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andante*アンダンテ* http://andantetsukasa294.blog.fc2.com/

花より男子二次小説。大人になった司とつくしの物語。いくらかの涙と幸福を感じていただければ幸いです。

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2015/11/08

  • 始まりの前に

    「あの。この傘、電車の中にお忘れではありませんか?」その声に振り返えると、そこにいたのは20代後半と思われる女性。その女性が青い傘を差し出してきた。それは僕の傘だ。だから僕は「すみません。ありがとうございます」と言って傘を受け取った。すると女性は「どういたしまして」と言うと背中を向け改札を出て行った。それが彼女との最初の出会いだ。ラッシュアワーの満員電車。朝のダイヤは過密で、何もその電車に乗らなく...

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  • 金持ちの御曹司~違う、そうじゃない~<後編>

    パーティー会場から逃げ出した司は地下にある駐車場を目指し走っていた。だがそんな司を女たちが追ってきた。「ツカサ!どうして逃げるのよ!」「ちょっと!私とのことは遊びだったの?!」「ねえ!感謝祭の前の日の夜に言ったことは嘘だったの?!」「一緒にジェットコースターに乗ったとき私のことを好きだと言ったじゃない!」「ハワイで夕陽を見ながらクルージングしたとき愛してるって言ったわよね?!」「シドニーのオペラハ...

  • 金持ちの御曹司~違う、そうじゃない~<中編>

    それにしても恋人はどうして司の言葉を信じないのか。だが、それらのことを別としても思うことがある。それは恋人が何故あの時間、あの場所にいたのかということ。恋人は会社員で平日のあの時間は仕事中だったはずだ。だからあのことが何故か仕組まれたような気がしてならない。誰かが司と恋人との間に揉め事を起こし、ふたりの仲を引き裂こうとしているのではないか。もしかして母親の楓か?いや。そんなはずはない。かつて恋人の...

  • 金持ちの御曹司~違う、そうじゃない~<前編>

    「違う、違う。そうじゃない。そうじゃない!まて、待ってくれ!誤解だ!」男は叫んだが女は背中を向け去って行った。叫んだ男は金も権力も持つ男。体脂肪が4.8パーセントしかない男。おかしいくらい濃くて長い睫毛を持つ男。そして、コンプレックスなど無いと言われる男。つまり男は男性的魅力を持つ男で神の憐憫の情を必要としない男。そんな男が恋人にフラれた。そしてそんな男の前にいるのは心配する男。面白そうに笑う男そ...

  • リメンバランス <後編>

    壺の中にいる私の耳に届いた彼女の言葉は心に突き刺さるもので、真冬の湖の水底に沈んだナイフだった。私はすぐにでも壺から出て彼女を抱きしめたかった。外見は違うが私は記憶を取り戻した道明寺司だと名乗りたかった。しかし私は自分の意思で壺から出ることは出来ない。それに生きていた頃の私は人には言えないようなことを平気でやってのける人間であり、暗闇の中で人生を終えるに相応しい行いをしてきた。だからそんな人間であ...

  • リメンバランス <中編>

    「クリスマスイブ。何か予定がありますか?」クリスマスが近づいてきた。私はいつものように私が作った料理を食べている彼女に言った。「え?」「ですからクリスマスイブです」「いいえ。別に予定はないわ」「そうですか。では私と一緒に外出してくれませんか。何しろ私はひとりでこの部屋から出る事が出来ません。ですが壺の持ち主であるあなたと一緒なら外に出ることができる。だから私を外へ連れ出して欲しいのです」彼女は私の...

  • リメンバランス <前編>

    私の記憶はあるところで止っていた。だから私は彼女が誰なのか分からなかった。だが私の周りにいる人間は口を揃えて言った。「思い出せ。そうしなければお前は一生を暗闇の中で過ごすことになる」と。だが私は彼らの言葉に耳を貸さなかった。そして彼女を思い出さなかった。だから私の人生は彼らの言う通り暗闇の中で終った。「ご主人様。ご用ですか?」「ええ。悪いけど、あそこの電球を取り替えて欲しいの。私じゃ手が届かないか...

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  • 言葉のちから

    「司!頑張って! 」「司!頑張れ!お前なら出来る!」「そうよ司!司なら出来るわ!」「そうだぞ司!頑張れ司!あとひとり抜いたらお前が一番だ!」若い男女は目の前の直線コースを駆けて行った男の子にそう声をかけた。そして、最初にゴールテープを切った男の子の姿に歓喜の声を上げて抱き合っていた。「ねえ。さっきのご夫婦の息子さん。あんたと同じ名前みたいね」妻は隣にいた男女が立ち去ると、そう言って司の顏を見た。そ...

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  • 幸せのレシピ

    「遅くなってごめん!」玄関の扉を開けた恋人は部屋の中に駆け込んでくると鞄の中からエプロンを取り出した。そして、「それにしても鬼のかく乱ってこういう事を言うのかもね?」と言って笑った。司は恋人の言葉に反論を返すことなく唸った。海外出張から戻った司は風邪をひいた。高熱というほどではないにしても熱がある。そして声が出ない。だから言葉で意思を示すことができず唸ったのだ。この状況を鬼のかく乱と言うのならそう...

  • 分水嶺

    <分水嶺 (ぶんすいれい)>最果ての場所はどこですか。私たちはそこに行きたいんです。もしあなたが一組の男女にそう言われたらどう答えますか?私はその時こう思った。このふたりは禁断の恋をしている。刹那の恋をしていて、何かを捨ててきた。そして終らぬ恋を終えようとしている。永遠に隣り合って眠るための場所を探しに、この島を訪れたのだと。ここは日帰りするには勿体ないと言われる景色を持つ南の島。だから、この島を...

  • 夏はドラマチック 14

    沈黙が流れた。司は言葉を失っていた。まさかとは思ったが、王女は司によって動物的な本能が刺激されたようだ。「私が王女だからって、遠慮しないで欲しいの。あなたには、これまで他の女性としてきたように私に接して欲しいの」と言った王女の頬は赤味が増したが、黒い瞳はたじろぐことなく視線は逸らさなかった。つまり大胆なことを口にする王女は本気だということ。だから司はそんな王女に、ささやくように声を低め言った。「わ...

  • 夏はドラマチック 13

    司はしばらく、その言葉について考えた。それは司を拒んでいた女が口にした自分の知らない世界を見せて欲しいと言う言葉。そしてその世界とは男と女の世界。「なあ、俺がここに呼ばれたのは_」「私、経験がないの…..男性経験が」司は発せられたその言葉に不意を突かれ息を呑んだ。それから、うめいた。王女は司にお願いがあると言ったが、この話の流れからすると司に相手になれと言っているのか?だがそれは司の勝手な思い込みの...

  • 夏はドラマチック 12

    司は広い部屋の中央にいたが、この部屋が居間などではないことは明らかだ。何しろ壁に飾られているのは、この国の歴代の王と妃の肖像画。つまりここは謁見の間ということだが、いずれ次の国王となる彼女の肖像画もここに飾られることになる。そして隣には王配の肖像画が飾られる。本来なら司の恋は身分違いと一蹴されてもおかしくない。だが王女の側近の西田は王女が司と恋に落ちることを望んでいる。けれど司は地位や名誉が欲しい...

  • 夏はドラマチック 11

    司が王女の唇の端に付いたクリームを舐めた日から1ヶ月が過ぎた。あのとき王女の目は丸くなり言葉を失った。そして食べ掛けのパフェを置いて逃げだすように店を出て行ったが、司の親指が触れた唇は柔らかかった。それに唇は少しだけ開いた。司はあの日から毎日王女に手紙を書いた。そしてそれを王女の側近である西田に渡していた。西田は司が王女に恋心を抱いていることを知っている。それに西田は王女が結婚することを望んでいる...

  • 金持ちの御曹司~背広の下のロックンロール~<後編>

    司は用意された髭剃りを手にバスルームの背景幕の前にいた。そしてカメラのレンズを見つめていた。いや。カメラの向こうにいる女を見つめていた。「ええっと、あなたの名前は__」「道明寺司だ」「では道明寺さん。あなたの状況は朝起きて下着を付けて髭を剃っているところよ」と言った女はファインダーを覗いた。だから司は言われた通り髭を剃るポーズを取った。すると女はシャッターを切り始めた。「なあ」司は髭剃りを顎に当て...

  • 金持ちの御曹司~背広の下のロックンロール~<中編>

    「くそったれめ」司は言語道断の下着に毒づいた。が、再び箱の中に手を突っこみ、ヒョウ柄のブリーフを摘まみ上げるとニヤリと笑った。「おもしろそうだ」司は牧野という女のカメラマンとしてのキャリアがどれくらいあるのか分からなかったが、年は30歳くらい。そしてその女が裸に近い男に慣れてない。男のセクシーな姿に慣れてないと見た。それは司が下着を手にしたとき、頬を赤らめたからだ。つまり女は平然を装ってはいたが、...

  • 金持ちの御曹司~背広の下のロックンロール~<前編>

    「ねえ。このモデル。カッコいいと思わない?」「そう?顏がクドイと思うんだけど」「そんなことないわよ。この顏のどこがクドイのよ?」「だってほら阿部寛っぽいじゃない?あの顏がクドクないって言うなら誰をクドイって言うのよ」「確かに阿部寛はクドイと思うわよ?でもこのモデルは阿部寛ほどクドクないわよ」「じゃあ誰レベルよ?」「そうねえ…..北村一輝じゃない?」「北村一輝?北村一輝も阿部寛も似たり寄ったりの顏の濃...

  • 夏はドラマチック 10

    彼女の目の前に差し出したクリームが乗ったスプーン。司は彼女がスプーンを受け入れるかどうか口元をじっと見つめているが、彼女の両手は膝の上に降ろされている。だからあの時のように殴られることはないはずだ。「私は朝からこれを食べるのを楽しみにしてきたわ。だからその時間を邪魔しないで欲しいの」彼女はそう言うと司の手からスプーンを奪い取って自分で口へ入れた。そして、きれいにクリームを舐めとったスプーンをテーブ...

  • 夏はドラマチック 9

    彼女がゆっくりとまばたきをした。だがすぐに顏をしかめ呟いた。「まさか….あなたあの時の顏だけがいいバカ男?」司は彼女があの時と同じ言葉を口にしたことに笑いだしそうになった。それは彼女が司のことを覚えていることを知ったからだ。「でもどうして?何故あなたがここに?」と、言った彼女は表情が険しくなったが、その反応に司は笑った。「どうしてだと思う?」「どうしてって、そんなこと聞かれても分かるわけないでしょ?...

  • 夏はドラマチック 8

    覚えていない___思っていた通りの答えが返ってきた。だが口調は丁寧で柔らか。しかしそれは王女の立場がそうさせているのだろう。司はあのとき彼女の右手が腹に加えた衝撃を忘れてはいない。あれは力強いパンチで司が一瞬息を呑んだ隙に彼女は走って逃げたが、その逃げ足も速く見失った。つまり王女は優雅に見える外見とは違い本来は元気で威勢のいいということ。そして司はそれまで自分に興味を示さない女に会ったことがなかっ...

  • 夏はドラマチック 7

    王女であるつくしは、生きるために働くことはないが王室の唯一の後継者となったことから、こなさなければならない多くの公務を抱えていた。昨日の午前中は慈善団体や教育関連団体の代表者との面会。午後からは宮殿に迎えた外国からの賓客をもてなすため常に笑顔でいた。そして夜は晩餐会だったが、それらの公務はこれまで何度も繰り返してきたこと。だから慣れていた。それに公務に対しては国民の幸せのためという信念をもって臨ん...

  • 夏はドラマチック 6

    罠にかけられるのが嫌で女と長続きしたことがない。それに自分から女を口説いたことがない。そんな司が酒を浴びるほど飲んで口にしたという一度くらい女を口説いてみたいの言葉。だが司はそんな言葉を口にした記憶はない。けれど、もしかするとそれは心の奥にあった王女に対する思いがそう言わせたのかもしれない。何しろ相手は王女。司が容易に近づくことが出来ない相手。だから初恋は叶わないものだと諦めていたからだ。だがしか...

  • 夏はドラマチック 5

    「こちらが王女様のお気に入りのお店です。王女様はこの店のパフェが大好物です。ですから2週間に一度の割合で店を訪問してお召し上がりになられます」渡されたのは王女のお気に入りの店の地図司は西田の王女を誘惑して欲しいという頼みを引き受けた。それは今でも初恋の相手である王女のことが好きだから。だから他の誰かに代わりをさせることなど出来なかった。「それから、こちらが王女様のスケジュールです」次に渡されたのは...

  • 夏はドラマチック 4

    自宅に戻った司は強い酒を飲み、頭の中を整理しようとした。バーで西田の口から王女を誘惑して欲しいという言葉を訊き、むせそうになった。そして親友たちから、お前がその立場にピッタリだと言われ脇腹を殴られたような気がした。「まさかな…….」親友たちには話さなかったが司は王女を知っていた。いや。少し言葉を交わしただけでは知っているとは言えない。それに王女は司のことを覚えていないだろう。司が王女と会ったのは17...

  • 夏はドラマチック 3

    「それってつまり王女様を誘惑して欲しいという意味ですか?」あきらは真剣な顏で訊いた。「はい。王女様は今年の12月で26歳になられます。しかしご結婚の意思がございません。つまりこのままでは直系の子孫が生まれることがないということです」西田はひと呼吸おくと言葉を継いだ。「我が国は直系の方が国を継ぐことが決められています。王子であった弟君が亡くなられた今、王女様が結婚をなさならいということは、この先この...

  • 夏はドラマチック 2

    男はバーに入ると足を止め店内を見回した。男は柔らかな音楽が流れるこの店の常連客。そして同じくこの店の常連の四人組を見つけると近づいた。「あれ?西田さん、最近見ないと思ったけど、お久し振りですね」まず初めに西田に声をかけたのは、ストレートパーマがかかった長めの髪にシャギーを入れている男。美作あきらという男は明るく親しみやすく、誰にでも親切なのが信条。「本当だ。暫くお会いしませんでしたがお元気ですか?...

  • 夏はドラマチック 1

    つくしは中庭を取り囲んでいる長い回廊を歩いていた。すると後ろから男の声が聞えた。「つくし様!つくし王女様お待ち下さい!」だがつくしは待たなかった。だから男は走ってつくしに追いつくと言った。「王女様!どうかわたくしの話をお聞きください!王女様は今年26歳になられます。ですから先日も申し上げたように、そろそろご結婚を考えていただけませんでしょうか?そうしなければ我が国は__」「嫌よ!前にも言ったけど私...

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  • この素晴らしき世界

    「ねえ、祐(たすく)お兄ちゃん。お父さんってああなることを望んでいたの?」「ああ。父さんらしいと思わないか?」「でも……」「いいか、葵。父さんは何でも自分の思い通りにならなきゃ気が済まない人間だ。だからあれで良かったんだ。あれが父さんの望みだったはずだ」「だけど……ねえ英(すぐる)お兄ちゃんもそう思うの?」「葵。俺は祐兄さんの言う通りだと思う。父さんは、あの場所でああなることを望んでいたんだと思う。そ...

  • さよなら記念日

    俺はホテルのコーヒーラウンジで女性を待っていた。俺がその女性と出会ったのはクリスマスイブの日。日本一の女子高生を決める大会で彼女の虜になった。つまり彼女は俺の初恋の人。だが5歳の俺とは12の年の差があった。そして彼女には心に思う男がいた。その男性は日本を代表する財閥の後継者。だが俺も資産数百億を擁する会社の後継者。だから俺は男性に対抗意識を燃やした。だがどんなに俺が自分をアピールしても12の年の差...

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