学的な見積もりではなく、社会的な受忍限度」と説明し、「必ず発生するわけではないが、この機会に個人レベルでも社会レベルでも防災対策を見直してほしい」と呼びかけている。 他の分野の視点も含めて総合的な判断をしたという発言をする抑制的な態度が印象的でした。COV…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(144)「公平さが求められる社会について考える」

    今回は2024/7/24発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日、薬局新聞でも連載をされていた熊谷信さんと話をしていて、日本社会のある風潮の変化に気付いた点をお伝えしたいと思います。 調剤報酬改定があると必ずと言っていいほど出てくるのが「調剤報酬算定の基準を事細かく厚生局に質問する人」です。質問の内容によっては算定へのハードルを大きく上げてしまうことになり、しばしばSNSや店舗で話題を呼んでいます。 このような質問をする人に対し、批判的な意見が集まりがちですが、彼らは何も考えてないわけではなく、現場で患者さんと多く接していて社会の風潮の変化を感じ取ってこのような細か…

  • テクノロジーを使いこなすのは人間

    マイナンバーカードを保険証として使えるようになり、 医療情報の共有ができるようになると相互作用の確認や重複する検査をしないで済み、医療費の削減ができるとされています。 ただし、相互作用の確認については医師が「前の医師の薬はやめてわしの薬を飲め」といって前の医師の薬を全部捨てさせると医療費削減にはなりません (結構こういう医師はいる:ややこしいからというのが理由) さらに言えば、検査結果や重複投与のアラームがあっても、医師や薬剤師が適切に判断しなければ意味がありません。あくまで判断するのは人です。もし、アラームを無視する場合はちゃんと証拠が残るようになったほうが責任の所在がはっきりするでしょう。…

  • 服薬フォローの目的とは

    薬剤師による服薬フォローの目的とは 究極的には コストを掛けずに事細かく治療効果を確認するため レフィル処方箋と同じですね。基本的には医療保険を使った場合の費用は税金や社会保険料から出ているので、広くまんべんなく行き渡らせるためにも、一つ一つの工程にかけるコストは下げたいですね。 医師の中は「他人から聞いた情報は信じない、自分の目で見た情報だけを信じる」と、観察スパンを短くして患者を何度も受診させる事例がありますね。それだと受診回数と検査回数が増えて、患者さんも受診するのが面倒になってしまいますね。働きながらだと月1回の受診ですら面倒です。まあ、他の医療者の情報伝達内容が薄いのと伝達の仕方が悪…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(143)「高齢者にDgSは広い?!」

    今回は2024/7/10発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日、スーパーや薬局に勤務する人たちと雑談をしていました。とある店ではシニアデーと称して高齢の方のみ値引きを行う企画を行っていたがコロナ禍で混雑防止を理由として中止したところ、店員の負担が軽くなったり食品のロスがすくなくなったりいいことばかりで、シニアデーの再開はなされていないとのことでした。 シニアデーがあったときは ★肉や魚など冷蔵ケースに保管が必要なものが通常の食品の店に放置されている。レジ担当に「戻しておいて」と頼むのはまだましな方。多くは何の声掛けもなく、店舗内で放置されている。冷蔵保管の食品が室…

  • 薬学系の学会が提言を出すことの意味

    この度、日本老年薬学会が提言を公開しました。 提言の内容jは「施設入居者の服薬」に関するものであり、すべての要介護者・高齢者にあてはまるものではありまぜん。ベストではなく、ベターな形の処方提案です。 提言の内容以上に、薬学系の団体が提言を出したということに価値があります。そして、それをメディアが報道したことも。 www.jsgp.or.jp もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m にほんブログ村 にほんブログ村

  • 薬剤師フィールドリサーチ(142)「市販薬を販売する人の矜持」

    今回は2024/6/26発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 2024/6/6の厚生労働省・厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会では、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)理事の森信氏の発言が注目を浴びました。 その要旨は「ドラッグストアの従業員は、OTC医薬品を届けて、国民から喜ばれている。市販の風邪薬の90%以上、実際には99%を供給している。保険薬局のような少ない取扱品目数ではない。多くの品目を鍵のかかるところに保管するのは非現実的だ。ゆえに、売り場に人員を多く配置し、安全な供給に寄与する。」 この発言は、 安全と利便性のバランスを取った、現状の体制で実現…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(141)「会員と会員以外を差別?試される連携」

    今回は2024/6/12発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 このたびの調剤報酬改定で、地域体制加算の算定要件に「夜間休日対応・在宅医療への取り組みなどの情報を地域で連携し周知する」ことが加わりました。薬剤師会がまとめてリスト化したものを会のサイトで公開する方法でよいとのことです。この件で、ちょっとした問題が起こっているようです。 会員になっていない薬局がこのリストに掲載される場合、掲載料を取ることに反発が起こっているとのこと、 薬剤師会の運営をしている人は、自分の薬局で働きながら薬剤師会の仕事をしているわけで、相当に忙しいです。その苦労を共有せずにリストだけただで載…

  • ヒルドイド選定療養問題

    ヒルドイドが選定医療の対象となり、医療費助成を受けている小児でもお金がかかると聞いた保護者から「先生に頼んで後発変更不可にしてもらおう」というSNS投稿がありました。 医療従事者からは「医学的に先発でないとダメかどうかを判断するのは医師や薬剤師では(今回の選定療養は薬剤師が見て先発でないとだめな場合も認められます)」という声が上がっています。 患者がお願いした場合は処方箋の「患者希望欄」に印がつけられ、選定医療の対象となります。 保険の利かない金額は 先発医薬品の薬代 と 同じ成分・剤形のくくりの後発医薬品の中で最も薬価の高いものの薬代 の差の1/4 で、9月までよりどれだけ高くなるのかは概ね…

  • ダイアン津田さんの素朴な質問に答える

    教えてほしい。処方箋あればどこの薬局でも薬出してくれるんすかね?てかその薬はあるんですかね?数多とある薬各薬局に揃ってるんですか?歯医者の近くの薬局は歯医者さんが出しそうな薬が揃ってるとか無いですか?この処方箋うちに持ってくる(笑)みたいに奥で薬剤師さん達に笑われたりしない? — ダイアン津田 (@daiantsuda) 2024年5月21日 この質問の言葉選び、協力してあげようという気持ちになりますね。 一般の人もこういう疑問を持ち、こういう言葉を頭の中に思い浮かべながら疑問に思ってるのでしょうね。 歯科医の近くの薬局なら歯科の薬が揃うか? 歯科で処方されるといえば 痛み止め 抗生物質 口内…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(140)「従業員を守る」

    今回は2024/5/29発行の薬局新聞掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m にほんブログ村 にほんブログ村

  • 緊急避妊薬の供給について、2024年4月現在の作者の見解

    我が国における緊急避妊薬の供給体制について、私が望むこと 望ましい供給 誰にどのロットを販売したか把握できる上での薬局医薬品(薬剤師が介在しての販売) 完全なOTC化は時期尚早、店の棚から客が直接取れるようになることはない(国際安全保障上の理由) 求められること マイナンバーカードによる本人確認及び販売記録(どのロットが誰に渡ったのかまで容易に管理できるようにする) 男女問わず、「自分で自分の健康に関する情報収集や選択を専門家とともに適切に行えるようになる啓蒙と教育」 自分の意思を主張することはすべて尊重される土壌づくり 2024.4月現在で服用する人がするべきこと 服用したら必ず3週間後に医…

  • 薬剤師フィールドリサーチ()「薬価と診療報酬の改定が別の日になって」

    今回は2024/5/15発行の薬局新聞掲載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 今回の診療報酬改定より、薬価は4月、診療報酬は6月と別の時期の変更となりました。 レセコンや電子カルテを作る企業の技術者の負担が大きいということからの6月改定です。薬価も一緒に6月改定にしたらいいのにと思いましたが、よくわかりませんがそうはいかない事情があるのでしょう。そもそも診療報酬をそんな複雑な仕組みにしなければいいのではないかという気にもなってきます。この複雑さ加減、すごくややこしそうな背景がありそうです。さらに言えば、コンピューターの技術者に温かい配慮ができるのであれば、診療報酬だけでなくさまざ…

  • お薬手帳で確認するポイント、医師と薬剤師の違い

    お薬手帳が私たち医療者にとって特に役立つのは、「どんな病気を治療中なのかが分かる、かつ、その持病の”重さ”も分かる」という点にあります。患者さんにとっては、自分の医学的プロフィールをお薬手帳が代弁してくれて、身を守ってくれる。だからこそ、お薬手帳は常に持参してほしいと思います。 — 山本健人(外科医けいゆう, Takehito Yamamoto) (@keiyou30) 2024年5月5日 これはガチで、我々医師はお薬手帳を見るだけで、あなたがどのような治療を今までやってきたかや、どれだけ苦労されてきたかもふんわりわかります逆に今までロクな医療を受けてなかったかどうかももわかります更には災害時…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(138)「ようやく!容器代の実費徴収」

    今回は2024/4/24発行の薬局新聞掲載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 今年の診療報酬改定でようやく画期的なことが実施されます。 薬の容器代の実費徴収許可です。 小児科や耳鼻科など、水剤をよく扱う医療機関では水剤の容器代を貸与という形で徴収しているところと、容器代は貸与だから徴収できないとしているところに分かれていました。使用した水剤の容器を容器代がもったいないからと再利用してほしいと申し出てくる保護者が時々いて、衛生的ではないと押し問答する場面がこれまでに多々ありました。 レジ袋が有料になり、容器にはお金がかかるという世間の認識が高まったこの時期、容器代を徴収されてもおか…

  • 健康食品もお薬手帳に記載しよう

    機能性表示食品による健康被害問題に関連して、消費者ができることを提案します。 1.健康食品を購入する際に専門家(薬剤師、登録販売者、管理栄養士など)のアドバイスを受ける 2.服用しているサプリメントや健康食品も商品名とともに包装や添付文書の成分を記載したところをお薬手帳に貼る 3.お薬手帳を薬を購入したり医療機関で診察を受けるときに提示し、健康食品を撮っている旨伝える この3つを行うことで、大部分の健康被害を防ぐことができます。 もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m にほんブログ村 にほんブログ村

  • 薬剤師フィールドリサーチ(137)「健康食品に関する不安に我々ができること」

    今回は薬局新聞2024/4/10発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します、 健康食品による健康被害に関する報道がなされています。薬局や病院の現場でも地域の皆さんから問い合わせがあると思います。ここで、薬剤師や登録販売者は専門家としてどのようにたち振る舞えば国民の安全と安心を守る最適解を見つけることができるのでしょうか。 健康食品を否定し、正しい医療に導く方向に向かえば万事うまくいくのでしょうか?確かに根拠のある健康につながるのかもしれませんが、地域の皆さんが自律的に動く意思を奪ってはいないでしょうか?「自分で正確な健康を得る」というのがセルフメディケーションの本質です。この「自分…

  • アライ、痩せる効果はいかほど

    日本初の市販の内臓脂肪減少薬「アライ」(成分名オルリスタット)で人はどれだけ痩せるのか? brand.taisho.co.jp によると、摂取した油脂の1/4を吸収を阻害するとのこと。 日本人の理想とする脂質摂取量50gとして計算すると、 50×0.25=12.5g 12.5g×9kcal=112kcal 1日に米60gとらない、1食のごはんの量をひと口ふた口減らすぐらいで同等の効果が得られます。意図せず脂のような便が出る恐怖とどちらがいいでしょう?・トイレが汚れる(油が出るので掃除しづらい) ・便漏れパッドやおむつが必要になる・匂いを気にするようになる 結構きついように思うのですが・・・パッ…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(136)「意識の変化はゆっくりと」

    今回は2024/3/27発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日、とあるテレビ番組で薬剤師の仕事に対する知識の無さから繰る発言で、SNSが沸いたことがありました。結局、謝罪があったのですが、一般の方の反応が過去のそれとは大きく変わっていることに気づきました。薬剤師に対する擁護の声が大きかったのです、10年20年前は、「病院で聞かれたのに同じことを聞かれるのは面倒」という声のほうが多かったように思います。これも、全国の薬剤師が地道に現場で活動してきた成果でしょう、一般の人の意識が変わるのには、だいぶ時間がかかるものです。そういえば、処方箋と一緒にお薬手帳を出す人も増え…

  • 紅麹の入ったサプリメントとの因果関係が否定できない健康被害

    紅麹サプリメントに服用した人に起こる健康被害についてですが、 2024/4/1現在ではわからないことばかりです。 原因となっている物質の特定がまだなされていない(なんか想定外の物質が含まれていたことまではわかっているが、それがどのように体に作用したのか、わかっていない。そも現時点で発見された物質以外が原因かもしれない) そもそも因果関係がまだわかっていない(因果関係迄調べるとなると、相当な時間がかかる。関連があるかもしれないという実験、検討であれば動物実験で行えるのでもう少し早くなるが、数カ月はかかる) ので、あたかもサプリメントが原因であるかの報道は先走っているように思います。 安全のために…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(135)「薬剤師でいるうちは解消しない?積読の山」

    今回は2023/3/13発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 家に溜まっていっている、業務関連の雑誌や書籍。今や山積みとなっております。読む暇がなく本の山だけが積み上がる一方。それなのに新しい情報や学問を得るべく書籍を購入していく私。書籍の山が積み上がる原因は他ならぬ私自身であります。 みなさん、薬学関連の専門書ってどれぐらいの期間保管しておくものでしょうか?あまりに古くて治療法が変わってしまったものは保管する必要はないと考えますか?それとも、古い治療法で効果が出ているので長期間継続している事例もあるのでその学習のために保管しておくものか。 書店で見て印象が良くても一…

  • 肥満症治療薬「ウゴービ」

    肥満症治療薬「ウゴービ」が世に出ます。これ、何もしなくても痩せられる薬という認識でメディアに取り上げられそうなので、そうではないことを申し伝えておきます、 肥満と肥満症は異なります。端的に説明すると、肥満が元ですでに別の病気を併発している状態を肥満症と呼び、これはれっきとした疾患です。 肥満症の診断基準に必須な健康障害 1) 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など) 2) 脂質異常症 3) 高血圧 4) 高尿酸血症・痛風 5) 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症 6) 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA) 7) 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) 8) 月経異常・不妊 9) 閉塞性睡眠…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(134)「現場に求められるのは倫理観」

    今回は2024/2/28発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日訪れた市販薬の売り場、商品POPに「お一人様1点まで」「服用者の年齢を確認」といった記載がありました。購入者に対し注意喚起を行うと同時に販売する側への引き締めにもなっています。 市販薬は資本主義経済の上に乗っていて、どうしても売上や利益という数字が販売する側の脳裏にちらつくのですが、確かな安全という基礎のもとでの話です。 昨今、医薬品市場に限らず様々な業界で品質不正の問題が起こっています。企業は安い値段や早い納期で売上を逃さないようにと躍起になっていますし、顧客も安い値段を望みますが、安全は絶対的なもの…

  • 在宅専門薬局はありかなしか

    結論から言えば「ありだが、特定のスーパーマンだけで回っていると運営が危うい」です。 今回は「在宅専門薬局」について解説します、 この世には、自宅で療養していて、通院が難しい方がいます、 入院するほどではないが、疾患自体は重い、もしくは老化などで体の機能が落ちて動けない患者さんです。がん末期の方で、最後は自宅でという方もいます。 こういう方を入院させていれば家族は世話をしなくて良くて心身ともに楽ですが、この高齢化社会ではいくら病院や施設があっても足りません。離れて暮らしているうちに病気の家族のとの心身ともに距離が離れてしまいます。病気になるわ家族は離れていく元々の疾患が更に悪くなってしまいます。…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(133)「お薬手帳に市販薬の情報を」

    今回は2024/2/14発行の薬局新聞掲載「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 先日、SNSで「服用した市販薬の包装と成分を記載したものを貼っているお薬手帳」を掲載された方がいました。それはいい方法と多くの方の称賛のコメントと他の人も真似てほしいと拡散の書き込みがなされていました。 その方の何が良かったかと言えば、「薬の成分と製品名を両方掲載している」ことです。市販薬の商品名だけだと、昔のもので販売中止になっていたりリニューアルされていたりで成分が特定できない可能性があったからです。成分をお薬手帳だけで確認できるので、本人が意思を伝えられないときでも他の人に服用している(いた)こと…

  • 薬局機能情報の入力が面倒

    厚生労働省の提供する医療情報システムG-mis。2024年2月現在、薬局機能情報を入力している方が多いと思います。 詳細すぎて誰が見るのか、しんどい時には見たくないぐらいの情報量です。 「禁煙」「高齢者」「栄養」など、相談内容ごとに回答できるかどうか尋ねてくるのですが、そもそも地域住民からの相談がすべて一つの分野で収まるとは限りません。一人の相談者ごとにオーダーメイドで答えを出していくのですから。わからないことがあったら、調べます。嘘を言ってはいけないというのは肝に銘じて。それがプロです。 あと薬局の面積、これは利用者には直接関係ないやろ! 本当に困っている人がこの文字の細かすぎる情報システム…

  • たとえ重大事件の容疑者であっても

    とある重大事件の容疑者が瀕死の重症でした。助かる可能性はごくわずかでしたが、必死の治療の結果、なんとか一命はとりとめました。そして、裁判の結果、死刑判決が出ました。 裁判する前に死ぬのと、判決が出て死刑になる。被害者やその家族、被告だけでなく、治療に携わった医療者にとってもこの2つは大きく意味合いが異なります。納税者からすれば、自分の支払う税金が被告に使われる分が他のことに使われるからいいのかもしれませんが、正当な裁判を経て刑の執行がなされることの意味は大きいです。 被害者やその家族にとっては、刑をもって責任を果たすことや、被告が何を思って罪を犯したかわかることで少しは救いになるでしょう。 被…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(132)「インターネット販売とネット電話利用による販売は違う」

    今回は2024年1月24日発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 「有資格者によるネット電話での説明を条件に一部の薬の直接対面販売を義務としない」 メディアでは「医薬品のネット販売全面回解禁」と書くのはミスリードではないでしょうか。 販売時に専門家の目を通す、というのは変わっていません。購入者との対応の結果、販売するしないを決めます。 この結果、ドラッグストアの薬剤師や登録販売者の雇用は減るでしょうか?私は、そう大きくは減らないと考えています。 対面販売が必要な市販薬はまだありますし、第一類医薬品や要指導医薬品を販売するたびに対応が必要なため、それなりの人数の有資格者は…

  • 緊急避妊薬、単なるOTC化でいいのか

    全国で緊急避妊薬の試験販売が行われていますが、ただ単に市販薬でいいのかという疑問が湧いてきました。 性加害の問題です。 ただ単に販売しただけだと、背後にいる性加害やDV・不適切な男女間の関係・や反社会的勢力の問題への追及が断ち切られてしまうのではないかという心配があります。 その場の問題はただ薬を飲めば解決するかもしれません。その場面の様子を思い出したくない、何も話したくない気持ちがあるのは理解します。根本的に解決するには、加害を行う人間が加害をしなくなることではないでしょうか。そのためには、その場の問題を表面的に乗り切る方法はベターではありません。 緊急避妊薬を飲んで妊娠する可能性がかなり低…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(131)「新春SP 盛況!医療者BAR」

    今回は薬局新聞2024/1/10発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 新年あけましておめでとうございます!2023年、大阪・梅田に開店したBAR「看護師と薬剤師がつくったBat Medista」。連日盛況です。今回は、昼間は訪問看護ステーション、夜はBarの経営と二足の草鞋を履く坂本恵美さんにお話をお聞きしました。★バーを経営しようと思った理由は?元々私自身が飲食店経営に興味があり、人が集まる場所を作りたいと思っていたんです。今まで様々な経験を積んできてコロナも落ち着いてことで、今ならできる!と思えたのが2022年で、様々な人に相談させていただいてました。その時に現在共同経…

  • 災害対応と残薬

    2024年は正月から地震に見舞われて大変な年明けとなっております。災害時に薬を切らさないためのライフハックを紹介します。 1.お薬手帳を常時携帯する お薬手帳は災害で処方元ととの連絡がつかなくなった場合に処方箋のかわりとなる可能性があります。熊本地震の際にそのような通知が出されました。(お薬手帳、薬情、薬袋など医療機関側が作成した処方された薬に関する資料をもとに調剤可能) 通知が出ていなくても、災害時や身内の不幸で遠方にいることになり薬が貰えない場合もお薬手帳を現地の医療機関に持参すれば同じ薬もしくは類似薬の処方で薬物治療の継続が可能になる可能性が高いです。 この場合に気をつけるのは、冊子が新…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(130)「今こそセルフメディケーションの推進を」

    今回は2023/12/20発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 家族が痰の絡んだ咳が出るとのことで、出医療用医薬品が供給不安定だしいい市販薬はないかとドラッグストアに行きました。ここで勧められたのが去痰剤だけの薬。こっちも薬剤師なので併用等は心配ないと判断し、購入しました。 セルフメディケーションの必要性が叫ばれて久しいですが、市販薬の中には色々な成分が入っていて「これは症状に合わないのではないか」と買うのに躊躇するものが多い中、有効成分が絞られているOTCは貴重です。何種類も買うと病院で診察したほうが安くなるのですが、今は薬がなくて対応できないことも少なくないので、…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(129)「濫用のおそれのある医薬品の扱い」

    今回は2023/12/6発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 濫用の恐れのある市販用医薬品について、一人あたりの販売数を制限がなされています。さらなる規制として該当成分を含む市販薬の販売中止が囁かれています。しかし、その前にできることがあるのではないでしょうか。 該当成分を含まない類似の薬効を持つ薬は市販されているでしょうか?濫用をしない大部分の人のニーズを満たす必要があります。製造車が泡でできることは、依存性についてはかなり慎重に検討して、有効成分の含まれる市販薬を販売するのが一つの方法です。 販売者側で何ができるでしょう?本人確認と販売記録、問診と医薬品の陳列場所…

  • むしろマイナ保険証を推進すべき

    www3.nhk.or.jp 「マイナンバーとひも付けの保険証情報 台帳と不一致 約139万件」とあります通り、 住民基本台帳の記載(住民票や戸籍の記載:こっちが役所が管理している情報)と 保険証記載の情報(本人や会社による手書き申請書を保険組合が手打ちで入力)が一致していないという報告です。 健康保険に加入するときといえば、入社時が多いです。入社時の提出書類に、住民票記載事項証明書がないところもそこそこにあり、漢字が難しいなど、住民票と違う記載で名前を書いている場合、保険証と戸籍で名前の漢字が違うこともしばしばです。い最近ではマイナンバーカードの提示が必要なところもあるので、このようなエラー…

  • 医薬品増産は手間がかかる

    医薬品の増産にはそう簡単にはできません。 例えるならば、「衛生管理とレシピがガチガチに決まった家庭用の調理」です。 どれぐらいレシピが厳重かというと、食材の入手経路まで事前に届け出る必要があります。その基準を満たしていない場合、製造することはできません。 家庭用の調理なので、その食材専用の調理器具は用意されていません。他の薬を作ったのと同じ設備で薬を製造します。もちろん、同じ設備で前作った薬の中身が混入してはいけないのでしっかり器具を洗います。しっかり洗えているか確認した上で、新しい薬を作る必要がありますし、他の薬も過不足なく供給しないといけないので製造計画を急に変更することはできません。ある…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(128)「コロナ治療薬有料化で起きたこと」

    今回は2023/11/22発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 2023年10月以降、抗SARS-CoV2薬が有料化されました。主に高齢者施設からあったこれらの薬の処方がほぼ止まりました。コロナ患者さん自体も減っている印象があります、お金がかかるようになったら後も処方されないのかと驚いております。 発熱して受診する患者さんの主流は小児になりました。コロナよりもインフルエンザが多いように思います。対し、大人の発熱患者は減っているように思います。小児の場合は親御さんが心配するのと、保育園や幼稚園が診察を要請するのもあると思います。 これは実際にコロナに感染した患者が減った…

  • リフィル処方箋には患者も責任が伴う

    医療費削減にはリフィル処方箋を活用する案が出されていますが、リフィルが適応される場面って思ったよりも少ないと考えていますし、患者が負うリスクや責任が増えるというのは大きく広報スべきと考えています。 例えば 毎日血圧を測って記録し 受診も定期的に行い 血圧の数値も安定していて 生活習慣も規則正しく 異変に気づく知識を持っている人 であればリフィル移行は非常に簡単です。こういう人なら、自分の異変に気づいたら受診します。 実際に投薬していると 自宅で血圧を測定している人はあまり多くないのが現状です。 医療現場で必要となるのは 検査を自宅にいながら行える機器の普及 自らの体調の異変に気づくようにするた…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(127)「医薬品卸と門前薬局の価値」

    今回は2023/11/8発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 よく言われる「門前薬局は医薬分業の理念に則っていない」などといった門前薬局悪者論ですが、医薬品供給が不安定になっている昨今では、医薬品の安定供給に役立っているようにも思えます。 ご存知の通り、医薬品卸やメーカーは誰に薬が処方されたのか知ることはできません。(何人に処方されたのか、医薬分業であるならどの医師が処方したのかも知ることができないことがほとんどです。)いくつ発注があったというデータのみでメーカーは生産、卸は分配を行うことになります。 門前薬局があると、ある特定の薬が集中して調剤されます。調剤したら必…

  • 門前薬局の利点

    医療業界内ではよく言われる「門前薬局不要論」しかし、医薬品供給の効率化という点ではいい役割を果たしているのではないでしょうか。 通常、医療用医薬品は100錠とか500錠、1000場といった包装単位で入ってきます。その箱から処方箋に書かれている量(処方箋により使われる量がバラバラ)を取り出して患者さんにお渡しします。 例えばマグミット錠330mgの場合1回日服用量が1錠から6錠までバラバラです。 そのうえ、処方日数もバラバラです。一度に使われる量がバラバラです。 -------------------------------------------------------------------…

  • インチキ治療が意外と訴えられないのは

    いわゆる「インチキ治療」ですが、意外と訴訟されていない印象があります。 がんにまつわるものの場合、患者が亡くなっていることが珍しくありません。インチキに気づいたところで、治療を受けた人は帰ってきません。 遺族が裁判する気力がないというのもありそうです。しかし、インチキ治療を施す人は最初は人当たりがよく、患者の話をこれでもかと傾聴します。これで「気持ちが満たされた」「気が済んだ」と思うようです。この、「気が済んだ」という要素は、死に至った場合は特に重要になります。遺族にとってはどうしても避けたいけれど避けられない死の苦しみを「気が済んだという感覚」は大きく軽減してくれます。そのため、医療としては…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(126)「そもそも敷地内薬局は必要か」

    今回は2023/10/11発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 敷地内薬局建設をめぐり、病院経営幹部と薬局企業経営幹部の癒着による贈収賄事件が報道されました。一般国民からしたら、どう影響するのか分かりづらいこの事件、世間の反応は薄いようです。 「そもそも病院の中になんでわざわざ保険薬局を作る必要があるのか」という疑問が思い浮かびます。医療従事者ではない人からすれば、そこまでやるなら病院にたくさん薬剤師を雇って院内で完結したら待ち時間はあるけど行って帰るだけで薬も手元に渡るので問題ないのではないかと感じます。 医薬分業開始当時は「医師の言うことは絶対」という風潮はかなり…

  • 原稿を書いて解説する人は想像より儲けていない

    論文などの一次資料を調べて解説してくださっている医療従事者がいます。こういう方はさぞお金を儲けているのでしょうと思われていますが、意外と支出も多いし身を削っているということを軽く書いてみます。 自分の調べたことをまとめて医療情報として提供する場合の作業工程 1.一次資料を読み込む 2.原稿を書く 3.一旦表に出す 4.さらに新しい事実が出るなどして改良する 一般の人が考える「原稿を書く」は2.のみのことは多いですが、「真っ当な医療情報を伝わるように書く」場合、1,4の作業にかける時間と手間が多いです。これらの正確さが、今後の自分と自分以外の医療従事者が発信する信頼の度合いにも繋がります。 では…

  • 薬剤師フィールドrリサーチ(125)「零売は本当に悪か」

    今回は2023・9・27発行の薬局新聞掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 第8回医薬品の販売制度に関する検討会でまあいろいろあったようです。医療用医薬品はすべて医師の指示のもとに置きたい医師側の発言に「まずは現場で患者から出ている問い合わせを聞いてからにしてほしい」と思った次第です。 これらは実際にあった患者さんからの問い合わせです。問い合わせは薬局の開局時間外にも来ることがあります。 1.気がついたら明日からの薬がない。病院もしまっているのでわけてくれないか。 (過去多数) →他の薬局で調剤しているうえにお薬手帳による記録もない事例やその中に処方箋医薬品など分譲できない医…

  • とあるタグに内包されるいくつかの闇

    タグの名前紹介しないんですけど、処方薬をSNSを利用して販売している人らがおります。 もちろん犯罪ですし、薬の種類によっては罪名が加算されてさらに闇落ちしてしまうリスクがあります。 すべての医薬品 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(いわゆる薬機法)第十二条 麻薬 麻薬及び向精神薬取締法 第二十四条の11、第二十五条 向精神薬 麻薬及び向精神薬取締法 第五十条の十六、十七 覚醒剤原料 覚醒剤取締法 第三十条の七 不正に入手した覚醒剤原料を服用した場合は 覚醒剤取締法第三十一条にも違反します。 そして、このタグは確実に取締の部署に把握されていて、投稿した人の個人情報も…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(124)「COVID-19第9波とセルメの可能性」

    今回は2023/9/13発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 世間では「COVID-19第9波、患者数増加」の報道がようやくなされるようになってきました。私の勤務する薬局でも患者数は増えている印象ですが、配達することがほとんどないため業務負担としては去年よりは軽くなっています。 体力的な負担以上に大きいのが「薬の不足」です。咳止めや痰を押さえる薬、解熱剤、特に小児に出す薬が供給不安定で、しょっちゅうメーカーが変わったり、果ては薬そのものが入らなくなったりしています。 医薬品は急に生産ラインを変えて増産することが特に難しいです。そんなに臨機応変なことはできません。そんな…

  • 処方箋の指示は誰に向けて?

    ちょっと前だったか、処方箋に使用部位を書く必要があるのか?という趣旨の発言をSNSでされていた医師の方がいました。 そもそも処方箋記載の指示は誰に向けてのものなのか、そのことに立ち返って考えてみましょう。 処方箋に対する定義 医師法 [ 処方せんの交付義務 ] 第22条 医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければならない。 医師法施行規則 [ 処方せんの記載事項 ] 第21条 医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、容量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の…

  • とはいえ支える人が減ってはいないか

    零売を利用する理由「医療機関が開いていないから」 一般的なサラリーマンが医療機関をかかれるのは土曜日しかありません。実際に体調が悪いならともかく、継続してかかっている疾患の治療に毎度有給休暇を使うのは現実的ではありません。通院だけですべての有給休暇を消費してしまうことになります。さすれば、家族との用事や趣味的活動には参加できないことに。 もしよろしければバナーのクリックお願いしますm(_ _)m にほんブログ村 にほんブログ村

  • 薬剤師フィールドリサーチ(123)「零売を医薬品安全供給の手段に」

    今回は薬局新聞2023/8/23発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 第7回医薬品の販売制度に関する検討会で医療用医薬品のうち処方箋医薬品以外のものを最小限販売するいわゆる零売について議論されました。この内容が「きちんと安全に供給する体制を作ることを省略していきなり規制する」といういささか乱暴なものでありました。 すべての医療は医師の統括のもとに、という医師法の根本を大きく解釈した物言いで、現在の個人を尊重する風潮とは非常に相性の悪い流れになっています。 このままの流れが続くと、セルフメディケーションも否定されるのではないかと危惧しております。間違った医療を行うのは許せない…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(122)「薬局淘汰の波?」

    今回は2023/8/9発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 職場近所の薬局が閉店することになりました。門前の医療機関がしまるわけでもないのに。他にも近くに薬局は複数あり患者さんは行きたい薬局に行けば済むのですが、近隣で働く私は「ついに薬局淘汰の時代が来たか」と戦々恐々としています。 そもそもクリニックと対になって薬局があるというのが非効率な気もします。患者さんにとっては自分に合う薬局を選べる、医療機関としては自分の患者さんが主に行く薬局があるから待ち時間も短いし医療機関の要望も伝えやすいという利点はあります。大きな薬局一つあれば、スタッフ同士連携しあって近隣の在宅患者…

  • もし統合医療をしたくなったら

    ヨガ、鍼灸、サプリメント・・・これらのことをしたくなったら、まずは参考にするサイトがあります。 厚生労働省が統合医療に関するサイトを開設しています。 www.ejim.ncgg.go.jp 情報の見極め方や、統合医療とは何か、についてわかりやすく(ときには動画を使って)広報しています。 こちらをしっかり読んでから行うかどうか決めても損はありません。 この治療を行うと害のほうが大きいことはしないに越したことはありません。 害もなければ効果も薄い場合は、「〇〇をしたい」という気持ちが満たされるのであれば行ってもいいのではないでしょうか。この「気持ちが満たされる」が人生の質を大きく上げます。 おすす…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(121)「薬剤師・登録販売者の副業」

    今回は2023/7/26 発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 昨今、サラリーマン界隈では副業の話題が出てくる機会も増えました。 そして、自分が経営者ではない、雇われる側の薬剤師・登録販売者が増えました。もはや多数派ですね。所属する組織の就業規則では副業についての規定が存在すると思われます。 薬剤師の場合、学校薬剤師や休日診療所への出務など地域事業へ参画する機会があります。これらは地域に根ざした薬剤師に求められる役割であり、調剤報酬で定められた「かかりつけ薬剤師」に求められる要件にもなっています。これらの業務には報酬が出ます。企業が一切の副業を禁止した場合、これらの算…

  • 薬剤師に処方権を(3)セルフメディケーション編

    薬剤師による医療用医薬品の販売や軽医療に対する処方権を得ることが、医師の負担を軽減し、国民も医療へのアクセスが容易になります。 市販薬というジャンルの存在を認めない場合→闇で医薬品(もしくは医薬品に見せかけた中身がよくわからないもの)を入手するリスクが高まります。 薬剤師もしくは登録販売者による支援の下、適切な医薬品もしくはサプリメント、もしくは生活の工夫を行っていくことで税金から支払う社会保障費を減らす目的があります。 そもそも、セルフメディケーションとは全部を顧客が決めるものではなく、専門家のアドバイスを持って適したものを選んでいくものです。それが国民に浸透していないのが課題。 市販薬だけ…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(119)「コロナ5類移行後1ヶ月が経過して」

    今回は2023/6/28発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 COVID-19が感染症法上の5類感染症になって1ヶ月が経ちますが、去年もコロナ患者さんの薬を配達したり発熱患者さんの対応をしたりしていた立場としては、発熱患者さんの対応が減ったという印象です。 他の業務に支障が出るお度ひっきりなしに発熱患者が来るわけでもなく、配達だけで日に10件ということもありません。 対し、小児の風邪症状の患者さんがだいぶ目立ってきました。コロナでもインフルエンザでもない感染症の患者さんが多く、学校や幼稚園保育園での集団生活の中で普遍的に起こっているようです。これも、小児科の対応をして…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(120)「デジタルサイネージをきっかけに」

    今回は2023/7/12発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 最近、待ち時間の情報提供の手法としてデジタルサイネージを利用する薬局らドラッグストアが出現しています。多くの情報を掲載できるので、待ち時間に飽きることなく情報提供する事が可能です。そして、店舗でスライドを作成して反映させることができるので、迅速な対応が可能です。 先日、患者さんがデジタルサイネージの刑事についての感想を聞きました。「内容はしっかりしていて参考になる。だけどね、手元に残そうとスマートフォンのカメラで写真を撮ろうとすると、画像が切り替わっちゃうんだよね」 神の掲示であれば、利用者が勝手に写真を撮…

  • 薬剤師フィールドリサーチ夏の特別編「コロナ禍に面薬局を船出して着実に地域で支持を積み重ねる令和の開局者を訪問」

    今回は2023/7/26発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 今回の「薬剤師フィールドリサーチ」夏季特集号企画では、将来的に薬局は淘汰の時代を迎えるとも指摘される厳しい経営環境のなか、逆に『門前に医療機関は存在しないけれど、地域の住民や医療機関の支持を地道に得て着実に成長している』という新しい薬局経営者の方をSNSで拝見し、実際に訪問させていただくことになりましたのでご紹介します。大阪市中央区に2020年開局した『たから薬局』を運営する株式会社スリーピース・代表取締役の松本慶子さんにお話を伺いしました。 ――たから薬局は医療機関の門前ではなく、面分業での対応となってい…

  • 薬剤師に処方権を(2)処方箋応需編

    形式的疑義照会の省略、薬剤師による薬剤選択の幅を広げることを希望します。 現行制度では処方箋の薬の記載方法によって事細かく変更ルールが定められています。 安くなる方向にしか変更できないのが基本です。 昨今の医薬品の供給不安も含め、患者の同意のもとで薬剤師の権限で同一成分の薬に変更できるようになれば治療の中断が防げる可能性が高くなります。 (現行制度では同一成分の先発医薬品同士の変更には疑義照会が必要) また、残薬の調整や1週間に1回服用の製剤を他の薬を一緒の日数出すなど軽微なものに関しては事後報告で対応できるようになると、患者の待ち時間も短縮されます。 また、フェルビナクスチック軟膏 50g(…

  • 薬剤師に処方権限を(1)処方設計編

    薬剤師が医師の治療方針と患者の生活に合わせた処方設計を行うこと業務として確立することを希望します。 現在も「薬剤師外来」を持っているところは、医師の診察前に薬剤師による問診で副作用のモニタリングや薬の使用状況を考え、検査値や病態をもって処方内容の提案を行っています。 処方提案も、医師が一から処方内容を決めるのではなく、薬剤師が処方内容の雛形を作成し、医師の判断材料とする形を取っています。 今後、AIの機能向上が行われた場合、データや知見からの処方設計はAIがある程度雛形を作成しますが、ここに患者の価値観が入ってくるので、完全にAIに置き換わるものではないでしょう。 なぜ、このような提案をするか…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(116)「調剤補助導入で増えること」

    今回は2023/6/14発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 各地の薬局や病院では、調剤補助の方を採用しているところもあると思います。薬剤師の業務負担軽減で対人業務に当てる時間を長く濃くするというのが目的のようですが、実際に負担が減っているのかどうかはいささか疑問です。 レセプト業務を事務の方に振って久しく、事務の方なしでは業務が回らないのは紛れもない事実です。薬剤師が特に指示を出すでもなく、動いてくれる業務も多く非常に助かります。こちらの方も調剤補助といえます。 しかし、薬を触る意味での調剤圃場はわけが違います。薬剤師による指示・確認が必要です。この指示出し、正確に…

  • その議論に患者はいるのか?

    疑義照会、特に形式的疑義照会についての議論がツイッター上でありました。 疑義照会とは 薬剤師法第24条を根拠とします。 [ 処方せん中の疑義 ]第24条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。 じゃあ、どういった理由で「疑わしい点」が出てくるのでしょうか? 1.この処方箋の記載では患者さんが薬を使うことができない場合 薬の使用方法の記載漏れ 医師からすれば、「診察のときに患者さんに口頭で伝えた(もしくは診察した部位が明確である)から処方箋に書いてなくても大…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(115)「コロナ5類移行でどうなったか」

    今回は2023/5/24発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 5/8にCOVID-19が感染症状の扱いが5塁となり、抗ウイルス薬以外は治療にお金がかかるようになりました。 今までは、風邪症状の患者さんが店の前の呼び鈴を押してやってくる姿が散見されたのですが、5類に変わって、大人の風患者が減ったような印象があります。代わりに、風を引いたお子様が続々と来局するようになりました。学校や保育園幼稚園で集団生活が始まって1-2週間で風邪をひく子供が続出するのはコロナ前では例年のことでしたが、その光景が戻ってきたようです。 連休前は大人の風邪もそこそこにいたようなのですが、どこに…

  • 薬剤師よ萎縮するなかれ

    やってきました「薬剤師の権限を大きく増やす動き」 こういうのって、結構な割合で某職能団体が某開業医団体に恐れをなして自分の権限を放棄する流れになってしまう。なぜこうなるのか。 現在の50代以上の世代、薬剤師として入職する際に「医師の機嫌を損ねるな」とか言われたり、実際に医師に理不尽な目にあったりしていて、医師のちょっとした機嫌の悪そうな動きを見ただけで萎縮するように仕込まれているわけですよ。不機嫌で人を動かそうとする人の常套手段です。 しかも、この流れに医師の味方になって挙げ句自分の権限を増やす存在もおりまして。そう、看護師です。看護師はこういうパワーゲームが得意です。 まずは新人の医師に対し…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(114)「マイナ保険証・電子処方箋で確認できても」

    今回は2023/5/10発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 マイナンバーカードを用いた保険証や電子処方箋では、患者本人の同意があれば服用している薬剤の情報を意思も知ることができます。これにより、薬剤師による併用薬の確認は不要と考える向きもあるようですが・・・・ 薬剤師として知りたいのは、 「併用薬が何であるか医師が参照しました」という事実 ではなく、 「併用薬の情報に対する医師のアセスメントと患者に対する指示、その根拠」 です。 医師の治療方針に即して患者に薬剤の適正使用をすすめるのが薬剤師の仕事です。医師の指示が治療につながらない場合は疑義照会をします。 治療に関…

  • WHOによるコロナワクチンの優先度

    www.who.int www.cnn.co.jp この提言を読んで、「小児にCOVID-19ワクチンは不要」と考える向きがあるようですが、そういう意味ではないことを解説します。 基本方針:高齢者や基礎疾患を持つ人など、感染したら重症化しやすい人達を守る 小児の場合:他のワクチンを接種する疾患の予防接種を優先する 国の予算規模によって優先順位は異なる ワクチン自体の効果について説明した提言ではない まずは、WHOという機関がどういう立場かを考えないといけません。 世界保健機関です。 ということは、世界全体の公衆衛生を考える必要があります。 世界にはいろいろな国があります。国によって公衆衛生の整…

  • COVID-19の5類移行、つまりはこういうことですわ

    5/8よりCOVID-19が感染症法の扱いが5類になります。 www.mhlw.go.jp その根拠 未知の感染症とはいえなくなるから。 病気の大体の治験が揃って、治療法もざっくりとできてきたから。 5類になる→1-4類ではないため 感染症の範囲及び類型について(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000739517.pdf 1-4類にはもっと仰々しい扱いをしないといけないような病気がありますね。 かといって、5類に分けられるものも重症度感染しやすさバラバラです。 (ヘルパンギーナから麻しんまで幅広いですね) 今までの知見から、5類に分…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(113)「現行制度にほんの少し工夫を」

    今回は薬局新聞2023/4/26発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 働きながら病気の治療をしている人は本当に多いと思います。現在の保険医療制度にほんの少し工夫を行えば、働く人に優しく安全な医療になるのではないでしょうか。 1.30日処方制限を35日に 働いている人の中には休みの曜日が決まっている人が少なくありません。1ヶ月に1回受信するだけで休みのかなりの部分が奪われます。その上、休みと祝日が重なってしまうと、受診間隔が短くなる場合があります。 受診した日の28日後が祝日の場合で、処方日数30日制限の薬がある場合、薬を切らさないためには1週前倒しで受診するか。他の日…

  • 平均寿命が著明に短くなるのは

    COVID-19の流行時期を境に、平均寿命が大きく短くなった国があります。 (日本は横ばい) これは、死亡する人における若い人(ことに小児)の割合が高いことを示します。 ちなみに2022年の死者数は1,582,033人 うちCOVID-19による死者数は約39,000人 死者数の約2.5%にあたります。 日本人の平均寿命が2020年現在で84.62 令和3年簡易生命表の概況によると、COVID-19が平均余命に影響した期間は 弾性0.10年女性0.07年となっています。 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life21-…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(112)「コロナ5類でどうなる」

    今回は薬局新聞2023/4/12発行号薬剤師フィールドリサーチの記事を掲載します。 とうとう、CONVD-19が5類になるわけですが、色々気になることがあります。 1. ドラッグストアではマスクを付けるのか医療機関、医療提供施設である薬局は感染リスクの高い人が来るのは明白なのでマスク着用を推奨されますが、ドラッグストアはどうなるのでしょうか。感染予防という点で事業者側がマスク着用を推奨することは可能ですので、今まで通りではないかと考えられます。外来で通院している人も、生活に必要なものを買いに行きますし、症状がなくても感染させることができる性質があるので、スタッフを守るためにもマスク着用は推奨さ…

  • SARS-CoV2ワクチン定期接種化を検討

    SARS-CoV2ワクチン定期接種化を検討 2023年 5-8月 高齢者・基礎疾患を持つ人・医療・介護従事者 1回目 9-12月 全員 5-8月接種者の2回目 2024年以降 年1-2回の定期接種 基礎免疫は2022年までに接種しておこう(小児以外)というメッセージだったようです。もう少し大々的にやってほしいし、これからも基礎免疫をつけられるチャンスがあるという広報をしてほしいもの。 感染しても死ぬようなやばいことになりにくくする、という国側の準備は済ませました。それを選択するかどうかは国民次第ということ。 中には、大規模・長期のデータが出揃うまで接種しない選択をするという人も人もいるので、デ…

  • 薬局資本による大きな薬局

    薬局資本による大きな薬局を作るほうが良いのではないかと思うことがあります。今、大手の薬局のいくつかは商社資本ですし、経済界の方も多少は儲かることでしょう。もしくは、物販ですでに利益のあるドラッグストアが医薬品を一手に扱うことで、 医療の倫理と距離を置く人(薬剤師、登録販売者、管理栄養士など他のスタッフ)たちが、医薬品だけでなく公衆衛生や生活についての根拠のある(大きな害にならない)助言を、生活者目線ですることで、押し付けにならない健康増進につながると考えています。 医療者は医療の論理を重視するあまり、他の価値観を踏みにじっているように思います。 医師としては「医師法第一条に則っているだけだ」と…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(111)「医薬品の零売制度に関する疑問」

    今回は薬局新聞2023/3/22発行号の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 医薬品零売についての議論がなされています。 安全に使用する 乱用しない セルフメディケーションという観点で考えたいと思います。 医薬品零売をする場面として 1.現在飲んでいる薬の手持ちが切れた場合の緊急対応策としての零売2.すでに市販薬として販売されている医療用医薬品を薬剤師の管理下で販売3.漢方薬局など、専門性の高い薬剤師によるもの が挙げられます。 薬剤師による現状の聴取、販売記録、記録の保管お薬手帳やマイナ保険証の利用による医薬品服用記録、そのた医療機関受診記録の確認により安全性担保処方されている薬…

  • 地味だが大事な薬剤師の仕事シリーズ(1)「薬のピッキング」

    地味だが大事な薬剤師の仕事を解説するシリーズを不定期で行います。 今回は「薬のピッキング」です。 処方箋には以下のように記載があります。 【般】カンデサルタンシレキセチル8mg 1錠 1日1回朝食後 28日分 この場合の判断するステップ 患者さんの併用薬、アレルギー、体重、処方日数制限、腎臓や肝臓の機能、信仰(ムスリムの方はカプセル剤不可)、嚥下機能。薬局の在庫。入手しやすさ、飲めそうな剤形、既往歴、ジェネリック希望の有無の確認 薬をピッキングする前にこれだけ考えますが、これは別項目で記載します。 特にアレルギーも併用薬も支障なければ、先発希望か否かで選択肢が変わります。 先発の場合:ブロプレ…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(110)「”キラキラ薬剤師”の皆さんに望むこと」

    今回はあ薬局新聞2023/3/8発行号掲載の「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 学会発表や論文、各種著作物の執筆や先進的な取り組みで薬剤師向けメディアに登場するいわゆる「キラキラ薬剤師」。彼らの先進的な取り組みばかりが取り上げられます。 確かに、先進的な取り組みは注目を浴びやすく、目玉となりがちです。 しかし、私は彼らを素直に受け入れることができません。若い頃は「どうせこんな薬剤師にはなれない」と落ち込み、薬剤師歴も長くなってそろそろベテランと呼ばれるようになってきた現在では「彼らにもなにか抜けているところがあるに違いない」と一貫して疑いの目を持ち続けています。後ろ向きもいいとこ…

  • 学会の場で感じた寂しさ

    とある学術大会に参加して、薬局薬剤師が研究する難しさを感じた話をお伝えします。 ある研究発表で、若手のホープとされる人が発表していました。発表するためのデータを取っているときの所属薬局と、発表する時点での所属薬局が異なっています。おそらく、優秀であるがゆえに異動になったのでしょう。 チェーン展開している薬局ではよくあることです。研究などで良い成果を持つ薬剤師は、業務に疑問を持ち、解決していく力があります。その能力を店舗運営に使われてしまうのです。安定して現場業務をこなし、よい研究を続けていく環境に置かせてもらえません。マネジメントに携わる能力のある人材が少ないからです。 ここで継続して良い研究…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(109)「マスクは日常生活に馴染んだ?」

    今回は2023/2/22発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 ドラッグストアの店頭に並ぶマスク、年々バリエーションが豊かになってきているような印象を受けます。そして、通行人のつけているマスクも多様化してきています。昨年、一昨年のような布マスクは減って、カラーの不織布マスクの方が増えています。 マスクを外そうといった動きが強くなっているように報道されますが、実際に外に出るとマスク着用に順応している人が大部分に見えます。特に、冬から春にかけてはもともとマスクをする人が多い上に防寒になると気づいたのでしょうか、マスク着用を不便に思っている様子もあまり見られません。 もはやマ…

  • 医療契約

    最近、医師の命が狙われる事件が目立っています。 ここで、気になるつぶやきがありましたので紹介します。 医師は比較的高収入で雇用も安定しているという点では強者だが、診察は原則断れないこと、モンスター患者や家族に最終責任者として対応しなければいけない点など明らかに弱者な点を改めて思い知らされる。 — 宋美玄🐰子宮体がん検診は実は不要です (@mihyonsong) 2022年1月29日 さすがに弱者は言い過ぎではないかと思いますが(逆に反感を買うので使わないことをすすめる表現です)、診察を原則断れないというのは医療と他の業種との違いです。 それと、他の業種は値段を自由に決められ、サービスの価格を高…

  • 薬剤師フィールドリサーチ(108)「軸職員の争奪戦が始まる?」

    今回は2023年2月8日発行の薬局新聞「薬剤師フィールドリサーチ」の記事を掲載します。 最近、多くのお店でアルバイトやパートの募集をかけています。この時給が年々上昇しているように感じます。最低時給が上がっているからなのはもちろんですが、それ以上に上がってきているように思います。どの業種も人手不足みたいですね。 介護や医療分野はどうでしょう。ずっと人手不足ですが、他の業種に比べると給与は見劣りしている印象を受けます。 薬局では、調剤補助にピッキングなどをしてもらおうという動きが活発です。これは、薬剤師より安い人件費で雇える作業担当者を雇おうという経営判断からなされる部分もありますが、優秀な人材を…

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