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ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 女子学生亡国論

    1960年代にあった、社会に対して貢献しない女子が中学や高校卒業後に家事手伝いなどの花嫁修業をせずに高等教育を受けると「優秀な男子学生」が大学からはじき出されることによって、国力が落ちて結局日本が滅びる、という主張です。ということは、日本はすでに亡びているんですよね。どこぞの医学部の女性入試差別などを見ると「女子学生亡国論」そのものは半世紀経ってもまだ滅びていないようですが。【ただいま読書中】『ILOの創設と日本の労働行政』吉岡吉典著、大月書店、2009年、3000円(税別)1919年のベルサイユ平和条約には「人道的な労働条件を確保」することが「世界平和」に必要で、そのための国際機関設立が謳われました。同年10月には第一回ILO総会が開かれ「8時間労働(週48時間に制限)」「失業」「婦人や児童の労働」などについ...女子学生亡国論

  • 言葉は文字列

    「家内」や「奥さん」という言葉(あるいはそれを使う人)を、「女性を閉じ込めようとしている男女差別論者だ」と非難する人がいます。そういった人にとっては「言葉が実際にどのように使われているか」よりも「言葉の見かけ」や「言葉の出自」の方が重要なのでしょう。ところでそういった人たちはご自分のことを「お前」とか「貴様」とか呼ばれたら、喜ぶのでしょうか?「言葉の出自」は「御前」「貴い様」、つまりとってもありがたいことばなのですが。さて、お前はこのことを、どう思う?【ただいま読書中】『神社の起源と歴史』新谷尚紀著、吉川弘文館、2021年、2000円(税別)まずは「神社」が存在しなかった時代から。2003年に、紀元前10世紀後半には九州北部(玄界灘沿岸)で稲作が始まっていたことがわかりました。そこから稲作はゆっくり広がり、65...言葉は文字列

  • にらみ

    将棋の世界には「羽生にらみ」という言葉があります。羽生さんが眼鏡の奥からやや上目遣いに相手をにらむ、実に怖い目つきのことです。ところが本日の本の巻頭、もっとこわい「にらみ」がありました。佐々木勇気六段の、殺気丸出しの「にらみ」です。盤のこちら側に座っているのは藤井聡太四段(当時)。歴代トップの公式戦29連勝を達成し、この対局に30連勝がかかっていました。「そんなに簡単に“連勝の餌食"になるわけにはいかない」という先輩の意地が「殺気」となって放出されていたのでしょうが、もし視線で人が殺せるなら、この佐々木さんのにらみで何人も即死者が出ていたことでしょうね。将棋は、精神的な格闘技なのかもしれません。【ただいま読書中】『師弟──棋士たち魂の伝承』野澤亘伸著、光文社、2018年、1400円(税別)将棋界の「師弟制度」は...にらみ

  • 「シュークリーム」は日本語?

    和製英語ということばがありますが「シュークリーム」は「シュー(フランス語)」+「クリーム(英語)」ですから和製英仏語?ちなみに「シュークリーム」はフランスでは「シュー・ア・ラ・クレーム」、英語圏では「クリーム・パフ」と言うそうです。日本でしか通用しない言葉は、つまりは「日本語」ということ?【ただいま読書中】『シュークリームの発想と組み立て』誠文堂新光社、2021年、3400円(税別)東京と神奈川の「シュークリームの名店」10点で、どのような「シュークリーム」をどのように作っているか、を詳しく紹介してくれる本です。登場するのは「PatisserieduChefFUJIU」「ベルグの4月」「Sucre-rie」「Arcachon」「PatisserieYuSasage」「ENVEDETTE」「PATISSIERSH...「シュークリーム」は日本語?

  • 錯覚

    列車に乗って駅で停車しているとき、隣の列車が動き出したときにそれを自分の方が動き出した、と錯覚することが時にあります。これは別に身の危険を招く錯覚ではないので笑い話にすれば良いのですが、先日はちょっと危ない錯覚をしてしまいました。車の出入りが激しい駐車場で、駐車しようとしてバックで区画に入れて停車寸前、突然自分の車が後方に加速しているように感じたのです。慌ててブレーキをぐっと踏みましたが、それでもどんどん後ろに進んでいるように感じられます。つまり、私が停止しようとするのと同じタイミングで右隣の車が発進したのですが、それを私は「隣の車は停止していて、自分の車が後ろに加速している」と視覚的に錯覚したのでした。いやいや、冷や汗をかきました。ぐっと踏んだのがブレーキで良かった。これが踏み間違えてアクセルを踏んでいたら、...錯覚

  • 言葉からわかること

    根拠なく想像だけで物を言う人間の言葉からよくわかるのは、「真実」や「事実」ではなくて「その人の想像力の限界」です。【ただいま読書中】『アクセサリーの考古学──倭と古代朝鮮の交渉史』高田貫太著、吉川弘文館、2021年、1800円(税別)5〜6世紀の朝鮮は、北は高句麗、南には新羅・加耶・百済がお互いに敵対したり協力したりの争いを繰り返していました。そこに倭も関係しています。その交流については、各地で出土するものを見れば、ある程度見当がつきます。新羅の耳飾りがいくつも倭にあれば、それは新羅の人が贈った(送った)わけです。そこには何らかの意図があるはずですし、受けた側がそれを使っていればそこにも何らかの思惑があるはず。耳飾り、冠、帯金具、首飾り、腕輪、指輪……写真が豊富に収載されて、各地の特徴がわかりやすくなっています...言葉からわかること

  • 新しい物好きはほどほどに

    新型コロナウイルスで現在注目されているのは新顔の「オミクロン株」です。で、オミクロンはデルタより軽症だから感染対策はもう手を抜いても良い、と熱心に語っている人が多くいます。だけど“古顔"は絶滅したわけではなくてまだ何割かはデルタでしょ?新顔に夢中になって古いのを無視していたら、まだ現役の古顔からの逆襲を食らってしまいません?【ただいま読書中】『幻の本土上陸作戦──オリンピック作戦の全貌』NHK「果てしなき殲滅戦」取材班+中津海法寛著、祥伝社(祥伝社新書634)、2021年、880円(税別)沖縄戦の最中、アメリカ軍は“その後"を考えていました。海上封鎖で弱らせる案もありましたが、日本側の「決意」があまりに固いため、強硬策しかない、と「ダウンフォール作戦」が立案されます。この作戦は「オリンピック作戦(南九州に上陸、...新しい物好きはほどほどに

  • 試験の公平性

    「受験機会」や「合否の判定」が「公平」であることが「公平な試験」の絶対条件でしょう。しかし現在の大学入試の「共通テスト」、科目選択でどちらが有利とか、「国公立と私立で扱いが違う」とか、制度設計が最初から「不公平」になっています。そこにさらに、受けた方が得とか損とかが後付けで加わったわけ。こんな不公平な試験で人生を決定されて、受験生の皆さん、納得できるのかな?【ただいま読書中】『アボカドの歴史』ジェフ・ミラー著、伊藤はるみ訳、原書房、2021年、2200円(税別)アボカドは他の多くの植物と同様、動物に種ごと実を食べてもらい別の場所で排便してもらうことで自分の棲息範囲を広げる戦略を選びました。ところがアボカドがターゲットとしていた大型草食動物の多くは更新世に絶滅。生き残った大型草食動物(象、馬、バイソンなど)はアボ...試験の公平性

  • 座右の銘

    誰かからの借り物の言葉。【ただいま読書中】『感覚が生物を進化させた──探索の階層進化でみる生物史』実重重実著、新曜社、2021年、2500円(税別)「生物の分類」は時代によって変化しますが、現在は「分子系統解析」の手法が主流となり、「原核生物」が複数共生することで生まれた「真核生物」から多種多様な生物(主な幹は「アメーバ」「動物菌類」「植物」「ゾウリムシ」「ミドリムシ」「ケイ藻」「円石藻」「タイヨウチュウ」の8種)が生まれたとされています。ミドリムシは、葉緑体を持ち、昼は浮かび上がって光合成をし夜は沈みます。光合成が十分できない場合には遊泳して細菌を捕まえて食べる、植物のような動物のような単細胞生物です。光を求めて運動をするので、光を感受する器官を持っています。遊泳中にミドリムシはくるくる回転し、それによって光...座右の銘

  • まん延防止

    沖縄県では、呑み屋を閉鎖するよりも基地を閉鎖する方がよほど効果的なのでは?【ただいま読書中】『不条理日記完全版』吾妻ひでお作、復刊ドットコム、2019年、2500円(税別)「不条理」「SF」「ロリ」「エロ」などで一世を風靡した作者ですが、先日「亡くなって2年」ということを改めて思い出して、本書を読む気になりました。そういえば『失踪日記』の読書記録をこのブログに書いたのは、何年前のことになるでしょう?もう十年以上経つかな?ディック、ブラウン、クラーク、ベスター、星新一、ボブ・ショウ……彼らの代表作をほんの一コマ(長くてもたった数コマ)でパロディーとして表現してしまう、もうこれは笑うしかありません。原作の見当がつかないものも混じっていますが、それでも面白い。それに、作者が書く女の子って、可愛いんですよね。こんな漫画...まん延防止

  • 「あの時代」

    安倍時代のこと?──未来の日本人【ただいま読書中】『ノー・ガンズ・ライフ(2)』カラスマタスク作、集英社、2015年、600円(税別)さて、EMSという新しい組織が登場します。これは復興庁の中にある拡張者対策局ですが、前身は軍の警察で、拡張者関連の犯罪を統括しています。で、乾十三はそこの局長とコネがあって、お互いに持ちつ持たれつ、でも完全には信用できない、というきわどいバランスを保つことが必要な関係を保っています。で、前巻で「守ってくれ」と依頼された子供(名前は鉄朗)の安全を確保するために、十三はEMSからの極めて危ない依頼を受けることになります。戦争の時に最初に作られた「第一世代」の拡張者に対する連続殺人事件の解明です。いやもう、危なすぎるでしょう。「戦場で一緒に活動した特殊チームのメンバーが、戦後に次々殺さ...「あの時代」

  • 読んで字の如し〈人偏−12〉「何」

    「如何物食い」……いかんなものを食べる「幾何」……幾って何?「何様」……「何」という姓のお客さま「何時」……なんじかいつかわからない「何時の間に」……なんじといつの間に「何曜日」……「何」という曜日「何する」……何をするかはわかっている「何するんだ」……何をされたかはわかっている【ただいま読書中】『交通誘導員ヨレヨレ日記』柏耕一著、三五館シンシャ、2019年(20年9刷)、1300円(税別)本書出版時点で著者は73歳。「最底辺の職業」と自嘲する交通誘導員の仕事をヨレヨレになりながら体験したことを集めて日記形式に再編集した本です。その仕事ぶりを読んでいて、私がいかに想像力が乏しいか、思い知らされました。工事現場などで1日中交通誘導をしている人たち、たとえばトイレはどうしているかを考えたことがなかったので。経営して...読んで字の如し〈人偏−12〉「何」

  • 男らしさ

    「学究肌の科学者」「冷静で優秀なエンジニア」「情熱的なプレイボーイ」「マッチョな監督」「暴力的な強姦魔」……これらはすべて「女性」よりは「男性」にふさわしい姿に見えます。つまりどれも「男らしい」。でもこれらをひとりの人間でいちどにすべて満たすことは困難そう。では「男らしさ」の本質って、何でしょう?【ただいま読書中】『ジェンダーと脳──性別を超える脳の多様性』ダフナ・ジョエル&ルバ・ヴィハンスキ著、紀伊國屋書店、2021年、1800円(税別)17〜18世紀のヨーロッパで平等主義が広まると、「男と女は平等か」という大問題が持ち上がります。その判定は「宗教」にではなくてより公正そうな「科学」にゆだねられました。そこで起きた議論のまあ面白いこと、様々な主張が持ち出されますが、一貫しているのは「男は女より優秀」という思想...男らしさ

  • イセイ

    異性との結婚は当然なのに、異星人との結婚はまともなこととされないのは、なぜでしょう?【ただいま読書中】『ノー・ガンズ・ライフ(1)』カラスマタスク作、集英社、2015年、600円(税別)戦争中に兵士の能力を向上させるために「身体機能拡張処理」技術が開発されました。拡張された能力は人本来の脳では上手く操縦できないため「補助脳」が設置され、人間離れした能力を発揮する人たちは「拡張者」と呼ばれます。九龍城塞を思わせる渾沌とした戦後都市で、頭全体が巨大なレボルバーに改造された拡張者「乾十三」は、拡張者が起こすトラブルを解決する「処理屋」を営んでいました。その事務所を訪れた剣呑な雰囲気の拡張者から依頼されたのは、自分が誘拐したとされる子供を守って欲しい、というものでした。そして、それは、街を支配する巨大企業ベリューレン社...イセイ

  • AIと勝負

    もしもAIと勝負しなくちゃいけなくなったら、私は丁半のサイコロ賭博を選択します。これなら確率的に良い勝負になるはずですから。でも、たとえば1億回もサイコロを振るのは、面白くないでしょうね。あ、それも「サイコロを振るAI」に任せればいいのか。【ただいま読書中】『イメージと読みの将棋観ファイナル』日本将棋連盟、2021年、1640円(税別)難解な局面の棋譜を示して、そこで何を考えるかを棋士たちにそれぞれ語ってもらう『将棋世界』の連載です。連載は2006年から始まり、様々な強豪棋士が登場しましたが、本書にまとめられたのは2019年〜20年の連載からの抜粋で、登場するのは、藤井聡太・郷田真隆・屋敷伸之・木村一基・糸谷哲郎・高見泰地・増田康宏(敬称略)という一流どころ。さらに藤井二冠(出版当時)のインタビューもついている...AIと勝負

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