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ホタルの独り言 Part 2 https://blog.goo.ne.jp/hotaru-net

ホタルをはじめとして様々な昆虫と美しい自然風景を追い求めて撮影した写真を「独り言」とともに掲載します

ホタルの独り言 Part 2
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2015/09/15

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  • ほたる出現予想(2024)

    ほたる出現予想2024を、民間の気象情報会社㈱ウェザーニュースが4月11日に公式Webサイトにて発表した。(ウェザーニュースほたる出現予想2024)それによると、2024年の傾向として「高温傾向で例年並み~やや早く出現西日本や東日本では5月中旬から出現ピーク」だと言う。その理由として「冬の終わり頃から春にかけての気温が高いほど、飛び始める時期も早くなる」とし、都道府県別のほたる出現傾向のページでは、「2024年のほたるの見頃予想日を都道府県別にズバリお伝えする」と言い切っている。東日本では、「東日本のほぼ全域で5月下旬までに飛び始め、5月中旬~6月上旬に出現ピークを迎える予想。東京など関東南部でも5月下旬には出現ピークとなる。」らしい。東京に関しては、5月13日を出現開始とし、5月27日をピーク開始として...ほたる出現予想(2024)

  • 春の里山散策

    ムカシトンボ探索東京都内にもムカシトンボが生息しており、羽化の季節となった。ところが、地域によっては激減している。その大きな理由が大雨である。2019年10月12日。過去最強クラスの台風19号が大型で強い勢力を保ったまま伊豆半島に上陸し、中でも静岡県や関東甲信越、東北地方ではこれまでに経験したことのないような記録的な大雨が降り、大規模な河川氾濫や土砂災害に見舞われた。東京の西多摩地域では、他の月の、月間降水量より多い384.5mmが、たった1日で降ったのである。この雨により、山地の渓流は人よりも大きな岩が流れ、崩落も起きた。当然、水生昆虫の多くが流されてしまい、ゲンジボタルでは、翌2020年の発生はほとんどなかった。それでも一昨年からゲンジボタルは徐々に復活してきたので、2017年以降にまったく観察してい...春の里山散策

  • 桜、散る

    桜、散る・・・"桜は散り際が最も美しい"と言われているが、果たして、そうだろうか?東京の桜は、平年より5日遅い3月29日に咲き始め、4月4日に満開となり、都心では既に「桜、散る」ところがほとんどである。"桜散る"この文言を聞くと思い出すのは、高校と大学受験である。受験で不合格になったことを表しているのだ。幸い第一志望校には合格(桜咲く)であったが、何校かは不合格で、試験会場に合格発表を見に行き、自分の受験番号がないのを目の当たりにした時の気持ちは言い表せない。努力の結果が実を結ばず、自分の人生が左右されるのだから、宝くじの当選番号を違って"桜散る"の一言では済まされないこともあろう。ちなみに、この言葉が使われ始めたのは1950年代で、早稲田大学の学生が始めた合否電報が最初だったらしい。かつての電報は、カタ...桜、散る

  • 赤上がりのギフチョウとヒメギフチョウ

    日本各地で、ギフチョウとヒメギフチョウが舞う季節になってきた。今回は、個体変異での1つである赤上がりのギフチョウとヒメギフチョウを紹介したい。ギフチョウとヒメギフチョウが属するギフチョウ属は、強い飛翔力がなく他の生息地との行き来がないため、小さな地域個体群ごとに翅形や翅のサイズ、前後翅の黄色条または黒色条の幅、後翅肛角部の赤斑、斑紋の細部形状などに違いがある地理的変異が知られているが、同一地域個体群の中でも常染色体劣性遺伝により引き継がれている形質もある。赤上がりもその1つである。「赤上がり」とは後翅表面の遠位内側にある大きな赤紋以外に小さな赤紋が黒帯の内側に沿って現れる個体変異で、蝶の愛好家の中で言われている愛称である。どこの地域の発生地でも生じる一般的な変異だが、群馬県や長野県などの一部では、色が薄く...赤上がりのギフチョウとヒメギフチョウ

  • わに塚の桜

    わに塚の桜は、山梨県韮崎市にある「わに塚」の上に立つ一本桜で、樹齢約330年、根回り3.4m、樹高17mのエドヒガンザクラで、平成元年に韮崎市の天然記念物に指定されている。ちなみに、エドヒガン(江戸彼岸)は、古くから日本の山野に自生していた野生種で、江戸でお彼岸のころに花が咲くところから名付けられたと言われている。「わに塚」の名の由来については、桜の脇にある案内板に2つの説が書いてある。1つは、甲斐国志によれば、お詣りするときに使う神社の神具・鰐口(わにぐち)に似た形の塚だったことから名付けられたという説。もう1つは、地元の人々の言い伝えで、日本武尊(やまとたけるのみこと)の王子、武田王(たけだのきみ)の墓または屋敷跡だという説がある。いずれにせよ、見晴らしが良い田畑の中に土を小高く盛った塚。その上で咲き...わに塚の桜

  • 早春の里山散策

    早春の里山散策の映像をYouTubeに公開した。「ホタルは里山環境の結晶である」これは、私の師である昆虫学者故矢島稔先生の言葉であるが、ホタルの研究を続けている私にとって「里山」は重要なフィールドの1つである。では、里山とはどんなところを言うのであろうか?里山とは、「自然環境と都市空間との間にあり、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、小川、草原などで構成される地域を指す。また、里山は、農林業などに伴う人々が自然ととともに作り上げ、維持してきた多様な環境であり、生息する生物に多様性がある。」と定義づけられる。しかしながら、里山の多くは人口の減少や高齢化の進行、産業構造の変化により環境変化を受けている。雑木林や小川など物理的な環境が存在しても、放置されて荒れた林や休耕田ばかりでは、里山の...早春の里山散策

  • オツネントンボ

    オツネントンボSympecmapaedisca(Brauer,1877)は、アオイトトンボ科(FamilyLestidae)オツネントンボ属(GenusSympecma)のトンボで、ヨーロッパから中央アジアを経て中国東北部、日本に分布し、日本では北海道、本州、四国、九州北部に分布している。平地から山地にかけてのアシなど抽水植物が多く生えた池沼や湿原、水田などに生息している。トンボの多くが幼虫(ヤゴ)で越冬(アカネ属は、卵で越冬)するが、オツネントンボは、成虫のまま越冬する。それが越年(おつねん)という和名の由来である。日本の約200種いるトンボの中でも、成虫で越冬するのは、本種を含め、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボの3種のみである。ちなみに英名で「winterdamsel=冬の乙女」という名前がつ...オツネントンボ

  • ヤマトシジミ(チョウ)

    ヤマトシジミPseudozizeeriamahaargia(Menetries,1857)は、シジミチョウ科(FamilyLycaenidae)ヒメシジミ亜科(SubfamilyPolyommatinae)ヤマトシジミ属(GenusPseudozizeeria)のチョウで、国外では中国、韓国、台湾をはじめ、南アジアから東南アジア、東アジア一帯に広く分布し、日本国内では本州以南に分布している。関東では年5~6回、4月上旬頃から11月下旬頃まで発生し、幼虫の食草であるカタバミがある平地であれば、都市部の公園や住宅地においても普通に見られるチョウである。カタバミさえあれば、どこでも繁殖できるという特徴から日本で一番生息数が多いチョウではないだろうか。あまりにも普通種であるため、本種を単独で取り上げたことがなかっ...ヤマトシジミ(チョウ)

  • カラマツの丘と天の川

    カラマツの丘と天の川を撮影してきた。カラマツの丘は、群馬県嬬恋村にある。キャベツ畑が見渡すかぎり続き、その丘の上にポツンとカラマツ林が佇むロケーションで、まるで北海道の美瑛のような場所であり、今年の1月14日に訪れ「嬬恋の丘(カラマツの丘)」として掲載している。その時は、凍てつく冬の朝のマジックアワー(魔法の時間)の美しさを体感することはできたものの、東の空の星空は寂しく、畑を覆う雪も奇麗ではなかった。「まるで北海道の美瑛のような・・・」美瑛に行かぬとも似た光景を見られるのは嬉しいが、嬬恋村のカラマツの丘らしいオリジナルの美しさを感じて残したい。そこで、夏の天の川とともに撮ろうと計画を立てていた。夏の天の川は、3月上旬になると深夜2時過ぎから東の地平線から昇ってくる。日の出前までが撮影時間になるが、その時...カラマツの丘と天の川

  • スギタニルリシジミ

    スギタニルリシジミCelastrinasugitaniiMatsumura,1919は、シジミチョウ科(FamilyLycaenidae)ヒメシジミ亜科(Subfamilypolyommatinae)ルリシジミ属(GenusCelastrina)に属するチョウで、中国の南西部・南部、朝鮮半島、台湾、日本では北海道・本州・四国・九州に分布し、日本では以下の3亜種がある。本種は、本ブログ(PartⅡ)において単独で取り上げたことがなかったので、過去に東京都の檜原村で撮影した本州・四国亜種を掲載し紹介しておきたい。北海道亜種CelastrinasugitaniiainonicaMurayama,1952本州・四国亜種Celastrinasugitaniisugitanii(Matsumura,1919)九州亜種...スギタニルリシジミ

  • 私にとって写真とは

    私にとって写真とは何なのか?中学生の時から撮り始めて46年。大部分は、ホタルをはじめとする昆虫写真で、その他は自然風景の写真であるが、私はプロの写真家ではない。芸術家でもない。写真は「趣味」である。撮って楽しければ良い。しかしながら、写した結果には最低でも自己満足したい。「写真」は写実であり「絵」とは違う。人間が意識的(意図的)にデザインや彩色をして描いたものが「絵」だが、「写真」は、真を写すと書く。客観的な「真実」を記録したものだ。撮影テクニックは別の話として、昆虫写真の場合は、その種の特徴が分かる図鑑的なもの、あるいは生態の瞬間の正確な記録であると言える。自然風景写真はどうだろう。撮影者の意識や個人的感情とは関係なくただ映される「画」を超えて、目の前にある風景から感じる抽象的で漠然とした感覚を「写真」...私にとって写真とは

  • 相州三浦秋屋の里

    秋谷の立石にて、富士と満月を撮ってきた。前回の群馬遠征から一か月以上空いての撮影である。2024年2月24日は満月(実際は24日の21時半が満月)である。アメリカの農事暦で「スノームーン」と呼ばれ、今年地球から最も遠い小さく見える満月だが、日の出日の入り時刻と月の入り月の出時刻から、富士山頂に満月を重ねる「パール富士」が撮れるチャンスの日でもある。パール富士は、ダイヤモンド富士と違って、そもそも撮影できる日は年に数回しかなく、昇るパール富士は、緻密な計算を行って撮影場所を決めても、昇ってくる月が富士山で見えないので、運の良さも必要だ。沈むパール富士においては、当然、山頂と重なる方角を計算して撮影場所を選定する必要はあるが、最後の瞬間は、沈む月の角度を見極めながらちょっと移動すれば富士山頂の好きな位置と重ね...相州三浦秋屋の里

  • 春よ来い

    2月中旬だというのに、18日は全国的に気温が上がり、3月から4月並みの暖かさとなった。北海道と東北では2月としては観測史上最も高い記録的な暖かさだという。気象庁によれば、日本付近では、偏西風が平年よりも北側へ蛇行したために南の高気圧の勢力が強まったことに加え、日本の北にある低気圧に向かって暖かい空気が流れ込んだことで九州から北海道にかけて広く気温が平年を大きく上回ったことが原因だという。日差しの下ではシャツの袖をまくり、春の暖かさを心身ともに感じたが、数日後には再び寒気が南下し、季節は逆戻りするようである。こうした気温の周期的な変化は、春の訪れが近いということだ。能登の復興のためにも早く本格的な「春」が訪れて欲しいと思う一方、今季は、各地で雪不足となっており、オープンできなかったスキー場もあると聞く。掲載...春よ来い

  • ミヤコマドボタル

    ミヤコマドボタルPyrocoeliamiyakoNakane,1981は、ホタル科(FamilyLampyridae)マドボタル属(GenusPyrocoelia)で、一生を陸地で生活する陸生ホタルである。真冬にホタルの記事は、本土においては季節外れであるが、生息地の沖縄県宮古島では、5月から8月頃が発生のピークであるものの冬季においても見ることができる。2012年9月8日~9日の2日間、沖縄県立宮古高等学校の招きにより宮古島を訪れて、本種を観察した結果はホームページ「東京にそだつホタル」の"ホタルに関する調査研究レポート"「ミヤコマドボタル」において記載しているので、詳細はそちらを参照いただきたい。このブログでは未掲載であったため、未発表の写真とともに簡単に紹介したい。以下には、発光するミヤコマドボタル...ミヤコマドボタル

  • 嬬恋の丘 (カラマツの丘)

    嬬恋の丘(カラマツの丘)は、群馬県嬬恋村にある。キャベツ畑が見渡すかぎり続き、その丘の上にポツンとカラマツ林が佇むロケーションで、まるで北海道の美瑛のような場所である。まずは、阪神淡路大震災から29年。5時47分に会社の駐車場から黙とうを捧げた。能登半島地震の被災者の方々にも、一日も早い復興をお祈りした。さて、今回の群馬遠征は、この嬬恋の丘(カラマツの丘)がメインであった。浅間山と星空は、月明かりがない快晴ならば撮影のチャンスは多いが、カラマツの丘では、広大な雪原の丘とカラマツ林、その星空とマジックアワー(魔法の時間)の光景を撮りたかった。嬬恋村は、13日の午後から夕方まで雪で深夜から晴れの予報。星は二の次で、とにかく雪が積もった光景であって欲しかったため、この週末は絶好のチャンスとばかり遠征を決めたので...嬬恋の丘(カラマツの丘)

  • 浅間山と冬の星空

    浅間山と冬の星空を撮ってきた。この冬に撮りたい光景は、寄せ氷、霧氷、星景・・・様々な冬ならではの一瞬を収めたいが、すべて天候次第である。そして、できれば、私自身がこれまでに撮ったことない場所の景色を残しておきたい。この週末は、東京でも夕方に雪が舞った。かなりの降雪であったが、時間して1時間ほどで積もるほどではなかった。関東甲信越の特に日本海側や山地では大雪。気圧配置は西高東低の冬型。翌日14日は、高気圧に覆われるという予報である。この気圧配置と天候で、私が撮りたい光景の中から選択できるのは星景であった。そこで、昨年の10月23日以来およそ2か月半ぶりに写真撮影に出掛けることにした。ちなみに10月23日はキトンボ、その前の8月27日はホソミモリトンボで、風景写真は7月23日の滝巡りが最後で、5か月以上も空い...浅間山と冬の星空

  • 2024新年のスタート

    紅富士(箱根大観山より)2024年となり新年の挨拶をしたいところですが、1月1日午後4時過ぎ、石川県で震度7の地震があり、北陸を中心とする地域では地震と津波による大きな被害が出ました。また2日には、日本航空の旅客機が午後5時47分、羽田空港に着陸したところ、海上保安庁の固定翼機に衝突し炎上するという惨事も起こっています。海外では、今もなおロシアがウクライナへ、そしてイスラエルがガザ地区へ軍事侵攻を続けています。このような時に、新年のお祝いの言葉を述べる気持ちになれないのが正直なところです。被災された方々には、心よりお悔やみ申し上げたいと思います。先行き不安な新年のスタートですが、まずは、世界に平和が戻り誰しもが安心して暮らせる世の中になるよう祈りたいと思います。そして皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し...2024新年のスタート

  • 2023年の自己ベスト(自然風景編)

    今年は、新型コロナウイルスの感染拡大も減少し、ようやく日常が戻ってきたにも関わらず、自然風景撮影においては気象条件とのタイミングが悪く、また様々な事情により遠征できなかったことが多かった。そのため桜や紅葉、霧氷などまったく撮影できず、四季を通じて自然風景をほとんど撮らなかった一年であった。毎年、何とか自己ベスト10を選んではいたが、本年はホタルの飛翔風景とホタルの映像を含めて以下の10作品を挙げるのが精一杯の状況である。それぞれの写真の詳細については各リンクをクリックして頂き、該当ページをご覧頂きたい。パール紅富士和良蛍杜に舞うヒメボタルヒメボタル(東京2023)星峠から天の川を撮る冬から春にかけての星空(霧ヶ峰より夏の天の川)陣馬の滝ムーンライト富士和良蛍の映像杜に舞うヒメボタルの映像星峠の天の川や岐阜...2023年の自己ベスト(自然風景編)

  • 2023年の自己ベスト(昆虫編)

    早いもので2023年も残すところ2週間。10月23日以来、写真撮影に出掛けておらず、本年は出掛ける予定がないことから、私自身の一年を振り返った反省と来年の計画立案のために、年末恒例のあくまでも自己満足のベスト10作品を選んで締めくくりたいと思う。本記事は昆虫、次に自然風景をまとめて掲載したい。今年撮影した昆虫写真10枚は、図鑑的写真と言う観点から選んだが、その7割が沖縄県で撮影したものとなった。そのような中で、今年一番に選んだのは「ホソミモリトンボ」である。詳細は、下記リンク先をご覧頂きたいが、本州においての本種の生息地は、高標高の湿原に限られ、これまで福島、栃木、群馬、長野、新潟、岐阜の6県で記録があるが、いずれも局所的であり、近年では確認されていない場所も多い。2011年から探しもとめ、尾瀬と上高地で...2023年の自己ベスト(昆虫編)

  • 和良蛍を守る ホタル勉強会

    和良蛍を守るためのホタル勉強会の講師として、和良蛍を守る会の招きで12月3日から一泊二日で岐阜県郡上市和良町を訪れた。自宅を朝の5時に出発し、中央道国立府中ICから土岐JCTで東海環状道を走り、美濃関JCTで東海北陸道の郡上八幡ICで降り、そこからは一般道で和良町へ。片道およそ390kmの道のりである。現地には正午前に到着し、勉強会は13時から市民センターの会議室で行った。休憩を挟みながら90分ほどホタルの基礎的な話から、ゲンジボタルの生態と生息環境の詳細について話し、和良のゲンジボタルの特徴と保全方法についても述べさせて頂いた。和良蛍は、まったくの自然発生で、幼虫やカワニナの放流は勿論、特に環境を保全する作業等も行ってはいない。それでも、数千を超えるゲンジボタルが乱舞する素晴らしい場所であるが、問題は、...和良蛍を守るホタル勉強会

  • 秋の色

    前記事の表題は「11月の夏日」投稿した翌日の7日(火)は、何と東京都心の気温が27.5度と11月の最高気温を100年ぶりに更新した。ところが、12日(日)は一転して冬。上空に強い寒気が入り、東京都心は11℃と今シーズンで1番の寒さになった。13日(月)も各地で寒い朝となり、東京や名古屋、大阪などでは、昨日に続いて今季最低気温を更新した。一体、秋はどこへいったのだろう?そのうちに季節は夏と冬だけになってしまうのではないだろうかと心配である。こうした異常気象は、生態系を変化させ、昆虫をはじめとする動植物の生態も変えてしまい、私たち人間の生活にも影響を及ぼすだろう。日本の四季は、食や行事と密接に関係があり、様々な伝統文化を生み出してきた。「衣替え」「花見」「夏祭り」「花火大会」「お月見」・・・などの行事がある。...秋の色

  • 11月の夏日

    11月なのに暑い。4日は、日本ホタルの会の会議で、久しぶりに対面で行い中野まで行ってきたが、東京都心では最高気温26.3℃を観測し14年ぶりに25度以上の夏日となった。気象庁によれば、年間の夏日の日数が4日で141日目となり、1875年の観測開始以降最多だという。全国915の観測地点のうち219地点で夏日となり、38地点で11月の観測史上最高を記録したらしい。まさに異常である。異常といえば、この秋はクマの被害がとても目立つ。環境省は、今年4月から10月末までにクマに襲われるなど被害に遭った人が全国で180人に上ったと発表している。こちらも統計を開始した2006年以来、過去最多という。私も過去に5回ほどツキノワグマに遭遇している。幸い襲われたことはないが、昆虫や自然風景の写真を撮りに行く場所は、ほとんど人が...11月の夏日

  • トビナナフシ

    トビナナフシは、ナナフシ目(OrderPhasmatodea)トビナナフシ科(FamilyDiapheromeridae)トビナナフシ属(GenusMicadina)で、短い翅をもつナナフシの仲間である。前翅は小さく円形で後翅は腹部中央に達する程度の長さで扇状に広げることができるが、飛翔能力は高くない。日本には以下の3種類が生息している。ニホントビナナフシMicadinaphluctainoides(Rehn,1904)分布:本州(茨城県以西)、四国、九州、沖縄奄美地方の沿海地から低山帯の雑木林ヤスマツトビナナフシMicadinayasumatsuiShiraki,1935分布:北海道、本州、四国、九州の低山帯から山地帯の雑木林シラキトビナナフシMicadinafagi(IchikawaandOkada,...トビナナフシ

  • キトンボ(飛翔)

    キトンボSympetrumcroceolum(Selys,1883)は、トンボ科(FamilyLibellulidae)アカネ属(GenusSympetrum)で、北海道・本州・四国・九州に分布している。主に丘陵地や低山地の森林に囲まれているような水面が開けた池、沼などに生息し、晩秋の最も遅くまで見られるトンボである。環境省版レッドリストに記載はないが、改変を受けやすい環境に生息するため都道府県版レッドリストでは、東京都、神奈川県、千葉県では絶滅、茨城県、群馬県、静岡県、愛知県では絶滅危惧Ⅰ類、栃木県、埼玉県、山梨県などでは絶滅危惧Ⅱ類として記載している。この週末は、当初、土曜日の夜から出掛け、信州戸隠の鏡池の紅葉撮影を計画していたが、紅葉が見頃でも無風でなければ水鏡にならないため、天気予報を信じて断念。...キトンボ(飛翔)

  • 夏から初秋へ

    ブログの更新が一か月空いてしまった。写真は8月下旬以来まったく撮っていない。チョウやトンボ、自然風景も被写体となるものは多くあったが、その多くは、撮影しても過去に写したものと同じような写真になってしまう。新たな目標もあったが、週末の天気に左右され、結局、この週末まで一切出掛けないままでいた。気が付けば、猛暑の夏からようやく秋の気配を感じる気候となり、季節は確実に進んでいることを感じる。この一か月以上は、ブログに掲載済みの写真を見直し、特に星景写真においてノイズが目立つもののRAW現像のやり直しを数多く行った。これまで星景写真のRAW現像は、まずDxoPureRAWというソフトでRAWの最適化を行ってから、AdobeLightroomClassicで作業を行っていたが、今年4月にアップデートされたLight...夏から初秋へ

  • ヤマトンボ科

    ヤマトンボ科は、かつてエゾトンボ科(FamilyCorduliidae)に属するヤマトンボ亜科(SubfamilyMacromiinae)に分類されていたが、現在では、ヤマトンボ科として分類され、国内には以下の2属6種が生息している。尚、以前は北海道のみに分布する種をエゾコヤマトンボとし、コヤマトンボの北海道亜種としていたが、DNA鑑定の結果、コヤマトンボとの違いが見受けられないとのことからコヤマトンボとなっている。ヤマトンボ科では、オオヤマトンボとコヤマトンボの2種を撮影しており、ブログ(PartⅠ)ではエゾトンボ科として紹介しているが、本ブログ(PartⅡ)では取り上げていなかったので、今回改めてヤマトンボ科として掲載した。ヤマトンボ科(FamilyPetaluridae)オオヤマトンボ属(Genus...ヤマトンボ科

  • エゾトンボ科の飛翔

    先月、ホソミモリトンボを撮ることができたので、今回はエゾトンボ科の飛翔写真をまとめてみた。日本に分布するエゾトンボ科は以下の3属13種であるが、そのうち3属7種を撮影しており、それぞれ1枚ずつ飛翔の写真を掲載した。尚、撮影済みの種には各々の記事へのリンクを貼っておいたので参照頂きたい。ミナミトンボ属(GenusHemicordulia)ミナミトンボHemicorduliamindananipponicaAsahina,1980オガサワラトンボHemicorduliaogasawarensis.Oguma,1913リュウキュウトンボHemicorduliaokinawensisAsahina,1947トラフトンボ属(GenusEpitheca)トラフトンボEpithecamarginata(Selys,18...エゾトンボ科の飛翔

  • ホソミモリトンボ(ホバリング)

    ホソミモリトンボSomatochloraarctica(Zetterstedt,1840)の本州における生息地に通うこと今季4回目。今回は、初訪からおよそ一か月後でも出現しているのかを確認すること、そして出現しているならば、ピントの合った飛翔写真を撮る、この2つを目的に訪れた。ホソミモリトンボの生息地には6時半に到着。天候は快晴。早速、これまで毎回のように飛翔していた場所で待機することにした。前回8月11日に比べて、アキアカネの数が激減していた。多くが麓に降りて行ったのだろう。また、クロヒカゲなどのチョウの姿もほとんど見かけなかった。それだけ季節が進んだということである。気温が上がってきた8時。体感的にはこれまでと変わらないが、小さな虫を捉えるために飛び回るアキアカネの姿はない。前回は、すでにホソミモリト...ホソミモリトンボ(ホバリング)

  • ホソミモリトンボ(飛翔と静止)

    ホソミモリトンボSomatochloraarctica(Zetterstedt,1840)は、前々回の記事「ホソミモリトンボ」において証拠程度の写真ではあるが、初掲載として紹介したものの、やはりピンボケの証拠写真では気が済まない。8月4日にも再訪したが、個体の確認はしたものの写真撮影までには至らなかった。そこで、今回8月11日に3回目の訪問である。天候は晴れ。8月4日同様に、現地に5時半から待機。6時過ぎには湿原全体に太陽があたり、徐々に気温が上がっていく。初回は7時には飛翔が確認できたが、2回目は8時になってから、ようやく現れた。今回は7時半頃に現れたが、湿原上空で摂食飛翔するばかりでなかなか降りてこない。8時を過ぎると、メスが産卵にやってきた。今回も同じ場所での産卵であり、湿原に茂みの中に潜ってしまう...ホソミモリトンボ(飛翔と静止)

  • 日射病?

    8月4日に再び前記事で紹介したホソミモリトンボの観察と撮影に行ってきた。毎日、出勤時は午前4時半に起きるのも辛いが、昆虫となれば午前2時半でも平気である。3時に自宅を出発し、現地には5時過ぎに到着。前回は7時頃からすでにホソミモリトンボが飛んでいたので、何時から現れるか確かめるために5時半より待機した。この日は快晴で、東京では見られない濃い青空が広がっている。6時半頃からはたくさんのアキアカネが飛び始めた。7時。湿原全体に太陽が当たり、そろそろかろ思いきや、飛んでこない。たった4~5日でいなくなってしまったのかといやな予感がしたが、8時になって、ようやく現れた。朝の食事で、周囲を早いスピードで飛び回る。そこにもう1頭が現れ、バトルが始まる。そんな様子を見ていると、8時半、30m先をタンデム飛翔する姿。慎重...日射病?

  • ホソミモリトンボ

    ホソミモリトンボSomatochloraarctica(Zetterstedt,1840)は、エゾトンボ科(FamilyCorduliidae)エゾトンボ属(GenusSomatochlora)で、1840年にヨハンウィルヘルムゼッターシュテットによって最初に記載された。体長50mmほどの細身で、同属の他種とは、翅の縁紋が淡黄色をしていること、オスの尾部付属器が上から見ると弧状に湾曲すること、メスの腹部第3節背面に独特の丸い黄斑があること、産卵弁が後方に板状に突出することで区別できる。本種は、ヨーロッパ北部から中国東北部、シベリアなどに広く分布し、国内では北海道と本州に分布する。北海道では平地の湿地でも見られるが、グループの中では最も好寒性が強く、本州では、高冷地のミズゴケ、スゲ類が繁茂する遷移が進んだ浅...ホソミモリトンボ

  • 涼を求めて滝巡り③白糸の滝

    白糸の滝は、静岡県富士宮市にある滝で、日本の滝百選にも選ばれている他、日本三大名瀑に選ばれることがある。また、国の名勝、天然記念物。「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として世界文化遺産に登録されている。なお、名勝、天然記念物としての指定名称及び世界文化遺産・構成資産一覧では「白糸ノ滝」と表記されている。高さ20m、幅150mの湾曲した絶壁から、大小数百の滝が流れ落ちているが、上部の水を通す地層である新富士火山層と下部の水を通さない地層である古富士火山層の境から出ている。本滝の一部を除いてそのほとんどが富士山の湧水であり、その姿は白糸の名にふさわしく、幾筋もの絹糸をさらしているようである。ちなみに、白糸の滝という名の滝は、全国18の道県に22ある。さて、涼を求めて滝巡りの最後は白糸の滝である。当初...涼を求めて滝巡り③白糸の滝

  • 涼を求めて滝巡り②陣馬の滝

    陣馬の滝は、静岡県富士宮市の五斗目木川にかかる滝で、源頼朝が富士の巻狩りで近くに陣を張ったことから「陣馬の滝」と呼ばれている。鐘山の滝の比べれば迫力に欠けるが、川からの直瀑と、溶岩層の隙間からの潜流瀑が何本か横から流れており、小さいながらも美しい滝である。陣馬の滝には、近くに10台ほどが止められる専用駐車場があり、滝へは遊歩道で1分である。鐘山の滝は、撮影場所が限られたが、こちらはどこからでも自由に撮ることができる。初めて訪問する場所は、事前にネットの画像検索で情報を得るが、ネットの写真と実際に行って見たギャップはあるが、「自分は何を美しく思い、ここから何を感じ、何を表現したいのか・・・」自然との対峙が始まる。直瀑は、まるで天女が舞い降りたかのようであり、周囲の潜流瀑は、それを祝う天子の宴のようにも思えた...涼を求めて滝巡り②陣馬の滝

  • 涼を求めて滝巡り①鐘山の滝

    鐘山の滝(かねやまのたき)は、山梨県の山中湖、忍野八海をもととする富士山伏流水も含まれる桂川の滝である。鐘山の滝は、鐘の音を響かせるという伝説がある。それは、武田信玄がのろしをあげる時を惜しんで、早鐘を打たせた際、勢いあまって懸け金がはずれてしまい、つり鐘は転げ落ちて桂川の大滝へと深く沈みいった。それ以来、滝からは鐘の音が聞こえるという。水量が多くなければ、滝は二条も分かれ美しい。22日、気象庁は「関東甲信と東北南部・東北北部が梅雨明けしたとみられる」と発表した。平年より関東甲信は3日遅いが、少し前より晴れが続いており、ほぼ例年通りと言ってよいだろう。梅雨明け前から猛暑続きで、体も暑さに慣れてきた昨今だが、やはり天然クーラーの涼しさが恋しくなる。先日、知人が自身のFacebookに滝のの素晴らしい写真を投...涼を求めて滝巡り①鐘山の滝

  • ヒメボタル(東京2023)

    ヒメボタルの東京都における生息地は、標高およそ700m~1,200mの山地に点在しており、2004年から観察と撮影を行っている。今年は、2021年から観察を開始した生息地に行き、発生状況や環境の変化などを調査観察をするとともに、いつものように写真に収めてきた。ヒメボタルは、標高0mからおよそ1,700mまで、ブナ・ミズナラの原生林から、天然林、スギやタケ、里山の雑木林などの人工林(二次林)、畑や堀など、様々な環境に適応して生息している。ちなみに、「人工林」は読んで字のごとく、人が植えて育てる森林のことで、「天然林」とは、伐採など人の手が加わっても、自然の力で維持されている森林を指す。それに対し「原生林」とは、過去に伐採されたことがなく、人為の影響のない森林のことを言う。今年も訪れた東京のヒメボタルの生息地...ヒメボタル(東京2023)

  • 沖縄の昆虫たち

    今回の沖縄遠征では、トンボ類は14種類を撮影することができたが、チョウ類はまったく縁がなかった。主目標にしたコノハチョウ、フタオチョウ、イワカワシジミは見ることすらできず、リュウキュウウラボシシジミは、3回目撃したにも関わらず撮ることができなかった。山奥の沢に行ったとき、とても小さなチョウがチラチラと飛んでおり、止まって所を観察すると、リュウキュウウラボシシジミであった。日本で最小クラスのチョウで、環境省版レッドリストで準絶滅危惧に選定されている。カメラを向けようとすると、ジャングルの奥に飛んで行ってしまった。その翌々日も訪れ2回ほど目撃したが、いずれもジャングルの奥へ飛んで行ってしまい、撮影することができなかった。どうも、曇りの日でないと林道まで出てきてくれないようだ。残念で仕方がない。ナガサキアゲハの...沖縄の昆虫たち

  • 沖縄のトンボたち

    今回の沖縄遠征で14種類のトンボを撮影したが、目標にしていたカラスヤンマ、アメイロトンボ、オオメトンボを撮ることができなかった。カラスヤンマは、昨年にオスの証拠程度の写真を撮り、メスも産卵していた場所と環境的にいるであろうと思われる新たな場所において、二日間で合計6時間待機したが、まったく姿を現さなかった。発生の時期が終わってしまったのか、単に運が悪かったのかは分からないが、たいへん残念である。アメイロトンボとオオメトンボについては、撮れればラッキー程度の目標で、しかも初日以外は早朝からの活動で、とても夕暮れまで体力が持たず、生息場所にも行けなかったので仕方がない。この記事では、今回撮影したトンボ類の中でも、過去に撮影済みの種類などをまとめて掲載したいと思う。尚、昨年掲載したショウジョウトンボ(沖縄個体群...沖縄のトンボたち

  • リュウキュウベニイトトンボ

    リュウキュウベニイトトンボCeriagrionauranticumryukyuanumAsahina,1967は、イトトンボ科(FamilyCoenagrionidae)キイトトンボ属(GenusCeriagrion)で、九州南部(熊本県、宮崎県、鹿児島県)及び南西諸島のほぼ全域と南北大東島などに分布している。九州南部では、同属でよく似たベニイトトンボと分布が重なっているが、リュウキュウベニイトトンボのメスは、腹部第7~10節の背面が黒い。また、オスの複眼は緑色であることから区別できる。挺水植物が繁茂している池・沼や田んぼ・湿地などで普通に見られるトンボである。昨年の遠征では、イトトンボの仲間には全く出会えなかったが、今回は様々な場所を訪問したことで、本種の撮影が叶った。しかしながら、環境的に上方から撮る...リュウキュウベニイトトンボ

  • アオビタイトンボ

    アオビタイトンボBrachydiplaxchalybeaflavovittataRis,1911は、トンボ科(FamilyLibellulidae)アオビタイトンボ属(GenusBrachydiplax)のトンボで、その名の通り前額が金青色に輝く。1970年代以前の国内では、沖縄県の大東諸島以南にしか分布していなかったそうだが、本種は北上をしていることで知られており、1970年代後半にはそれより北の沖縄の島々周辺で見られるようになり、1986年には鹿児島県の南さつま市でも発見され、2022年には、広島の江田島市でも発見されている。前記事で紹介したオオキイロトンボを撮影した場所では、大きな池の周囲が湿地になっており、そこではアオビタイトンボが多く見られた。最初見た時は、小さいコフキトンボという印象で、やはり...アオビタイトンボ

  • オオキイロトンボ

    オオキイロトンボHydrobasileuscroceus(Brauer,1867)は、トンボ科(FamilyLibellulidae)オオキイロトンボ属(GenusHydrobasileus)で、沖縄本島の他、渡嘉敷島、久米島、石垣島、西表島に分布する国内のトンボ科では最大種である。平地や丘陵地の挺水植物がよく繁茂する池沼や水田・水路に生息している。翅全体が黄橙色に着色しており、後翅の広角部に褐色の部分があり、サイズと独特の翅の模様で他種とは簡単に区別できる迫力あるトンボである。オオキイロトンボは、昨年、トビイロヤンマを観察していた場所で見ていた。黄色い大きな連結したトンボが突然現れ、あっという間に飛び去った。後からオオキイロトンボのペアであることが分かったが、その時は二度と飛んでくることはなかった。今年...オオキイロトンボ

  • ヤンバルトゲオトンボ

    ヤンバルトゲオトンボRhipidolestesshozoiIshida,2005は、トゲオトンボ科(FamilyRhipidolestidae)トゲオトンボ属(GenusRhipidolestes)のトンボ。トゲオとは「棘尾」の意味で、オスの腹部第9節背面にトゲ状の小さな突起があることに因んでいる。トゲオトンボ科の種は、国内に7種1亜種の8分類群が分布しているが、これらいずれも分布が重なっていないので、基本的に一つの分布地域に1種(亜種)となる。本種は、沖縄本島北部の山原(やんばる)だけに分布している。沖縄本島では、名護市の多野岳の南西部および渡嘉敷島に分布する個体群は、オキナワトゲオトンボRhipidolestesokinawanusAsahina,1951で、多野岳の北東部の山岳地帯に分布する個体群を...ヤンバルトゲオトンボ

  • トビイロヤンマ

    トビイロヤンマAnaciaeschnajaspidea(Burmeister,1839)は、ヤンマ科(FamilyAeshnidae)トビイロヤンマ属(GenusAnaciaeschna)のトンボで、成虫はオスメスとも体の地色は赤褐色で、和名の「鳶色」はここに由来する。性成熟したオス成虫の複眼は淡青色で、同属種のマルタンヤンマの深い青色とは違った魅力がある。日本では沖縄諸島以南の南西諸島に分布し、平地から山沿いの抽水植物が繁茂する湿原や、水田などに生息している。昨年は、日の出前に目前で数十頭が飛んでいる様子を見ながら、証拠にもならない写真1枚しか撮れなかったトビイロヤンマ。その悔しさから、今年も沖縄に行くことにした。昨年も3泊4日であったが、初日と最終日は東京と沖縄間の移動のみ。また、ホタルが撮りたかった...トビイロヤンマ

  • 七夕の天の川(沖縄にて)

    七夕の天の川を沖縄にて撮影してきた。昨年に引き続き、本年も沖縄に4日間の遠征。トンボやチョウなど昆虫の撮影が主な目的であるが、今回も天の川の撮影を予定に組み込んだ。昆虫の写真や遠征記録は、次の記事から順に掲載しようと思うが、まずは天の川を掲載したい。沖縄遠征は7月5日から8日までの三泊四日(初日は車中泊)で、すべての夜に天の川を撮影できるように予定を組んでいた。昨年は、初日に今帰仁村の古宇利島から沖縄本島の上に横たわる天の川を撮った。それなりに写ったが、本島の街明かりが以外にも明るかったので、今回は、本島の東海岸から真っ暗な太平洋上で写そうと東村の高江展望台を撮影地に選んだ。沖縄は、すでに6月25日に梅雨が明け、連日晴続きであるが、2週目となるとなかなか快晴にはならない。遠征初日も晴れであるが、雲が多く断...七夕の天の川(沖縄にて)

  • ゲンジボタルのメスの飛翔

    ゲンジボタルのメスの飛翔の様子を記録として写真に撮影した。ゲンジボタルは、生息地によっても多少の違いはあるが、概ね19時半頃になると発光しながら飛翔するが、そのすべてはオスである。メスは、川辺の草の葉の上に止まって発光している。メスを見つけたオスはメスの所に降りて行き、発光によるコミュニケーションが成立すれば交尾に至る。交尾は夜が明けても続けられ、日の当たらない葉陰などに移動し15時間前後続く。葉先で目立つように光るメスは未交尾のメスで、既交尾のメスはオスが飛び回る時間帯は、茂みの中で静かに光ったり、歩き回ったりしており、オスの発光飛翔時間のピークが過ぎた22時半頃になると、産卵場所を求めて川面を飛び交うが、オスのようにふわふわ飛ぶのではなく、水面すれすれの高さを一直線に光りながら飛ぶのである。メスは、基...ゲンジボタルのメスの飛翔

  • 和良蛍

    和良蛍は、岐阜県郡上市和良町に生息するゲンジボタルのこと。昨年の6月12日に初めて訪れたが、あいにくの月明かりと発生初期であったため、発光飛翔の数が少なかった。そこで、今年も訪れ、これぞ「和良蛍」という写真と映像を撮影することができ、また深夜まで滞在してメスの産卵行動などを観察してきた。和良蛍を守る会の水野英俊会長より、先週に本年の発生状況をご連絡をいただき、19日前後が発生のピークであろうとの予測。迷わず私の休日である18日(日)に遠征することに決定。17日(土)は、仕事が終了次第、北陸に向かって再度ヒサマツミドリシジミを狙うつもりであったが、仕事が忙しく疲労困憊。そもそも、11日(日)にヒメボタルを撮ってからというもの、先週はPCを前にして椅子で2日寝てしまい朝を迎えている。にも関わらず北陸から岐阜へ...和良蛍

  • 杜に舞うヒメボタル

    杜に舞うヒメボタルを観察し撮影してきた。杜に舞うヒメボタルは、日本各地で見ることができ、関東周辺では静岡県御殿場市の二岡神社が有名であるが、今回撮影した場所は、ヒメボタルの分布的にも貴重な地域であり、2004年及び2021年にヒメボタルの観察と撮影に行っている。しかしながら、写真には、どちらも1~2頭が飛んでいる様子しか収められていなかった。古くからの親友の調査では、この地域ではかなり広範囲に生息していると聞いていた。また、知人は昨年の同時期に同じ地域内の別の場所でヒメボタルが乱舞しており、写真に収めたとの連絡を頂き、今年は、その場所に行ってみることにした。10日土曜日は仕事の為、翌11日、小雨降る自宅を午後12時に出発。現地には14時過ぎに到着した。これまで観察をしてきた場所の近くであり、やはり広範囲に...杜に舞うヒメボタル

  • スジグロボタル(映像)

    スジグロボタルPristolycussagulatussagulatusGorham,1883は、ホタル科(FamilyLampyridae)スジグロボタル属(GenusPristolycus)のホタルで、北海道、本州、九州に分布し、近畿亜種と奄美亜種がある。四国には、同属のシコクスジグロボタルPristolycusshikokensisOhbayashietM.Sat,1963が分布している。体長は7mm~9mmで、ヘイケボタルを一回り大きくしたくらいのの大きさである。ホタルではないベニボタルに似るが、卵・幼虫・蛹・成虫ともに発光するホタルの仲間である。ただし、成虫は昼行性なのでほとんど発光しない。谷戸の最上部の樹林に囲まれた冷たい湧水が流れ込む薄暗い湿地等に生息し、幼虫はカワニナ等の巻貝や湿地に生息す...スジグロボタル(映像)

  • 三鷹市大沢のホタル

    国分寺崖線(ハケ)の湧水に生きるホタル三鷹市大沢のホタルについて、講演会と観察会および写真撮影を行ってきた。東京都三鷹市市スポーツと文化部生涯学習課(共催:ほたるの里・三鷹村)の依頼により、6月4日三鷹市教育センターにて「ほたるの一生-大沢ほたるの生態を知る-」と題して講演会を行い、終了後に大沢の里(ほたるの里)に移動してホタルの現状を観察し撮影を行ってきた。講演会は、定員70名で満員御礼。市内はもちらん、市外からも大勢おこし下さり、2時間の講演は無事に終了。大多数は年配の方々であったが、お子さんも4名ほどおり、最後まで私の話を聞いてくれたのが、何より嬉しい。さて、先週は自然発生している「野川のホタル」を観察し撮影したが、今回、講演会の終了後に訪れた三鷹市大沢のホタルは、前回の撮影場所(小金井市)からおよ...三鷹市大沢のホタル

  • 野川のホタル

    野川のホタルを始めて観察し、撮影してきた。野川は、東京都を流れる多摩川水系多摩川支流の一級河川である。国分寺市東部の日立製作所中央研究所敷地内を水源とし、世田谷区南部の二子玉川で多摩川と合流する。全長は20.5km。野川の北側は、武蔵野段丘面を多摩川が削りこんで作った国分寺崖線である。「ハケ」と呼ばれる崖の斜面からは多くの清水が湧き、都内でも珍しい自然が残っている。野川は、調布市と小金井市、三鷹市にまたがる都立野川公園内を流れるが、小金井市側には自然観察園がある。自然観察園では、昭和60年から園内のホタルの里で育成に努力し続けてきたが、令和元年から野川本流でゲンジホタルが自然発生し始めたのである。台風による影響で、自然観察園のホタルが野川に流出したとみられるが、けして清流とは言えない野川に、ゲンジボタルが...野川のホタル

  • ウラゴマダラシジミ

    ウラゴマダラシジミArtopoetespryeri(Murray,1873)は、シジミチョウ科(FamilyLycaenidae)ミドリシジミ亜科(SubfamilyTheclinae)ミドリシジミ族(TribeTheclini)ウラゴマダラシジミ属(GenusArtopoetes)で、ゼフィルスの一種である。北海道・本州・四国・九州に分布し、平地や丘陵地では谷戸や湿地周辺に、低山地や山地では河川や渓谷沿いの広葉樹林に生息している。翅表は濃い青または青紫色で、外縁付近は黒帯で縁取られる。翅裏は灰白色の地色に外中央部から亜外縁にかけて2列の黒点列がある。他のゼフィルスのように尾状突起がなく(チョウセンアカシジミもない)、ルリシジミ類に類似していることから、古くはルリシジミに近縁と考えられていた時期もあるが、...ウラゴマダラシジミ

  • 春、そして初夏・ホタルが舞う季節へ

    今年は季節が駆け足で進んでいく。歳のせいか、その進みはより一層速く感じるが、桜の開花や昆虫たちの活動状況をみると、やはり異常なまでの速さである。知人のいる高知県ではヒメボタルが各地で乱舞し、今日届いた知らせでは、来月3日に予定している「日本ホタルの会の観察会」の東京都内における場所で、既にゲンジボタルの飛翔が始まったという。例年よりも10ほど早いようである。私も、すべての予定を繰り上げるよう、計画を練り直さなければならないだろう。以下には、「春、そして初夏・ホタルが舞う季節へ」の写真として、未掲載のものを含めて掲載したが、昨今、作ってみたいと思っていたスライドショー動画も載せた。今回は「我が心の風景御射鹿池」である。最近、スライドショー動画では、富士山と桜を載せているが、今後「我が心の風景」は、素晴らしい...春、そして初夏・ホタルが舞う季節へ

  • 星峠の棚田

    星峠の棚田は、「にほんの里100選」に選ばれた新潟県十日町市松之山・松代地域の松代地域にあり、大小様々な田んぼ約200枚がまるで魚の鱗のように斜面に広がっている。田んぼに水が入って、青空や周囲の風景を映す「水鏡」の美しさは格別で、平成20年のNHK大河ドラマ「天地人」のオープニングにも登場している。四季折々・朝昼晩と様々な光景を見せてくれ、特に朝の雲海と夜の星空は星峠の棚田ならではの魅力がある。星峠の棚田は、前回の投稿記事で「天の川」を掲載したばかりであるが、2013年から通うこと12回。この10年間で、春夏秋冬、主に早朝と夜間に訪れ写真を撮ってきた。その都度、ブログには記事掲載してきたが、ここで1つの区切りとして、季節ごとにまとめてフォトギャラリーにしてみた。休日に東京から遠征しなければならない私にとっ...星峠の棚田

  • 星峠から天の川を撮る

    星峠から天の川を撮るのは、今回で3回目。なぜ、また同じような写真を撮るのかと言えば、1回目は、天の川と水田に映る星々は撮れたものの、水田は1枚だけで棚田風景にはなっていなかった。2回目は、天の川も撮れ、また棚田らしい構図にはなったが、まだ雪がかなり残っており水田に映る星々が僅かであった。そこで今回は、棚田の水田に映る星々と共に夏の天の川を撮り、タイムラプスも作ることを目的に遠征を行った。新潟は、この冬の積雪量が多かったにも関わらず雪解けが早く、4月下旬にはすっかりなくなっていたが、天の川と星々を撮るためには、月と雲がないことが最大の条件である。残念ながら、4月中は雨だったり雲がかかったりと全くチャンスがなかった。ゴールデンウイーク中は、満月に近い明るい月があり見送らざるを得なかった。この5月は、13日14...星峠から天の川を撮る

  • ギフチョウ(イエローバンド)

    ギフチョウのイエローバンドは、過去に何度か撮影して投稿記事「ギフチョウのイエローバンド」等に掲載しているが、今年も撮影に臨んできた。ギフチョウLuehdorfiajaponicaLeech,1889は、アゲハチョウ科(FamilyPapilionidae)ウスバアゲハ亜科(SubfamilyParnassiinae)ギフチョウ属(GenusLuehdorfia)に分類されるチョウで、日本の固有種である。本州のみに分布し、秋田県南部の鳥海山北麓から山口県中部にいたる24の府県で見られる。本種は、明治16年(1883年)に初代名和昆虫研究所所長の名和靖氏が学会に紹介し、岐阜県の下呂市金山町祖師野で初めて採集されため、ギフチョウと名付けられた。昔は「ダンダラチョウ」とも呼ばれていた。ギフチョウは、春には林床に光...ギフチョウ(イエローバンド)

  • 春の息吹

    今年のゴールデンウイークは、人によっては9連休だが、私は、仕事の関係で3日から久しぶりの3連休。運よく天候は晴れで気温も高い。2日の夜から信州に出掛けてきた。遠征は3月19日の「冬から春にかけての星空」を信州・霧ヶ峰で撮って以来である。目的は、ギフチョウのイエローバンドという地理的変異を撮ることである。その投稿記事は、次回にしようと思うが、まずは何気なく撮ったスナップ写真を掲載したい。今年は、全国的に桜の開花が早かったが、冬はマイナス15℃にもなる信州の山奥は、さすがに春が遅い。桜や花桃が満開であった。時間の余裕と気持ち的に、それらを撮ることができなかった。早朝に訪れた峠では、まだ雪の残る山が谷の向こうに鎮座している。かつての災害が嘘のような雄大な風景を前に、清々しさとともに複雑な心境になったが、振り返れ...春の息吹

  • TOKYO-FM にゲスト出演します

    TOKYO-FMにホタルの話題でゲスト出演します。昨日の夜、TOKYO-FMに行って、ホラン千秋さんと1時間強おしゃべりしてきました。ホランさんは、とてもチャーミングで気さくで、楽しい時間を過ごしてきました。放送は4月30日(日)と5月7日(日)の何と、2週連続のゲスト出演。時間は12:00~12:25です。全国38局ネットの全国放送!!お聴き下されば幸いです。TOKYO-FMDriveDiscoveryPRESShttps://www.tfm.co.jp/discovery/コロナ過では、講演の依頼やマスコミの取材も少なかったのですが、今年は多くなりそうです。ご要望があれば、ホタルと環境保全のために全国どこへでも出向きますので、お声かけください。東京ゲンジボタル研究所古河義仁furukawa@tokyo...TOKYO-FMにゲスト出演します

  • ギフチョウ(イエローテール)

    ギフチョウのイエローテールという異常形質に近い個体を掲載したい。この形質は後翅肛角紋の赤色が淡黄色になる個体で、後翅外縁の黄紋列と同一色を呈する形質群で、やはり劣性遺伝をすることが知られている。撮影した個体は、写真最後のノーマルタイプと比較すると後翅肛角紋の赤色がかなり薄く後翅外縁は黄色になっている。形質が受け継がれる途中段階と言えるかもしれない。写真の個体は、2013年に新潟県内で撮影したもので、北海道の南部から本州の中部地方の日本海側に分布するオオイワカガミで吸蜜する様子は、カタクリとの組み合わせとは違って地域的な特徴となっており、当ブログで未掲載でもあったことから紹介することにした。ところで、今年は桜の開花が全国的にとても早い。2週間から場所によっては3週間も早い開花である。桜の撮影を色々と計画して...ギフチョウ(イエローテール)

  • ツバメシジミのメス(低温期型)

    ツバメシジミEveresargiadesargiades(Pallas,1771)は、シジミチョウ科(FamilyLycaenidae)ツバメシジミ属(GenusEveres)に属するチョウで、和名の由来でもある後翅の尾状突起が特徴。ユーラシアの温帯に広く分布し、日本では北海道・本州・四国・九州に分布。平地の草原や公園などで春から秋まで見られる普通種である。どこでも見ることができるためか、足元近くを飛んでいても、普段はほとんど気にも留めない。オスの翅表は明るい青色で、メスはほとんどが暗い褐色であるが、春の時期だけは良く観察したい。なぜなら、春先に羽化するツバメシジミのメス(低温期型)は、暗褐色の翅表面に青い斑紋が出現することがあるからである。気晴らしにカメラを持って神奈川県の里山を訪れ、前記事のツマキチョ...ツバメシジミのメス(低温期型)

  • ツマキチョウ(2023)

    ツマキチョウAnthocharisscolymus.(Butler,1866)は、シロチョウ科(FamilyPieridae)ツマキチョウ属(GenusAnthocharis)で、学名のAnthocharisは、ギリシャ語の複合語(Antho+caris)「花を愛するもの」という意味である。日本全土に分布し、夏から冬の間を蛹で過ごし、翌春羽化する年1化、春だけに現れるスプリング・エフェメラルである。今日は、59歳の誕生日である。天気は快晴で日中の気温は21℃まで上昇。春本番の日和である。久しぶりに昆虫の写真を撮ろうと里山に出掛けた。写真撮影は先月の19日以来で、昆虫写真は昨年の9月25日新潟でトンボを撮って以来である。昆虫撮影なので、カメラはCanonEOS7Dでこちらも半年ぶりの使用である。午前8時半に...ツマキチョウ(2023)

  • 燦爛

    燦爛たる美華と光輝に満ち溢れる桜。ゆっくりと手を伸ばし、そっと花を両手の手のひらで包み込む。顔を近付け、香りを感じる。そして益子の銘酒を傾ける。日常のすべてを忘れて、五感で愛でる花見をしたいものである。今年は、桜の開花がとても早い。例年では4月下旬に咲く場所でも、すでに満開となっている。まだ一枚も撮っていないというのに、終わってしまいそうで怖い。名もない桜でも、その美しさを感じてみたいが、どうにも本業の仕事が忙しく心身ともに疲労気味。心穏やかになるまで、撮りたい桜が満開になるまで、待つことにしよう。以下の掲載写真は、1920*1280Pixelsで投稿しています。写真をクリックしますと別窓で拡大表示されます。久遠寺西谷のしだれ桜CanonEOS5DMarkⅡ/TAMRONSPAF70-200mmF/2.8...燦爛

  • 桜雨

    この週末は雨となった。私の自宅近くのJR国立駅からまっすぐ南へと続く1.3kmの大学通りには、約360本の桜が植樹され桜の並木道をつくっているが、気温も低く「花冷え」で桜の花も、どこか悲し気に見える。この桜が咲く3月下旬~4月上旬に降る雨のことを桜雨(さくらあめ)や「花の雨」と言うらしい。春に降る雨には、この他にもいくつか呼び名がある。春雨(はるさめ)3月下旬から4月頃(旧暦の2月末から3月)にかけていつまでも降り続く地雨のようなしっとりした雨。「花散らしの雨」とも呼ばれる。立春から3月初め(旧暦の正月から2月の初め)に降る「春の雨」とは区別し、それ以降を「春雨」としている。春時雨(はるしぐれ)春に降る時雨のこと。時雨は晴れたと思ったら降りだし、降りだしたと思ったら止むを繰り返す定まらない雨のこと。花時雨...桜雨

  • 冬から春にかけての星空

    冬から春にかけての星空を信州・霧ヶ峰高原で撮ってきた。何と、写真撮影は今年になって3回目で、2月6日以来である。東京では、桜が開花し三分咲き。トンボやチョウも活動を始め、そろそろ春らしい絵を撮りたいところだが、今しか撮れない星空を収めておきたかった。ちょうど天気も良く、思い切っての遠征である。19日(日)の午前中は本の執筆をし、14時に出発。撮影場所をどこにしようかと色々と悩んだが、昨年の12月4日に撮影した「霧ヶ峰より冬の星空」では、あいにく雲に邪魔されて綺麗には撮れかったこともあり、リベンジの意味も含めて霧ヶ峰に決定。ただし、前回とは違う場所で撮ることにした。表題にあるように「冬から春にかけての星空」がテーマで、雪原と冬の星座、雪原と夏の天の川を撮れる場所をあらかじめGoogleMapのストリートビュ...冬から春にかけての星空

  • 春近し、されど我が身は家の中

    啓蟄を迎え、今週は最高気温が20℃になる日もあるとかで、春の近さを感じる今日この頃であるが、2月6日以来まったく写真撮影には出掛けていない。どこへでも出掛けて行けば、様々な写真は撮れるのだが、こうも出掛けていないと「まぁ、いいか」という気持ちにもなってしまう。ただし、休日は、家でゴロゴロしている訳でもなく、前々回の記事に書いたように、ほぼ一日中、ホタルの本の執筆活動に追われているのである。先週末に、一通り書き上げた97,000字の内容をもとに担当者と打ち合わせをしたが、とりあえず書いただけで自分自身でも納得がいかない部分が大半であった。専門書ならともかく、小学生が楽しく、しかも引き込まれるような内容と文章が求められているので、なかなか一筋縄ではいかない。自分が小学生であった45年以上も前の気持ちになるのは...春近し、されど我が身は家の中

  • 残念無念

    前回の投稿記事で、初めて撮影する光景を紹介できると思うので、訪問頂きたいと思う。と記したが、撮影できず残念無念の結果で終わってしまった。撮りたかった光景は「パール紅富士」である。満月が紅富士に沈む様子である。前々回の「月と紅富士」は、まずまずの結果であったが、満月ではなかった。「紅富士になる時間帯に満月が富士の上にある」というのは、一年に1~2回ほどしかなく、今年は2月6日しかチャンスがない。場所も念入りに検討して臨むことにした。毎日天気予報をチェックし、一時怪しかったが、何とか6日朝は晴マークが付いた。前日の夕方は山中湖でダイヤモンド富士が見られるのだが、ダイヤモンド富士には興味がない。場所を限定すれば、撮れるチャンスは少なくなるが、太陽は毎日昇って沈む。場所を限定しなければ、晴れていれば毎日2回ずつ撮...残念無念

  • ホタルの本の執筆

    このところ全く更新していないので、ご心配頂いている方もおられると聞き、近況を報告したいと思う。私はこれまでに著書が2冊あるが、また本を出しませんかというお話を頂き執筆を始めた。もちろんホタルの本だが、今度は小学4年生以上対象の児童書である。私のホタル研究51年の自分史でもあり、200ページ程の内容にしたいと思っている。児童書は何冊か監修の経験はあるが、自身で書くのは初めてで、なるべく専門用語は使わず、それでいて生態や光害等の問題を分かりやすく書くのがたいへんで、少々手こずっているのが現状。今のところ発行時期は未定だが、休日の時間のすべてを執筆に費やしており、少しずつ内容が出来上がってきている。2月中には書き上げたいと思っている。個人的には、いつかホタルでも自然風景でも良いのだが、立派な写真集を出してみたい...ホタルの本の執筆

  • 月と紅富士

    午前2時半起床で自宅を3時出発。久しぶりに気合を入れた写真撮影の遠征。写真を撮るのは12月4日以来であり、早起きして出掛けるのも2021年9月24日の千葉県大山千枚田以来である。多くは、前日夜に現地入りして車中泊して臨むが、片道2時間弱の距離であることから、平日の会社出勤より1時半ほど早く起きての出動。気合を入れたのは早起きだけではなく、今回の目標が、来月に撮影を予定している「パール紅富士」の予行練習だからである。「パール富士」とは、日没前後と日の出前後に満月が富士山頂に重なり、真珠のように美しく見える様子を呼ぶ。ちなみに太陽が重なるのは「ダイヤモンド富士」と呼ばれている。パール富士は、2021年2月27日に静岡県の田貫湖で撮影し、当ブログに「パール富士(スノームーン)」として掲載しているが、この時は昇る...月と紅富士

  • 幸せと平和を願って

    昨年5月に義母、そして10月に義父が永眠いたしましたので、新年のご挨拶は差し控えさせていただきます。本年も引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。2023年1月東京ゲンジボタル研究所古河義仁年始最初の撮影は富士山と決めていて、ブログでの年初写真も多くは富士山を掲載している。なぜなら、富士山は日本のシンボル的存在で「一富士、二鷹、三茄子」と言って、初夢のなかでは富士山が最も縁起が良いとされる。その姿は末広がりで雄大、そして神々しい。古来より富士山そのものを神と見立てる「富士信仰」もある。また、富士山は「不死」に通じて不老長寿を表し、「無事」に通じて無病息災・家内安全の祈願にも良いと考えられているからである。喪中ではあるが、忌中(五十日)は明けているので、まずは私の家族の、そして...幸せと平和を願って

  • 2022年の自己ベスト(自然風景編)

    2022年の自己ベスト(自然風景編)一年のまとめもこれが最後である。まだまだ新型コロナウイルスの感染の不安が拭い切れない状況が続く中、撮影者が多い場所では感染対策を十分にして撮影したが、全体的には、やはり撮影者がまったくいない場所での夜間の星景写真が多い一年であった。それはそれで、自分自身がこれまで見たり撮ったりしてこなかった光景であり、他の方たちと同じ絵、同じシーンではないオンリーワンのものをいくつかは残せたように思う。ただし、天候条件から撮影機会が極端に少なくなってしまったり、モチベーションが下がり気合を入れての遠征ができず、結果として星空以外の風景を見る遠征を控えてしまったことも事実であり、四季折々の美しい風景との出会いを少なくしてしまった一年でもあった。タイミングの良い時に合わせて、いつでも撮影に...2022年の自己ベスト(自然風景編)

  • 2022年の自己ベスト(昆虫編)

    2022年の自己ベスト(昆虫編)今年は、満足できる昆虫写真はほとんど撮ることができなかった。ある種の定点観察とその記録はとても有意義で貴重な財産になるのだが、毎年、これまでに撮っていない種や生態のシーンを追いかけることが多く、必然的に撮った写真が少なくなってしまった。昨年は、ヒサマツミドリシジミやヒロオビミドリシジミ、そしてサツマシジミなど長年追いかけてきた種を撮れた喜びがあったが、今年は写真10点を無理やり選定しなければならないほどである。そんな中一番目は「ムカシヤンマの産卵」を選んだ。これは挑戦2年目にして初見初撮影のシーンで動画も撮影しており、ムカシヤンマの特異な生態や行動について知識を深めることができたのでトップに掲げた。次のハネビロエゾトンボとオオルリボシヤンマの飛翔写真はこれまで何度も撮影して...2022年の自己ベスト(昆虫編)

  • 2022年の自己ベスト(ホタル編)

    2022年の自己ベスト(ホタル編)年々、一年を短く感じており、2022年もあっという間に終わろうとしているのに、このところ、ずっと天候条件が悪く12月4日以来出掛けることができていない。しかも今年は31日大みそかの夜まで仕事なので、年初に予定している「しぶんぎざ流星群」まで足止めになりそうであるから、本年も、一年の反省と感謝の意味を込めてあくまでも自己満足のベスト作品を選んで締めくくりたいと思う。今年は、例年の昆虫編、次に自然風景編にホタル編を加えて3部門についてまとめようと思う。今年は、私の「ホタルの研究50年」の年でもあり、生息環境と生態に関してより一層知見を深めることができた年であった。ホタルに捧げた半世紀の集大成を記したいところではあるが、本記事では、この一年で撮影した写真の中から貴重な5点を選び...2022年の自己ベスト(ホタル編)

  • 霧ヶ峰より冬の星空

    霧ヶ峰より冬の星空を撮ってみたが、あいにく雲が広がってしまい澄んだ快晴の夜空を写すことはできなかった。この週末は、南房総で紅葉やチョウを撮ろうと計画していたが、できればこれまでに自分自身で撮ったことがない絵を撮りたい。更には他の人も撮っていないオンリーワンの絵を撮りたい。前記事でお分かりのように、先週の鏡池での大失敗が悔しくてたまらないこともあり、信州方面の天候条件が良ければ、既に撮ったことのあるチョウや誰もが撮っている紅葉よりも再度星空撮影を行おうと毎日天気予報をチェックしていた。すると3日の深夜から4日の未明までは何とか良さそうな天気予報。3日の夕方までGPV気象予報を見ていると、残念ながら鏡池や北アルプスには雲が広がってしまうが、諏訪辺りは朝まで快晴のようである。そこで、この冬に撮りたいと思っている...霧ヶ峰より冬の星空

  • 痛恨の大失敗

    10月14日以来の写真撮影。場所は、前回の「鏡池の紅葉」を撮った同じ鏡池である。結果から言うと痛恨の大失敗であった。ピントリングが回らないようにテープで止めたつもりが、レンズヒーターを巻いたときに少しだけ動いてしまいピンボケ写真の量産。撮影時にカメラ背面のモニターでは気付かなかった。以前、ヒメボタルの飛翔を撮影した時、レンズキャップを外し忘れて撮った200カットすべてが真っ黒ということがあったが、今回もタイムラプス用に写した200カットがすべてピンボケ。見るに堪えない写真だが、失敗の記録として以下に2枚だけサイズを小さくしたものを掲載しておきたい。鏡池の星空は、紅葉を撮った時からチャンスを伺っていた。月明かりがなく、快晴無風の夜という条件で、勿論、私の休日とも合致しなければならない。その時がようやく11月...痛恨の大失敗

  • ムラサキツバメ

    ムラサキツバメNarathurabazalusturbata(Butler,1881)は、ジミチョウ科(FamilyLycaenidae)ムラサキシジミ属(GenusNarathura)で、世界におよそ200種からなるグループの中の1種である。分類は未だに定まっていない。(シノニム:Arhopalabazalus)オスの翅の表側はほぼ全体が深い紫色で、メスでは黒褐色の地色の中の狭い部分が明るい紫色に輝く。近縁種のムラサキシジミNarathurajaponicajaponica(Murray1875)(参考までに以下に写真を掲載)とは、後翅に尾状突起があることで容易に区別できる。成虫は5月下旬から6月頃から現れ、3~4世代を繰り返しながら11月頃まで見られる。ムラサキツバメは、成虫で集団越冬することでも知ら...ムラサキツバメ

  • 温暖化で消える風景

    11月23日勤労感謝の日。今年最後の祭日は冷たい雨である。かつて、この時期には信州・美ヶ原高原によく出掛けていた。ビーナスラインが冬期通行止めになる前に霧氷を撮るためである。霧氷が付くには様々な自然の条件が重なる必要があり、その条件と私の休日が合致しなければ撮影は叶わない。今年は11月16日と19日に薄っすらと霧氷が付いたようだが、肝心の私の休日とは合わなかった。美ヶ原高原では、2011年、2012年、2013年、そして2017年に霧氷を撮影しているが、例年11月後半から見られた霧氷が年々見られなくなってきたように思う。前述のように様々な条件の合致が必要だが、条件の1つが気温である。氷点下になることが減ってきているのである。気象庁が発表している過去の気象データから美ヶ原高原の11月における「マイナス5℃以...温暖化で消える風景

  • トキナー AT-X 300mm F4

    トキナーAT-X300mmF4とは、望遠レンズのことである。紅葉のシーズンでありながら、10月14日に「鏡池の紅葉」を撮って以来、まったく写真を撮っていない。先日に見られた442年ぶりという皆既月食と惑星食(天王星食)が重なった天体ショーは仕事中で肉眼で見ただけ。この週末は愛車の定期点検とタイヤ交換。先週は高知県で観察会の指導。その前は義父の葬儀。祭日は出勤。それ以前は天候とのタイミングが悪く等々・・・紅葉は、まだ千葉県の南房総等ではこれからなのでルーミスシジミの撮影と併せて計画したいと思っている。そんなわけで新たな写真を紹介することができないことから、今回はトキナーAT-X300mmF4というレンズの話を写真と共に記したいと思う。私の昆虫写真撮影では、TAMRONSPAF90mmF/2.8DiMACRO...トキナーAT-X300mmF4

  • ヒメボタル幼虫観察会

    今年の6月にヒメボタルの保全指導で訪れた高知県いの町波川地区の木漏れ日公園に、再度、国土交通省四国地方整備局高知河川国道事務所から依頼があり、今回はヒメボタルの幼虫の生息場所調査と観察会のため訪れてきた。2週間前に公園内の13カ所に10個ずつのトラップを仕掛けておいてもらい、午前中にすべてを回収して中身を確認し、夕方から参加者とともに大鍋をご馳走になり、陽が沈んでから林内を探索した。残念ながらトラップにヒメボタルの幼虫はかかっておらず、また夜間においても幼虫の発光を確認することはできなかった。そのかわり、オオマドボタルの幼虫数頭が発光している様子を観察することができ、マイマイを食べている様子も見ることが出来た。多くのお子さんを含む参加者全員が、ホタルの幼虫の発光を初めて見たとのことで喜んで頂き、無事に終了...ヒメボタル幼虫観察会

  • 小田代ヶ原と小田代湖

    小田代ヶ原と小田代湖について、まとめてみた。紅葉の季節は後半となり、既に東北や信州の高標高の場所は見ごろを過ぎてしまった。前々記事の「鏡池の紅葉」をスタートとして、これまで行ったことがない所の紅葉と思っていたが、先週は天候が悪く、今週は義理の父が亡くなり通夜と告別式、そして来週は高知県にヒメボタルの保全指導に行かねばならず、プライベートの撮影はしばらくできない。そこで、過去に撮影した中から蔵出し写真を中心にすべて新たにRAW現像を行い、大きなサイズで投稿することにした。今回は、栃木県日光市にある小田代ヶ原と小田代湖を選んだ。小田代ヶ原は、栃木県日光市の日光国立公園内の標高およそ1,400mに位置する草原への遷移期にある湿原であり、豊かな自然と希少な景観から日光国立公園の特別保護地域および特別地域である他、...小田代ヶ原と小田代湖

  • アジアイトトンボ

    アジアイトトンボIschnuraasiaticaBrauer,1865は、イトトンボ科(FamilyCoenagrionidae)アオモンイトトンボ属(GenusIschnura)で、北海道、本州、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島などに分布しており、腹長約20?25mm。後翅長12?19mm。アオモンイトトンボ属の種類のなかではもっとも小さい。幼虫は主に平地や丘陵地の水生植物が繁茂した池沼や湿地、水田、水路などに生息し、関東では一年二化以上と考えられ、4月上旬頃から10月下旬頃まで見られる。同属のアオモンイトトンボIschnurasenegalensis(Rambur,1842)と似るが、オスは腹部第9節に水色の紋があるが、アオモンイトトンボの場合は第8節にあるので区別できる。メスは、未熟な時期は胸部と腹...アジアイトトンボ

  • 鏡池の紅葉

    鏡池の紅葉を撮影してきた。鏡池は長野市戸隠高原の標高1,200mにあり、その名の通り、荘厳な戸隠連峰や季節ごとに新緑や紅葉が、まるで鏡のように水面に映り込む妙高戸隠連山国立公園屈指の絶景スポットと言われている。その光景を一度は見たいと思いつつなかなか行く機会がなかったが、今年は半年前から計画に入れてチャンスを伺っていた。今年は10月になっても気温が高く全国的に紅葉が遅れ気味であり、当地も10月8日現在で「色付き始め」という情報であった。紅葉シーズンの土日祝日はマイカー規制になり、池の近くまで車で行くことができない。更には長野市街地から戸隠方面へ向かう戸隠バードラインが渋滞するので平日の訪問がお薦めとある。いつも私の休日は日曜日と月曜日であるが、今回は14日の金曜日も仕事が休みで、現地の天気予報も運よく晴れ...鏡池の紅葉

  • 超絶景

    超絶景・・・「絶景」を辞書で引くと「美しい景色、ほかに例えようもない素晴らしい景色」とある。そんな景色は、海外は勿論、日本国内にも数多くあり、「死ぬまでに行くべき絶景」「一度は見たい全国の絶景」「絶対に行くべき絶景」として紹介され、2014年には流行語大賞にノミネートされたほどである。自然風景写真を撮っているならば、やはり絶景と言われる景色は撮っておきたい。私自身も関東地方を中心にあちこち訪れ、「雲見千貫門」「ダイヤモンドダストとサンピラー」「田代池の霧氷」「ネモフィラ(みはらしの丘)」など多くの絶景を写してきた。当然、これらの景色を目の当たりにした時には大きな感動があり、また出会いまでの苦労もあるが、これらの絶景は、シーズン中に毎日出掛けることができれば、一度や二度は出会えるチャンスがある。だからこそ、...超絶景

  • 新潟のトンボ池

    新潟のトンボ池は各地域に多数存在しており、これまで4カ所の池にて、オオトラフトンボ、カラカネトンボ、マダラナニワトンボ、キトンボ、ルリボシヤンマ、オオルリボシヤンマ等を観察し撮影してきた。数種が混在して生息している池もあるが、それぞれの種の生息環境に適した池でなければ見られない。今回は、9月の時期には訪れていなかった池にて、時期的に発生しているトンボ類の種数確認と、未確認であったオオルリボシヤンマの青色型メスの探索を行った。現地には午前8時半過ぎに到着。この池は、三方が森になっており一見しただけで生物多様性を維持した豊かな池と感じる。実際にジュンサイが水面を覆い、ゲンゴロウも確認している。トンボ類では、アキアカネとヒメアカネ、アオイトトンボ、シオカラトンボを確認。しばらくすると、オオルリボシヤンマのオスが...新潟のトンボ池

  • 枝折峠の滝雲

    枝折峠の滝雲は、「一生に一度は見たい絶景!雲の大瀑布」と言われている。それならば、一度は見て撮っておきたいものである。ちなみに「枝折峠の滝雲」は、新潟県魚沼市にある標高1,065mの枝折峠(しおりとうげ)から眺めることができ、奥只見湖や銀山平で発生した大量の雲が雲海となり山の谷間にたまり、谷を埋め尽くした雲が溢れて山の稜線を流れ落ちる自然現象のことである。滝雲は、北海道や山形、熊本の阿蘇などでも見ることができるが、枝折峠も含めて、まず雲海が発生しなければ始まらない。9月23日から世間では3連休。しかしながら4週連続で台風が接近。今回の15号は、小規模ながら東海地方に大きな被害を及ぼすなどしたが、24日(土)には温帯低気圧に変わり、午後から東京も回復傾向にあった。新潟の天気予報を見れば、24日は雨だが翌25...枝折峠の滝雲

  • 秋の星空と黄道光

    秋の星空と黄道光を新潟県魚沼市の枝折峠で撮影した。黄道光は、昨年10月2日に長野県の乗鞍高原にて撮影し「黄道光クロス」として掲載しているが、昇ってきた月が黄道光をかさなってしまい、誤解されやすい写真であったため、場所を新潟に変えて再挑戦である。黄道光は、太陽の通り道である「黄道」に沿って伸びる淡い光のこと。黄道付近には彗星からの放出や小惑星同士の衝突で生成された小さな塵がただよっており、それらに太陽光が散乱されて、春は日没後の西の空に、秋は日の出前の東の空に淡い光となって見えるのである。秋は、日の出の約1時間前に東の地平線の上空に光が伸びて、冬の天の川がクロスする。昔は朝日の光と間違えられることが多く“偽りの夜明け(falsedawn)”と呼ばれていたこともある。さて、乗鞍高原では駐車場に止めた車の脇での...秋の星空と黄道光

  • ミヤマシジミ

    ミヤマシジミPlebejusargyrognomon(Bergstrasser,1779)は、シジミチョウ科(FamilyLycaenidae)ヒメシジミ属(GenusPlebejus)に分類されるチョウ。これまで栃木県、山梨県、富山県で観察し撮影しているので、それぞれで写した写真を掲載しまとめた。ミヤマシジミは、翅裏は灰色で、外周に沿ってオレンジの帯が入る。そのオレンジ帯の中にある黒斑に水色の構造色がある点が特徴である。ユーラシア大陸から北米大陸にかけての寒冷地に広く分布する草原性チョウ類で、国内の分布域は本州のみで、分布の中心は関東~中部地方で、食草であるマメ科のコマツナギが生える乾燥した河川敷や堤防の草地、富士山や浅間山、八ヶ岳など火山の裾野に広がる低茎草地に局所的に生息している。食草であるコマツナ...ミヤマシジミ

  • キタキチョウとツマグロキチョウ

    日本に分布しているキチョウ属(GenusEurema)は、以下の4種が知られている。タイワンキチョウEuremablandaarsakia(Fruhstorfer,1910)ツマグロキチョウEuremalaetabetheseba(Janson,1878)キチョウEuremahecabebrevicostalisButler,1898キタキチョウEuremamandarinamandarina(del'Orza,1869)上記の内、キチョウとキタキチョウは同一種とされていたが、DNA分析によって奄美諸島以南の南西諸島に分布しているものをキチョウ(ミナミキチョウ)として区別された。尚、タイワンキチョウは八重山諸島だけに分布するが、キタキチョウは、秋田・岩手県以南の本州、四国、九州、南西諸島に分布し、見た目だ...キタキチョウとツマグロキチョウ

  • ルリシジミ

    ルリシジミCelastrinaargiolus(Linnaeus,1758)は、シジミチョウ科(FamilyLycaenidae)ルリシジミ属(GenusCelastrina)のチョウで、全国的に分布し、低地から山地の明るい草地などで普通に見られるシジミチョウである。翅の表面は、オスは明るい青藍色、メスは外縁部が広く黒褐色、裏面は白の地色に黒色の斑点がある。蛹で越冬し、年3~4回、3~11月にかけて発生する。幼虫のおもな食草は各種のマメ科植物の花蕾や新葉であるが、ときにバラ科、タデ科、ミズキ科、ミツバウツギ科、ヒルガオ科、ブナ科、ミカン科、シソ科などでも幼虫が成育することが知られている。ルリシジミは、ブログ(ホタルの独り言PartⅠ)では数枚登場しているが、当ブログでは1枚だけしか掲載しておらず説明もない...ルリシジミ

  • アカネ属の連結飛翔と産卵

    アカネ属の連結飛翔と産卵について、すべての種類ではないがその様子を紹介したい。トンボは、雌雄が連結したまま飛翔するという他の昆虫にはない技を見せてくれる。連結は、その様子から「タンデム」(バイクで二人乗りすること)と呼ばれ、必ず前の個体がオスで、そのオスが腹端の付属器でメスの頭部を挟むことで形成されている。朝のうちに交尾を終えると、種類によっては連結態のまま産卵へ移行する。これが、アカネ属ではしばしば目にする連結飛翔産卵である。トンボは、メスが他のオスに奪われてしまうと、メスの生殖器に入っている精子を掻き出して自分の精子を渡すと言われている。オスは自身の精子の受精を確実なものとするために、交尾後、メスが産卵するまで他のオスから守らなければならない。そのため、オスとメスが連結したまま産卵するのである。トンボ...アカネ属の連結飛翔と産卵

  • 赤富士と中秋の名月

    赤富士と中秋の名月の組合せを山梨県の山中湖畔で撮影。2022年9月10日は、十五夜で中秋の名月。私が撮影に行ける日で、しかも満月の中秋の名月となるのは2012年9月30日以来で、何と10年ぶりのチャンス。しかし、土曜日は19時まで仕事。職場は羽田空港に隣接しているが、月と飛行機を重ねるのでは映画「ET」のようであるし、単に月だけを撮ってもつまらない。その写真撮影でもそうだが、これまで撮ったことがない絵にしたい。そこで日付は変わってしまうが、朝陽で赤く染まる赤富士と中秋の名月を撮ろうと半年前から計画していた。問題は天気である。台風や秋雨前線の影響により、このところ天候が不安定で週間予報でも曇りベース。ただし、予報はあくまでも予報。実際に10日(土)は午前10時頃から晴れになり、19時に退社する時には、素晴ら...赤富士と中秋の名月

  • 絶滅危惧種の日

    絶滅危惧種とは、絶滅のおそれがある動植物の種や亜種のことである。種が絶滅するという事自体は、地球上で何度も繰り返されてきた自然な現象だが、近年、異常ともいえる速度で絶滅する生物が増えてきている。ちなみに毎年9月7日は絶滅危惧種の日である。1936年9月7日、オーストラリアの動物園で飼育されていたフクロオオカミの最後の1頭が死亡し、フクロオオカミが地球から絶滅した。これにちなんで、動植物の絶滅のリスクを認識し、その保護について考えることを目的に1996年にオーストラリアで(ThreatenedSpeciesDay)が制定された。良い機会なので絶滅危惧種についてまとめておきたいと思う。野生生物の種や亜種の生息状況を調査し、絶滅の危険度を評価してまとめたものが「レッドリスト」(RL)である。レッドリストは国際的...絶滅危惧種の日

  • クロマルハナバチ

    8月最後の休日。毎週土曜日は出勤のため日曜日と月曜日が休み。週間天気予報では雨マークであった。しかし実際は、月曜日の東京は曇りで、信州方面は朝から晴れ。そこで、時期的には既に遅いことは分かっていたが、もしかするといるかも知れないと言う微かな期待を持って信州の高原に車を走らせた。朝5時半に自宅を出発。中央道国立ICからずっと霧雨であったが、笹子トンネルを向けると快晴。時間に余裕があったので、甲府南ICで降りて甲州街道を走り、現地麓の駐車場に8時に到着。8時半発のゴンドラで高原へと向かった。気温18℃。晴れ。当地は過去に2度訪れているが、天気が良いのは初めてである。麓は晴れていても、いつも上は雲の中という状況であった。たいへん清々しい気分に包まれた。すでに秋の気配が漂っており、群生するワレモコウがより一層感じ...クロマルハナバチ

  • 日本ホタルの会オンライン談話会 開催のお知らせ

    日本ホタルの会オンライン談話会を開催します。今回は、7月23日に3年ぶりに開催しましたヒメボタル観察会を振り返りたいと思います。観察会では、写真撮影の講習会も行いましたので、私の写真と映像、そして皆様の成果もご紹介できたらと考えています。ズームを用いたオンライン談話会となりますので、お気軽にご参加いただければ幸いです。どなたでも参加できます。参加費は無料です。日時2022年9月17日(土)20時から(90分程度を予定)テーマヒメボタル観察会に参加して-感想を聞かせてください-進行日本ホタルの会本多和彦参加方法オンライン談話会は、Zoomを使用します。アプリを起動し、ミーティングに参加するクリックあるいはタッチしていただき、次のIDとパスコードを入力してください。ミーティングに参加するだけでしたらサインイン...日本ホタルの会オンライン談話会開催のお知らせ

  • ハイビスカス

    この休日(いつも土曜日出勤のため日曜月曜)は中央アルプスの千畳敷カールに行く計画を立てていたが、天候不順で断念。未撮影の高山蝶は来年に延期である。二日間自宅で過ごしたが、何事も計画的に行動する性格なので、急遽予定変更となると無駄に1日が終わりそうで悲しい。あまりにつまらないのでベランダで咲くハイビスカスを久々に90mmマクロレンズを取り出して撮影してみた。ハイビスカスは、エジプトの美の神である「hibis」にちなんで付けられたhibiscus(英名)で、花言葉は「繊細な美」だが、これを写真で表現するのは難しい。特に赤色の表現はデジタルでは苦手であるが、あれこれと撮ってみた。ハイビスカスの栽培は、難しくはない。高温多湿を好むので我が家のベランダで生き残れる数少ない植物の1つである。他には高さ2mもあるオリー...ハイビスカス

  • カトリヤンマ(8月)

    過去に撮影したものと同じような絵は撮りたくない。できれば未だに撮影したことがない風景や昆虫の写真を撮りたい・・・8月14日の「セミの抜け殻に思う」の記事投稿の冒頭で記した。どの季節においても、その思いは変わらないが、遠征先で出会えば必ずと言っていいほどカメラを向けてしまう存在がある。カトリヤンマも、そんな昆虫の1種である。飛翔や交尾、産卵などの生態的写真になれば撮影の難易度も高くなるが、日中、藪の中の木の枝に止まっている姿は、どの場所で見つけても一緒であり、無理なく撮影することができる。過去に何度も撮っており、どの写真もほとんど同じだが、細身の体と複眼や体色の美しさに魅力があり、いつもカメラを向けてしまう存在なのである。カトリヤンマは、初秋のヤンマというイメージが強い。稲刈りが終わった田んぼでオスがホバリ...カトリヤンマ(8月)

  • ハネビロエゾトンボ(飛翔)

    この時期は、未だに見たことも撮影したこともないチョウやトンボを追いかけて行って見たい場所があるが、13日土曜日は出勤でしかも台風8号が関東を通過。翌14日は台風一過とはならず、休日の15日も遠征計画場所は天候不順のため断念。8月になってからどこにも行っていないストレスもあり、15日は、一昨年に撮影不十分な結果で終わった「ハネビロエゾトンボの飛翔」および未撮影の産卵シーンを撮っておこうと生息地へ向かった。自宅を午前5時に出発し、現地には7時に到着。まだお盆休み中なのだろう、平日でも高速道路は車の数が少なかった。早速、生息地である河川を見てみると1頭のハネビロエゾトンボが飛翔していた。ただし、台風の影響だろうか、川は増水し、またつる性植物が繁茂していて河川に近づくことができない。別の河川の下流域も見てみたが、...ハネビロエゾトンボ(飛翔)

  • セミの抜け殻に思う

    過去に撮影したものと同じような絵は撮りたくない。できれば未だに撮影したことがない風景や昆虫の写真を撮りたい。そう思いながらこの8月も様々な計画を立てているが、何と先週末は新型コロナウイルスの濃厚接触者となり自宅待機。幸い感染は免れ4日目から会社に出勤。この週末は台風8号が関東直撃で大雨。前回の遠征から2週間が過ぎたが、どこにも出掛けられていないの。昨年は、秋雨前線の停滞による長雨と大雨、新型コロナワクチンの副反応、倦怠感に腰痛、猛暑の疲れ・・・特に成果もなく「我慢の8月」「無念の8月」としてブログに綴っていたが、今年も半月が経過しても何の成果もない。「成果」とは、「成し遂げたことによって生じる良い結果。出来栄え」という意味で良い結果をもとめて行動した結果のことであるが、行動そのものができない週末続きである...セミの抜け殻に思う

  • セミの抜け殻に思う

    過去に撮影したものと同じような絵は撮りたくない。できれば未だに撮影したことがない風景や昆虫の写真を撮りたい。そう思いながらこの8月も様々な計画を立てているが、何と先週末は新型コロナウイルスの濃厚接触者となり自宅待機。幸い感染は免れ4日目から会社に出勤。この週末は台風8号が関東直撃で大雨。前回の遠征から2週間が過ぎたが、どこにも出掛けられていないの。昨年は、秋雨前線の停滞による長雨と大雨、新型コロナワクチンの副反応、倦怠感に腰痛、猛暑の疲れ・・・特に成果もなく「我慢の8月」「無念の8月」としてブログに綴っていたが、今年も半月が経過しても何の成果もない。「成果」とは、「成し遂げたことによって生じる良い結果。出来栄え」という意味で良い結果をもとめて行動した結果のことであるが、行動そのものができない週末続きである...セミの抜け殻に思う

  • 高原の湿地にて

    8月がスタートしたばかりだが、最高気温35℃の猛暑続きの毎日。まだまだ辛抱しなければならないようである。さて、この時期は、毎年あるトンボの写真に撮ろうと各地を探索している。過去には尾瀬沼で、昨年は上高地で出会っているが、いずれも証拠にもならない写真。何とか至近距離で撮りたく、今年も生息地と思われる場所を訪れ小さな湿地で辛抱強く待ってみたが、残念ながら出会いすら叶わなかった。文献にも記載された地区であり、近くには大きな池もあるので、そちらに行けばいるのかも知れないが、このトンボについては、今後とも粘り強く探索を続けていきたい。今回の記事は、訪れた湿地で撮影した写真を単なる記録として掲載。以下の掲載写真は、1920*1280Pixelsで投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。高原の夏空Can...高原の湿地にて

  • ヒメボタルと天の川

    ヒメボタルと天の川の写真を初めて撮ることができた。日本ホタルの会主催のヒメボタル観察会に理事(スタッフ)として参加してきた。日本ホタルの会では、コロナ禍により発生地でのホタル観察会を2年連続で見合わせてきたが、今年度は再開することにした。とは言え、一日のコロナ新規感染者が過去最高の3万4千人を超えるという状況。感染対策を十分に行っての開催である。日本ホタルの会の観察会は、これまでゲンジボタルが中心であったが、今回は初めてヒメボタルの観察で、写真撮影講習会も行った。都心から遠方であるため、全員、自家用車での集合。まずは分かりやすい「道の駅」に集まって頂き、その後、ヒメボタル生息地まで移動。18時から生息地と発光する時間帯や飛翔場所等を説明したが、この生息地は深夜型のヒメボタル。20時頃からチラホラ発光を始め...ヒメボタルと天の川

  • マルタンヤンマ

    マルタンヤンマAnaciaeschnamartini(Selys,1897)は、ヤンマ科(FamilyAeshnidae)トビイロヤンマ属(GenusAnaciaeschna)のトンボで、本州の関東以南・四国・九州、および周辺の離島に分布し、木立に囲まれた挺水植物の茂る池沼に生息する。朝夕の薄暗い時間帯に飛びまわり、日中は雑木林の暗い場所の木の枝にぶら下がって休んでいる。マルタンという和名は、フランスのトンボ研究家、マルタン氏にちなんだもの。環境省のカテゴリーには記載されていないが、地方自治体のRDBでは、群馬県で絶滅危惧Ⅰ類、栃木県・千葉県・長崎県で絶滅危惧Ⅱ類、宮城県・埼玉県・長野県・奈良県・大阪府・香川県・高知県で準絶滅危惧種として記載している。マルタンヤンマは、私が子供の頃、1953年発行の山渓カ...マルタンヤンマ

  • ゲンジとヒメのコラボ

    ゲンジとヒメのコラボ(ゲンジボタルとヒメボタルが同時に舞う光景)を撮ることができた。先週に引き続きヒメボタルの観察と撮影に出掛けたが、今回は、これまで足を踏み入れたことがない場所にてヒメボタルの生息確認を行った。事前に知人のT氏が探索しており、生息は確認して頂いていたが、どのような環境なのか、またどのくらいの生息範囲にどのくらい生息しているのかを調査するともに、証拠の写真を残すことが目的である。場所は、自宅から車で90分ほど走り、徒歩で山道を30分ほど登った標高およそ1,200m付近である。標高差約250mを一気に登る軽登山である。以前、とあるヒメボタル生息地まで林道を30分歩いて登ったことが何度もあるが、歳と共に衰える体力と日頃の運動不足の体には、久しぶりにきつい。カメラ2台と三脚2本、それに飲料水60...ゲンジとヒメのコラボ

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