岐阜県西南部「西美濃の旅」続篇2。“偏った視点の街歩き”である。今回の旅で草鞋を脱いだ大垣市の位置は、岐阜県の濃尾平野・北西部。県庁所在地の岐阜市に次いで2番目の人口(15,000あまり)を有する。異名は「水の都」。木曾川・長良川・揖斐川など木曽三川を利用した舟運(しゅううん)が盛んで、江戸~明治にかけ重要な交易ルートとして活用されていた。また、地下自噴水も豊かで今も上水道の水源となっている。一方、豊かな自然は、時に「脅威」にもなり得る。水が付きやすい土地で発達したのが「輪中(わじゅう)」。読んで字のごとく輪の中のことで「低地集落を堤防で囲んだ」のだ。大垣市も、度重なる水害に悩まされてきた。そして、戦時下の昭和20年、6度の空襲を受ける。特に7月28日から29日にかけての第6回目の空襲は、苛烈。上空に飛来...月日は百代の過客~大垣散策昭和風味~