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死と蜜 Death & Honey https://deathandhoney.hatenablog.jp/

死と蜜 人生はいつもトリッキィ 言葉はいつだってマジカル

ラジカルかつロジカルに。今日を生きよう、なんて言うのは簡単。見えないものを形に、言葉にするとどうだろう。生きているという錯覚がしないだろうか。何か痕跡を残したいというせめてもの抵抗。 人生の模範解答に沿って生きたい方はどうぞご自由に。私はくぐり抜ける。そして存在するために生きる。

furacoco
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2016/04/23

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  • ”世界中の夜を背負って”

    抱えすぎて重くなっても、宵の果てには朝しかない 夏の酩酊を避けろ 気を許せば、あっという間に無人社会 色々な歴史が地層のように私の体に重なる 私は私の事しか知らないのに たった一人でもこんなに重いのはなぜ? 心の混沌 言葉の矛盾 論説の誤解 未来のない暴走 その全てに負けた そんなのはわかってるんだ あなたは世界中の夜灯を背負っている 世界中の孤独を背負っている その深い藍色の背中に あなたを助けたい あなたを赦したい

  • ”もう安売りはしない”

    くだらない言葉を吐いて消化しようものならそれは愚かで 想ってもいない言葉をさらっと言ってしまえるのも 「素敵」だとか「綺麗」だとか「かわいいね」とだかも全部安売りだもの 私の人生はそんなに安くない そう思えるのはきっと大切で その大切さの意味もよくわからないまま 意地を張って 警戒して 小さくなって生きてきた 花に例えるのはもうやめて 息ができない この檻の中じゃ 許されることなら、高く崇く堅く

  • ”雨の中の白猫”

    雨に濡れた猫が目の前を通り過ぎた 薄汚れた白猫 重そうな身体 雨に濡れた猫はどこへ行く? 宿はない 家はない 寄りかかる軒下もない この街にはもうない 私はひどく切なくなった 似たようなもんだ 私だって あなただって 猫と一緒に 家を探そうか ホーム・スウィート・ホーム そんな場所はないのに 家なんてものは 私と猫はきっと二人、濡れたまま 途方に暮れて 雨が過ぎるのをやり過ごすだろう

  • ”雲はサイン”

    なにが出るか試してみよう おっとびっくり燦然世界 飲めないお酒に無理矢理頼り 理屈も形式も無い、ジャンプ・アップ 君の話にはほとほと疲れた 越えていけるかな 崖っぷち 我慢が大事さ 忍耐強く ああ、なんて儚げなんだ つらつら、空に文字を描いてく 雲は神様からのサイン あの形は…

  • ”教えて”

    いろんな思いがあって それが形になって 素敵だなって思う 夏の影 命の形 瞳に映った景色を教えて

  • ”静かの海で”

    その額に 気まぐれに 黒衣の堕天使のキス 夕暮れ 手遅れ 罪を背負い 穢れてしまった道徳心 また会いましょう また会いましょう 静かの海で 何が聴こえる? 互いの姿は見えずとも 身体が朽ち果て 無くなっても

  • ”地獄を一緒に過ごすのも悪くない”

    いじらしく 抵抗のしようのない響き その名前 呪いであり魔法でもある 地獄を一緒に過ごすのも悪くない あなたとなら、ね 憂鬱を手懐け 絶望と固く友情を結び 閻魔大王でさえ畏怖の念を抱くという その涼しげな目元に 伏せた睫毛に あらゆる美が集まり ため息をする 呪いであり魔法でもある 地獄を一緒に過ごすのも悪くない あなたとなら、ね

  • ”ディレイ”

    言の葉はひらひらと舞い 刻まれたハーシュノイズ 置換された影 蒸留された想い 帰ってこないやまびこ ディレイしてディレイしてディレイして

  • ”疼き”

    小さな画面に本音を刻みこんだのは良いものの、 一晩寝かせたらゴミ屑 哀れその思いは delete. 一瞬で消え 拍手喝采 満員御礼 そんな人生のエンディングを夢見た頃もあった 祝福しろ 肯定せよ 愛してくれ 愛してくれ 愛してくれ 打っている実感の無い文字 撃たれた覚えの無い銃創 そこかしこにあって 時々疼くのです

  • ”君にならば殺されたい”

    人の情けに嫌気がさして 差分 切り捨てて 夜中 虚空に吠える 唐突に忌々しい罪への懺悔 君にならば殺されたい その気で呼吸している そのつもりで生きている 君にならば殺されたい 明日が来なくってもいい

  • "分断の銅像"

    優雅に進む 無理なく進む そのはずだった どこかで狂ってしまった 分断された空間 箱庭 怒るだけで精一杯の人達 かわいそう 憐れみの染み込んだ土壌 知らんぷりした銅像 世の喧騒なんてどうでも良いよ、と 風雨にさらされている 傘をなくした私は ずぶ濡れで帰った よくわからない怒り よくわからないから機嫌が悪いのか 濡れてしまえば どうでもよくなった あの公園の銅像は 私と同じ

  • ”夜が開けることを知らない子供たち”

    化学煙はファルセット 空高く昇り 裏返り 消えていく 血圧は下がる 心臓をノックする 生きようと 生きようとして ぶつ切りの言葉 祈りはもはや遠い 叶わずに散った花たちや 朝を知らず 夜が開けることを知らない子供たち いつか終わりは来る 締めの言葉を用意する間も無く 世界 その奥の奥の 核心に触れたい時にだけ 私は防御を解く 夜が開けることを知らない子供たち この魂は君達に捧げる

  • ”ウインクを一つ”

    躊躇いの因果か 野生の系譜か 背筋を昇ってくるスリル 遠い遠い先祖の声がする それに従っているだけ 罪を犯し 裁かれたこの魂は 果たして清らかになったか? 太陽の黒点 忘れたつもりでも いつもどこかに黒い点 −こびりついた血は消えず 断頭台で 洒落た言葉の一つでも吐いてみたいもんだ 転がる私の首は 最後に ウインクを一つ

  • ”うめき声の破片”

    湿っぽさを振り切り 無縁 もどかしいが耐え忍び 孤独 強く生きていたいだけなんだ −夕日が水平線に溶ける 風景に負けるつもりはない 心象、描いた習作の山 蝋燭で照らす 波打ち際 辺り一面に うめき声の破片 拾っても拾っても 数が減る気配は無い 回収屋の出番 あとは連中の仕事 瓶のサイダーを買って私は帰路についた

  • ”霧の運河にて”

    本当に恋しい時に会いたい人が運命の人だから 君じゃないね 寂しい時じゃなく 穴を埋めるのではなく 永遠という嘘で遊んでるのさ 揺らぐ気持ちの中で 不安のボートに乗り 船頭は私に優しく語りかけた 運河は霧深く 私は船頭が何を言っていたかもう思い出せないでいる 悲しいよ 悲しいよ お薬を飲んで お薬を飲んで 今日が行き過ぎる ただただ行き、過ぎる 全部夢というオチはない 船頭が何を言っていたのか思い出せない 会いたい時に恋しい人はいない 会いたい時に 会いたい時に

  • ”頭の中、空白で圧迫”

    枯れた葉を踏む 消えた摩擦に問う 信じた儀礼を蔑む ないがしろにした約束を思い出す 連れ添った無限は錯覚 頭の中、空白で圧迫 やがてそれに満たされ いずれ歳をとり 朽ち果てるのだろう 細長い彫像はあなた 枯れた木の枝でほほを弾く 今日の帰りもまた枯れ葉を踏む 頭の中は空白で圧迫されていく

  • ”無限のエンドロール”

    寄り添えど 足並みは合わず わざとかなって勘ぐりもしたし 色々捨ててきた 予防線張っても 死ぬだけだった そこかしらにヒントは張り巡らされ 人生の伏線を回収 君のストーリーに私は登場しないんだね ねえ、待ってよ 牙はもう無いし この身体は洗浄装置で清めたよ そのはずなのに 霧が深くて 君の顔が見えない 足跡すら追えない 暗く白い森の中 橙色に堆積した腐葉土に膝をつき 今まさに死にゆくところさ あー、バイバイ。 (そして流れる無限のエンドロール)

  • ”心意気を讃えよう”

    空振りの中の 心意気を讃えよう 宙を切って死んだ 蠅のように死んだ 大酒呑みの山の民はぐうぐうといびきをたてている その夢の中で 結婚式があった 人間と北極狐の結婚式 やあ、めでたい やれ、めでたい と 寝言は私の家にまで届いてきた

  • ”滞留する蒼”

    届きません 声も、言葉も、視線も、手も ほんのささやかなものを待っています なので夜は少し泣いたり お酒を飲んで電話をかけて、からかうかもしれません ごめんね 感じていたより距離は近く でも見た目より心は遠い さめざめと言葉を投げては 心が折れ また塞ぎ込んでしまいます 若さとは「何回折れたか」であり 「何回生まれ変わったか」なのです 蒼いうちが華

  • ”夜になぐさめられてしまう前に”

    ちょうだい もっとちょうだい 返事が見つからない 涙は溢れるのに 何も言葉にならない 夜は不思議 私は包まれ、なぐさめられてしまう 足りなさを引きずって浪費 病みは癒えぬまま行為 秘密は秘密のまま 誰にも言えないことばかりが この身体の輪郭の内側を埋めていく 教えて もっと教えて 夜になぐさめられてしまう前に

  • ”断層”

    もうズレて 力抜けてくだけで 断層 誘惑に近いだけの血と肉 揺れる灯籠 魂を映したゆらぎ 白い衣も黒い衣も 皆血で染まる どうせ皆夜明けには消える 新しい朝は 君の名前を思い出せないだろう その笑顔も やがて消えていくだろう

  • ”くっついてはなれる”

    燃え殻の人たち 行く末は皆同じ 抵抗してみても 反発してみても同じこと 変わりやしないんだから ガラス製のマネキン 虚空を見つめ 店の天井隅に設置されたスピーカーが当たり障りのないBGMを流しているよ 誰かの人生の応援歌 誰かの魂の鎮静剤 でも、私のじゃない コピー&ペーストで造り出される生命 ほらくっついて またはなれた

  • ”雪は深く”

    悲しい知らせに君は問う 深くベレー帽かぶりなおし 息は白く 言葉を選び 撃つ銃は神様の一撃 胸に開いた風穴が僕の勲章さ これ以上説明はいらないよね 語れば語るほど雪は深く 紡げば紡ぐほど血が流れる

  • ”救え”

    叶わなかった 散れ散れの夜たち その願いや祈り 掬いとって 卵 墮落の悲劇 愛らしき十七歳 どれもこれも散れ散れになった夜たち それもこれも卑屈になった轍 神の怒り 背いて 君は光り、笑う 端的に言えば「答え」だ ただ一つに纏まらない想いなんだ 君の穏やかなその・・・

  • ”お前は宙吊り”

    はりきりたいね やりきれないね なんて捨ててって 消えてったって 結局「いくら?」って 相場踏んで 死んでくだけで 悲しいよね もういいよね? 言ったそばから蒸発 泣いてすぐさま出発 悲しいだけで もう 泣いてるだけで 力にもなれない 痩せた若者は 毒を吐きながら また死んでいく また 幸せにもなれない 不幸せにもなれない お前は宙吊り

  • ”苦し紛れに”

    苦し紛れに 戦った痕跡は罠 大きな音がする どこか工事かしら 体の奥まで響く音がする 夕闇に紛れてスイサイド気分 己の凍結 閉鎖していく心 暗い海は何も語らない 死に際に 戦った痕跡を讃えよ

  • ”光れるなら”

    消えない 見えない 連なりをもったつらさ 黒い鎖 連鎖する光 君と私の間で霞んでいった言葉たちがある もう一度思い出して もう一度言い直して 何か戻れるなら 空で光れるなら また行きたい海があって きっと変わらない波音があって

  • "射程距離内"

    怖いな怖いな 期待しちゃって 暗いな 暗いな 裏切られちゃって 重いな重いな 引きずっちゃって 喰らいな喰らいな 蒼も真も無も 虚も哀も死も はみ出すならば真夜中暴れろ 割り切るならば数字が良いよ 全部無視して 全部無視して 近づくだけ近づいたら 射程距離内 もう呼吸もできない

  • ”願い事”

    やっぱ情緒不安定になるな あのたおやかな春が つなぎ留めていた微かな 匂いも手触りも確かな 名前も知らぬ膨らんだ赤い花 身体を司る命令系統が入れ替わって 残照 砂の地を這う定めが 水の中息ができない哀れな 暗礁 でも、もう優柔不断はやめたから 君と巡って果てるその次の朝は もう逃げないから もう嘘はつかないから 「大丈夫」って言って お願い「大丈夫」って言って

  • ”スワン・ソング”

    譲り合って 沈黙 「いずれ⋯」だって 辛辣 君の肌まであと少し 意地で生きたっていとおかし つまらぬ想いが堆積して 見知らぬ者同士が相席して どこまで行ったって冥府 そこまで言ってもセーフ? 露骨に死んだ顔して警告 粗忽な振る舞い故に遺曲 これはスワン・ソング あとは知らん。どうぞ

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