西田は支社長の秘書を勤めているが、支社長が今の立場に立ったとき、コンプライアンスという言葉はなかった。いや、そうではない。コンプライアンスという言葉はあったが、支社長の辞書に、その言葉は無かった。そしてパワハラ、セクハラ、ルッキズム(外見重視主義)という言葉もなかった。つまり支社長の辞書は不適切な語録しか書かれていなかった。ちなみに支社長は水瓶座。水瓶座は12星座の中で個性的と言われているが、言葉...
花より男子二次小説。大人になった司とつくしの物語。いくらかの涙と幸福を感じていただければ幸いです。
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西田は支社長の秘書を勤めているが、支社長が今の立場に立ったとき、コンプライアンスという言葉はなかった。いや、そうではない。コンプライアンスという言葉はあったが、支社長の辞書に、その言葉は無かった。そしてパワハラ、セクハラ、ルッキズム(外見重視主義)という言葉もなかった。つまり支社長の辞書は不適切な語録しか書かれていなかった。ちなみに支社長は水瓶座。水瓶座は12星座の中で個性的と言われているが、言葉...
「ねえ。西田さんの髪って本物だと思う?」「え?なにそれ。どういう意味?」「何ってほら…..私が秘書課に配属になって5年が経つけど、支社長秘書の西田さん。いつ見ても同じ髪型でどんなに強い風が吹いても1ミリも乱れないのよ?うんうん、1ミリどころか1ミクロンも乱れないの」「それって…..」「そう」「もしかして?」「そう。もしかするとってこと!」「でもまさか…….」「だからそのまさかなのよ!」「それって…..西田さん...
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持って生まれたものは永遠ではない。例えば外見がどんなに美しくても年を重ねれば、いずれその美しさも衰える。才能が豊かな者も、いつかはその才能も涸れる。それに有り余る富もそれらと同じでいつかは無くなる。そして人の命には限りがある。つまりどんなに恵まれた環境におかれている人間も、いずれはそれら全てを手放すことになるということ。「おい。お前、俺を誰だと思っている?」「いいか?美しい人間が注目を浴びるのは当...
夜の病室はカーテンが閉められている。暗闇の中で器械が緑色の点滅を繰り返している。司はカーテンを開けた。窓を開けると生ぬるい春の風が頬に触れ、月明りが寝ている彼女を照らし出した。司は待合室で待つ夫に手術は成功した。身体に巣食った腫瘍は完全に取り去ったと言った。だが司が夫だと思っていた男は彼女の夫ではなかった。「私はつくしの母方の従兄です。つくしは一人暮らしで家族はいません。ですので、私が入院の保証人...
どこかで幸せに暮らしていることを祈っていたが、15年振りで見る彼女は変わっていなかった。司は医者だ。仕事柄感情を出すことなく常に冷静な表情を浮かべている。そんな司を前にした彼女は、いかにも彼女らしい笑顔を浮かべ「元気そうで良かった」と言ったが、彼女は自分が医師である前に、昔の恋人の診察を受けることについて特別な感情はないのか。過去にこだわりはないのか。あの頃のことは遠い過去なのか。しかし、不治とい...
司は人生の中で一番愛した女性と別れてから女を好きになったことがない。ふたりが別れた理由は司にある。司は優秀で将来を嘱望されている若い医師。治療を担当した患者に気に入られ娘と結婚して欲しいと言われた。娘は都内でも有数のお嬢様学校に通う大学生。父親は大手出版社の経営者。あの頃。司の父親が経営する会社は窮地に立たされていた。娘の父親は娘と結婚してくれるなら力を貸そうと言った。会社を助けようと言った。それ...
「ねえ、先生。今夜は来てくれる?」看護師はパソコンの画面を見ている司の肩に触れながら言った。司は新堂つくしのレントゲン写真を見ていた。彼女の身体に巣食っている腫瘍は簡単には切除できない場所にある。しかし司なら切除出来る。そして失敗しない。「ねえ先生、聞いてる?今夜は来てくれるんでしょ?」「悪いが今夜はすることがある」「え~つまんない。今夜は先生と一緒にいたかったのに!」この病院の看護師は司に抱かれ...
こちらのお話は明るいお話ではありません。お読みになる方はその点をご留意下さい。*********************「新堂さん。お入りください」看護師が患者の名前を呼んだ。「こちらにどうそ」と言われた患者は椅子に座った。そして「先生。お願いします」と言われた司は見ていたパソコンの画面から、ゆるりと顏を向けた。すると見覚えのある顏がそこにあった。そこにいたのは昔の恋人。高校時代に付き合い始め、一...
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「あなた、そんなことも知らないの?」義理の母は厳しい人で何も知らない私は叱られっぱなしだった。「駄目ね。行儀作法がなってない」と言った義理の母の目は笑うことがなかった。「その服はなに?下品ね。着替えてきなさい」品のいいスーツを着たその人は隙の無い物腰で言った。「気持を声や顏に出すのは頭の悪い人間のすること。あなたは少なくとも頭はいいはずでしょ?」きつい言葉。冷やかな声。表情が変わらない無情このうえ...
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『トランクひとつだけで浪漫飛行へ In The Sky 飛びまわれ このMy Heart 』懐かしい曲に導かれて…..*********空港に迎えに来ていたのは白いリムジンのロールスロイス。そこはパスポートもビザも要らない場所。上着を脱ぐとネクタイを外した。靴下を脱ぎ棄てると、靴を脱いだ。腕時計を外すと放り投げた。そして「よし!行くぞ!」と言った男は隣に立つ女の手を掴むと、砂浜を海に向かって走り出した。「え?ちょ__...
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「あなた、そんなことも知らないの?」義理の母は厳しい人で何も知らない私は叱られっぱなしだった。「駄目ね。行儀作法がなってない」と言った義理の母の目は笑うことがなかった。「その服はなに?下品ね。着替えてきなさい」品のいいスーツを着たその人は隙の無い物腰で言った。「気持を声や顏に出すのは頭の悪い人間のすること。あなたは少なくとも頭はいいはずでしょ?」きつい言葉。冷やかな声。表情が変わらない無情このうえ...
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