剣豪の一筆/宮本武蔵:枯木鳴鵙図と五輪書【かさこそ森の読書時間<12>】
*五輪書の画像は作業中。江戸期の剣豪・宮本武蔵に関する資料は、30歳までの決闘・決戦の記録・伝聞以外は、50歳を過ぎて各地の大名のもとに現れ、60歳になって肥後細川公の客分として招かれてその地で没するまでの二年余りの時期の他は皆無に等しく、現在武蔵象として定着している剣豪・豪傑談は、後世のフィクションによるものが多いのだという。唯一、確かな資料は武蔵筆になる「五輪書」だけだという研究者もいるほどである。掲出の「五輪書」にはその武蔵筆の「五輪書」全文と、兵法二十六ケ条、没後130年ほど後に伝聞・伝承・聞き書きをもとにまとめられた「二天記」が収録されており、参考になる。これを通観すれば、吉川英治はこれらの資料をもとに文豪としての筆によって、武蔵象を創造し、その実像に近づき、さらにはその筆力染ま物を武蔵と同化す...剣豪の一筆/宮本武蔵:枯木鳴鵙図と五輪書【かさこそ森の読書時間<12>】
2024/01/31 09:19