それなりに暑い日もあるが、おおむね過ごし易い日が続く北陸である。レイニーシーズン前の津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。今回は以下の2本。【柿の花。】明治時代に『俳句革新運動』を興した文人、「正岡子規(まさおか・しき)」は柿を題材にした歌を多く残している。代表的な一句はこれだろう。柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺樹上で赤く熟した柿の実をもぎガブリ。豊かな甘みが口いっぱいに広がったところで聞こえる梵鐘の音。古都・奈良の秋が思い浮かぶ。「子規」の代表作の1つであり、時代の風化に耐え、時代を超えた名句だと思う。また、彼はこんな歌も詠んだ。柿の花土塀の上にこぼれけり柿の花は夏の季語の1つ。梅雨のころ、柿は黄みがかった白色の花をつける。若葉と一緒に咲くため遠目にはあまり目立たない。あなたはご覧にな...津幡短信vol.120.~令和六年小満。