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andante*アンダンテ* http://andantetsukasa294.blog.fc2.com/

花より男子二次小説。大人になった司とつくしの物語。いくらかの涙と幸福を感じていただければ幸いです。

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2015/11/08

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  • Sin 最終話

    夜の病室はカーテンが閉められている。暗闇の中で器械が緑色の点滅を繰り返している。司はカーテンを開けた。窓を開けると生ぬるい春の風が頬に触れ、月明りが寝ている彼女を照らし出した。司は待合室で待つ夫に手術は成功した。身体に巣食った腫瘍は完全に取り去ったと言った。だが司が夫だと思っていた男は彼女の夫ではなかった。「私はつくしの母方の従兄です。つくしは一人暮らしで家族はいません。ですので、私が入院の保証人...

  • Sin 4

    どこかで幸せに暮らしていることを祈っていたが、15年振りで見る彼女は変わっていなかった。司は医者だ。仕事柄感情を出すことなく常に冷静な表情を浮かべている。そんな司を前にした彼女は、いかにも彼女らしい笑顔を浮かべ「元気そうで良かった」と言ったが、彼女は自分が医師である前に、昔の恋人の診察を受けることについて特別な感情はないのか。過去にこだわりはないのか。あの頃のことは遠い過去なのか。しかし、不治とい...

  • Sin 3

    司は人生の中で一番愛した女性と別れてから女を好きになったことがない。ふたりが別れた理由は司にある。司は優秀で将来を嘱望されている若い医師。治療を担当した患者に気に入られ娘と結婚して欲しいと言われた。娘は都内でも有数のお嬢様学校に通う大学生。父親は大手出版社の経営者。あの頃。司の父親が経営する会社は窮地に立たされていた。娘の父親は娘と結婚してくれるなら力を貸そうと言った。会社を助けようと言った。それ...

  • Sin 2

    「ねえ、先生。今夜は来てくれる?」看護師はパソコンの画面を見ている司の肩に触れながら言った。司は新堂つくしのレントゲン写真を見ていた。彼女の身体に巣食っている腫瘍は簡単には切除できない場所にある。しかし司なら切除出来る。そして失敗しない。「ねえ先生、聞いてる?今夜は来てくれるんでしょ?」「悪いが今夜はすることがある」「え~つまんない。今夜は先生と一緒にいたかったのに!」この病院の看護師は司に抱かれ...

  • Sin 1

    こちらのお話は明るいお話ではありません。お読みになる方はその点をご留意下さい。*********************「新堂さん。お入りください」看護師が患者の名前を呼んだ。「こちらにどうそ」と言われた患者は椅子に座った。そして「先生。お願いします」と言われた司は見ていたパソコンの画面から、ゆるりと顏を向けた。すると見覚えのある顏がそこにあった。そこにいたのは昔の恋人。高校時代に付き合い始め、一...

  • 『Love and Tenderness』更新のお知らせ

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  • 思い出をつないで

    「あなた、そんなことも知らないの?」義理の母は厳しい人で何も知らない私は叱られっぱなしだった。「駄目ね。行儀作法がなってない」と言った義理の母の目は笑うことがなかった。「その服はなに?下品ね。着替えてきなさい」品のいいスーツを着たその人は隙の無い物腰で言った。「気持を声や顏に出すのは頭の悪い人間のすること。あなたは少なくとも頭はいいはずでしょ?」きつい言葉。冷やかな声。表情が変わらない無情このうえ...

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  • 浪漫飛行~唇に微笑みを~

    『トランクひとつだけで浪漫飛行へ In The Sky 飛びまわれ このMy Heart 』懐かしい曲に導かれて…..*********空港に迎えに来ていたのは白いリムジンのロールスロイス。そこはパスポートもビザも要らない場所。上着を脱ぐとネクタイを外した。靴下を脱ぎ棄てると、靴を脱いだ。腕時計を外すと放り投げた。そして「よし!行くぞ!」と言った男は隣に立つ女の手を掴むと、砂浜を海に向かって走り出した。「え?ちょ__...

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  • 始まりの前に

    「あの。この傘、電車の中にお忘れではありませんか?」その声に振り返えると、そこにいたのは20代後半と思われる女性。その女性が青い傘を差し出してきた。それは僕の傘だ。だから僕は「すみません。ありがとうございます」と言って傘を受け取った。すると女性は「どういたしまして」と言うと背中を向け改札を出て行った。それが彼女との最初の出会いだ。ラッシュアワーの満員電車。朝のダイヤは過密で、何もその電車に乗らなく...

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  • 金持ちの御曹司~違う、そうじゃない~<後編>

    パーティー会場から逃げ出した司は地下にある駐車場を目指し走っていた。だがそんな司を女たちが追ってきた。「ツカサ!どうして逃げるのよ!」「ちょっと!私とのことは遊びだったの?!」「ねえ!感謝祭の前の日の夜に言ったことは嘘だったの?!」「一緒にジェットコースターに乗ったとき私のことを好きだと言ったじゃない!」「ハワイで夕陽を見ながらクルージングしたとき愛してるって言ったわよね?!」「シドニーのオペラハ...

  • 金持ちの御曹司~違う、そうじゃない~<中編>

    それにしても恋人はどうして司の言葉を信じないのか。だが、それらのことを別としても思うことがある。それは恋人が何故あの時間、あの場所にいたのかということ。恋人は会社員で平日のあの時間は仕事中だったはずだ。だからあのことが何故か仕組まれたような気がしてならない。誰かが司と恋人との間に揉め事を起こし、ふたりの仲を引き裂こうとしているのではないか。もしかして母親の楓か?いや。そんなはずはない。かつて恋人の...

  • 金持ちの御曹司~違う、そうじゃない~<前編>

    「違う、違う。そうじゃない。そうじゃない!まて、待ってくれ!誤解だ!」男は叫んだが女は背中を向け去って行った。叫んだ男は金も権力も持つ男。体脂肪が4.8パーセントしかない男。おかしいくらい濃くて長い睫毛を持つ男。そして、コンプレックスなど無いと言われる男。つまり男は男性的魅力を持つ男で神の憐憫の情を必要としない男。そんな男が恋人にフラれた。そしてそんな男の前にいるのは心配する男。面白そうに笑う男そ...

  • リメンバランス <後編>

    壺の中にいる私の耳に届いた彼女の言葉は心に突き刺さるもので、真冬の湖の水底に沈んだナイフだった。私はすぐにでも壺から出て彼女を抱きしめたかった。外見は違うが私は記憶を取り戻した道明寺司だと名乗りたかった。しかし私は自分の意思で壺から出ることは出来ない。それに生きていた頃の私は人には言えないようなことを平気でやってのける人間であり、暗闇の中で人生を終えるに相応しい行いをしてきた。だからそんな人間であ...

  • リメンバランス <中編>

    「クリスマスイブ。何か予定がありますか?」クリスマスが近づいてきた。私はいつものように私が作った料理を食べている彼女に言った。「え?」「ですからクリスマスイブです」「いいえ。別に予定はないわ」「そうですか。では私と一緒に外出してくれませんか。何しろ私はひとりでこの部屋から出る事が出来ません。ですが壺の持ち主であるあなたと一緒なら外に出ることができる。だから私を外へ連れ出して欲しいのです」彼女は私の...

  • リメンバランス <前編>

    私の記憶はあるところで止っていた。だから私は彼女が誰なのか分からなかった。だが私の周りにいる人間は口を揃えて言った。「思い出せ。そうしなければお前は一生を暗闇の中で過ごすことになる」と。だが私は彼らの言葉に耳を貸さなかった。そして彼女を思い出さなかった。だから私の人生は彼らの言う通り暗闇の中で終った。「ご主人様。ご用ですか?」「ええ。悪いけど、あそこの電球を取り替えて欲しいの。私じゃ手が届かないか...

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  • 言葉のちから

    「司!頑張って! 」「司!頑張れ!お前なら出来る!」「そうよ司!司なら出来るわ!」「そうだぞ司!頑張れ司!あとひとり抜いたらお前が一番だ!」若い男女は目の前の直線コースを駆けて行った男の子にそう声をかけた。そして、最初にゴールテープを切った男の子の姿に歓喜の声を上げて抱き合っていた。「ねえ。さっきのご夫婦の息子さん。あんたと同じ名前みたいね」妻は隣にいた男女が立ち去ると、そう言って司の顏を見た。そ...

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  • 幸せのレシピ

    「遅くなってごめん!」玄関の扉を開けた恋人は部屋の中に駆け込んでくると鞄の中からエプロンを取り出した。そして、「それにしても鬼のかく乱ってこういう事を言うのかもね?」と言って笑った。司は恋人の言葉に反論を返すことなく唸った。海外出張から戻った司は風邪をひいた。高熱というほどではないにしても熱がある。そして声が出ない。だから言葉で意思を示すことができず唸ったのだ。この状況を鬼のかく乱と言うのならそう...

  • 分水嶺

    <分水嶺 (ぶんすいれい)>最果ての場所はどこですか。私たちはそこに行きたいんです。もしあなたが一組の男女にそう言われたらどう答えますか?私はその時こう思った。このふたりは禁断の恋をしている。刹那の恋をしていて、何かを捨ててきた。そして終らぬ恋を終えようとしている。永遠に隣り合って眠るための場所を探しに、この島を訪れたのだと。ここは日帰りするには勿体ないと言われる景色を持つ南の島。だから、この島を...

  • 夏はドラマチック 14

    沈黙が流れた。司は言葉を失っていた。まさかとは思ったが、王女は司によって動物的な本能が刺激されたようだ。「私が王女だからって、遠慮しないで欲しいの。あなたには、これまで他の女性としてきたように私に接して欲しいの」と言った王女の頬は赤味が増したが、黒い瞳はたじろぐことなく視線は逸らさなかった。つまり大胆なことを口にする王女は本気だということ。だから司はそんな王女に、ささやくように声を低め言った。「わ...

  • 夏はドラマチック 13

    司はしばらく、その言葉について考えた。それは司を拒んでいた女が口にした自分の知らない世界を見せて欲しいと言う言葉。そしてその世界とは男と女の世界。「なあ、俺がここに呼ばれたのは_」「私、経験がないの…..男性経験が」司は発せられたその言葉に不意を突かれ息を呑んだ。それから、うめいた。王女は司にお願いがあると言ったが、この話の流れからすると司に相手になれと言っているのか?だがそれは司の勝手な思い込みの...

  • 夏はドラマチック 12

    司は広い部屋の中央にいたが、この部屋が居間などではないことは明らかだ。何しろ壁に飾られているのは、この国の歴代の王と妃の肖像画。つまりここは謁見の間ということだが、いずれ次の国王となる彼女の肖像画もここに飾られることになる。そして隣には王配の肖像画が飾られる。本来なら司の恋は身分違いと一蹴されてもおかしくない。だが王女の側近の西田は王女が司と恋に落ちることを望んでいる。けれど司は地位や名誉が欲しい...

  • 夏はドラマチック 11

    司が王女の唇の端に付いたクリームを舐めた日から1ヶ月が過ぎた。あのとき王女の目は丸くなり言葉を失った。そして食べ掛けのパフェを置いて逃げだすように店を出て行ったが、司の親指が触れた唇は柔らかかった。それに唇は少しだけ開いた。司はあの日から毎日王女に手紙を書いた。そしてそれを王女の側近である西田に渡していた。西田は司が王女に恋心を抱いていることを知っている。それに西田は王女が結婚することを望んでいる...

  • 金持ちの御曹司~背広の下のロックンロール~<後編>

    司は用意された髭剃りを手にバスルームの背景幕の前にいた。そしてカメラのレンズを見つめていた。いや。カメラの向こうにいる女を見つめていた。「ええっと、あなたの名前は__」「道明寺司だ」「では道明寺さん。あなたの状況は朝起きて下着を付けて髭を剃っているところよ」と言った女はファインダーを覗いた。だから司は言われた通り髭を剃るポーズを取った。すると女はシャッターを切り始めた。「なあ」司は髭剃りを顎に当て...

  • 金持ちの御曹司~背広の下のロックンロール~<中編>

    「くそったれめ」司は言語道断の下着に毒づいた。が、再び箱の中に手を突っこみ、ヒョウ柄のブリーフを摘まみ上げるとニヤリと笑った。「おもしろそうだ」司は牧野という女のカメラマンとしてのキャリアがどれくらいあるのか分からなかったが、年は30歳くらい。そしてその女が裸に近い男に慣れてない。男のセクシーな姿に慣れてないと見た。それは司が下着を手にしたとき、頬を赤らめたからだ。つまり女は平然を装ってはいたが、...

  • 金持ちの御曹司~背広の下のロックンロール~<前編>

    「ねえ。このモデル。カッコいいと思わない?」「そう?顏がクドイと思うんだけど」「そんなことないわよ。この顏のどこがクドイのよ?」「だってほら阿部寛っぽいじゃない?あの顏がクドクないって言うなら誰をクドイって言うのよ」「確かに阿部寛はクドイと思うわよ?でもこのモデルは阿部寛ほどクドクないわよ」「じゃあ誰レベルよ?」「そうねえ…..北村一輝じゃない?」「北村一輝?北村一輝も阿部寛も似たり寄ったりの顏の濃...

  • 夏はドラマチック 10

    彼女の目の前に差し出したクリームが乗ったスプーン。司は彼女がスプーンを受け入れるかどうか口元をじっと見つめているが、彼女の両手は膝の上に降ろされている。だからあの時のように殴られることはないはずだ。「私は朝からこれを食べるのを楽しみにしてきたわ。だからその時間を邪魔しないで欲しいの」彼女はそう言うと司の手からスプーンを奪い取って自分で口へ入れた。そして、きれいにクリームを舐めとったスプーンをテーブ...

  • 夏はドラマチック 9

    彼女がゆっくりとまばたきをした。だがすぐに顏をしかめ呟いた。「まさか….あなたあの時の顏だけがいいバカ男?」司は彼女があの時と同じ言葉を口にしたことに笑いだしそうになった。それは彼女が司のことを覚えていることを知ったからだ。「でもどうして?何故あなたがここに?」と、言った彼女は表情が険しくなったが、その反応に司は笑った。「どうしてだと思う?」「どうしてって、そんなこと聞かれても分かるわけないでしょ?...

  • 夏はドラマチック 8

    覚えていない___思っていた通りの答えが返ってきた。だが口調は丁寧で柔らか。しかしそれは王女の立場がそうさせているのだろう。司はあのとき彼女の右手が腹に加えた衝撃を忘れてはいない。あれは力強いパンチで司が一瞬息を呑んだ隙に彼女は走って逃げたが、その逃げ足も速く見失った。つまり王女は優雅に見える外見とは違い本来は元気で威勢のいいということ。そして司はそれまで自分に興味を示さない女に会ったことがなかっ...

  • 夏はドラマチック 7

    王女であるつくしは、生きるために働くことはないが王室の唯一の後継者となったことから、こなさなければならない多くの公務を抱えていた。昨日の午前中は慈善団体や教育関連団体の代表者との面会。午後からは宮殿に迎えた外国からの賓客をもてなすため常に笑顔でいた。そして夜は晩餐会だったが、それらの公務はこれまで何度も繰り返してきたこと。だから慣れていた。それに公務に対しては国民の幸せのためという信念をもって臨ん...

  • 夏はドラマチック 6

    罠にかけられるのが嫌で女と長続きしたことがない。それに自分から女を口説いたことがない。そんな司が酒を浴びるほど飲んで口にしたという一度くらい女を口説いてみたいの言葉。だが司はそんな言葉を口にした記憶はない。けれど、もしかするとそれは心の奥にあった王女に対する思いがそう言わせたのかもしれない。何しろ相手は王女。司が容易に近づくことが出来ない相手。だから初恋は叶わないものだと諦めていたからだ。だがしか...

  • 夏はドラマチック 5

    「こちらが王女様のお気に入りのお店です。王女様はこの店のパフェが大好物です。ですから2週間に一度の割合で店を訪問してお召し上がりになられます」渡されたのは王女のお気に入りの店の地図司は西田の王女を誘惑して欲しいという頼みを引き受けた。それは今でも初恋の相手である王女のことが好きだから。だから他の誰かに代わりをさせることなど出来なかった。「それから、こちらが王女様のスケジュールです」次に渡されたのは...

  • 夏はドラマチック 4

    自宅に戻った司は強い酒を飲み、頭の中を整理しようとした。バーで西田の口から王女を誘惑して欲しいという言葉を訊き、むせそうになった。そして親友たちから、お前がその立場にピッタリだと言われ脇腹を殴られたような気がした。「まさかな…….」親友たちには話さなかったが司は王女を知っていた。いや。少し言葉を交わしただけでは知っているとは言えない。それに王女は司のことを覚えていないだろう。司が王女と会ったのは17...

  • 夏はドラマチック 3

    「それってつまり王女様を誘惑して欲しいという意味ですか?」あきらは真剣な顏で訊いた。「はい。王女様は今年の12月で26歳になられます。しかしご結婚の意思がございません。つまりこのままでは直系の子孫が生まれることがないということです」西田はひと呼吸おくと言葉を継いだ。「我が国は直系の方が国を継ぐことが決められています。王子であった弟君が亡くなられた今、王女様が結婚をなさならいということは、この先この...

  • 夏はドラマチック 2

    男はバーに入ると足を止め店内を見回した。男は柔らかな音楽が流れるこの店の常連客。そして同じくこの店の常連の四人組を見つけると近づいた。「あれ?西田さん、最近見ないと思ったけど、お久し振りですね」まず初めに西田に声をかけたのは、ストレートパーマがかかった長めの髪にシャギーを入れている男。美作あきらという男は明るく親しみやすく、誰にでも親切なのが信条。「本当だ。暫くお会いしませんでしたがお元気ですか?...

  • 夏はドラマチック 1

    つくしは中庭を取り囲んでいる長い回廊を歩いていた。すると後ろから男の声が聞えた。「つくし様!つくし王女様お待ち下さい!」だがつくしは待たなかった。だから男は走ってつくしに追いつくと言った。「王女様!どうかわたくしの話をお聞きください!王女様は今年26歳になられます。ですから先日も申し上げたように、そろそろご結婚を考えていただけませんでしょうか?そうしなければ我が国は__」「嫌よ!前にも言ったけど私...

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  • この素晴らしき世界

    「ねえ、祐(たすく)お兄ちゃん。お父さんってああなることを望んでいたの?」「ああ。父さんらしいと思わないか?」「でも……」「いいか、葵。父さんは何でも自分の思い通りにならなきゃ気が済まない人間だ。だからあれで良かったんだ。あれが父さんの望みだったはずだ」「だけど……ねえ英(すぐる)お兄ちゃんもそう思うの?」「葵。俺は祐兄さんの言う通りだと思う。父さんは、あの場所でああなることを望んでいたんだと思う。そ...

  • さよなら記念日

    俺はホテルのコーヒーラウンジで女性を待っていた。俺がその女性と出会ったのはクリスマスイブの日。日本一の女子高生を決める大会で彼女の虜になった。つまり彼女は俺の初恋の人。だが5歳の俺とは12の年の差があった。そして彼女には心に思う男がいた。その男性は日本を代表する財閥の後継者。だが俺も資産数百億を擁する会社の後継者。だから俺は男性に対抗意識を燃やした。だがどんなに俺が自分をアピールしても12の年の差...

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    『Deception 144』話をUPしました。にほんブログ村...

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  • バトンを渡す日

    私は毎日非常に神経を使っています。それは私が人に仕える仕事をしているからにほかなりません。そんな私は石頭と言われることがあります。学級委員長を務めた優等生がそのまま大人になったと言われる私に冗談は通じないと思われているようです。しかし、私自身は自分のことをユーモアのある人間だと思っています。何故なら銀縁眼鏡の奥にある瞳から感情を読み取ることは不可能だと言われてはいても、私が仕える方と、その方の奥様...

  • 金持ちの御曹司~業務命令~<後編>

    司は酔いつぶれた女をベッドに降ろした。そして服を脱がせると、女の身体を楽々と裏返し枕元に置かれているロープを掴んだ。『しぼりたて生しょうゆ』が『しばりたて生しょうゆ』に見えてしまう男は、マンションの部屋にロープを用意していた。だから酔って寝てしまった女を自宅まで連れ帰ると、これまで自覚することがなかった自身の性的嗜好を満足させることにした。だが相手が誰でもいいという訳ではない。相手は好きな女でなけ...

  • 金持ちの御曹司~業務命令~<中編>

    「道明寺店長。本日はご同行、ありがとうございました」「いえ。こちらこそ」「それにしてもその変装。よくお似合いです」「そうですか。どうもありがとうございます」司はエリアマネージャーである彼女と近隣のライバル店のリサーチに出掛けていた。だが眉目秀麗と言われる司の面はライバル店に割れている。それにその容貌はひと目を惹く。実際店長の司は女性客に人気があり、店内を巡回すれば、「あの…おすすめ商品買いました」...

  • 金持ちの御曹司~業務命令~<前編>

    「ねえ里美。美味しいパンケーキを出すお店が新しくオープンしたらしいんだけど、食べにいかない?」「パンケーキ?」「うん。パンケーキ」「マリトッツォじゃなくて?」「うん。マリトッツォじゃなくてパンケーキ!」「ねえ、なんか今更感があるんだけどパンケーキの流行はもう終わってるんじゃないの?」 「里美。今更も何も好きな物に流行は関係ないわ。あたしはただパンケーキが好きなだけ。だから一緒に…..ね?」「そうねえ……...

  • 花束に添えて 最終話

    花束を手に教会の通路を歩くウエディングドレス姿の四十路の花嫁。その姿を誰にはばかることなく、可愛らしいと言う人間がいるとすれば、それは司くらいなものだ。何しろ花嫁はこの年で恥ずかしいと言い、息子の駿は母親のウエディングドレス姿に一瞬ぽかんとした表情になったが、その奥にあるのは、まさかその年でその恰好?といったところだろう。だが司は彼女が純白のドレスを着ることを望んだ。何故なら本来20年前に行わなけ...

  • 花束に添えて 10

    人の幸福は惚れた相手と一緒になること。だから司は本来なら20年前に彼女に告げるはずだった言葉を言った。そしてそれは思いの全てを込めた言葉。だが彼女は黙って首を横に振った。「アンタとは結婚できない」司は彼女の言葉にハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けた。それは二人の息子である駿は椿から司が彼女のことを忘れても、彼女は司のことがずっと好きだったと訊いていたから。だから司もその言葉を信じていただけに、...

  • 幸せな瞬間

    「司!早く!遅れるわ!」「心配するな。時間は充分ある」司はネクタイを締めながら答えた。「充分って言うけど、あの子の学校まで車で30分かかるのよ?それなのにあと35分しかないのよ!道が混んでたら間に合わないわ!」妻は慌てていた。そして司を急かしていた。「安心しろ。ヘリで行けば5分だ」「ヘリって….まさか学校までヘリで行くつもりなの?」「ああ。そうだ」「そうだって…..」「英徳には俺が寄附したヘリポートが...

  • 花束に添えて 9

    彼女が息子に雑誌を買いに行かせたのは、司とふたりきりの時間を作るためだと分かっている。そして息子もそれを承知した様子なのは、「分かった。もしその雑誌が売店になかったら外の本屋に行ってくる。だからすぐには戻れないと思う」と言ってから司に目配せしたから。だから司は病室のドアが閉まると言った。「あいつ。俺がどれだけ心配したか分かって__」「ごめんなさい。駿の態度は許してやって」司の言葉を遮るように発せら...

  • 花束に添えて 8

    言葉がその人の人生を支え続けることがある。苦難の日々も、その言葉があれば乗り越えることができると言うが、司が最愛の人に言った愛してる言葉は彼女を支え続けた。それなのに、その言葉を口にした当の本人は不覚にも生涯に一度きりの恋を忘れてしまった。だから心臓の手術をするという彼女のため、どんなことでもするつもりでいた。だが医者から「ご安心下さい。手術は成功です。牧野さんの心臓はこの先も問題なく鼓動を刻み続...

  • 花束に添えて 7

    人生は一回限りの旅。その旅を無事に終えることを誰もが望む。だがやむを得ず途中で止めなければならないこともある。もし司が旅を終えることになるなら何を思う?何をする?何週間か、何か月後に命が終ることを知ったとき、これは仕方がないことであり運命なのだと、その日が訪れるのをひたすら待つか。それとも可能性を信じて前を向くか。司の人生は豊かであり、何不自由なかった。幸福は金で買えると思っていた。そして自分の命...

  • 花束に添えて 6

    看護師から「ご家族の方は病室。もしくはこちらでお待ち下さい」と言われた司と駿は手術患者家族のための待合室にいたが、部屋が静かなのは他に誰もいなかったから。そして窓の外には、北海道の冬独特の低い位置にかかった太陽が見えた。「父さん。母さんは大丈夫だよ。それにここの病院の先生は優秀だから」司は隣に座った駿にそう言われたが気が気ではなかった。人工心肺を使う手術を受ける彼女を自家用ジェットで東京の道明寺系...

  • 花束に添えて 5

    司は名札が掛けられている病室の前に立つと、名前を確かめてドアをノックした。すると中から「どうぞ」と声がした。だからドアを開けた。「道明寺……」それは懐かしい声。懐かしい呼び名。愛しい人の口から出た呼び名は、あの頃と同じ苗字の呼び捨て。「牧野…….」司が彼女を呼ぶのも苗字の呼び捨て。ふたりともあの頃と同じ呼び方をするのは、他の呼び方をしたことがないから。司は、じっと彼女を見つめたが、小さめの頭を縁取る髪...

  • 花束に添えて 4

    司は病院の中にある喫茶室にいた。「はじめまして。牧野駿です。あなたが僕の父親なんですね。よかった。宇宙人じゃなくて」牧野駿は自然な表情でそう言ったが、司が答えないでいると再び口を開いた。「道明寺さん?あなたが僕の父親なんですよね?」司は彼女の面影を宿す息子を見つめていた。だから駿の言葉にハッとして「あ、ああ。私が君の父親だ」と答えた。タバコが吸える年まで成長した息子。眉や目は司に似ているが、鼻から...

  • 花束に添えて 3

    新千歳空港には11時過ぎに着いた。ロビーには先に北海道入りしていた西田がいて、司が手にしていたコートを預かった。「ご子息様は、駿様はつくし様が入院している病院にいらっしゃいます」ロビーから一歩外に出た司は、車までの短い距離だったが頬に冷たい風を感じた。だが空は北の大地に相応しい大きな青空が広がっていた。そして肺に吸い込んだ空気は東京とは違い澄んでいた。司は車の後部座席で目を閉じた。そして姉の言葉を...

  • 花束に添えて 2

    自分に子供がいる。それも大学生の息子が。司は暴漢に刺され記憶の一部を失っていると言われていた。だが失われた記憶が何であるかは分からなかった。ただ、時々夢の中にひとりの女性の姿を見ることがあった。それは焼け付く陽射しの中で揺れる人影。その人影が誰であるか認識したのは3日前。そして姉の口から突然こぼれた言葉で、はじめて自分に子供がいることを知った。「司。私もこの事実を知ったのは、つい最近よ。だけど今日...

  • 花束に添えて 1

    「お前のかーちゃん、出ぇべーそ!」「うるせぇ!俺の母ちゃんは出べそなんかじゃねぇ!俺の母ちゃんの腹はスベスベしてキレイだ!」「へえ~そうかよ、でもなんでお前。母ちゃんの腹がスベスベしてるって知ってんだよ?」「知ってるって……そりゃ風呂に入ってるとき見たんだよ!」「お前4年生なのにまだ母ちゃんと一緒に風呂入ってんのかよ?乳離れ出来ねえガキだな!」「うるせぇ!一緒に風呂なんか入ってねえよ!俺が見たのは昔...

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  • 金持ちの御曹司~純愛ラプソディ~

    「あたし。昨日きのこの山を買ったの」「え?もしかしてあんた、きのこ派?」「うん。軸のカリッとした食感が大好きなの!」「へえ、そうなんだ。あたしは断然たけのこの里。子供の頃からあのサクサク感に手が止まらなくなるわ!」司は恋人の部署を訪ねたが彼女に会えなかった。そして執務室に戻る途中で女性社員の会話を耳にした。それは社員の中には、きのこ栽培の山や、たけのこを育てるための土地を持つ人間がいるということ。...

  • 記念日 最終話

    「おばあ様とおじい様の馴れ初めって、おばあ様のアプローチから始まったのね」「ええ。そう。おじい様と顏を合わせたのはこの部屋。仕組まれたお見合いだったけれど、今のあなたと同じ年で大学生だったわたくしが、おじい様にひとめ惚れしたの。そして出会ったその日に結婚を前提とした話をしたわ」孫の澪を前にした楓はそう言うとアルバムを捲った。「それから昔のおじい様はキザだったわ」「キザ?」「ええ、そう。あなたのお父...

  • 記念日 7

    楓は長い廊下を歩く男の後ろ姿を見ていた。男は結婚するなら好きな人と、と言ったがそういった女性がいるのだろうか。楓は恋をしたことがない。それに好きな人もいない。だから人を好きになる気持が分からなかった。だが今、奇妙なことに目の前を歩く男に興味を持った。楓の周りにはいないタイプの男に未知の世界を感じた。胸の奥が熱くなるのを感じた。そして短い笑いだったが、男の笑顔に引き込まれた。「あの!」「何?」男は立...

  • 記念日 6

    「久我楓です」と名乗った楓は礼をした。「道明寺慶です」男は頭を下げなかった。そして発せられたのは力のある声。道明寺亘の孫は非の打ちどころがないほど整った顏に猛禽類の目で楓をじっと見ていた。やがて視線は頭のてっぺんから足先へと降ろされたが、品定めでもしているのか。その態度は不躾だ。それに男は見るからに前へ前へと行くタイプの人間。だから楓の視界の中で遠くにいたと思われた男が、すぐ近くまで来たとき思わず...

  • 記念日 5

    「楓さん。我が家にも鳥がいるんだが、放し飼いが過ぎてほとんど戻ってこない。だがその鳥が三日前に戻って来た。外国から羽根を休めに戻ってきたようだが、楓さん。会っていただけないだろうか?」放し飼いをしている鳥に会う?楓は道明寺亘が言っている意味が分からなかった。すると男性は楓の胸の内を読み取ったかのように言った。「いや。分かりにくいたとえで申し訳ない。我が家の放し飼いになっている鳥とは孫です。その孫は...

  • 記念日 4

    「楓さん」「はい」「あなたは勘違いをされている。私の話を聞いて物事を悪い方へと考えているのでは?」「え、ええ……」道明寺亘の言う通りで楓の脳裏に浮かぶのは、祖母が目の前の男性を裏切り楓の祖父に走る姿。だから裏切られた道明寺亘は祖母を恨んでいたのではないかということ。「楓さん、それは違う。私とあなたのお祖父さんは仲が悪いということはありません。それに私は敦子さんを恨んではいません」そう言った男性の目元...

  • 記念日 3

    「これは…..」男性はその箱に見覚えがあるようだ。手に取ると懐かしそうに眺めてから楓に視線を向けた。「楓さん。あなたはおじい様から、この箱を元の持ち主届けるように言われたそうですが、理由は教えられましたか?それから中を見ましたか?」「いいえ。祖父は何も言いませんでした。それに祖父から直接言われたのではなく、執事から言われたのです。それに中は見ていません」箱の中が何であるか興味はあった。好奇心から開け...

  • 記念日 2

    車が向かった先は日本の三大財閥のひとつである道明寺財閥当主の一族が暮らす邸。道明寺家は江戸時代の豪商だが元は武士。その武士を廃業して始めたのが両替商。そして今は商社、金融、不動産、鉱業、エネルギーなど多岐にわたる事業を展開する経済界の名門。そんな家を約束もなくいきなり訪ねて行ったが、楓が名前を名乗ると閉じられていた大きな鉄の門は音もなく開いた。車は広大な敷地の中をゆっくりと進んだ。暫く走ると洋風建...

  • 記念日 1

    テーブルの上には手のひらに収まる小さな箱が置かれていた。「宮本。どうしてわたくしがこの箱を届けなければならないの?」「楓様。わたくしはおじい様から、楓様にそちらの箱を先方に届けるように伝えろと申し付けられましたので、そのことをお伝えしたまでです」「おじい様が?」「はい」「でも何故わたくしが?」「わたくしは、ただの執事でございますので理由は存じません。ただ、おじい様はこちらの箱を楓様の手で元の持ち主...

  • 母ちゃんの恋人

    俺の母ちゃんには恋人がいる。その男は昔付き合っていた男。男の顏は目鼻立ちがハッキリとしていて、髪の毛はクルクルしている。そして背が高い。だから男は、いつもはるか上から俺を見下ろす。そんな男は、まさか母ちゃんの傍に俺という存在がいるとは思わなかったのだろう。初めて俺を見たとき俺にどう接すればいいのか分からないといった態度を取った。ちなみに母ちゃんは、その男と高校生の頃に付き合っていて、なんらかの理由...

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  • 金持ちの御曹司~Make my day~<後編>

    目覚めた司は病室にいた。そして担当医である牧野つくしが来るのを待っていた。だが現れたのは男の医者。だから司は訊いた。「牧野つくしはどうした?」「牧野先生はフリーランスのドクター、つまりアルバイトで当医院の正式な医者ではありません」「だからそれがどうした?」司は鋭い目と口調で医者に言った。すると訊かれた医者は言葉に詰まりながら答えた。「は、はい。で、ですからアルバイトの牧野先生は昨日付けで病院を辞め...

  • 金持ちの御曹司~Make my day~<中編>

    そうだ。失敗しないと言いながら故意に失敗して司を亡き者にしようとしているのではないか。だがもしそうなら、それほど司に忘れられたことが許せなかったということになるが、「私、失敗しないので」、という腕を持つ医者なら腹から石を取り出す手術を失敗させる方が難しいのではないか。つまり唇の端を上げたように見えたのは、司の見間違いであり笑みではなかったのかもしれない。だが司は長い間彼女のことを忘れ他の女と結婚し...

  • 金持ちの御曹司~Make my day~<前編>

    「世の中に本当にあんな凄いお医者さんがいたら凄いわね?」恋人の言葉は医療ドラマを見た感想。舞台は、かつては白い巨塔と呼ばれていた大学病院の医局。何シーズン目かのそのドラマの主人公はフリーランスの女医。すなわち一匹狼。そしてその女医の決め台詞は、「私、失敗しないので」恋人はそのドラマを見終わると主人公の女医を「カッコいい」と言った。司はそのとき思った。もし恋人が医者だったら、どんな医者になるのかを。...

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  • 作文

    司は仕事を終えると子供たちが寝ている時間に帰宅した。「お帰り司!ねえ、訊いて!凄いのよ。巧(たくみ)が作文コンクールで入賞したの!」「作文コンクール?」「そうなの。新聞社が主催する子供作文コンクールで入賞したの!商品は賞状と図書カード1万円分!これで巧は好きな乗り物図鑑が買えるって大喜びよ!」英徳の初等部に通う巧は乗り物が大好きだ。それは道明寺家のジェットから街中を走るバスまで。とにかく幼い頃から...

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