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おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 侵攻の結果

    プーチンさんはウクライナ侵攻で良いことが起きると期待しているのでしょうが、アフガニスタン侵攻で結局ソ連が崩壊したことを覚えていないのでしょうか?【ただいま読書中】『平安貴族の住まい──寝殿造から読み直す日本住宅史』藤田勝也著、吉川弘文館、2021年、1700円(税別)平安京は大路・小路で東西南北に仕切られ、その最小単位は「方一町(東西一町(約120m)×南北一町つまり14400平方メートル)」。上級貴族(いわゆる公卿)の屋敷は、この方一町が基本でしたが、藤原氏嫡流の東三条殿はこの方一町二つ分の広さを誇っていました。貴族は街路に沿って築地塀を築きその中に寝殿造の住居を建設しました。対して、十世紀後半頃から登場した「町屋(町人の住居)」は直接街路に面していました。寝殿造も町屋も、建物は現存していません。ただ、絵巻物...侵攻の結果

  • ジャパニーズ・チェス

    もしチェスが日本で生まれていたら、「キング」は「天皇」か「将軍」で、さらに「譲位」システムが実装されたでしょう。それによって天皇は上皇に、将軍は大御所になり、新しい天皇や将軍がその地位を継ぐのです。そして「クイーン」は行動範囲が「城内」に制限されることになったでしょうね。【ただいま読書中】『舌を抜かれる女たち』メアリー・ビアード著、宮崎真紀訳、晶文社、2020年、1600円(税別)先日読書した『説教したがる男たち』と同じジャンルに属する本です。『オデュッセイア』の冒頭に、テレマコスが母親のペネロペイアに向かって「公的な場で話をするのは、男の仕事だ」と王宮の大広間から追い出すシーンがあります。「女性に公的発言を禁じる」のは、古代からの西洋文化の伝統です。そしてそれは現代にも保存されていて(『説教したがる男たち』で...ジャパニーズ・チェス

  • ペア競技

    「ペア」といえば「男女」の組み合わせ、が定番ですが、たとえばフィギュアスケートの「男と男のペア」なんてのはどうでしょう。ふたりが同時に4回転ジャンプをしたら、すごい迫力じゃないです?あるいは「男女」だけど「国籍が違う組み合わせのふたり」。これはオリンピックでは無理でしょうが。【ただいま読書中】『がん免疫療法とは何か』本庶佑著、岩波書店(岩波新書1768)、2019年、760円(税別)「癌の免疫療法」は百年以上前から言われていました。最初に唱えたのはアメリカの医師ウィリアム・コーリーで、ジフテリアの毒素を投与したら癌が治る、と報告したそうです。そういえば日本でも半世紀くらい前に丸山ワクチンという結核用のワクチンが“抗癌剤"としてブームになりましたっけ。これらの「免疫療法」は、基本的に「人の免疫システムを使って癌細...ペア競技

  • 禁治産者

    戦前の日本女性は、選挙権を持っていませんでした。財産を処分する権利も持っていませんでした。戸主にもなれません(例外的に家族に男が全くいない場合だけは「女戸主」になれましたが、養子が入ってきたらすぐに男が戸主になりました)。つまりは、戦前の女性は現在の禁治産者と同じ扱いです。ときどき「戦前の日本」を美化する女性がいますが、そんなにご自分が禁治産者になりたいのか、とその破滅願望には驚きます。それとも、「女は黙っとれ」と言ってもらいたいのかな?【ただいま読書中】『説教したがる男たち(原題:MenExplainThingstoMe)』レベッカ・ソルニット著、ハーン小路恭子訳、左右社、2018年、2400円(税別)「徹底して無知でありながら、完璧で挑戦的なまでの自信に満ちた態度」は「特定のジェンダー」と結びついている、と...禁治産者

  • 謝罪のふり

    不祥事がばれた日本の政治家は、散々もったいをつけてから「謝ってやるからありがたく思え」と言わんばかりの口調で謝罪(のふり)をします(しないで逃げることもあります)。ただし、たとえ謝罪をしたとしても、贖罪は絶対にしませんね。だからこそ私は「謝罪のふり」と判断できるのですが。【ただいま読書中】『「研究室」に行ってみた。』川端裕人著、筑摩書房(ちくまプリマー新書223)、2014年、860円(税別)著者がまず「行ってみた」のは、以前『バッタを倒しにアフリカへ』で強烈な印象を私に与えてくれた前野ウルド浩太郎さんの「研究室」というか、アフリカの砂漠。おりしも大発生を始めたサバクトビバッタの群れに著者は大興奮ですが、前野さんがもっと興奮しているのが笑えます。意外な言葉もあります。ある程度研究が進んで、そこからさらに世界に飛...謝罪のふり

  • 一粒の汗

    「Uber」とか「menu」とか、デリバリーアプリのDMが我が家によく届きます。店の人は料理を作るのに汗をかきます。配達人は配達で汗をかきます。だけど、店と配達人と客の間の情報を仲介するだけで、一粒の汗もかかない業者が、一番金を稼げる、というのは、なんだか釈然としない思いです。【ただいま読書中】『14歳からの宇宙論』佐藤勝彦著、益田ミリ漫画、河出書房新社、2015年、1300円(税別)まずは相対性理論、ついでビッグバン宇宙論について、わかりやすい解説があります。ビッグバンの根拠となった宇宙マイクロ波背景放射が、学者ではなくて電話会社の研究員によって発見された(そして彼らがノーベル賞を受賞した)、というエピソードも楽しめます。「真空の相転移」「インフレーション理論」など、実際に“その時"“その場"にいて論文を書い...一粒の汗

  • 同性婚への反発と男女同権への反発

    同性婚に対する保守派の反発は、「同性が結婚すること」も重要な原因でしょうが、もう一つ、外形的に「両者が平等である」(「男が女に対して優位であること」が保たれていない)ことにも原因があるのかもしれません。日本では、憲法の文面はともかく、実質としては女性は男性の“下”におかれています。それは、婚姻で男女どちらの姓が選択されるか、戸籍で筆頭者が男女のどちらか、給料が同じか、議員や社長の男女比がどうなっているか、などを見たらすぐにわかるでしょう。そして「男>女」であることが無条件に大好きな人がいます(実際に私自身、昭和のそういった文化で育った影響で、現在でも「男>女」と心の底では信じているフシがあります)。ならば、同性婚であってもどちらが「夫」でどちらが「妻」かの分担をあらかじめ決めておき、さらに「夫が絶対で妻は夫に隷...同性婚への反発と男女同権への反発

  • 統計不祥事

    日本のお役所には、小学校に戻って、国語と算数と道徳の授業をやり直す必要がある人が、多いようです。もちろん「国語」が最優先です。算数と道徳の教科書を正しく読む必要がありますから。【ただいま読書中】『月と人の歴史と物語』デイヴィッド・ウォームフラッシュ著、露久保由美子訳、原書房、2021年、2500円(税別)年代順に100のエピソードで「月と人」について語った本です。最初は45億年前「月の形成」から。そして月の地質年代についての記述が続きます。しかし、月に火山活動があったとは、その熱源はどうやって供給されていたんでしょうねえ。紀元前8000年にはすでに太陰暦があった、とか、紀元前4〜2世紀には「月は球体である」「地球は球体である」「太陽は地球よりはるかに大きい(だから「太陽が地球の周囲を回る」のではなくて「地球が太...統計不祥事

  • プライドではなくて見栄

    「プライドが邪魔をして……」という言葉があります。だけどプライドは、「邪魔をするもの」ではなくて「見えないところで自分をしっかり支えるもの」ではありませんか?【ただいま読書中】『美人コンテスト百年史──芸妓の時代から美少女まで』井上章一著、新潮社、1992年、1165円(税別)昔から人は「美人(の品定め)」に敏感です。『古事記』には「妹は美人だが姉は不美人」なんて記述がありますし、『源氏物語』の「雨夜の品定め」は有名です。江戸時代にはメディアが「美貌のランク付け」を始めました(はじめは「遊女評判記(遊郭の遊女のランキング)」、18世紀になると「娘評判記(市井の小町娘のランキング)」。それに投票や合議という“システム"が加わったのが明治時代でした。1883年(明治16年)東京日日新聞が「美人共進会」(全国から美人...プライドではなくて見栄

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