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  • 革命の使徒トランプ その政策の意味を問う(その1)

    かつて私が次のように書いたことを、読者は覚えておいでだろうか。「トランプの2回目の当選は、階級闘争がもたらした『革命』の成果だった。革命の主体、それは(職を失って路頭に迷った)ブルーカラーの労働者たちである。」(5月27日《トランプの復権と革命その意味を問う(その2)》ここからの帰結として、当然のことだが、トランプが米大統領に返り咲いた直後に打ち出した数々の政策は、「革命」の目的を達成するための手段として捉えるとき、はじめて理解可能になる。逆にいうと、トランプが打ち出した政策のこうした意味を見失うと、トランプが米大統領として何をしようとしているのかを見誤ることになる。トランプは「革命」の目的の忠実な遂行者なのだが、このことが見失われるとき、彼はもっぱら「MAGA(メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン)」な...革命の使徒トランプその政策の意味を問う(その1)

  • ブタと私の40億年の旅

    昨夜、眠くならないので、ベッドの上でスマホを取りだし、「NHKプラス」を開いて次の番組を見た。「NHKスペシャル人体Ⅲ第3集命のつながり細胞40億年の旅」番組の冒頭に、炎のともるロウソクが出てきた。ゆらゆらと白くゆらめく炎は、「命の炎」だという。炎のゆらめきとともに、少しずつ短くなっていくロウソクは、さしずめ生き物の身体(からだ)といったところか。ロウソクが無くなるときが、命の尽きるときなのだろう。生き物の生命(いのち)と身体(からだ)の関係をロウソクに喩えるこのイメージに、私は「うん、たしかに、そうだよなぁ」と納得した。ところが、番組を見ているうちに、私のこの生半可な理解はぐらつき始めた。番組の説明によれば、我々の身体(からだ)は40兆個の細胞からできていて、この細胞のそれぞれは、40億年前にたった1つ...ブタと私の40億年の旅

  • トランプの復権と革命 その意味を問う(その2)

    (承前)トランプの2回目の当選は、階級闘争がもたらした「革命」の成果だった。革命の主体、それは(職を失って路頭に迷った)ブルーカラーの労働者たちである。トランプ再選の意味をこう考えると、大統領に返り咲いたトランプが、真っ先に(乱暴な!)関税政策に走った理由がよく理解できる。大統領に返り咲いたトランプは、何よりも先に(おちぶれた)ブルーカラーの労働者たちを復活させなければならないと考えたのだ。彼らが職を失ったのは、(自動車産業に代表される)アメリカの製造業が没落したからだが、没落の原因は、日本や中国から輸入された自動車などの安価な製品が、アメリカの市場を席巻したことにある。だから、日本や中国から輸入される自動車などの製品が関税措置によって安価を維持できなくなれば、アメリカの製造業は息を吹き返し、彼ら労働者も...トランプの復権と革命その意味を問う(その2)

  • トランプの復権と革命 その意味を問う(その1)

    唯我独尊。夜郎自大。そんな言葉がぴったりの暴走老人ドナルド・トランプ。こういう人物がなぜアメリカの大統領になったのか、私は常々不思議に思ってきた。こんなアブナイ老人を大統領に選んだアメリカ国民の「民度」に問題はないのか、ーーそんな疑問をいだいたりもした。だが、朝日新聞の次の見出しの記事を読んで、私は「ああ、そういうことだったのか」と溜飲を下げたのである。「(帝国の幻影壊れゆく世界秩序)第1章失敗した米のエリート層副大統領ブレーン、米教授に聞く」(朝日新聞5月20日)このインタビュー記事の中で、バンス副大統領のブレーン、米ノートルダム大学教授のパトリック・デニーン氏は、「トランプ氏の2回目の当選は『革命』に近い」と指摘している。その部分を読んだとき、はじめ私は「え?革命だって?」と訝しく思ったものだ。「革命...トランプの復権と革命その意味を問う(その1)

  • トランプと国家の要塞化 ハラリの警鐘を聞く(その2)

    (承前)要塞化した2つの国家ーートランプのアメリカと、プーチンのロシアーーはいずれ必ず衝突し、この衝突は戦争へと発展する。これが「知の巨人」ハラリ氏の見立てである。この戦争ではかなりの高確率で核兵器が使われ、人類は滅亡の危機に立たされるかもしれない・・・。そんな絶望的な予測を聞かされるとき、私はつくづく思うのだが、人は希望がないと生きていけない弱い存在なのかもしれない。絶望の中でこそ人は希望を持ちたがるものだ、と言えるだろう。私もその一人として、ハラリ氏の言説の中に何か希望につながる展望はないものかと、オプチミスティックな展望を探そうとした。案の定、それはすぐに見つかった。以下の言葉を、我々はだがオプティミストの安易な展望の提示と見るべきではあるまい。ハラリ氏自身が希望を渇望する一人の人間として、希望のよ...トランプと国家の要塞化ハラリの警鐘を聞く(その2)

  • トランプと国家の要塞化 ハラリの警鐘を聞く(その1)

    虎の威を借りるつもりはない。「知の巨人」と言われる人が警鐘を鳴らしていると聞いたので、その発言に耳を傾けたい、率直にそう思ったまでである。一昨日(5月18日)の深夜に放送されたNHKのインタビュー番組「トランプ時代への警鐘〜歴史家コヴァル・ノア・ハラリ〜」を見た。コヴァル・ノア・ハラリ氏は、世界的なベストセラーとなった『サピエンス全史』の著者として名高い。彼はトランプ米大統領ーー自国第一主義を掲げ、世界中に関税を課して、ディール(取り引き)を求めるあのトランプ米大統領の、その所行を国家の「要塞化」であるとして、次のように述べている。「トランプ大統領のような政治家は自国の利益だけを考え、自国をすべての国から隔離された一種の要塞として想像しています。そのため、貿易や思想、外国人に対して壁や関税を築いているので...トランプと国家の要塞化ハラリの警鐘を聞く(その1)

  • ああ認知症 その闇の底から

    人生も七十路(ななそじ)を越えると、嫌でも老いを自覚することになる。きのうできたことがきょうはできなくなり、「できること」がどんどん失われていく。もし認知症になったら・・・、と私は考えた。きのう認知できたことがきょうは認知できなくなり、「認知できること」の範囲がどんどん狭まっていくのだろう。「認知できること」の範囲が究極まで狭まったとき、そこにあるのは絶望なのか、それともあっけらかんとした能天気の明るさなのか、それはわからない。わからないながらも、その未知の領域は私の好奇心を呼び覚ます。こんな愚にもつかないことに思いをめぐらせたのは、数日前(5月13日)、テレビドラマ「対岸の家事」(「対岸の火事」ではない)を見たせいだろう。毎週火曜日に放送されるこのドラマは、「家事」にまつわるさまざまな問題を独特の切り口...ああ認知症その闇の底から

  • ああ日本 対米忖度の「どうして!」

    日本政府はどうしてこうもアメリカの顔色を気にしなければならないのだろうか。理由ははっきりしている。アメリカとの関係は、日本の行く末を決定的に左右するからである。アメリカは日本の生殺与奪の権を握っているといってもよい。だから、「どうしてこうも〜ならないのだろうか」と書いたが、この「どうして」は疑問詞のwhy(?)ではなく、感嘆詞のhow(!)に近い。貿易の関税問題や、日米安保問題を報じるニュースを聞くとき、私はこの「どうして!」を感じるのだが、それだけではない。きのうの朝日新聞の記事「情報管理下の外相会談『安全面考慮』直前公表日・イスラエル」(朝日新聞5月14日)を読んだときも、私はこの「どうして!」を感じ、うんざりしないわけにはいかなかった。この記事は、岩屋外相とイスラエル・サール外相との会談をとりあげ、...ああ日本対米忖度の「どうして!」

  • 国家と国民 その二層構造の微妙な関係

    どの国でもそうだが、企業の経済活動はますますグローバル化の度を強めている。こうした国際社会の動向に関連して、以前私は以前、次のように述べたことがある。「経済活動がグローバル化した現在、国際社会は相互依存関係ーー互恵関係ーーのネットワークで緊密に結ばれている。たとえば、中国と日本が経済的な相互依存関係ーー互恵関係ーーで結ばれているとしたら、中国は武力で日本を侵略しようと考えるだろうか。」(5月6日《憲法問題を考える》)経済活動がグローバル化した結果、市民レベルでは、国境の垣根はますます低くなり、異国民同士の融合がかなり進んでいる。先日、こんな記事を読んだ。「(中国からの日本留学:下)入試枠に殺到、生徒の半分が中国籍千葉の高校、経営再建の柱に生徒の半分が中国籍という高校が千葉県鴨川市にある。留学生数を押し上げ...国家と国民その二層構造の微妙な関係

  • 今の若者 その「無知」の原因を問う

    「gooブログ」のサービスが打ち切られるというので、「ムラゴンブログ」に引っ越して、はや2週間。引越してから何度か記事を投稿したものの、私の記事は面白くないのか、なかなか「nice!(いいね!)」がつかない。この引越し先では一体どんな人種がどんなブログを書いているのか、気になったのですこし確かめてみた。一人だけ面白い記事を書いている人がいた。お名前は割愛するが、80歳代のお年寄りである。私より一回り以上年上の人だろうか。この人はある記事の中で次のように書いていた。「なにしろ、日米戦争があったことを知らない、どちらが勝ったかも知らない学生がいるのはもう珍しくありません。『太平洋戦争は、湾岸戦争から始まった』と書いた学生もいました。たぶん、この学生は真珠湾攻撃から始まった太平洋戦争と、中東の湾岸戦争のこととが...今の若者その「無知」の原因を問う

  • トランプ 自称「平和の使者」の困難

    おとといの朝日新聞に、興味深い記事がのっていた。こんな見出しである。「トランプ氏、ちぐはぐ『核軍縮』対中ロ協議に意欲、『力による平和』とは矛盾」(朝日新聞5月6日)見出しにあるように、トランプ米大統領は目下、中国、ロシアとの話し合いによる核軍縮交渉に意欲を見せている。ところがアメリカは、ずっと「核抑止論」の立場をとり、核の〈力〉によって中国やロシアの武力行使を抑止しようとしてきた。「力による平和」というこのアメリカの基本的立場に、トランプ米大統領のディール(取引=核軍縮交渉)への意欲は「矛盾」しているというのである。第2次トランプ政権のこうしたディールの企てに対して、米軍の幹部たちはヒヤヒヤしているに違いない。この核軍縮交渉の企ては、第1次トランプ政権のときと同様、難航するばかりで、からきしうまく行ってい...トランプ自称「平和の使者」の困難

  • 憲法問題を考える

    世はゴールデンウィークの真っ只中。テレビをつければ、どこそこの行楽地が人気だ、などと脳天気なニュースが流れている。だが「サンデー毎日(毎日が日曜日)」の私には、ゴールデンウィークも行楽も関係がない。憲法記念日もこどもの日も関係がない。ただ、憲法記念日はブログのネタとして使えそうだ。せっかくだから遅ればせながら、憲法問題について考えてみよう。日本国憲法に対しては、大きく2つの態度がある。護憲か改憲か、その2つの相反する態度である。護憲派はこう主張する。第9条で「戦争の放棄」と「戦力の不保持」を謳い、平和主義をかかげる日本国憲法は、実に素晴らしい。世界には戦争のきな臭い匂いがただよっているが、日本はこの憲法のもとでひたすら平和を追及すべきだ、云々。他方、改憲派はこう主張する。日本国憲法がかかげる平和主義の理念...憲法問題を考える

  • ヘルプ・ミー うまく行かない

    gooブログのサービスが近々打ち切られるというので、「ムラゴン」なる無料ブログサービスに移行して、はや一週間。私は今、苦境に立たされている。というのも、「はてなブログ」への移行を企て、いろいろ試行錯誤を繰り返しているのだが、これがうまく行かないのである。え?「ムラゴン」から「はてな」への移行を企てたの?どうして?これは「ムラゴン」には書けないので、ここだけの話になるが、要するに「文化の違い」といったことだろうか。はじめ私は「ムラゴン」になぜか居心地の悪さを感じ、その正体がわからなかったが、「はてな」への乗り換えを企てる中で、はっきりわかったことがある。それが「文化の違い」ということだった。「ムラゴン」の投稿記事と「はてな」のそれとを比べるとわかることだが、両者の違いは歴然としている。そのことが実感としてわ...ヘルプ・ミーうまく行かない

  • 「鉱物資源の共同開発」で手打ちの「なぜ」

    NHKはきのう5月1日、「朝ドラ」の終了後に「速報」の形で次のニュースを伝えた。「アメリカとウクライナの両政府は、ウクライナ国内の鉱物資源の開発を共同で行うとする経済連携協定に署名しました。一方でウクライナが求めてきた安全の保証には具体的に言及せず、今後の軍事支援などとの関係は明らかではないという見方が出ています。」このニュースを聞いたとき、私は、「え?そうだったのか」と呆気にとられると同時に、「そうか、そうだったのか、やっぱりなあ・・・」という思いにもとらわれた。「ウクライナ国内の鉱物資源の開発をアメリカと共同で行う」という今回の決着は、半ば予想できたことではあったが、「まさか、そんなことで決着とは・・・」とも思ったからである。どうか思い返してほしい。ウクライナのゼレンスキー大統領とアメリカのトランプ米...「鉱物資源の共同開発」で手打ちの「なぜ」

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