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  • インドーグローバル・サウスの超大国 2023中公新書

    この本は、インドの多様な地域特性に始まり、政治情勢、モディ政権化のインド経済、主要財閥と産業、貧困と環境問題、外交、日印関係までを幅広く解説している。インドに関する日ごろの疑問1独立後、インド経済はなぜ長らく停滞し、なぜ近年急成長しているのか?独立から1996まで国民議会派がほぼ政権を握り、インディラ・ガンジー首相などが非効率な社会主義的慶経済運営を推し進めたことから、東・東南アジアとは対照的に経済は停滞した。1991年に経済自由化に着手し、貿易自由化、関税引き下げ、輸出振興策が採られて経済は上向き、2003年にはBRCsの一つに挙げられるなど高い経済成長を記録した。2010年代には調整局面を迎えたが、2014年総選挙のBJPインド人民党勝利とモディ首相就任以後高い経済成長率を示し、その後コロナ禍があった...インドーグローバル・サウスの超大国2023中公新書

  • 京都―未完の産業都市のゆくえ 有賀健 2023新潮選書

    京都大学名誉教授である経済学者が書いたかなり厳しめの京都経済論。内容は多岐にわたり、博学であるとともに経済学の分析力を縦横に使っていて気持ちがよい。こういう本は無理でもこのような論文を書いてみたいと思わせる。通説では京都は伝統産業が残る一方、オムロン、島津、村田製作所など新産業も育ち、しかも市内に本社がとどまっていて、褒められることが多い。しかし本書によると伝統産業は孤立し、新規企業は個別の努力で発展し、地理的にも離れている。京都の町衆は基本的に中小自営業者であり、その利害は近代化の中でしばしば市場の論理と対立した。京都経済は都市全体しての成長の源泉がなく、銀行も現在まで育っていない。だから銀行や商社に育てられて大きくなった企業がない。最近の京都は政令都市の中で事業所の開業率が最低で新規事業所の雇用創出が...京都―未完の産業都市のゆくえ有賀健2023新潮選書

  • コンテナから読む世界経済 松田琢磨 2023

    序章日本は大豆の94%、うち食品用(飼料用などを除く)の80%を輸入している。輸送費用を考慮しても輸入大豆の価格は国産大豆の約半分。大豆の輸送はばら積み輸送とコンテナ輸送があり、ばら積みの方が運賃は安いものの、非遺伝子組み換え大豆にこだわる日本はコンテナ輸送を多く利用している。第1章過去28年(1990~2018)で世界のGDPは3.6倍に増大し、海上輸送(重量ベース)は2.8倍に伸長、うちコンテナ比率は15.7%(80年代の3倍)に拡大した。コンテナ輸送ネットワークの広がりが生産拠点の分散、グローバルサプライチェーンの確立を促した。コンテナ輸送は今後の生産・販売の先行指標だ。第2章世界のコンテナ輸送の二大基幹航路はアジア北米とアジア欧州。アジアで生産された消費財や中間財が欧米に運ばれ、その3分の2は中国...コンテナから読む世界経済松田琢磨2023

  • 日経大予測2024これからの日本の論点 日本経済新聞社編 2023

    論点5見えてきた日銀・異次元緩和解体の姿異次元緩和には3つの主な構成要素がある。第1は金利コントロールで、長期は10年国債利回り、短期は日銀当座預金の一部金利。第2は資金供給量の拡大方針による量的緩和、第3はETFなどリスク資産の買い入れ。第1は2%物価目標の持続的な実現が見通せたら終わりを検討しそう。第2はよりハードル高いと考えられてきたが、CPI上昇は続いていおり、分からなくなってきた。第3は既に購入を大幅に減らし、既に出口政策が動き出しているとも言える。長期金利の操作という異例の政策には副作用が多い。植田総裁は24年秋ごろまでに過去に金融政策のレビューを行うとしており、その時期にはより持続性の高い枠組みに変える可能性がある。日経大予測2024これからの日本の論点日本経済新聞社編2023

  • 日本の都市百選第1集 牛垣・稲垣・小原・駒木・西山・山口 2023

    月刊誌『地理』に連載されていた地理学者による都市の魅力や特徴、歴史や課題についての記事を単行本にしたシリーズの第1集。6人の地理学者による17都市、18記事(大阪のみ2つ)が掲載されている。一つひとつの記事はそれぞれに面白いのだが、残念なことに、思い思いの各論、ケーススタディがならんでいるだけで、総論とか体系に当たるものがない。学者・研究者が集まってシリーズ本をつくるのだから、今からでもせめて分類整理くらいはしてくれることを期待したい。もう一つは、いかにも地理学者らしいとも言えるが、都市を自然現象のように観察していて、都市計画をはじめとする政策やその影響、市民によるまちづくり活動などに関する記述が、ゼロではない(例えば豊橋市、徳島市)もののかなり少ない印象を受けた。地理学者が、都市や地域を研究対象にしなが...日本の都市百選第1集牛垣・稲垣・小原・駒木・西山・山口2023

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