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  • 冬の森を歩けば【森へ行く道<129>】

    夜の間にまとまった雨がふり、森に潤いが戻った。南国のあたたかな日差しが降り注いでいる。薬草を採取しながら、森を歩く。真っ赤な実を付けている「冬いちご」の葉は、血流を良くする効果がある。冬場の小鳥たちのご馳走だから、採りつくさずに少しだけ残しておくように。甘酸っぱいその実の味は、村の古老の言葉とともに故郷の山の村を思いださせる。蔓を伸ばし葉を青々と繁らせている「むべ(郁子)」の葉は、天智天皇伝承を秘める長寿の薬だが、そんな神代のことを辿らなくても、森の入口に棚を作って這わせてある。35年ほど前のことだが、人吉から川辺川沿いの道をあるいて五木村まで行ったことがある。ダム建設の計画に揺れる村であった。清らかな流れが淵を作ると、そこには巨大なヤマメが一群を作って越冬していた。川に面して一軒の重厚な民家があり、石垣...冬の森を歩けば【森へ行く道<129>】

  • 満月の夜、チェロを聴きながら/由布院駅美術館(アートホール)へのスタバ進出を企画力が押し戻した一件【空想の森から<167>】

    *本文は作業中。満月の夜、チェロを聴きながら/由布院駅美術館(アートホール)へのスタバ進出を企画力が押し戻した一件【空想の森から<167>】

  • 展示・進行中です【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<23>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    これまでに描いた作品の中から、展示しています。まだ仕上げが終わっていない作品もあります。さらに、神楽は年明けも続きます。順次展示を進めてゆきます。*写真は川上佳那子さん+筆者。 展示・進行中です【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<23>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 村所神楽の大王様/美しき一夜(4)[西米良村「村所神楽」にて④]]【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<22>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    村所神楽の「大王様」とは、南朝・後醍醐天皇の第九皇子、懐良親王を表す。南北朝時代末期、吉野の山中に籠った後醍醐帝より南朝再興の夢を託されて九州に下された懐良親王は、各地を転戦し、一時は九州を制したが、北朝・足利幕府の連合軍との大宰府での決戦に敗れ南朝を支持した肥後菊池氏の一党とともに米良山中に入山したという伝承を持つ。米良山には親王が山を越えてこの地に至ったという「大王出(だいおうずる)」という地名や高台に立ち、土地の相を観相した「相見(そうみ)」という地名などが残る。この時、懐良親王に従った一行は、わずかな従者と唐犬3匹、鶏二羽という侘びしさであった。米良の山人は、その親王の一族を「神」として迎え長く祀った。神楽はその哀史と雅な宮中神楽を伝え、さらに山人の信仰を織り込みながら五百数十年の年月を舞い継いで...村所神楽の大王様/美しき一夜(4)[西米良村「村所神楽」にて④]]【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<22>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 受け継がれてゆくもの/美しき一夜(3)[西米良村「村所神楽」にて]]【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<21>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    米良山系の神楽では、主祭神降臨の前座として「地舞」と呼ばれる「採り物舞(とりものまい)」が奏される。「挟舞」「初三舞」「幣差」など、鈴を振り、榊や御幣を掲げて舞う演目がそれである。「住吉」という、他の地区では独立した曲となっている演目が、主祭神降臨の序盤となっている例もある。「弓将軍」は「柴荒神」の地舞、「神垂」などの四人舞から三人舞、二人舞、そして一人劔へと展開してゆく太刀の舞が「綱荒神」の前曲すなわち地舞であると理解するまでに、不器用で鈍感な私は20年以上の年月を要した。そして、その地舞=採物舞の美しさに見惚れるようになったのも、神楽に通い続けた長い年月を経て後のことであった。振り上げ、振り下ろされる幣の美しさ、若い舞人の所作、扇の返し、そして弓の華麗さや太刀のきらめきなど、見ていて飽きることがないの...受け継がれてゆくもの/美しき一夜(3)[西米良村「村所神楽」にて]]【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<21>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 美しき一夜(2)ー天空の神々が降りてくる/西米良村「村所神楽」にて②【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<20>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    今年の村所神楽は、悪天候のため村営スポーツセンターでの開催となったが、12年に一度の「大祭」の折にだけ立つ「本注連(ほんしめ)」が立った。中央に高い一本の注連柱が立ち、その右手に99本の金幣が立つ、この神楽本来の御神屋の設営である。普段は略注連といい、三本の注連柱が立ち、金幣は立たない。この美しい造形美を持つ注連柱に天空にいます八百万の神々が降臨するのである。写真は20・・年の撮影。神楽が舞い進められ、2時間近くを舞い継がれる「地割」のところで大雪となった。注連柱を雪が荘厳し、御神屋にも降り積もったが、舞人たちは淡々と舞い進めた。その後、会場を隣接する公民館に移して神楽は続行されたが、20年に一度か二度訪れる大雪の神楽は、この世のものならぬ美しき一夜を演出したのである。今後、悪天候の際には今回と同じ対応が...美しき一夜(2)ー天空の神々が降りてくる/西米良村「村所神楽」にて②【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<20>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 美しき一夜/西米良村「狭上神楽」にて【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<19>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】 ☆

    *本文は作業中。美しき一夜/西米良村「狭上神楽」にて【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<19>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】☆

  • 本日西米良村「村所神楽」へ【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<19>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    西米良村「村所神楽」へ。只今、ウォーミングアップ中。本日は雨の予報が出ているため、村営体育施設での開催。外の風情はないが、広いし寒くはないので「大王様黒い翁面」や菊池の殿様「八幡様」など難しいテーマに挑戦してみよう。行く前に疲れないように、そろそろ休憩しよう。【西米良・村所神楽】南北朝伝承と米良山系の神楽の源流。600年の歴史を有する神秘の神楽・本日開催・米良山系の西端に位置する西米良村村所地区に伝わる神楽です。南北朝伝説を秘める「大王様=懐良親王」やその一族、南朝を支援した肥後の豪族・菊池一族の物語などが展開されます。神楽後半では土地の神様や狩りの神様などが降臨。中世の絵巻を見るような優美な神楽と米良の山人の生活詩が織り交ぜながらくり広げられます。本日西米良村「村所神楽」へ【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<19>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • [稲荷」は山の神だった]西米良村「狭上神楽」の一夜/究極の神楽へ行く道【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<18>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    【「稲荷」は山の神だった】九州脊梁山地の神楽を伝える村に山上から稲の束を咥えて下ってきた狐がその稲穂を落とした所が稲の稔る土地になった、とする伝承がある。そこにはおおむね、山の神をまつる祠があり、磐座祭祀や古墳祭祀の跡がみとめられる。縄文時代の焼畑農耕の時代を経て山地栽培の陸稲(オカボ)から水田栽培の稲作へと移行する「稲」の起源を物語る遺稿であろう。稲荷神はやがて山の神信仰・大山祇命信仰・山姥信仰・倉稲魂命信仰などと混交しながら稲の生育を見守り、豊穣の稔りを約束する「稲荷信仰」へと展開した。30メートルにも及ぶ絶壁の上の岩場で伝承者二人が古式の稲荷舞を舞い次なる伝承者となる若者たちに伝えたという地区もある。諸国の山巡りをしてきた山の神が村に幸いを授けるために立ち寄ったとする伝承もある。里人の祈りは神楽の稲...[稲荷」は山の神だった]西米良村「狭上神楽」の一夜/究極の神楽へ行く道【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<18>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 「お使い様」は狐面/狭上神楽スケッチ【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<17>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    【「お使い様」は狐面】米良山系・一ツ瀬川の源流部の山中の一軒家に「狭上神楽」が伝わっている。そこへ行くまでには、四輪駆動車を手配して険しい山岳の道を30分も辿らねばならない。山頂に大山祇命の陵墓と伝えられる古墳があり背後に山岳修験の行場と思われる岩場が控えている。神楽は古来の山岳信仰に大山祇命信仰、修験道、南朝の落人の秘史などが重複しながら伝えられてきたのである。神楽が佳境に入ると主祭神である稲荷神が降臨し、続いて美しい女面の奥方様、大ぶりの狐面をつけた「眷属様」が降臨する。御狐様は、大山祇命の陵墓を守る守護獣、山の神の使い、焼畑農耕時代の陸稲栽培から水稲栽培へと移行した稲作神話の語り部などの性格を併せ持ち、村人に寿福と秋の稔りをもたらす聖獣であった。「お使い様」は狐面/狭上神楽スケッチ【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<17>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 星宿神降臨/米良山系の「宿神」の分布について【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<16>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    掲図は東米良・中之又神楽の「宿神」。米良山系の神楽には「宿神」が分布する。伝承によれば、「宿神<しゅくじん>」とは、宇宙星宿・神羅万象を支配する星宿神、神楽の主祭神として降臨する。広大な米良山系の山々は、秘境といわれ、他郷との交渉の限られた地域であったが、平家の落人伝承や南北朝期の南朝の落人・肥後菊池氏の入山伝承などがあり、山脈を結ぶ修験・山伏のルートもあったことから、広範な文化を受け入れ、醸成し、伝え続けてきた地域であることもわかるのである。ことに「山神」は、南朝すなわち「王家」に伝わる儀礼としての仮面祭祀が想定され、神楽とともに入山したとする伝承はなんらかの「事実」に基づくデータであると考えても不思議ではない。米良山の宿神分布をみてゆくと、これまでに明らかにされてこなかった「宿神」の秘密の一端に触れる...星宿神降臨/米良山系の「宿神」の分布について【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<16>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 「星宿信仰」と「神楽」について【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<15>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    神楽の舞われている村の上空を冬の星座が巡ってゆく。東方の山岳から、オリオンが次第に立ち上がってくる。私は、一晩中舞い続けられる神楽の御神屋の上空を巡りゆく星座をみながら、星宿信仰と神楽とは何らかの関連があるに違いない、と確信し、観察を続け、資料を集め続けてきたが、まだその明確な答えは得られていない。そのような折、「銀鏡神楽は星の神楽である」というような情報が乱れ飛び、多くの人がそれを鵜呑みにしている現象をみて、前回、以下のような文を書いたのである。☆[銀鏡(しろみ)神楽は「星の神楽」ではありません]・近年「銀鏡」をテーマとした映画が作成され、その映画の序盤が「星の舞」と「星宿信仰の儀礼」から始まるので、銀鏡神楽を星の神楽と思い込んでいる人が多数おられますが、銀鏡の星に関する演目は大祭前日に一曲だけ舞われる...「星宿信仰」と「神楽」について【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<15>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 究極の神楽へ行くこと 銀鏡(しろみ)神楽への道【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<14>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    最近、私のもとへの「銀鏡神楽」についての問い合わせや訪問者が、増えています。来週は銀鏡神楽の大祭なので、さらに増えることが予想されます。そこで、銀鏡神楽についての私見をここに記しておきます。これは銀鏡に通い始めて30年を超える私の解釈と感想であり、多くの取材仲間や銀鏡神楽愛好家の共有する視点だと思っているからです。まず、銀鏡神楽は全国の神楽を俯瞰してみても群を抜いた存在であり、貴重な歴史遺産であり、「究極の神楽」に数えられるひとつと私は思っています。四日間を要する「祭り」の期間、その構成、伝承の多彩さ、そこに含まれる古風とそれを伝え続けてきた伝承者の方々の誇り高い精神と気概などが、見るものを圧倒しながらもいつしか神楽の神秘空間に誘い込み、感動を共有することができるからです。その全貌と内容については多くの研...究極の神楽へ行くこと銀鏡(しろみ)神楽への道【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<14>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

  • 神楽の治癒力【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<13>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

    二週間前の椎葉・栂尾神楽を見ながら、スズメ蜂酒を飲みすぎた時のような、脳内出血寸前の症状が出たので、次の週のの高千穂・秋元神楽には用心しながら出かけた。よほど中止しようかと思ったが、コロナ過を経て4年ぶりの開催なので、秋元の皆さんに会い、挨拶がしたかったのと、中学2年生の飯干蔵人君が立派な舞人(高千穂ではほしゃどん=奉仕者殿という)に育っており、秀逸の神楽画を描く画人に育ちつつあることなどを見聞きしていたので、その舞いぶりを見、絵の話などもしたいと思ったのである。秋元は、30年以上前に、神楽探訪の旅を始めた頃に訪れ、その後「高千穂・秋元エコミュージアムプロジェクト」に招かれて通い続けたなじみ深く、愛着のある村である。その村の入口に立つと、誰もが故郷の村に帰って来たような感懐に抱かれる。戸数50戸に満たない...神楽の治癒力【神楽を描くアートプロジェクト「神楽を伝える村へ」<13>/2023-2024MIYAZAKI神楽紀行】

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