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つばた徒然@つれづれ津幡 https://blog.goo.ne.jp/romaniaramochan

ここは北陸の豊かな田舎・津幡町。愛犬との散歩を通じて見つめた季節と風景を画像と言葉でつづる日々。

散歩と酒と読書と競艇好きです。石川県の津幡町在住。週末を基本に更新しています。よろしかったら読んでやって下さいm(_ _)m

りくすけ
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住所
津幡町
出身
津幡町
ブログ村参加

2015/06/16

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  • 熱気、未来へ続く。

    きのう(2024/03/24)大相撲春場所・楽日、一般公開観戦(パブリックビューイング)会場に大勢の津幡町民が集った。マスコミ各社がカメラやマイクを構える中、幕の内最高優勝の行方を見守りつつ声援を送った。拙ブログでも何度か掲載した通り、今場所の優勝争いの一角を担った西前頭5枚目「大の里」関は、津幡町出身。星取り勘定では不利な位置だったが、わずかに賜杯を手にする可能性が残っていた。しかし、成績トップを走る「尊富士」関が本割で対戦相手を押し倒し、勝負あり。観戦の現場では、さぞ大きな溜息が漏れたことだろう。「大の里」関も肩の力が抜けてしまったかもしれない。結びの1番前に土俵へ上がるも、大関の右下手投げに屈し、11勝4敗の成績で場所を終えた。ざんばら髪での優勝は成らなかったが、敢闘賞、技能賞のダブル受賞。技能賞に...熱気、未来へ続く。

  • <追記>心変わりと心残り。

    ※以下本文:3月20日午前7時投稿今夕(2024/03/20)埼玉県・戸田市の「戸田競艇場」に於いて、艇界のビッグレース優勝戦が行われる。年間9つある格付け最高位・スペシャルグレード(通称SG)の1つ、「第59回ボートレースクラシック」だ。---今年の元日、僕は現地へ出向くつもりで、計画を立て始めていた。16時10分までは。最大震度7を記録した「令和6年能登半島地震」。何度も襲い掛かってくる震えに揺さぶられ、恐怖しながら胸中に浮かんだ思考の中には、「埼玉行断念」も含まれていた。発災以降、周囲も生活も変わってしまった。誠にもって残念だが、やはり致し方ないのである。だが、僕は変わらわず競艇ファン。本日の優勝戦を楽しみにしている。5日間に亘る激闘(4日目・強風荒天でSG初の中止打ち切りもあった)を勝ち抜き、最後...<追記>心変わりと心残り。

  • 中日(なかび)に送るエール。

    現在(2024年3月)大阪で開催中の「大相撲三月場所」に於いて、わが津幡町出身の幕内力士が奮闘している。前頭五枚目「大の里(おおのさと)」関は、身長192センチ・体重183キロの恵まれた体格をを活かし、立ち合いから圧倒。初日から5連勝し、6日目は不戦勝を得て6つの白星を重ねた。取り口は粗削りながら、入幕2場所目にして桁外れの才能を解放させはじめた感がある。2023年5月の夏場所で初土俵。幕下を2場所で通過し十両昇進。十両も2場所で通過し幕の内へ。新入幕で迎えた昨1月場所では、途中優勝争いに絡む11勝4敗の好成績を挙げ、大相撲三賞の1つ「敢闘賞」を受賞した。津幡町文化会館「シグナス」では、そのトロフィー、表彰盾、表彰状が展示されている。きのう7日目は、前頭八枚目・阿武咲(おうのしょう)にいなされ土俵を割り初...中日(なかび)に送るエール。

  • 小品、ボクシング。

    (2024年)3月も10日になるというのに、北陸の最高気温は一桁止まり。まだ真冬の装いだ。上掲画像は、前回投稿で書いた「中能登町」へ通う際に通る道、石川県・七尾市~金沢市を結ぶ「国道159号線」で撮影。羽咋市(はくいし)辺りのスナップである。積雪こそ少ないものの、霙(みぞれ)交じりの氷雨や、霰(あられ)が降ることも珍しくない。慎重にハンドル握りつつ運転する道すがら、「その看板」に気付いたのは1ヶ月ほど前の事だった。いわゆる“キリスト看板”の下、色褪せたサインボードには「角海老ボクシングジム」の文字。上部、白抜きなってしまったところには、左右にボクシンググローブ、中央にチャンピオンベルトが描かれていたと推測。看板の最下部には、ジムの住所や連絡先が配されていたと考えられるが、文字も絵柄も消えてしまっている。こ...小品、ボクシング。

  • 能登の春、遠きに在りて。

    石川県・能登半島の中ほど。「中能登町(なかのとまち)」が誕生したのは、今からちょうど19年前、平成17年(2005年)3月1日。鳥屋町(とりやまち)、鹿島町(かしままち)、鹿西町(ろくせいまち)、3つの町がいわゆる“平成の大合併”により1つになった。同町HPには以下の通り紹介されている。『中能登町は邑知地溝帯を中心に平野部が広がり、東側が石動山(せきどうざん)、西側は眉丈山(びじょうざん)をそれぞれ中心とし、日本の原風景とも言える田園地帯と、それを取り巻く丘陵地の緑、潤いある河川などの身近な自然環境、旧街道沿いの集落や、神社・寺院群、それらを舞台とした祭りなどの伝統文化を地域の重要な資産とした素晴らしい「中能登町」です。』(※ほゞ原文ママ/一部編集)縁あって、僕は最近、その中能登町へ通う日々を送っている。...能登の春、遠きに在りて。

  • 小品、紅梅。

    このところ北陸の気温は低空飛行が続いている。少し以前は春の陽気に包まれたが、今週に入り一変。冷たい雨に霙(みぞれ)が混ざる事もあり、まだ暖房・防寒具は手放せそうにない。そんな中、寒さに負けるなと励ましてくれる1つが「梅」の花だ。俗に「梅は百花の魁(さきがけ)」と言う。先頭を切って咲き、春を告げる花枝の下に身を置けば、馥郁たる香りが実に心地いいのだ。現代では、花見で愛でる花といえばもちろん桜のこと。しかし、かつて奈良・平安時代の花の鑑賞といえば、梅を指す。その人気ぶりをうかがえるのが『万葉集』。桜を詠んだ歌が43首に対し、梅を詠んだ歌は110を数える。一例を挙げてみよう。残りたる雪にまじれる梅の花早くな散りそ雪は消(け)ぬとも作者は「大伴旅人(おほとものたびと)」。地上の雪と樹上の梅の花を対比して詠った。梅...小品、紅梅。

  • 時を紐解く愉しさ。

    今(2024/02)津幡町ふるさと歴史館「れきしる」にて、企画展「石川中央都市圏考古資料展~古代編」を開催中。先日、足を運び見学してきた。南北に長い石川県の真ん中あたりに隣接した4つの市と2つの町、金沢市、白山市、かほく市、野々市市、津幡町、内灘町の「石川中央都市圏」では、古くから人々が生活し、文化を築いてきた。それぞれ、縄文から近世までの史跡や考古資料が数多く残されている。これからの歴史遺産の保存活用のため4市2町が連携。考古資料の巡回展を行っている。その中から、津幡町の「北陸道」に関連する展示を取り上げてみたい。古代の北陸道は、都が置かれた畿内と日本海側中部を結ぶ官道。上掲地図赤丸に位置するわが津幡町は、ちょうど越前⇔加賀・能登⇔越中の中継分岐点である。道往く人馬の拠点---宿泊場所、馬の補給地になっ...時を紐解く愉しさ。

  • 女たちのブルーズ。

    古くから近世に至るまで、日本人は「眼疾」に悩まされてきた。江戸時代、安永4年(1775年)に来日した外国人医師は、薪炭の煙と、トイレの臭気・ガスが原因と記している。その指摘が全てではないが、確かに氷山の一角。囲炉裏から立ち上る火の粉や煤煙、未舗装路から舞い上がる土埃。低い栄養状態に起因するビタミンの欠乏。極端に暗い照明、対抗薬のない様々な疫病など、現代に比べ眼を病む要素が身近に溢れていた。運悪く盲目になれば、職業の選択肢は限られる。鍼や按摩で生計を立てるか、あるいは遊芸で糧を得るか。---今投稿の主役は後者。光を失い、生きる為に旅をして、歌を届けた越後の女性たちを取り上げてみたい。ほんの手すさび手慰み。不定期イラスト連載第二百三十四弾「瞽女(ごぜ)」。「この下に高田あり」冬になると豪雪に埋もれる新潟県上越...女たちのブルーズ。

  • 立春、りくすけ(犬)逝く。

    それは今朝の事だった。長年(15年間)連れ添い、共に時間を過ごした愛犬が死んだ。去勢雄のチワワ、名前は僕のブログネームと同じ「りくすけ」。極めて私的な不幸ではあるが、このブログを立ち上げるキッカケを与えてくれた意味で、記録しておきたいと考えた次第である。彼と出会い、散歩をするようになり、わが町の風景を撮り始めた。彼と出会わなければ、こうして貴方に出会うことはなかったのだ。最期は、同じ寝床で右腕に頭を乗せ眠りながら旅立ってしまった。最近の衰えぶりを見るにつけ、覚悟は固めていたつもりだったが、いざ「その時」を迎えてみると喪失感の深さは筆舌に尽くし難い。生きとし生けるものは必ず死ぬ。それは自明の理と分かっている。しかし情けないことに、今はまだ現実を受け止められないでいる。寒い冬、うららかな春、暑い夏も錦秋も。思...立春、りくすけ(犬)逝く。

  • 遠い道のり。

    一昨日、昨日(2024/01/26~27)の2日間、石川県・輪島市を訪問。令和6年能登半島地震の被災地で避難所設置の業務に従事した。久しぶりに足を運んだそこは、幾つかの意味で「遠いところ」に感じた。「距離的・時間的な間遠」。そもそも能登半島は広い。日本海側の海岸線で突出する半島としては最も面積が大きく、金沢-輪島間の距離は100キロを超える。平時でも車で2時間ほどを要するのだが、到着まで倍以上の時間を費やした。地震によって道路状況が悪化、所々凹凸やヒビ割れが発生、片側交互通行も。加えて、季節は冬。降雪、路面凍結、渋滞が行く手を阻む。奥能登は一層の遠隔地となり、支援が届き難いのは納得するしかない。能登半島の奥に進むに従い、空気が重苦しくなってゆく。上掲2つの画像にある様な「山滑り」や「倒壊家屋」が視界に。そ...遠い道のり。

  • 北陸は憂いながらも、生きている。

    最大震度7を観測した「令和6年能登半島地震」の発災から20日あまりが経った。この間、滲む涙を何度拭ったことだろう。未だ悲しみは深く、落ち着かない日々が続いている。石川県によると、全壊や半壊、一部破損を含む住宅被害棟数は、2024年1月20日現在で3万1659棟。自治体別では、七尾市で8342棟、能登町で5000棟、志賀町で3454棟、金沢市で3034棟など。これまで集計が追いつかず「多数」となっていた奥能登・輪島市は、少なくとも870棟が被害を受けたと明らかに。珠洲市は引き続き「多数」となったまま。被害の全容は明らかになっておらず、住宅被害の数字は今後大きくなってゆく。わが津幡町も無縁ではない。実数は不明ながら、各所で建物の損壊が見受けられる。また、地盤の液状化によると思われる地盤沈下や隆起も少なくない。...北陸は憂いながらも、生きている。

  • 揺籃の地は異界。

    中国大陸の奥、遥かチベット高原の氷河に源を発し、6000kmもの旅を経て東シナ海へそそぐ「長江」。その大河の最下流「黄浦江」沿いに位置する大都会が「上海」。20世紀初頭のそこは一種のブラックホール。世界中から人と富を呑み込み、妖しい魅力を放っていた。川沿いに立ち並ぶ堂々とした欧風建築。摩天楼の灯りが濁った水面に揺らめく。陸に上がれば、人の海。鞭髪、黒髪、金髪、赤毛、ブルネット。丈の長い中国服、白いリネンのスーツ、チャイナドレス。人種も服装も様々。乗用車やトロリーバスの間を縫って走る人力車や馬車、大八車に移動式屋台。それらが混ざり合う混沌が表の顔だとすれば、裏側はさらに複雑怪奇。渦巻く権謀術数、生と死、欲望が醸す臭気が漂い、あらゆる快楽がひしめいていた。美酒、美食、阿片、売春、賭博。---そして「ジャズ(J...揺籃の地は異界。

  • 小品、冬鷺。

    冷たい雨が降る昨日(2024/01/12)の午後、金沢へ向かい車を走らせていたところ助手席に置いたスマホが鳴った。電話をかけ直すため、一旦バイパス下の運動公園を目指す。そこは冬季閉鎖されていて駐車場には入れない。側道に車を停めようとすると路面を歩く白い鳥を発見。大鷺(ダイサギ)である。体長は1m近く。羽毛は白一色で、脚と首、嘴(くちばし)が長い。かなり近づいても悠然と闊歩している。彼は解っているのだ。人っ子一人いない冬は、ここが害のない「楽園」だということを。大鷺は、アジア南部~オーストラリア~南北アメリカなどに広く分布。日本には夏鳥として渡来する個体もいて夏の季語の1つだが、季節的な移動をせず、同じ地域に一年中生息し繁殖をする「留鳥」も少なくない。これを「冬鷺」とか「残り鷺」と呼ぶとか。鷺の食物は、魚類...小品、冬鷺。

  • 自戒の念。

    きのう(2024/01/06)の拙ブログ投稿で「令和6年能登半島地震」について書き、以下の文面で締めくくった。『全力を尽くして助けようとする人がいる一方、窮地から容赦なく剝奪しようとする輩もいる。これが浮世の現実なのだ。』被災地での火事場泥棒的な犯罪や悪質商法の具体的な事例として、オンライン記事へのリンクも添えた。その内容は以下のとおり。<地震被災者の避難所となっている県立穴水高校で自動販売機が壊され、中から飲料と金銭が盗まれていたことが5日、目撃者の証言でわかった。被害を目撃した避難者の30歳代男性や同校によると、発生したのは地震発生直後の1日夜。当時、避難者が続々と校内に集まり、100人ほどが身を寄せ合っていた。学校は地震の揺れでほとんどのガラスが割れており、誰でも自由に入れる状態だった。同日午後8時...自戒の念。

  • 遣る瀬無い現実。

    今朝(2024/01/06_5:26頃)、また大きな地震が発生した。震源は石川県能登地方、マグニチュード5.3、最大震度5強を観測。僕のいる所も結構揺れた。気持ちは一向に落ち着かない。用事で近場へ出かけると、壁が剥がれた土蔵、道路の陥没・ひび割れなど、町内各所に地震の爪痕が見受けられる。そして「令和6年能登半島地震」による石川県内の地震による死者が三桁に到達。---悲しいことだがそれは想定の範囲内。まだ安否不明は200名を越えていて、避難者は五桁。孤立状態の集落も残っている。人的被害を表す数字は刻々と変わってゆくだろう。他方、土砂崩れなどで寸断された道路の一部で復旧作業が進み、ようやく救援物資の輸送が本格化し始めた。地域によって差異があり、避難所や孤立地域へ届ける人手や安全な輸送手段も課題だ。こうした現状...遣る瀬無い現実。

  • 止まない心の震え。

    令和6年能登半島地震の発生から、現時点(2024/01/03)で丸2日が経った。大きな悩みだった「断水」は、少なくとも僕の住む地域一帯は概ね復旧(したと思う)。一方、まだ充分に解消していない所もあるようだ。ご近所のコインランドリーでは洗濯ができなかった(今朝段階)。乾燥機は動いていた。溜まった自分の洗濯物を乾かしに出向いた時、仕上がりを待つ間に、何人もの方が汚れ物を抱えて訪れ、張り紙を見て肩を落とし帰って行った。町役場周辺には給水車が待機。豊田市、豊橋市、岡崎市など愛知県から駆けつけてくれたようだ。水道局、県内外自治体、関係各位のご尽力のお陰で、わが津幡町は徐々に平穏を取り戻しつつある。心から御礼申し上げます。しかし、120km以上離れた震源地~能登半島一帯は、まだ渦中の只中。群発地震は続いていて、ライフ...止まない心の震え。

  • 震えは止まない。

    大地の震えは続いている。きのう(2024年元日)夕方に発生したマグニチュード7.6の「令和6年能登半島地震」は、今現在(2024年1月2日)鎮まる気配を見せていない。過去24時間に観測された最大震度5弱以上の地震は10回を数えている。震源地から距離のある津幡町でも、かなりものだった。度重なる緊急地震速報。何度も襲い掛かってくる震え。柱や壁がミシミシと音を立てる。ラジオから聞こえる津波への強い警告が切迫感を煽る。『東日本大震災を思い出してください!』『ためらわず今すぐ避難!』『少しでも高い所へ避難!』時間を追うごとに陽が翳り周囲の様子も分からず、ただ身を固くして耐えるしかない。怖ろしい夜だった。今朝早く、夜明けを待って周辺を散策してみた。所々、地面の液状化と思われる陥没が見受けられた。また、瓦屋根やブロック...震えは止まない。

  • 震える幕明け。

    突然、大地が震えた。震えは断続。今のところ無事。津幡町に津波は心配ない(多分)。不安に苛まれる夜が来る。数日は要警戒。---また揺れた。もう勘弁して欲しい。震える幕明け。

  • 津幡短信vol.119. ~ 令和五年 大晦日。

    今投稿のタイミングは、令和5年(2023年)12月31日。大晦日である。「みそか」は月末にあたる『三十日』を指していて、「おお」は『1年のクライマックス』を表している。拙ブログをご覧の皆さまはいかがお過ごしだろうか。わが津幡町の天気は雨模様だが、好天に恵まれたきのう(2023/12/30)の散歩中に見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けしたい。【ああ川の流れはゆるやかに。】画像は、津幡川に架かる「川尻水門橋」。川は奥から手前に向かって流れている。若干さざ波が立っているものの大変穏やか。護岸の枯野がむき出しになっていて雪もない。付近をねぐらにする鴨たちが起こす泳跡派が扇状に広がる様子から、静水面が見て取れる。さて、先日「2023年津幡町10大ニュース」が発表された。一席は<県内初めての線状降水帯による被害甚大...津幡短信vol.119.~令和五年大晦日。

  • 1'56"5の愉悦。

    今年の艇界ナンバー1を決めるレース、賞金王決定戦競走「第38回ボートレースグランプリ」が終わった。住之江競艇場の夜空に最後まで輝いていた星の名は「石野貴之(いしの・たかゆき)」。自身4年ぶり2度目の戴冠となった。今投稿のタイトルにした「1′56″5」とは、優勝戦での彼のゴールタイム。ファンならお分かりのことと思うが「かなり遅い」。通常に比べ10秒は長く走っていたことになる。原因は「転覆事故」だ。競争水面上に事故艇又は救助艇がある場合は、それらと安全な間隔を保ち、追い抜き禁止、安全第一で航走しなければならないのがルール。つまり、事故が起こった時点の状態で、着順は確定すると言っていい。後は、ゆっくりコースを3周するだけ。後は、トップを走るレーサーの独り舞台。スリルに起因する興奮は消えたが、祝福が呼び起こす高揚...1'56"5の愉悦。

  • 住之江流星群。

    大坂「住之江競艇場」に於いて開催されてきた賞金王決定戦競走「第38回ボートレースグランプリ」は、本日(2023/12/24)が最終日。1600人余りのレーサーたちの中から選ばれた今年のトップ18が火花を散らした5日間。敗者は流星となって流れ去り、6つの輝きだけが残った。1号艇:石野貴之(大阪)2号艇:平本真之(愛知)3号艇:峰竜太(佐賀)4号艇:磯部誠(愛知)5号艇:池田浩二(愛知)6号艇:茅原悠紀(岡山)彼らとて、ここに名を連ねるまでの道程は楽ではなかった。幾つもの不運と幸運が交錯し、天国と地獄を行き来して辿り着いたのだ。最有力は1号艇に陣取る、地元「石野」。昨夜の予選最終日11レース、4号艇・4カドからの一撃は見事だった。これぞ“浪速の快男児”たる面目躍如。自力でポールポジションを掴み取った。そして、...住之江流星群。

  • 小品、雪。

    「日本海寒帯気団収束帯(JapanseaPolarairmassConvergenceZone)」。「JPCZ」の呼称を耳にし始めたのは、ここ数年のことと記憶している。これは、冬季に日本海で形成される長さ1,000km程度に亘る気団の収束帯のこと。朝鮮半島や中国大陸の高い山々を避けるように吹く風がぶつかることで雲が急速に発達。低気圧を発生させることもあるという。その気団が、今(2023/12/22)わが津幡町にも襲来している。---正直、過ごし辛くはあるのだが美しい。---と言うと不謹慎だろうか?厚い雲に遮られた光が地に届く量は限られ、白い雪が浮かび上がる様相は、あたかも「水墨画」のよう。墨の濃淡を利用して描いた絵画は、色彩のバリエーションこそ少ないものの諧調深く表情豊か。それに似た世界は、やはり趣きがあ...小品、雪。

  • 届かなかった招待状。

    「招待状」は届かなかった。昨夜、大阪「住之江競艇場」に於いて開催中の賞金王決定戦競走「ボートレースグランプリ(THEGRANDPRIX)」一次予選が昨夜終わり、二次予選へ進むレーサーが決まった。そこに僕が応援するレーサー「毒島誠」の名前はない。彼が最終日(2023/12/24)の優勝戦まで辿り着けたら、現地へ駆けつけ声援を送るつもりだったが、その予定はなくなった。上掲3つの画像は、過去に訪れたグランプリ会場の記録写真。いずれも住之江競艇場。今年もこの坩堝に身を置きたかったが致し方ない。行こうと思えば行けるのだが、北陸の地に留まり行方を見守るとしよう。ShowMustGoOn、戦いは続く。今夜からは、一次予選を勝ち上がった6名と、年間賞金ランク上位6名が火花を散らす。また「毒島」をはじめとした敗退者たちは、...届かなかった招待状。

  • 乾坤一擲。

    本日(2023/12/19)より、大阪「住之江競艇場」に於いて賞金王決定戦競走「ボートレースグランプリ(THEGRANDPRIX)」が始まる。昭和61年(1986年)の創設から38回目を数えるそれは、文字通りの大一番だ。今年1年間の獲得賞金上位18人が鎬を削り合い、ビッグマネーと日本一の栄冠を目指す。開催は6日間。■1日目、2日目は年間賞金ランク7位~18位による「一次予選」。⇒ここで半数がふるい落とされる。■3日目~5日目は一次を勝ち上がった6名と、年間賞金ランク1位~6位による「二次予選」。⇒ここでも半数が脱落する。■最終日・6日目は生き残った6名による「優勝戦」。⇒優勝者は賞金1億1000万円を獲得しチャンピオンが決まる。勿論、興味のない方は関心もないだろうが、僕(ファン)はその行方が気になって仕方...乾坤一擲。

  • 古(いにしえ)のてがみ。

    世界最古の「紙」は、紀元前150年頃のものだという。古代中国「前漢」時代に編み出された大変貴重で高価な「紙」が普及する前、世界各地では様々な媒体が利用されたきた。例えば、古代メソポタミアの粘土板、古代エジプトのパピルス。古代ギリシャなどのオストラコン、西アジア・ヨーロッパの羊皮紙などがそれだ。日本や東アジアでは、木の板に墨で文字をしたため、通信ツールや、記録メディアにしてきた。いわゆる「木簡(もっかん)」である。わが津幡町・加茂(かも)遺跡で発見された木簡---「加賀郡ぼうじ札(さつ)」は、平安時代(西暦800年代半ば)の国内最古のお触書。当時の人々の暮らしが窺える重要な資料なのだ。また、同遺跡からは他にも複数の木簡が出土している。そんな縁もあり、時空を超えた「古(いにしえ)からの手紙」をリメイクするイベ...古(いにしえ)のてがみ。

  • 小品、冬の散歩道

    今投稿のタイトルは洋楽ナンバーに由来している。昭和41年(1966年)「サイモン&ガーファンクル」が発表したもので、日本で知られる曲名は邦題。現題は「AHazyShadeofWinter」。“仄暗く霞んだ冬”とでも意訳すればいいだろうか。作者の2人「ポール・サイモン」と「アート・ガーファンクル」は共にアメリカニューヨーク出身。日本の青森と同じくらいの緯度にある彼の地の冬は寒冷と聞くが、2023年12月前半は最高気温10℃前後。今のところ暖冬傾向のようだ。わが津幡町も似たり寄ったり。先日「ABlueSkyofWinter」の散歩を楽しんだ。上掲画像は街中の小道。背の低い門柱にアートを配してあり、個人的に気に入っている。きっと所有者は趣味のいい人なのだろうと推測。また、途中に建つ造形物---「嘆きの天使」と勝...小品、冬の散歩道

  • そして、歌声が残った。

    「美しい歌声」とはどんなものか?一般的には、聞いていて気持ちがいい、耳当たりがいい、伸びやかな高音、豊かな低音---などを連想するかもしれない。また、ハスキーな声(だみ声)、裏声、枯れた声などに魅力を感じる人もいる。嗜好は様々で、美の基準は主観的。民族や言語、時代やジャンルによっても異なるだろう。万人が認めるそれを決めるのは困難と言える。だが、概ね多数が納得することは無きにしも非ず。定冠詞付きの声---「TheVOICE」と呼ばれた男のそれは、その1つだ。ほんの手すさび手慰み。不定期イラスト連載第二百三十二弾「フランク・シナトラ(withbunnys)」。かつて歌手の必須条件は「大きな声」だった。舞台から客席へ肉声を届けるには、バックバンドに負けない声量が求められた。目いっぱい声を張り上げる歌唱法は、迫力...そして、歌声が残った。

  • 津幡短信vol.118. ~ 令和五年 師走。

    先回(2023/12/03)では、寄る季節の足音を感じつつ、自戒を促す意味を込めて冬に備える論調で投稿したものの、今のところ的外れ。わが津幡町の空はよく晴れ、雪は影も形もない。本日(2023/12/09)の日の出は6:53、日の入りが16:37。太陽運行のスケジュールだけは冬らしいが、陽気は穏やかである。そんな昨今の津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。今回は以下の3本。【クリスマスの装い。】津幡中央銀座商店街のワンコディスプレイはツリーをバックに赤いおべべ。すっかりクリスマス仕様になって、道行く人を見詰めている。コロナが明け(たと思う)賑わいは戻るのかと思いきや、物価高が冷や水。今年も物静かな師走になるのだろうか?とは言え、イベント事だ。「スガイ書店」ではサンタコスプレで書籍を届け...津幡短信vol.118.~令和五年師走。

  • 弁当忘れても、傘忘れるな。

    師走になった。令和5年(2023年)も残すところ1カ月あまり。「卯年」だからという訳ではないだろうが、過ぎるスピードはどことなく速く感じる。拙ブログをご覧の皆さまは、いかがお過ごしだろうか?このところ北陸のお天気は、雨風、雷が増えてきた。「弁当忘れても、傘忘れるな」---“とにかく傘だけは持っておけ”の言い伝えどおり、晴れていたと思ったら土砂降りになるなど、短時間で変化が目まぐるしい。また、雷雨の発生もしばしば。石川県の年間雷日数は日本有数で、特に冬の雷が多く観測される。先日、山間の道を走行中に突然風が強くなった。風に乗って大量の落ち葉が横断する光景に遭遇。思わず路肩に車を停め、シャッターを押す。列島上空が「西高東低」の気圧配置になると、太平洋側は天気に恵まれ乾燥。落ち葉が風に煽られ地面に接触すると、カラ...弁当忘れても、傘忘れるな。

  • 艶姿“戦国”ナミダ娘。

    「彼女」の事を知った時、脳裏に「歌のタイトル」が浮かんだ。ちょうど40年前、昭和58年(1983年)にヒットした『艶姿ナミダ娘』。リリース当時のシンセ・サウンドを纏うポップで軽快なアレンジとは裏腹に、マイナーキーを活用した旋律は、どこか後ろ向きな印象を抱かせる。歌詞の字面を追ってみよう。艶姿ナミダ娘色っポイねナミダ娘色っポイね夕暮れ抱きあう舗道みんなが見ている前であなたの肩にチョコンとおでこをつけて泣いたのあなたは淋しくないの?離れて淋しくないのBakaだね明日また会えるよと余裕があるのねダーリン、ダーリン、ダーリン、MyLove意味深ILoveyou(×2)なぜなの涙がとまらないあなたを見ているだけ艶姿ナミダ娘色っポイねまつ毛もぬれてて色っポイねわたしはアヤフヤだけど少しも迷っていない恋して抱き合うこと...艶姿“戦国”ナミダ娘。

  • 悲喜交々。

    きのう(2023/11/26)福井県坂井市三国町の「三国競艇場」に於いて、「SG第26回チャレンジカップ」優勝戦が行われた。年末の大一番「グランプリ」への出場をかけた最終トライアル競走で、1月1日から10月31日迄の獲得賞金上位者34名が参戦。5日間の激闘を経て優勝戦は以下のメンバーとなった。1号艇:片岡雅裕(香川)2号艇:池田浩二(愛知)3号艇:峰竜太(佐賀)4号艇:今垣光太郎(福井)5号艇:山口剛(広島)6号艇:茅原悠紀(岡山)僕は4号艇を駆る地元・福井支部の金看板にして大ベテラン、“北陸の蒼き狼”の1着に銭を張った。『たぶん、ボクが三国で走る最後のSG。今まで〝大会を盛り上げられたらいい〟という気持ちで走っていたけど、今回は〝優勝かそれ以外か〟のつもり。優勝を意識して走ります!』戦前、そう語っていた...悲喜交々。

  • 蒼き狼の咆哮。

    「三国競艇場」の場所は福井県坂井市三国町。全国の競艇場は24を数えるが、北陸及び本州日本海側では、ここが唯一。開設は、昭和28年(1953年)春。当初は九頭竜川(くずりゅうがわ)河口にあったが諸般の事情により移転。昭和43年(1968年)夏から現在地でレースを開催している。あまりビッグレースには縁がない「三国競艇」だが、今(2023/11/26)、久々に賞金カテゴリー最上位のSG(スペシャルグレード)競争が行われている。「SG第26回チャレンジカップ」。年末の大一番「グランプリ」への出場をかけた最終トライアル競走で、1月1日から10月31日迄の獲得賞金上位者34名が参戦。優勝賞金は3400万円。第17回大会からは、女子レーサーを対象として新設された「レディースチャレンジカップ」と並行開催されている。---...蒼き狼の咆哮。

  • 津幡短信vol.117. ~ 令和五年 立冬。

    季節は足早に駆けつけた。立冬を迎えてから10日あまりが経ち、空は厚い雲に覆われている。雷鳴が轟き、冷たい雨、霰(あられ)が地面を打つ。北陸はようやく冬になったらしい。そんな昨今の津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。今回は以下の2本。【準備着々。】わが津幡町では、令和5年(2023年)12月4日(月)より、新しい公共交通「のるーと津幡」がスタートする。■時刻表がない予約型で、乗りたいときに予約できる乗り合いバスサービス■利用者がスマホアプリや電話で出発地・目的地を申し込む■指定された近くの停留所で乗車(これまでのバス停より多い停留所)■目的地などに応じてAI(人工知能)が選択した最適なルートで運行---との事。運行エリアは、主に町内中心部。運賃(エリア内なら一律)大人200円。専用ス...津幡短信vol.117.~令和五年立冬。

  • 津幡町、戦時下の記録。

    2023年10月7日の投稿で取り上げたとおり「津幡ふるさと歴史館れきしる」では、企画展「津幡小学校創立150周年記念ヒストリー展」が開催中。明治6年(1873年)の創立以来、小学校を取り巻く時代背景と、校舎をはじめとした環境の変化による学校生活の移り変わりを諦観できる。写真や教科書など多くの資料が展示され、なかなかの盛況と聞いた。来館者は同校ゆかりの方が多く、昔の卒業アルバムなどに目を通し、自分が通学した当時を振り返り、話に花が咲いているとの事だ。館内では、大型モニターのスライド上映に合わせ、拙作音声プログラムもリピート再生。耳を傾けてもらえたら嬉しい限りである。(津幡小学校HPでも聴取可能:https://cms1.ishikawa-c.ed.jp/tsubae/)さて、今企画展はロングランだけに少しづ...津幡町、戦時下の記録。

  • 道草と買喰い@東美濃。

    過去二度に亘り、東美濃小旅行について投稿した。前々回は「城歩き」。前回は「まち歩き」。今回はその二つの合間に楽しんだ「道草と買喰い」の記録である。旅の最初に立ち寄ったのは「ボートレースチケットショップ養老」。平成29年(2017年)3月にオープン。岐阜県初、現在は唯一の場外舟券発売場である。大垣市‐桑名市を結ぶ国道258号沿いにあり、大垣市の中心地から車で10分、名神高速・大垣I.C.からも同程度。アクセスがよく、施設もキレイ。三重県の「津競艇」が運営している。目当ての投票を済ませ、夜、ホテルで飲みながら観戦。---結果は、ちょっとプラス。いい「おつまみ」になった?!岩村の城下町で買い求めた「かんから餅」。創業は、嘉永年間。6代目の岩村藩主が名付け親だという。殿様が店に立ち寄って餅を所望した際、美味しさを...道草と買喰い@東美濃。

  • 二つの「まち歩き」。

    前回は岐阜県・東美濃の旅から二つの城址を歩いた様子を投稿した。今回はその続篇。岩村城下町、苗木城と木曽川を挟んだ対岸の中津川宿、二つの「まち歩き」について紹介したい。まずは岩村城下町である。歴史的な佇まいが残る町並みの全長は、およそ1.3km。江戸時代、東美濃の政治・経済・文化の中心として栄えた。当時の面影を残す商家や旧家、なまこ壁の蔵などが連なる。全国で48番目、岐阜では高山市、白川村に続いて3番目に、「重要伝統的建造物群保存地区」として選定された。岩村の城下町は、元々ここではなく、400年前の天正期に移転。選定の理由は、城に近く、位置が交通上の要衝で、周囲が丘陵になった盆地。小さくまとまりがある。町の中を流れる岩村川を挟んで北側に武家町、南側に町人町を配し、両者を上段~中段~下段、3つの通りで連絡。城...二つの「まち歩き」。

  • 二つの「城歩き」。

    先月(2023/10)<幽玄との遭遇>と題し記事を投稿した。一部を抜粋したい。【大学3年の夏、ツーリングに出かけた。愛車「SEROW225」に跨り、当時住んでいたアパートから名古屋市内を抜け、ワインディングロードをひた走り数時間。午後4時近く、岐阜県・岩村町(いわむらちょう/現:恵那市)に到着した。東美濃の山城「岩村城」址の見学が目的だった。山頂の石垣群に近い駐車場まで登ろうと思っていたが、麓に予想外の人影を見止め一旦エンジン停止。手近な方に何があるのかと聞いてみたところ、ちょうどこれから「薪能(たきぎのう)」が催されるとのこと。なるほど立派な舞台もある。城址訪問は次の機会に譲り、僕は観客の一人となった。】書いていて、ハタと気が付いた。僕はまだ“次の機会”を作っていない。ならばと38年越しの城址見学を思い...二つの「城歩き」。

  • 津幡短信vol.116. ~ 令和五年 霜月。

    吹く風が冷たくなり、早いところでは空から初雪が降りてくる11月。---のはずなのだが、ずい分と暖かい。やがて落ち着くとの予報だが、どうも調子が狂う。明後日(2023/11/08)は「立冬」。冬の始まりを実感したいものだ。津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。今回は、散歩中に撮影した冬支度を取り上げてみたい。【季節替わりに備える。】北陸に冬到来近しを告げる風物詩は「消雪装置」の点検だ。降雪時、路面に地下水を散布して雪を溶かす仕組みのことを、一昔前は「融雪(ゆうせつ)装置」と呼んだが、いつからか前述に変った。確かに、消雪は人工的(人為的)に雪を消す事。薬剤や太陽の熱で雪が融けるのが、融雪である。何にせよ、点検中の看板が立ち、雨でもないのに道が濡れていたりすると、『ああ、季節の変わり目だな...津幡短信vol.116.~令和五年霜月。

  • 小品、滅美(ほろび)。

    僕は、人工物が朽ちてゆく様子に、ある種の美を見る。それは時間とともに成熟してゆく種類の美だ。・初期、そこには「寂しさ」がある。崩壊の度合いはまだ遠慮がちで賑わいの名残が漂うアンバランスな雰囲気。・中期、そこでは「熟成」が進む。人影が消え時が経ち、侵食を始めた自然との奇妙なバランスが育まれてゆく。・後期、そこには「価値」が生まれる。風雪にさらされ、人工物が駆逐されていくに従い元の記録も記憶もなくなり、やがて「遺跡」として捉えられるようになる。見えない時が降り積もり成熟してゆく様は、烈しく、切なく、美しい。僕は密かに「滅美(ほろび)」と呼んでいる。石川県・津幡町から隣接した金沢市へ向かう途中、国道8号線沿いで滅美の始まりを見止めたのは4~5日前のことだった。そのパチンコ店が休業してから2年と少し。敷地のアスフ...小品、滅美(ほろび)。

  • 小品、イチョウ。

    僕が暮らす傍には「イチョウ並木」がある。冬枯の枝の芽吹き。春の瑞々しい新緑。茂(しげり)は夏。黄葉し落葉する秋。その繰り返される営みは、いつも季節の移ろいに沿う。今(2023/11/1)は、秋の盛りを教えてくれているのだ。イチョウは古生代後期・ペルム紀(2億8千万年前頃~)に出現。中生代・ジュラ紀(2億130万年前頃~)に大繁栄。白亜紀(1億4千5百万年前頃~)中程までは、世界中で繁殖していた。しかし21世紀現在、広範囲に自生しているのは限られた地域だという。その1つが日本。日本でイチョウを見かける機会が多いのは、樹木の特性。樹皮が厚く、火に強いため、延焼を防ぐ火避地、神社や寺の境内、街路樹などに植えられたと考えられる。ちなみに、身近なだけにピンと来ないかもしれないが、「国際自然保護連合」のレッドリストで...小品、イチョウ。

  • 幽玄との遭遇

    幽玄(ゆうげん)僕は、初めてこの言葉に接した時から惹かれるものがあった。あれは13~14歳頃に読んだ大人向けの怪談物で、美しい「物の怪」が侍に憑りつき、生気を奪い、立ち去る場面。出典元や粗筋は覚えていないが、ラストシーンの文面は心に残っている。『枯れ木のようになった男は、闇に溶けてゆく後ろ姿から目が離せなかった。音もなく滑るように進むようすは、能舞台の役者さながら。霞む意識の中で、男は“幽玄”を見た---』脳裏に情景を思い描き背筋がゾクリとした。早速「幽玄」を辞書で繰ると、概ね以下の記載。■奥深く計り知れない趣のこと。■気品があり、優雅なこと。■中世の文学・芸能の美的理念の一つで、ほのかな余情の美。中学生には理解しずらかったが、難解故、却って言葉が纏う妖しさは増す。前述「物の怪」の印象と相まって得体の知れ...幽玄との遭遇

  • 津幡小学校 創立一五〇周年記念式典。

    本日(2023/10/21)わが母校「津幡小学校」の創立記念式典が行われた。場所は、同校体育館。お招きに与り、僕も臨席させてもらった。在校児童たち、PTA、関係各位が集い賑やかな記念式典。一、開会の辞一、国家斉唱一、校歌斉唱一、学校長式辞一、児童発表一、歴代校歌紹介一、お祝いの言葉一、お礼の言葉一、閉会の辞『起立!』『一同礼!』『着席!』の司会進行に従い動いたのも、声を合わせて国家・校歌を歌ったのも、一体何年ぶりだろう。オジサンの日常ではまず味わえない体験で妙に新鮮に感じた。都合およそ1時間少々、式典はつつがなく終わり小休止。第二部では、同校卒業生で現在・声楽家(メゾ・ソプラノ)として活躍している方、「小泉詠子(こいずみ・えいこ)」氏のコンサートを開催。一、シューベルト「アヴェ・マリア」ニ、ロジャース「エ...津幡小学校創立一五〇周年記念式典。

  • 侍たちの挽歌 番外。

    近代日本最大の内戦・戊辰戦争(ぼしんせんそう)ゆかりの地を訪ねる旅。過去3回に亘り堅苦しいハナシが続いたが、今回はライトな番外編。喰ったり買ったり目に留まったりしたモノの記録である。画像多めのため勢い長くなるが、文少なめで読みやすいと思う。よろしかったらお付き合いくださいませ。会津若松駅前の「赤べこ」。ご存じ福島県の会津地方に伝わる、牛の形をした郷土玩具。木型に何枚もの紙を貼り重ねて乾燥させ、型を抜いて作られる「張り子」。頭がゆらゆら揺れるボビングヘッドが特徴。起源は諸説アリ。江戸時代初期(1611年)の大地震で倒壊した寺院を再建する際、どこからともなく現れた赤毛の牛の群れが、木材運搬を助けてくれた。以来、赤毛の牛を「赤べこ」と呼び、親しまれ、縁起物のおもちゃになったとか。新潟・長岡から会津へ向かう道すが...侍たちの挽歌番外。

  • 侍たちの挽歌 其の参。

    近代日本最大の内戦・戊辰戦争(ぼしんせんそう)ゆかりの地を訪ねる旅。前々回投稿、前回投稿の続篇。画像は、福島県・南会津の「大内宿(おおうちじゅく)」。江戸時代、会津若松市と日光今市を結ぶ街道の宿場町として栄えた。茅葺屋根の民家が建ち並び、往時の面影を留めたそこは、国選定重要伝統的建造物群保存地区に指定。よく整備された観光地だが、時計の針を巻き戻すと危うい場面があった。戊辰戦争に於いて藩境を守る会津軍が後退する際、自分たちが去った後、新政府軍西軍の本拠地にならないよう大内宿を焼き払おうとした。しかし、名主が金品を叩いて嘆願。寸でのところで戦火を免れる事が出来たのである。これはレアケースと言えるかもしれない。戦争という事態を構成する要素は「戦闘」に加え、「兵站(へいたん):戦闘員の移動と宿泊や食事の手配」「輜...侍たちの挽歌其の参。

  • 侍たちの挽歌 其の弐。

    近代日本最大の内戦・戊辰戦争(ぼしんせんそう)ゆかりの地を訪ねる旅。前回投稿の続篇。東は磐梯山・猪苗代湖を含む奥羽山脈、西は越後山脈。南は会津高原。北は飯豊山地に囲まれた、南北34キロメートル、東西13キロメートルの縦長な楕円形の「会津盆地」。その中核となる町が「会津若松」。そこを象徴するのが「鶴ヶ城(会津若松城)」である。城郭の屋根瓦は赤褐色の赤瓦。現在、赤瓦を用いた天守閣は、国内ではここ鶴ヶ城だけだ。17世紀の建造当初は西日本で発達した黒瓦が葺かれていたが、北国・雪国ならではの低温や積雪に耐えられ、強度が高まるように、鉄分を多く含む釉薬を用いた瓦が会津で開発され、それに代わる。天守台の石垣は「野面(のづら)積み」。鎌倉後期の自然石をそのまま積み上げるやり方。石の形状は均一性に乏しく、角度も緩やかだが地...侍たちの挽歌其の弐。

  • 侍たちの挽歌。

    少し以前のことになるが「会津娘子隊(じょうしたい)」について投稿したことがあった。その末尾で書いたとおり、僕は今、会津へ3度目の旅にやって来ている。主な目的は「戊辰戦争」の激戦地---会津若松訪問。今日(2023/10/09)は、その前に福島県・南会津郡・只見町にある、「河井継之助(かわい・つぐのすけ)記念館」へ足を運んだ。嘉永6年(1853年)米艦隊が浦賀沖に姿を現し、動乱の幕が開く。開国か、それとも攘夷か。せめぎ合う2つの勢力が火花を散らし、幕府の権威は失墜。そこで、15代将軍「徳川慶喜」は、倒幕を掲げる薩摩藩、長州藩などに対抗するため、朝廷へ「大政奉還」を行い、新たな政治体制の構築を試みる。しかし、薩長は朝廷の倒幕派へ働きかけ「王政復古の大号令」を発布。徳川家および江戸幕府を政治から排除することに成...侍たちの挽歌。

  • 大西山の丘辺に立てば。

    このカテゴリー「大西山の丘辺に立てば」を立ち上げて、およそ1年3カ月が経つ。ネーミングの由来は「津幡町立津幡小学校」校歌の一節である。『古城跡(こじょうし)に河北の花と大西山の丘辺に立てば山はみどりに潟ひらけたりわが学び舎ここに立てり』その目的は、わが母校の創立150周年に華を添えたい一心。応援団末席に座り取り組んできた任務を果たし終え、そろそろ区切りが見えてきた。同校に縁のない方にはピンと来ないだろうが、いち学び舎の歩みに明治~大正~昭和~平成~令和と流れた、「時の光の飛沫」を見つけてもらえたら幸いである。さて「津幡ふるさと歴史館れきしる」に於いて企画展がスタート。今回は「津幡小学校創立150周年記念ヒストリー展」を紹介したい。写真40点、教科書42冊、賞状など26点。アルバム22点、掛図6点、教材6点...大西山の丘辺に立てば。

  • 津幡短信vol.115. ~ 令和五年 神無月。

    本日(2023/10/01)わが津幡町の天気は、雨時々曇ところにより晴れ。最高気温27℃を記録し「夏日」となった。日中はTシャツ一枚で過ごせるが、朝晩はさすがに涼しい。津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。今回は、街中で観止めた秋の気配を取り上げてみたい。【ゆっくりと進む秋。】毎年、季節の移り変わりを印象付けてくれる1つは「銀杏並木」だ。場所によって、樹木によって差はあるが日に日に色づきを変える葉は、まるで夏と秋を分類する「リトマス試験紙」のよう。やがて始まる落葉は、冬到来の報せとなる。銀杏の傍らに立つ「栗の木」では、枝の毬(いが)が爆ぜる寸前。更に足元の路傍には、実のない毬がギンナンと一緒に並んでいた。石川県内の栗の産地として知られるのは能登半島。輪島市、珠洲市、穴水町、能登町で栽...津幡短信vol.115.~令和五年神無月。

  • 飛光 飛光 勸爾一杯酒 吾不識青天高 - 李賀。

    今年(2023年)わが母校「津幡小学校」が創立150年を迎え、卒業生有志による応援団が発足。微力ながら、末席に座る僕「りくすけ」も、それなりに情熱を注いできたのは、以前にご紹介した通りだ。(※今投稿カテゴリー「大西山の丘辺に立てば。」に分類)もしかすると、その「ご褒美」と言えるかもしれない。先日(2023/09/26)に開催された「津幡小学校運動会」に来賓としてお招きいただいた。後輩児童たちの躍動する姿を最前列で観覧でき、嬉しい限りである。グラウンドがある地点は、標高15メートル地点の大西山(おおにしやま)。ここに鉄筋4階建ての校舎が落成したのは、昭和41年(1966年)。通学校下の殆どから視界に入る位置に聳える堂々とした姿は、まるで、かつてそこに建っていた「津幡城」を彷彿とさせる風格を漂わせていた。(※...飛光飛光勸爾一杯酒吾不識青天高-李賀。

  • 好角家、増えてます。

    僕たちが日常会話で使う言葉で相撲用語に由来する単語は少なくない。勇み足(いさみあし)痛み分け(いたみわけ)肩透かし(かたすかし)がっぷり四つ(がっぷりよっつ)仕切り直し(しきりなおし)序の口(じょのくち)金星(きんぼし)---他にもまだあるが「番狂わせ(ばんくるわせ)」もその1つ。いわゆるジャイアントキリングの事。おおよその実力差を推し量る番付下位が上位を破る下剋上を表す。その番付、大相撲では6つのカテゴリーに分かれている。上から順に幕内⇒十両⇒幕下⇒三段目⇒序二段⇒序ノ口。2023年9月現在、わが津幡町民が熱い視線を送っているのは、幕内よりも「十両」と言って差し障りないだろう。何しろ津幡町初の関取が優勝争いを演じているのだ。東十両十四枚目「大の里泰輝(おおのさとだいき)」。所属二所ノ関部屋身長192.0...好角家、増えてます。

  • 令和五年の獅子が舞う。

    今年も津幡町の旧市街で「秋季大祭」が催された。清水(しみず)、庄(しょう)、加賀爪(かがつめ)、津幡(つばた)。かつて宿場町を形成した4つの地区で大きな獅子が練り歩く。しかし、今年は少々趣きの違うところもあった。上記「清水区」では、事前に以下の案内が回覧。秋祭り「獅子舞」について(お願い)7月12日の線状降水帯による洪水にて、清水区において住宅のみならず自動車など多数の浸水被害が発生した事、被害に会われた方に心からお見舞い申し上げます。このような時、秋祭り行事の獅子舞をどうするか検討しました。令和2年から3年間「新型コロナ感染防止対策」として中止してきましたが、伝統の灯を消さないよう、昨年から獅子舞を復活・開始したところです。その勢いをなんとか盛り上げたい青年団には気の毒なことになってしまいましたが、街廻...令和五年の獅子が舞う。

  • 近代の闇に蠢く。

    10日後(2023/09/22~24)福島県・会津若松市に於いて「会津まつり」が催行予定。3日間に亘るお祭りのメインイベントが、総勢500名超の参加者による歴史絵巻---「会津藩公行列」である。会津若松のシンボル、鶴ヶ城での出陣式の後、藩政期の殿様、お姫様、武者などに扮した行列が街中を練り歩き、時折、殺陣などのパフォーマンスなども披露。パレードには「新選組」や「白虎隊」が加わり沿道の耳目を集める。そして、頭に白鉢巻を締め、刀や薙刀で武装した勇ましい女性たちも欠かせない要素だ。ほんの手すさび手慰み。不定期イラスト連載第二百二十九弾「会津娘子隊(じょうしたい)」。カン!カン!カン!カン!カン!カン!突然、けたたましい半鐘の音が朝の空気を切り裂く。最大限の警戒を促す報せ。敵がいよいよ会津の内懐に喰い付いてきたの...近代の闇に蠢く。

  • KADENから考える理想。

    <はじめに>台風13号などによる大雨で各地で浸水や土砂崩れが相次ぎ、特に、千葉県や茨城県は被害甚大。また、日本全体で、ここ1週間のうちに震度1以上を観測した地震の数は280回にのぼる。拙ブログをご覧の皆さまに大事のないことを願っております。<本編>身の回りをちょっと見渡しただけで、実に多くの「家庭用電気機械器具」に囲まれていることに気付く。電気掃除機。電気洗濯機。電気空調機。電気炊飯器。電気冷蔵庫。食器洗い乾燥機---まだまだある。いずれも誠に従順。電気さえあれば、文句一つ言わず献身的に働いてくれる。僕たちの生活レベルは、遥か昔に照らし合わせると、多くの「召使い」に傅かれた(かしずかれた)“王侯貴族や大名並み”。贅沢と言えるかもしれない。もしも彼らがいなかったとしたら。かかる負担は大きなものになる。掃除洗...KADENから考える理想。

  • 小品、砂浜にて。

    ちょうど一年前(2022/09/04)、同じ話題の投稿をした。きのう(2023/09/03)「ビーサン跳ばし世界選手権2023in金沢」が催行され、その運営スタッフとして汗を流した。履物を蹴って飛ばす行為は、多くの方が経験しているかもしれない。代表的なそれは「天気占い」ではないだろうか。サンダル、下駄、雪駄、ズックなどを『明日天気になぁ~れ!』の掛け声と共に高く蹴り上げ、地面に落ちた結果で天気を占う。表を向いていれば「晴れ」。裏を向いていれば「雨」。横向きや斜めで留まれば「曇り」。地域によってローカルルールがあるだろうが、概ねそんな具合だろうか。やがて人は大人になると、遊び心を欠き、分別に縛られ履物を蹴り飛ばすことはなくなる。しかし、きのうはいい大人たちが、楽しく真剣に足を振り上げていた。炎天下、キャアキ...小品、砂浜にて。

  • 津幡短信vol.114. ~ 令和五年 長月。

    津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。---不定期とは言いながら同カテゴリーの投稿は実に半年ぶり。秋めいてきた今回は、以下の1本。【処暑の候~祭りと実り。】8月半ばの旧盆が過ぎてから、夜な夜な街中に祭囃子が聞こえるようになった。それは、わが津幡町旧市街に於ける風物詩。獅子舞の準備が始まったのだ。かつて藩政期には宿場として栄えた津幡町中心部の4つの地区、清水(しみず)、庄(しょう)、津幡(つばた)、加賀爪(かがつめ)では、今月半ば(2023/09/17)獅子舞が催行予定。大きな獅子頭には町ごとの特徴アリ。表面に朱色の漆を塗った加賀爪・白鳥会「赤獅子」。白鹿の皮を張った津幡・太白会「虎獅子」。黒熊の皮で仕上げ、目が左右に動く細工を施した清水・八幡会「熊獅子」。やはり黒熊の皮を張った強面の...津幡短信vol.114.~令和五年長月。

  • 小品晩夏~競艇。

    結局、この夏に出かけた本場は「びわこ競艇場」だけだった。過去投稿にも記した通り、僕にとってそこは夏の象徴のようなところと言っていい。観戦スタンドからは近江富士、琵琶湖大橋・比良山系、近江大橋・浜大津と、琵琶湖のいい景色が見渡せる。その風光のベストシーズンは夏だと思う。びわこ競艇場が開場したのは昭和27年(1952)年。もう70年以上の歴史を刻んできた。平成2年(1990年)度の売上518億円をピークに、レジャーの多様化やファンの高齢化によってしばらく低迷が続いたが、令和2年(2020年)度には675億3千万円と過去最高を記録。施行者である滋賀県一般会計への繰り出金も10億円と大幅に増えた。V字回復の一番の立役者はネット投票の導入。そして、滋賀支部所属レーサー達の活躍が果たした功績も小さくない。本場入り口近...小品晩夏~競艇。

  • 小品晩夏~忘れ難き雨。

    山風や棚田のやんま見えて消ゆ-飯田蛇笏きのうは「空蝉(うつせみ)」。きょうは棚田の上を飛ぶ「赤蜻蛉」。やはり晩夏を意識するワンシーンである。赤い丸で囲った中に写っているのが分かるだろうか?実際には沢山群れ飛んでいるのだが、僕のスマホカメラでは十分に捉えられないのが残念。撮影場所は、津幡町の山間でやゝ標高は高い。初夏、彼らは平地の水田などで羽化した後、高山に移動し盛夏を過ごす。再び下界にやって来て産卵する頃、季節は秋の訪れとなる。長年繰り返されてきた生き物の営みだ。---その未来は、変わらずに維持されるのか?最近、不安を覚えてしまうのである。「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」国際機関が、そう警鐘を鳴らしていたことを覚えている方も多いだろう。7月下旬から猛暑日が続き、8月が終わろうとして...小品晩夏~忘れ難き雨。

  • 小品晩夏~空蝉。

    今日(2023/08/25)は、北日本や東日本を中心に暑い一日になった。全国で最も気温が高くなったのは、新潟県・阿賀町で38.3℃。それに次ぐのが、わが石川県・小松市の38.1℃。8月も終盤に差し掛かっているのに、熱帯夜が常態だ。---とはいえ、さすがに晩夏を意識するものにも出会う。今朝「住吉神社」で見かけた「空蝉(うつせみ)」。蝉のぬけ殻は「空せ身」、空しいこの身、魂のぬけ殻を指す。一千年以上前にこんな歌が詠まれた。空蝉の殻は木ごとに留(とど)むれど魂の行くへを見ぬぞ悲しき-読人知らず『古今和歌集四百四十八首』夏、あれほど力強く鳴いていた蝉の亡骸はその命を終えた木ごとに留まっているけれど、魂の行方を見ることがないのは悲しいことだ。小品晩夏~空蝉。

  • 教科用図書は世に連れて。

    8月も残り10日あまり。夏休みの子供たちは、宿題ラストスパートの頃かもしれない。自由研究。日記(絵日記)。計算問題、漢字の書き取りを始めとした1学期の復習ドリル。これら課題の数々を前に、当初は「1日〇ページ」と計画を立てるものの3日坊主。8月終盤から泣きながら(親に手伝ってもらいながら)やっつけるのが“昭和小学生あるある”。令和の小学生ってどんな感じなのだろうか?少なくとも、過去の日記を書くため図書館で1ヶ月前からの新聞をひっくり返し、天気を調べる必要はなく検索一発で完了。羨ましい限りである。---といった具合に勉強の内容、やり方は時代によって変わるもの。ちょうど今「津幡ふるさと歴史館れきしる」に於いて開催中の企画展は、教育の変遷を垣間見る機会といえる。【今回は、明治・大正・昭和時代(特に戦前を中心)の教...教科用図書は世に連れて。

  • 妖(あやかし)のFOX。

    残暑お見舞い申し上げます。さすがにピークは越えた気はするが、まだまだ高い気温が続く今日この頃。お互い暑さに負けないよう気を付けていきたいもの。---ということで、今回は暑気払いとして「物の怪」を題材にしてみたい。そもそも日本で「夏≒怪談」が定着したのは江戸時代半ばから。旧暦の七月一日に地獄の蓋が開き、七月十五日に蓋が閉じる。その間、霊魂が下界を彷徨う。そんな大陸の「道教」に端を発する先祖供養の仏教行事「お盆」がある夏は、自然と「あの世」を身近に感じる季節。摩訶不思議な話が囁かれた。また、当時の庶民の娯楽として絶大な人気を誇った歌舞伎も一役買う。空調設備など影も形もない頃。蒸し風呂のような夏の芝居小屋から客足が遠のいたのは無理もない。主役級の役者は、休暇をとったり地方巡業に出たりした。そこで、関係者が思いつ...妖(あやかし)のFOX。

  • 続・湖国での夏2023。

    <前回投稿の続篇>一夜明けた2023年8月14日の朝、僕は大津市から北へハンドルを切った。目指すは、滋賀県の南東部に位置する「東近江市(ひがしおうみし)」。「滋賀県平和祈念館」が目的地である。ここにお邪魔するのは2度目。前回は、周辺をドライブ中に偶然同施設の看板を見つけてやって来たが、今回は、ちょうど終戦記念日間近のタイミングでもあり、実に10年ぶりの再訪となった。「滋賀県平和祈念館」の芽吹きは、ある男性の体験と思い。1960年5月、日本遺族の戦地巡拝行事に後の滋賀県知事が遺族の一人として参加。彼の父は、中部太平洋方面に派兵され、戦死していた。その時の立ち寄り先の一つ、沖縄戦最後の激戦地で住民や兵士が自決した洞穴を訪問。数多くの遺骨が残り、頭蓋骨はまるでこちらをぐっと見据えているかのように感じ、帰りの船上...続・湖国での夏2023。

  • 湖国の夏2023。

    先日(2023/08/08)二十四節気の「立秋」を迎え、暦のうえでは秋が始まった。暑さ厳しい中にも、そこはかとなく変化を感じる。その一つが、暑熱が落ち着く夕暮れ時に雑木林などから聞こえてくる蜩(ひぐらし)の声。二十四節気は元々大陸の季節カレンダー。日本の実情に合わせ細分化した「七十二候(しちじゅうにこう)」に照らし合わせると、今時分は「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」と呼ぶ。蜩は秋の季語でもある。---とはいえ、日中は真夏の装い。眩しい光の粒が地上で弾け一面に満ち溢れると、僕は見てみたくなる景色がある。滋賀県・大津市「びわこ競艇場」にやって来た。青い空、碧い水。その奥に湧き立つ白い雲。モーターが唸りをあげて疾走する競争水面の外には、ヨットや、大津港を発着する遊覧船が行き交う。日本最大の湖・琵琶湖を望むパノラマは、...湖国の夏2023。

  • 夏、昭和の残照②

    わが津幡町に「池ケ原(いけがはら)」と呼ばれる地域がある。山懐に抱かれたそこは、僕の祖母と所縁が深い。大正時代初期、池ケ原の近くに生まれ、東京で髪結いをしていた彼女は、福島県出身の大工・祖父と結婚。3人の子宝に恵まれた。残念ながら長男と三男は若くして病没。生き残った次男坊が、僕の父親である。時は太平洋戦争真っ只中。日本の敗色が濃くなるにつれ、帝都上空に銀翼を煌めかせた大型戦略爆撃機が飛来。“超空の要塞”B29から降り注ぐ火の雨を避け、一家は祖母の親戚筋が暮らす池ケ原へ身を寄せた。戦後、そのまま津幡町に根を下ろし現在に至る。つまり池ケ原は、僕個人にとっても馴染みの地。子供の頃は、よく遊びに来ていた。その家は、小高くなった雑木林の中に建つ農家。広い土間を備えていて、一歩足を踏み入れると仄かに土の匂いがした。裏...夏、昭和の残照②

  • 夏、昭和の残照①

    少し以前のことになるが、北陸に例年より早い梅雨明け宣言が出た2日後。2023年7月23日に、僕は石川県・野々市市(ののいちし)へ車を走らせた。目的地は「にぎわいの里ののいちカミーノ」。野々市市の公民館・市民活動センター・観光PR拠点などを併せた複合施設である。ここで当日行われた「石川県民大学校」講座の一環、「北陸満友会」の語り部を聴講した。「北陸満友会」の概要は、同会会則を基に記すと以下の具合。<東旧満州地区等からの引き揚げ者の経験を後世に引き継ぐ会><石川・富山・福井、北陸3県に在住している旧満州地区等からの引き揚げ者、その子・孫縁戚者及び関心ある研究者など、会の目的に賛同する人たちの組織><北陸以外、他県に在住している人でも希望により受け入れる><会費は徴収せず、必要経費は親睦会・募金等で賄う>(※<...夏、昭和の残照①

  • 夏の魔物が棲む児島!?<追記>

    ※以下本文:7月23日午前8時投稿競艇は1年365日、ほぼ毎日どこかのレース場でレースが開催されている。レースは、賞金額・選手レベルによって5つのグレード(階級)に分類されるが、最上位に格付けされるのが、年間9回の「SG(スペシャルグレード)レース」だ。それはおおよその時期が決まっているため、我々競艇ファンにとっては季節の風物詩にもなり得る。今夕、岡山県・倉敷市の「児島競艇場」に於いて行われる今年4つ目のSG、「第28回オーシャンカップ」優勝戦は“真夏の祭典”と言える。やはり、このSGには青空がよく似合う。4日間の予選~きのうの準優勝戦が繰り広げられてきたが、ここまでの戦いを振り返って思う。今節の児島は「ファーストターンに魔物が棲んでいる」。瀬戸内の潮の干満、風、暑熱などの影響からか?競技の性質上、最も有...夏の魔物が棲む児島!?<追記>

  • 暑中見舞い ~ 夏に咲く。

    暑中お見舞い申し上げます盛夏の候いかがお過ごしでしょうか。ここ北陸は、梅雨が明け、夏の気配が色濃くなってきました。朝晩の気温差やコールドショックから夏風邪など召しませんよう、お身体ご自愛くださいませ。さて、個人的な「夏の花」は---やはり「アサガオ」になるでしょうか。アサガオ栽培は、昔も今も小学校低学年カリキュラムの一環。僕も夏休みに「アサガオ観察日記」を書いた記憶があります。数ある花の中でも、馴染み深い品種といえるかもしれません。種を植え、双葉が萌え出し、蔓が支柱を這い登る。日の出前から開き始め、昼ごろには萎れる一日花。その掌ほどの可憐な花は、美少女を連想させます。---ということでほんの手慰みに筆を執りました。ご笑覧くださいませ。アサガオは帰化植物。奈良時代、薬草として中国大陸から渡来したといわれます...暑中見舞い~夏に咲く。

  • 災いの雨、お見舞い申し上げます。

    この度の大雨により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と被災地が一日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。今月(2023/07)九州北部~中国地方~北陸~東北にかけ大雨による被害が相次いでいる。思えば、このところ梅雨の後半に当たる7月上旬に豪雨災害が発生するケースが増えた。2018年の西日本豪雨、2020年の熊本・球磨川の氾濫、2021年静岡・熱海の土石流もこの時期だった。これら災いの雨の引き金は、海から。水温が高い状況が続く列島近海では、雨雲が発達しやすくなっているようだ。温暖化が進むにつれて、水蒸気量は増加傾向。どの地域を集中豪雨が襲っても不思議ではない。先日(2023/07/12)わが津幡町も大雨になった。特に山間部の被害が大きくなったのは、既に投稿した通り。河川に架かる橋に...災いの雨、お見舞い申し上げます。

  • 信じて候。

    あなたがお住まいの地域には道端の石地蔵---いわゆる「辻地蔵」があるだろうか?わが津幡町では「古い住宅街の角」や「街の境目」あたりで見かけるケースが多い。そんな辻地蔵建立のワケは諸説アリ。外から悪い事が入ってこないようにする「結界説」。村を守る「道祖神混合説」。事故や墓地移転の「供養説」などが挙げられるという。先日、僕の住む在所「津幡町・庄(しょう)」の辻地蔵にて「地蔵尊祭り」が行われた。普段はがらんとした広場がこの日ばかりは一味違う。沢山の幟が風に揺れ賑やかな雰囲気。地蔵堂前、庄地蔵由来とタイトルが付いた掲示板には以下の表記。石仏名---地蔵菩薩六地蔵尊所在地---津幡町庄の共有地(火葬場跡)建立年月日---文化五年(1808)四月建立者---庄若連中大きさ---地蔵菩薩高さ135cm幅40cm一体六地...信じて候。

  • 小品、かき氷。

    <はじめに>今般の大雨(2023/07/12~)による影響の全貌が明らかになってきた。石川県のまとめによると、かほく市の宇ノ気川や大谷川、津幡町の津幡川や能瀬川など7つの河川で「越水」。かほく市と津幡町で、住宅の一部損壊、床上・床下浸水に加え、工場や店舗などの事業所でも浸水や土砂流入などが確認された。他、断水、停電、道路寸断が発生。特に山間部の被害が大きい。暮らし復旧の道のりを思うと胸がふさぐ。今日(2023/07/15)は、東北北部を中心に大雨の恐れ。---まったく一昔前に比べ、自然は苛酷になった。<本編>前述、豪雨前のハナシである。津幡町・庄の「おまん茶屋/MOCHASTAND」店先に揺れる「氷あります」の幟が気になっていて、暑い昼下がりに訪問。かき氷をいただいた。氷の上にかかっている鮮やかな赤は「河...小品、かき氷。

  • 災いの雨。

    それは、きのう(2023/07/12)夜も更けた頃だった。金沢地方気象台は21時39分に石川県加賀を対象に、富山地方気象台は22時09分に富山県西部を対象に、「顕著な大雨に関する情報」が発表。線状降水帯による、稲光・雷鳴を伴う非常に激しい雨は一晩中続いた。今朝には晴れ間も覗くようになったが、多すぎる雨の影響は町内のあちらこちらで見受けられた。音を立てて、濁った水が所々渦を巻きながら流れる津幡川。川下の水門は全開だろうが、まあまあの水位。普段はあまり見かけない表情である。大西山(標高15m)に並ぶ自動車の列。おそらく冠水地域から逃れてきた方々のものと推測。よく見るとフロントのエアカーテン(空気抵抗を減らす箇所)に草や小枝などが引っ掛かっている。路上の水は引いたが、泥がいらない置き土産。足元がぬかるんでいて歩...災いの雨。

  • 同志少女よ、敵を撃て。

    その本が「早川書房」から上梓したのは2021年11月。同年、同社主宰の「アガサ・クリスティー賞」で大賞受賞。2022年「本屋大賞」並びに「高校生直木賞」大賞受賞。2023年現在、紙・電子版の累計発行部数50万に迫る。小説『同志少女よ、敵を撃て』は、正に“メガヒット”だ。作品のテーマはいわゆる“独ソ戦”。第二次世界大戦に於けるナチスドイツとソ連の地上戦は、人類史上未曾有の犠牲者を出した戦いであり、おそらく史上最も多くの女性達が銃を取った。図らずもちょうど東欧で戦端が開いたことから話題を呼んだ本作。既に手に取った方も少なくないだろうが、僕は先日ようやく読了。実によくできていて読み応えがあった。今投稿では、個人的に最も印象深いシーンを取り上げてみたい。ほんの手すさび手慰み。不定期イラスト連載第二百二十七弾「殺し...同志少女よ、敵を撃て。

  • 雨にぬれながら佇む花がある。

    日本の歌で「雨」を主題にしたものは、案外多い。やはり季節に雨期があり、昔から湿潤な気候を肌で感じてきたからだろう。そこに「哀切」の思いを込めた例は少なくない。雨降らずとの曇る夜のぬるぬると恋ひつつ居(を)りき君待ちがてり<作:阿倍広庭(あべのひろにわ)>あなたを待ちわびる私の心は、雨が降らないですっかり空が曇った夜のよう。鬱々とした湿っぽい心持ちで恋しく思っていました。ひさかたの雨(あめ)は降りしけ思ふ子がやどに今夜(こよひ)は明かして行かむ<作:大伴家持(おおとものやかもち)>雨よ降ればいい、今宵は親しく思っている方の家で過ごすとしよう。---とまあ、そんな具合に1200年前に編まれた「万葉集」然り。現代のポップソング然り。失恋・悲恋・哀切など、雨ソングの湿っぽい傾向は受け継がれている。雨/三善英史歌手...雨にぬれながら佇む花がある。

  • 常滑三英傑、揃い踏み。<追記>

    ※以下本文:6月25日昼12時半投稿7時半の投稿は文面が改行されなかったため、削除してやり直し。朝投稿した記事にリアクション頂いた方、スイマセンでした。今夕、山口県・周南市の「徳山競艇場」に於いて今年3つ目のSG競走、「第33回グランドチャンピオン」優勝戦が行われる。前年の同大会優勝者、前年グランプリの優勝戦出場者、その年のボートレースオールスターの優勝者、過去1年間のSG優勝戦の完走者、SG予選での得点上位者が出場。俗に“SGの中のSG”と称されるハイレベルの激戦を勝ち抜き、最後のピットへ舳先を進める6戦士は以下の通り。1号艇:磯部誠(愛知)2号艇:石野貴之(大阪)3号艇:平本真之(愛知)4号艇:坪井康晴(静岡)5号艇:池田浩二(愛知)6号艇:茅原悠紀(岡山)きのうの準優勝戦、3つのレースはいずれも「イ...常滑三英傑、揃い踏み。<追記>

  • 常滑三英傑、揃い踏み。

    ※以下本文:6月25日午前7時半投稿今夕、山口県・周南市の「徳山競艇場」に於いて今年3つ目のSG競走、「第33回グランドチャンピオン」優勝戦が行われる。前年の同大会優勝者、前年グランプリの優勝戦出場者、その年のボートレースオールスターの優勝者、過去1年間のSG優勝戦の完走者、SG予選での得点上位者が出場。俗に“SGの中のSG”と称されるハイレベルの激戦を勝ち抜き、最後のピットへ舳先を進める6戦士は以下の通り。1号艇:磯部誠(愛知)2号艇:石野貴之(大阪)3号艇:平本真之(愛知)4号艇:坪井康晴(静岡)5号艇:池田浩二(愛知)6号艇:茅原悠紀(岡山)きのうの準優勝戦、3つのレースはいずれも「イン逃げ」で決着した。きのうの10R、1号艇の「平本」は横綱相撲の完勝劇。きのうの11R、1号艇の「石野」は5コースか...常滑三英傑、揃い踏み。

  • 小品、カキとクモ。

    朝イチ(6:10)に近所のコンビニへ出かけ新聞を買うのが、ここ5日間の日課になっている。それは僕にとって、競艇SGレース開催期間中のルーティーンだ。同じ時間、同じ道を歩き、見るともなしに同じ景色の中に身を置いていると、ちょっとした変化に気付く事がある。今朝のそれは「青柿」。梅雨入りした頃は萼(がく/花びらを支える器官)に隠れていた実が、いつも間にか随分大きくなっていた。青葉に包まれた熟す前の柿の実は目立たず、認識しずらい。今朝も、もし「異質な色」が混入していなかったとしたら、目に留まらなかったのではないだろうか。何故か気の早い葉が一葉。孤独な柿紅葉に惹かれてスマホカメラを近づけると、朱色の上で蠢く影が---。「ハエトリグモ」だ。腹部に灰褐色の条紋。「マミジロハエトリ」の様な気がするが、まだ小さく特徴がハッ...小品、カキとクモ。

  • 母校の景趣。

    わが母校「津幡小学校」の開学は、明治6年(1873年)春。今も津幡川のたもとに建つ寺院---「弘願寺(ぐがんじ)」の境内に設置した仮校舎が始まりである。当時の学年は4ヶ年で、読書、習字、算術などの科目を教えていた。津幡小学校開学の前年、近代化を急ぐ明治政府は「国民皆学」のスローガンを掲げ義務教育をスタート。しかし初期の就学率は、30%程度がせいぜい。改善すべき点が多かった。年齢に応じたカリキュラム、教科書を作成。師範学校で養成した教育のプロ「先生」を派遣。授業料を無償化するなどして、子供たちが通いやすい環境を整備。就学率もアップし、いよいよ「大西山(おおにしやま)」に校舎が建設される。『古城址(こじょうし)に河北の花と大西山の丘辺に立てば山はみどりに潟ひらけたりわが学び舎ここに立てり』「津幡小学校校歌」冒...母校の景趣。

  • 令和五年 太白祭。

    津幡中央銀座商店街のワンコディスプレイが「カエル仕様」に変わって数日後。北陸に梅雨入り宣言が出て、およそ1週間が経過した。雷を伴いひどく降る日があれば、そうでもない日もある。今日(2023/06/17)は後者、朝からよく晴れ渡る散歩日和だ。数日前から、同商店街に気になる幟が立っていた。風に揺れる「太白(おおしろ)祭」の赤い旗。津幡町津幡に鎮座する「太白山神社」の例大祭である。同イベント、拙ブログに登場するのは4年ぶり。ブランクの訳がコロナウィルスなのは言わずもがな。以前はステージでの催しもあったが、今年はお茶・お菓子の振る舞いのみ。和服姿のお姐様方が、甲斐甲斐しく来客の世話を焼いてくれていた。ちなみに菓子は地元の「小泉菓子舗」謹製。実に微笑ましいのである。以下「太白山神社」について、お宮前に建つ石碑より引...令和五年太白祭。

  • C特急東駅。

    このカテゴリーの先回「コーヒー」に関して投稿した。今回は、その続篇と言えなくもない。もう一つの世界的な嗜好飲料「茶」についての雑文である。僕が常日頃愛飲しているコーヒーが南蛮船に乗って日本に上陸したのは、江戸時代。一般に受け入れられたのは明治末~大正時代頃。それに対し、茶の歴史はよほど長い。奈良・平安時代、遣唐使や留学僧によって大陸からもたらされたと推定され、鎌倉末期から南北朝にかけ、寺院が所有する荘園で栽培が広まり、武士階級の社交ツールとなり「茶道」が形作られてゆく。また、早くから庶民にも身近な飲み物となっていた。古い付き合いだから、茶は日本語表現の中に度々登場する。「お茶を引く」。昔、客のつかない遊女が臼で茶葉を挽いて抹茶を作り時間をつぶしたところから、その日の仕事にあぶれることを指すようになった。「...C特急東駅。

  • 歴史を知る「存在感」。

    現在「津幡ふるさと歴史館れきしる」に於いて、企画展「古文書からみる江戸時代の津幡町」が開催中。先日お邪魔してきた。展示スペースに並ぶのはイベントタイトルにあるとおり「古文書」が中心で、立体造形や絵画など人目を惹くモノは見受けられないと感じるかもしれない。しかし、これこそが、この施設の存在感の高さを示しているのである。まずは今企画展のあいさつ文から紹介したい。(※以下【】内/ブログ上の見易さを考慮し少々編集させてもらった)【この展示は、昨年度に実施した古文書整理業務の成果を活用して実施するものです。十村新田家の約1,600点に及ぶ古文書から抽出した内容を3つに大別し、十村に関するもの、宿駅に関するもの、新田開発に関するものに分類。資料を所蔵している新田家は、近世後期以降、代々加賀藩の十村役を務めた家です。十...歴史を知る「存在感」。

  • 賭けたり競ったり、祝福したり。

    もうすぐ、わが津幡町の場外舟券売場「ミニボートピア津幡」が、オープンから10周年を迎える。それは僕が競艇ファンになって10年が経ったということだ。深い感慨が湧き上がるのを禁じ得ない。ここでいったいどれ程のレースを観戦しただろう。週間平均10回と仮定すれば、年間52週×10レース×10年=5200レース。ここでいったいどれ程の身銭を切っただろう。1レース平均1000円を賭けたと仮定すると5200レース×1000円=520万円。試算の実情は、おそらくもっと多くなるはずだ。対する配当受領は---あまり考えないようにしている(苦笑)。その積み重ねと同じ数だけ、悩み、考え、泣き、笑い、驚いた。それは、競艇ファンにならなければ味わえない一喜一憂。実に楽しい時間を過ごしてきたのである。また10年間で何度も「旅打ち」に出...賭けたり競ったり、祝福したり。

  • 昭和少年、偏重スポーツ&ゲーム考。

    <はじめに>大型の台風2号と活発になった梅雨前線の影響で、列島各地に記録的な大雨が続いた。各地で物的・人的被害が出ている。今後も土砂災害・河川の氾濫などに警戒が必要だ。拙ブログをご覧の皆さまがお住まいの地域はいかがだろうか。大事のないことをお祈りしております。<本編>次の日曜日(2023/06/11)津幡町文化会館「シグナス」に於いて「津幡町eスポーツフェスタ2023」が開催される。当日は、株式会社NTTeSports取締役・福岡eスポーツ協会会長「中島賢一」氏による講演会。プログラミング体験、複数のeスポーツが楽しめるとの事だ。10年ほど前から耳にするようになった「eスポーツ」。「ElectronicSports(エレクトロニック・スポーツ)」の略称なのはお馴染み。モバイルゲームやビデオゲームを使った対...昭和少年、偏重スポーツ&ゲーム考。

  • 皐月→水無月、雨期前の津幡町。

    きのう(2023/05/30)気象庁は九州南部の梅雨入りを発表。これで沖縄から東海地方までが同様となった。四国・中国・近畿・東海は平年に比べ6~8日早い。わが北陸の場合6月7日頃がシーズンインの平均値。どう推移するかは分からないが、晴天が広がる今のうちにと考え、「河北潟(かほくがた)」を散策してみた。拙ブログには度々登場する河北潟。石川県のほぼ中央に位置し、金沢市、内灘町、かほく市、津幡町、2市2町にまたがる県内一の大きな水辺である。しかし、その水面は往時の1/3あまり。2/3は、戦後、国の干拓事業によっておよそ1,100haの農地になった。当初は稲作としての利用が主目的だったが、減反政策により方向転換。米(加工用)、麦、大豆、野菜、果物、畜産物など様々なものが生産されている。上掲画像、上から順に---麦...皐月→水無月、雨期前の津幡町。

  • スターウォーズ最終決戦。<追記>

    ※以下本文:5月28日午前11時投稿末尾に追記アリ今夕、福岡県遠賀郡芦屋町の「芦屋競艇場」に於いて今年2つ目のSG競走、「第50回ボートレースオールスター」優勝戦が行われる。ファン投票で選ばれた者と推薦枠あわせて52名、綺羅星の如き人気レーサーたちが一堂に会し覇を争ってきた。5日間の激戦を勝ち抜き、最後のピットへ舳先を進める6戦士は以下の通り。1号艇:石野貴之(大阪)2号艇:濱野谷憲吾(東京)3号艇:倉持莉々(東京)4号艇:深谷知博(静岡)5号艇:山田康二(佐賀)6号艇:瓜生正義(福岡)---正直、こんな組み合わせになるとは思いもしていなかった。予選トップ3で生き残ったのは「石野」のみ。つまり準優勝戦は、穏やかではなかったということである。昨日の10Rは2つの波乱が起こった。一つ目は、3号艇が痛恨のフライ...スターウォーズ最終決戦。<追記>

  • 幼気(いたいけ)と歴史を包む情熱のアロマ。

    僕は、ほゞ毎日「コーヒー」を飲む。朝、起きぬけに2~3杯。午前と午後に、1杯づつ。一日4~5杯飲むのが常。苦手な方もいるだろうが、個人的には大のコーヒー好きである。原体験は、小学校高学年の頃に飲んだモカマタリ。有体に言って「金持ちの友人」宅へお邪魔した際、ショートケーキと「奇妙な飲み物」が供された。彼は、これがコーヒーだと言う。『ええっ!?コーヒー牛乳もコーヒーガムも茶色やないか。えらく黒いコイツは、温めたコーラみたいや』コーヒー嗜好のない家で育った田舎の子供は、初めて接する「本物」に戸惑いを禁じ得ない一方、興味もそそられた。原因はカップから湯気と共に立ち上る匂い。不思議な薫香に誘われ、ついに口へ運ぶ。最初に舌が感じたのは、強い苦味。しかしそれだけではない。甘味、酸味、ピーナッツやチョコレートに似たコク。...幼気(いたいけ)と歴史を包む情熱のアロマ。

  • 越後見聞録~上越・春日山。

    先日、新潟県への1泊2日小旅行の続篇。2日目の行き先は上越市。ここは、今年・昨年と足を運んでいて三度目の訪問。<参考リンク:上越高田。~男たちの趨勢と女たちの志。(2022/03):立春、上越にて①。(2023/02)>過去はいずれも冬季だったため行きそびれていた場所があった。それは“越後の龍”---「上杉謙信」の居城「春日山城」址。往く手を雪に阻まれ登る事が叶わなかった城址へ、満を持してアタックである。まずは春日山城の概要を知っておきたい。【複雑な自然の地形を巧みに利用した春日山城の堅固な城塞は、難攻不落の天下の名城といわれました。現在も、空堀や土塁、大井戸など山城の特徴が残ります。屋敷や空堀が展開する山の裾野に、延長1.2kmにも及ぶ堀と土塁で総構が築かれている点が大きな特徴です。】(※【】内「にいが...越後見聞録~上越・春日山。

  • 越後見聞録~中越・柏崎。

    先日、新潟県へ1泊2日の小旅行に出かけた。初日の行き先は中越の西端に位置する「柏崎(かしわざき)市」。初訪問である。新潟県の海岸沿いのほぼ中央に位置し、刈羽三山に囲まれた刈羽平野にあって、新潟県内では6番目の人口(2022年現在)を擁する。---という程度の浅い知識しか持たない僕は、まず「柏崎市立博物館」へ。地域の姿を把握し旅の軸を探したいと考えたのだ。展示を通じ、柏崎の象徴が“米山(よねやま)”だと知る。刈羽と頚城の境にそびえ立つ標高993mの美しい山は、地元では「米山さん」と呼ばれて親しまれているらしい。古くから病除け、五穀豊穣、海上安全など、山岳信仰の対象となり、子供たち(かつては男児だけ)が大人への通過儀礼として登った。今も米山登山が定番の学校行事との事。僕もチャレンジしたい気はしたが、時間、装備...越後見聞録~中越・柏崎。

  • 夏立つや 水垂に映えし あをもみじ。

    その美しさに気が付いたのは、数日前のことだった。山を切り拓いて通したバイパスから住宅街へと下りる道すがら、並木の若葉が陽の光を浴びて輝いていた。その美しさが際立ったのは、今日のことだった。厚い雲が陽射しを遮り仄かに暗い昼日中。そぼ降る雨に濡れた「あをもみじ」が鮮やかに映えていた。思わず路肩に車を停めて、数枚シャッターを切る。鼻を近づけると新緑の匂い。樹木から発せられる様々な揮発性の香り成分・フィトンチッドや、新茶や草を刈った後の特有の香り・青葉アルコールは、リラックス効果があるとか。瑞々しい「あをもみじ」に比べると、秋、赤く色づいた紅葉(もみじ)は衰えた生体に感じる。ちょうどきのう(2023/05/06)は、二十四節気のひとつ立夏(りっか)。夏の兆しが見え始め、陽気も増してきた。入梅前、盛夏を向かえる前の...夏立つや水垂に映えしあをもみじ。

  • なゐふる のと(令和五年_端午節)。

    ニュースになっていたから、ご存じの向きも多いだろう。きのうから今日にかけ、石川県で地震が度重なっている。2023年5月5日14時42分頃のそれは、・震源地-石川県能登地方・震源マグニチュード-M6.5・震源深さ-およそ10km・最大震度-震度6強能登半島の先端---珠洲(すず)市では、この地震によって、これまで1人が死亡、複数人が怪我を負った。物的被害も小さくない。震源からかなり離れた津幡町でも、なかなか強い揺れを感じた。幸い目立った被害は出ておらず胸を撫で下ろしている。能登地方付近では、ここ2年余りで300回以上の群発地震が続いている。そのメカニズムとして注目されてきたのが、地下深くから上昇してきた水(流体)の影響だとか。地震の発生は減少傾向と聞くが、正直、不安は払拭できない。散歩途中、つい避難場所を確...なゐふるのと(令和五年_端午節)。

  • パンとサーカス。

    2023年・ゴールデンウイーク真っ只中。コロナ禍終焉風潮の後押しもあり、巷では様々なイベントが花盛り。列島各地で賑わいが創出されているようだ。そんなタイミングに重なる今回の投稿は、時計を大きく巻き戻し、舞台を地中海に移して、「古代ローマのイベント」を取り上げてみたいと思う。ほんの手すさび手慰み。不定期イラスト連載第二百二十四弾「女性剣闘士」。小さな都市国家に始まった「古代ローマ」はイタリア半島を統一した後、領土拡大方針へ舵を切った。周辺地域への侵略を繰り返し世界国家への道を歩む途上、敗戦国から戦利品として膨大な数の奴隷が連行されてくる。有力者たちは、それら労働力を農園で働かせ富を蓄えた一方、資金力に乏しい中小規模農民たちは太刀打ちできず没落。やがて田畑を捨てて首都ローマへ押しかけ、政府に保護を求める。当時...パンとサーカス。

  • 第37回県民みどりの祭典

    わが津幡町には「石川県森林公園」がある。石川県政100周年記念事業の一環として昭和48年(1973年)5月に開園。ちょうど半世紀前の事だ。【津幡町北部の丘陵地から三国山(みくにやま)にかけて広がる石川県森林公園は、総面積1,150ヘクタールに及ぶ全国屈指の規模を誇る森林公園です。東京ドームの246倍もの広大な森林をそのまま生かし、四季折々の変化に富んだ里山の自然を楽しむことができます。公園は「家族団らんの森」「スポーツの森」「学習の森」「散策の森」「たんれんの森」の5つの森で構成され、各エリアには目的に応じた数々の施設があり、自然学習やスポーツ、キャンプなどさまざまな体験ができます。】(※【】内、津幡町観光ガイドより引用/抜粋)僕がまだ子供だった頃、遠足の行き先はこの森林公園ばかり。緑豊かないいトコロなの...第37回県民みどりの祭典

  • 名優、そろい踏み。<追記>

    ※以下本文:4月23日午前11時投稿末尾に追記アリ【名人】を辞書で引くと以下の記載がある。「技芸にすぐれている人。また、その分野で評判の高い人。」競艇の場合は、本来の意味合いに「年齢」が加味される。今夜(2023/04/23)福岡県・若松競艇場に於いて行われるプレミアムG1レース、「第24回マスターズチャンピオン(名人戦競争)」優勝戦。以下のメンバーが最後の6ピットに舳先を進めた。1号艇:井口佳典(45/三重)2号艇:濱野谷憲吾(49/東京)3号艇:中沢和志(46/埼玉)4号艇:瓜生正義(47/福岡)5号艇:魚谷智之(47/兵庫)6号艇:今垣光太郎(53/福井)名前に続けた数字は、レーサー個々の年齢。「マスターズチャンピオン」の出場資格は、級別、性別は不問ながら、当年4月1日に満45歳以上になる選手から選...名優、そろい踏み。<追記>

  • Sweet Seasons.

    今回は、最初に歌を一つ取り上げてみたい。Sometimesyouwin,sometimesyouloseAndmosttimesyouchoosebetweenthetwoWonderin',wonderin'ifyouhavemadeit(But)I'llhavesomekidsandmakemyplans(And)I'llwatchtheseasonsrunningawayAndI'llbuildmealifeintheopen,alifeinthecountry人生は勝つ時もあれば負ける時もある白黒つけたがるものよねうまくいったかどうか気にかけ振り返りながら私は生まれてくる子供たちのことや、未来について考えるわ季節の移り変わりを感じながら豊かで開かれた人生、豊かな自然の中の暮らしを想うのが好きI'm...SweetSeasons.

  • 歴史が繰り返すのは必然か?それとも偶然か?

    「ナチス」は政党の名前である。「国家社会主義ドイツ労働者党」。「NationalsozialistischeDeutscheArbeiterpartei」の略称「ナチ(Nazi)」の複数形だ。彼らがドイツを率いた1933年から1945年、わずか10年あまりの間に、数々の犯罪・蛮行が繰り返されたことは、今さら説明するまでもないだろう。敗戦後、ドイツは謝罪・賠償に留まらず、国民の教育、法律の制定など、国を挙げて、過去の膿を絞り出してきた。その根底にある1つは「原罪意識」。ナチス政権は民主的な選挙により誕生しているからだ。禁断の果実(ナチズム)を食べるよう勧めたのは蛇(ナチス)だが、手を伸ばし口にしたのは、当時のドイツ国民たち---アダムとイヴの意志だった。今回は、その出来事を“舞台劇”に例えてみようと思う。但...歴史が繰り返すのは必然か?それとも偶然か?

  • 令和5年度、津幡町。

    新年度(令和5年度)の幕が開いて半月余りが経った。春は“出会いと別れの季節”とか“新生活の始まり”と言われるが、今年は僕の人生にも、節目が訪れた。私生活上のこと故、多くを語るつもりはないがそれなりに大きな変化である。ま、拙ブログは変わらずに継続してゆく。今後とも何卒よしなに。さて、毎月、町内の各家に配布される「広報つばた令和5年4月号」に、今年度の一般会計当初予算が掲載されていた。「145億4100万円」。歳出のうち最も占有率が高いのは、高齢者・児童・障害者福祉に充てる「民生費」。以下、土木→教育→公債→総務→衛生---と続く。対する歳入は、町税を主とする自主財源が36%。地方交付税、国庫支出金などの依存財源は64%あまり。---正直、自主的な財政運営に於いて優等生とは言い難いと思う。【津幡町は石川県のほ...令和5年度、津幡町。

  • 津幡町 英田(あがた)見聞録。

    本日(2023/04/09)、津幡町・能瀬(のせ)にて「能瀬川公園桜まつり」が開催された。毎年、能瀬川両岸の染井吉野120本あまりが満開の中で執り行われるのが恒例だが、今年は開花~盛りのテンポがよく、既に散り始め。まぁ人智の及ばぬ自然の営みだから、致し方ない。ともかく僕は「順徳さん謎解きウォークラリー」に参加した。以前にも投稿したが、この地区には第84代天皇「順徳院」にまつわる伝説がある。承久3年(1221年)年、朝廷の復権を目指し鎌倉幕府へ弓を引いた「承久の乱」に敗れた順徳上皇が、佐渡へ流される途中、大しけに遭い遭難。王崎(現在のかほく市大崎)の浜に上陸。津幡町に行在所(あんざいしょ/仮の御所)を定め、3年間滞在したと伝えられている。その奇譚を辿り、およそ4kmを歩いてみた。行在所に建っていたという「御...津幡町英田(あがた)見聞録。

  • 失われた街道。

    江戸時代、幕府の「道中奉行」が管理し整備された5つの大きな街道があった。東海道、中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道がそれ。起点は、いずれもお江戸・日本橋である。五街道以外には、各藩の大名が管轄する主要な道「脇街道」の1つが、現在の滋賀県から長野県までを結んだ「北国街道」だ。北国街道のうち、金沢城から南、京へ上る道を「上口往還(上街道)」。城から北、越中から江戸へ下る道を「下口往還(下街道)」と呼んでいた。金沢市・北森本町に往時の面影が僅かに残り、石川県指定史跡となっている。北国街道(旧北陸道)は、藩政時代、最も多く利用された幹線道路のひとつでした。城下の入り口にあたる下口筋の大樋から柳橋、森本にかけての道筋は、一般に下口往還とも呼ばれていました。前田家の参勤交代は、この北国街道を利用して行われ、金沢城か...失われた街道。

  • 勘案、散歩日和にて。

    本日(2023/04/02)、ブログ開設から4709日が経った。中断はあったが、足掛け13年ほど継続してきたことになる。始めたキッカケは愛犬(チワワ/♂去勢)との散歩。彼と連れ立って街中を歩くようになり、街中の変化の記録をメインに据え、季節の移り変わり、個人日記、心の発露など、種々雑多な投稿を1800回あまり積み重ねてきた。当然、その間、僕も彼も年を取る。人と犬の平均寿命を比べれば、犬の方が短い。“りくすけコンビ”の道行きがいつまで続くかは分からないが、出来る限り一日でも長く楽しみたいし、読者諸兄姉にお付き合い賜れば幸いと考えているのだ。---さて、枕が長くなってしまった。今投稿は、麗かな春『時代の異なる「散歩マナー啓蒙看板」が目に付いた』というハナシである。一枚目の看板は「昭和的」。北陸の片田舎・津幡町...勘案、散歩日和にて。

  • A Cherry Blossom.

    もう40年ほど昔になるだろうか。僕は一時期「モダンジャズ」ばかり聴いていた。四畳半一間の部屋に帰ると湯を沸かしインスタントコーヒーを飲みながら、LPレコードに針を落としてAB面を通してかける。そんな癖が付いたキッカケは「ジャケ買い」だった。青一色の背景に浮かぶ男の陰影。デザインに惹かれて購入した「ソニー・ロリンズ」の「サキソフォンコロッサス」から、僕のジャズライフは始まった。狭い部屋の壁に買い集めたアルバムを飾ったりしたが、お気に入りのジャケットの1つが「ホレス・シルヴァー」の「ザ・トーキョー・ブルース」。着物姿の美女に挟まれご満悦のピアニストが来日公演の思い出を重ねたであろう「TooMuchSake」「SayonaraBlues」「Ah!So」等ユニークなタイトルの曲を収録。僕は、取り分け「Cherry...ACherryBlossom.

  • 久方の光のどけき春の日に しず心なく花の散るらむ。

    きのう(2023/03/25)は、わが津幡町の桜について投稿した。花の好みは人それぞれだが、日本では総じて桜の人気が高く、日本人が桜を特別視しているのは異論のないところだろう。それは「言葉」からも窺える。花が咲く頃の薄ぼんやり霞む空は「花曇り」。同じ時期に訪れる一時的な寒さを「花冷え」。お花見用の敷物は「花筵(はなむしろ)」。満開の時期は「花盛り」。盛りを過ぎ、ハラハラと舞い散るさまは「花吹雪」。花びらが吹き寄せられ川面を流れてゆくのは「花筏(はないかだ)」。---これだけ多彩なバリエーションを与えられた花は、桜だけ。更に、パッと咲き、パッと散る桜にはどこか“死の影”が付きまとう。今回は、そんな観点から一つの物語を取り上げてみたい。ほんの手すさび手慰み。不定期イラスト連載第二百二十二弾「花時の八雲とセツ」...久方の光のどけき春の日にしず心なく花の散るらむ。

  • 津幡町、さんざめく春の一齣(こま)。

    今年も「桜の季節」がやって来た。2023年の開花テンポは統計開始以来、記録に残る早さだという。わが津幡町のそれは、今投稿の2日前・3月23日に開花宣言。現状はまだチラホラといったところだ。東京、京都、高知あたりでは既に満開と聞くが、拙ブログをご覧の皆さまがお住まいの地域はいかがだろうか?春の到来を告げる桜はエンターテイメントの要素もある。「お花見」だ。その始まりとされるのは、花の咲き方で豊作を占っていた奈良時代の農耕行事。最初は梅の花が主流だったが、梅は大陸から渡来した外来種。平安時代になると日本の固有種・桜を愛でるようになる。江戸末期に“桜界のスーパースター”「染井吉野」が登場。園芸家が人為的に造り出したとも、自然交配によって生まれたとも言われるが定かではない。ともかく、花だけが先行する華やかさがウケ、...津幡町、さんざめく春の一齣(こま)。

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