刺激的なタイトル。著者は過疎地に生まれ育ち、福岡、東京、ボストン、海外周遊を経験し、いろいろな資格を持っている人で、過疎地域で12年暮らし、いろいろな仕事をしながらフィールドワークをしてきた。過疎問題の本を書くのはたいていは学者研究者、または国または地方の役所の人だから異色だ。著者は言う。過疎地域をめぐる研究のほとんどは、中央政府が進める地方創生や移住に終始し、「地方の人々に自主性を促し、活性化させるのが正しい道である」と結論する。しかし過疎地域の人々は慣れ親しんでいる現在の環境を変えたくない。過疎地域が持つ保守性と閉鎖性を私たちはもっと考慮し尊重する必要があるのではないか。著者のフィールドは鹿児島県大隅地域。曽於市は寂れていく一方だ。市役所企画課にインタビューしても対策がなくやりようがないと考えている。...田舎はいやらしい―地域活性化は本当に必要か?