chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2015/01/19

arrow_drop_down
  • 病気の根絶

    もしも「蚊が媒介する病気を根絶するためには、蚊を全滅させれば良い」という発想が正しいのなら、「中国が発祥の病気を根絶するためには、中国人を全滅させれば良い」も正しいことになるのでしょうか?【ただいま読書中】『人類と感染症、共存の世紀──疫学者が語るペスト、狂犬病から鳥インフル、コロナまで』デイビッド・ウォルナー=テーブズ著、片岡夏美訳、築地書館、2021年、2700円(税別)COVID-19によってロックダウンが行われている中で著者は本書を書きました。本書の校了後COVID-19についてはまた新しい知見がいくつもあるでしょうが、本書はCOVID-19についての本ではありません。COVID-19もその一部である「世界」についての本です。獣医である著者は「人畜共通感染症」に特に注目しています。これが「新興パンデミッ...病気の根絶

  • 本当?

    通販番組で「割引は今から30分以内」とか「今からオペレーターを増員してお待ちしております」とか言っています。これはつまり消費者をせかしているわけですが、「このCM、前にも見たことあるぞ」と気づくと、その台詞の信憑性も疑いたくなりました。いや、「今から30分以内」はまだしも、深夜にオペレーターを急に増員するなんて、無理でしょ?【ただいま読書中】『松山収容所──捕虜と日本人』才神時雄著、中央公論新社(中公新書195)、1969年、200円著者は「シベリアでの捕虜生活」を経験しました。本書では「マツヤマ」が扱われますが、それは著者がロシアで「君はマツヤマを知っているか」と地元の老人から問われたことが発端となっています。彼は日露戦争で日本軍の捕虜となり、四国の松山収容所で暮らした経験があったのです。「捕虜」を歴史的に見...本当?

  • 日本の一夫多妻制度

    「大奥」まで遡らなくても、たとえばちょっと昔を見ると「女遊びは男の甲斐性」「妾」「赤線・青線」、わりと最近なら「愛人クラブ」「援助交際」「パパ活」など、日本社会では(建前はともかく)実質的に「ゆるやかな一夫多妻制」が公認(あるいは黙認)されているのではないです?【ただいま読書中】『古代エジプト人の24時間──よみがえる3500年前の暮らし』ドナルド・P・ライアン著、市川恵理訳、河出書房新社、2020年、2300円(税別)古代エジプトでは1日は24時間で「夜の12時間」と「昼の12時間」に分けられていました。エジプト人の生活について記録に残されているのは王族とか神官とか限られた層のものですが、それでも庶民の暮らしについてある程度はわかります。本書では「1時間」ずつ古代エジプトを切り取って、計24の物語で古代エジプ...日本の一夫多妻制度

  • 「われわれ」の範囲

    バッハ会長が「五輪実現のためにわれわれは犠牲を払わなければならない」と言ったのは、「日本人は少々死んでも良い」という意味ではなくて「我々五輪貴族や訪日するアスリートは五輪実現のために何らかの犠牲(行動制限など)を」という意味だ、という“解釈”がネットに流れています。するとバッハ会長にとっての「われわれ」って、つまり「日本人は除外」ということになるのかな?で、除外されて喜んでいる(バッハ会長を必死に弁護している)日本人って、バッハ会長に「お前は『われわれ』ではないのだよ」と言われてどうして喜んでいるのでしょう?ところで「行動制限」は「犠牲」ですか?【ただいま読書中】『ヨーロッパの看板図鑑』上野美千代写真・文、光村推古書院、2020年、2800円(税別)「これがあなたのお気に入りです」と誰かに情報を注入してもらうの...「われわれ」の範囲

  • 看護の男女別

    昭和の頃には「看護婦」が一般名詞で、精神病院などに少数存在していた「男の看護婦」はたしか「看護人」と呼ばれていました。それが今では「看護師」と男女平等の名前になっています。これだとまるで「女の職場」に男が進出してきて居座ったみたいな感じですが、アンリ・デュナンが国際赤十字を結成した頃には戦場で働く救護者は男性限定だったはずだし、日本赤十字の前身である博愛社が西南戦争で活動したときもメンバーは男だけ。すると「男」→「女」→「男女」と「看護の職場」は変遷してきているようです。最初から「男でも女でも」で良かったのではないか、なんてことも思いますが。【ただいま読書中】『日本の従軍看護婦──養成・派遣制度から制服・靴下まで』西堀岳路著、新紀元社、2019年、4500円(税別)著者は新聞記者として終戦特集の記事を書いていて...看護の男女別

  • 代償としてのうま味

    民衆は権力者に成功を期待します。いや、成功だけを期待します。その代償として、権力者には権力のうま味が与えられています。【ただいま読書中】『価格はアナタが決めなさい──輸入ビジネスに学ぶ儲かる仕組み』大須賀祐著、集英社、2019年、1600円(税別)「良いものを安く大量に販売」は高度成長期の発想で、このデフレ時代には「良いものを高く(適正な価格で)販売する」ことが会社経営を安定させることになる、と著者は主張します。著者にとって「粗利率70%以上」が一つの目安だそうです。そして「価格を自分で決めること」がキーになる、と。ところが「自分が扱うものやサービスに自信が無ければ(他社のものと差別化ができなければ)」あるいは「他人が作った枠組みの中で商売をしていたら(たとえばメーカーが仕入れ値を決定していたら)」価格は他人が...代償としてのうま味

  • へんこうフィルター

    人が世界を見る時、偏光フィルターではなくて、偏向フィルターを通していることが多いようです。【ただいま読書中】『誰も知らなかった皇帝たちの中国』岡田英弘著、ワック、2006年、933円(税別)「(西洋の)ドラゴン」と「(中国の)龍」がまったく別物であるように、「(西洋の)エンペラー」と「(中国の)皇帝」は実はまったく別物です。中国では国ではなくてまず皇帝が存在し、その支配領域が「天下」と呼ばれます。さらに、中華思想では辺境は蛮夷の世界ですが、中国の皇帝の多くはその辺境から出現しているのです。東夷・北狄・西戎・南蛮の人たちは、その中央に集まって交易を行いました。自然にそこには「市」そして「都市」が発生します。歴史に知られる最初の都市は東夷の「夏(か)」。そこに定住した人たちが後に「中国人」になっていった、と著者は考...へんこうフィルター

  • 進化

    生物が環境に合わせて自らを変化させて環境に適応させていく現象を「進化」と呼びます。しかし新型コロナウイルスが同じことをやると「進化」ではなくて「変異」と呼ばれます。【ただいま読書中】『都市で進化する生物たち──“ダーウィン”が街にやってくる』メノ・スヒルトハウゼン著、岸由二・小宮繁訳、草思社、2020年、2000円(税別)「自然」と聞いたとき私たちは「人の手が入っていない」というイメージをそこに無意識に張り付けています。しかし、ヒトはあまりに繁栄してしまい、「ヒトの手が及ばない自然」はもうほとんど地球上に残されていません。キツい言葉を使うなら「地球はヒトによって汚染されている」のです。しかし生物は「環境」に適応します。たとえそれが「ヒトの影響を受けた環境」であっても。著者は「最もヒトによる影響が濃い環境」として...進化

  • ロスジェネも高齢化する

    1990年代半ばから2000年代半ばまで、就職氷河期に社会に出た氷河期世代「ロスト・ジェネレーション」の多くは「規制緩和」によって多業種で解禁された派遣労働・非正規雇用に就きました。この世代が高齢者となる2040年頃、日本社会の持続可能性さえ危機に瀕する「2040年問題」が発生することが確実視されています。あと20年でその対策を立てておかなければならないはずですが、50年前にすでに指摘されていた現在の少子高齢社会に対する政府の無策・無能ぶりを思うと、20年後のことは真剣に心配です。その時私はもう生きていないかもしれませんが、それでも心配です。【ただいま読書中】『老後レス社会──死ぬまで働かないと生活できない時代』朝日新聞特別取材班著、祥伝社(祥伝社新書622)、2021年、880円(税別)まず登場するのは警備会...ロスジェネも高齢化する

  • 本当に心配するなら金をくれ

    「あなたのことを思って」と頼まれてもいないのに要らないことに口を差し挟んで干渉しようとする人は、本当に「あなた」のことを思っているとは限りません。だって「あなた」が困っていないときには口を差し挟んでくるけれど、本当に困っているときには何も援助してくれないもの。【ただいま読書中】『18世紀パリ市民の私生活』アルフレッド・フランクリン編著、北澤真木訳、東京書籍、2001年、2400円(税別)18世紀パリで起こされた訴訟の判例集を読み解く本です。まずは訴訟趣意書が登場しますが、なんとも“文学的”です。一方の側だけの主張ですから、これで“真実”がわかるわけではありませんが、「自分がいかに正しいか」を切々と訴えるいかにも18世紀的な文面には、本人が企んでいないのにユーモアの雰囲気が濃厚に立ち上ってきます。「他人の不幸は蜜...本当に心配するなら金をくれ

  • 少子化ニッポン

    コロナ禍によって里帰り出産や産婦の実母を遠隔地から呼びよせての出産が現在とてもやりにくくなっています。会食禁止や「密」の禁止などによって、男女の出会いのチャンスも減っていることでしょう。結婚式を延期しているカップルも多いはず。すると数年後の日本は、今よりもっと激しい「少子化」の嵐に襲われていることに?【ただいま読書中】『データで読み解く「生涯独身」社会』天野馨南子著、宝島社(宝島新書538)、2019年、800円(税別)猛烈な勢いで進んでいる日本の少子化や未婚化の「実体」はどのようなものかを、「思い込み」ではなくて「データ」によって解明しようという本です。まず紹介されるのは「完結出生児数」という、聞き慣れないデータ。これは「初婚同士のカップルが最終的に持つ子供の数」のことですが、驚くなかれこの数十年大体「2」で...少子化ニッポン

  • 赤木ファイル隠蔽工作

    「公表はするが部分的に隠蔽をする」と政府は主張しています。隠蔽で得をする人は、ごく少数の人間に特定できるでしょう。でも隠蔽工作を実際にさせられる人は「やっても自分の利益には全然つながらないけれど、やらないと(業務命令を拒否したら)不利益を蒙る、と考えている一般の公務員」です。で、墨塗とか特定のページだけ抜き取って廃棄して抜き取った形跡が残らないようにする、とかの作業を本来は利害関係が無い公務員が現在せっせと隔離されてさせられているわけ。良心がある人は「自分が現在させられている隠蔽工作についての詳細な記録」を残しておいたらどうでしょう?それが将来公表されることで、それからは隠蔽工作がやりにくくなる、とか、日本の未来に少しは良いことが起きるかもしれません。公務員は、隠蔽工作で得をする少数者への奉仕者ではなくて全体の...赤木ファイル隠蔽工作

  • 「恥をかくこと」は嫌われますが、なぜでしょう。「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」ということばがあるように、「恥をかくこと」よりも「その恥に対して無自覚であること」を嫌うべきでは?生まれたときから何でも知っている、なんて人間はいないのですから。【ただいま読書中】『うんちの行方』神館和典・西川清史著、新潮社(新潮新書893)、2021年、720円(税別)トイレでジャーッと流したら、その行方には興味を持たない人がほとんどでしょう。しかしそれで良いのか?と著者は調査に出かけます。まずは下水処理場。次は便器メーカー。意外だったのは、「ハイテクトイレ」を作るメーカーの一番の注力ポイントが「節水」であったことです。戦前からある「ハイタンクの洗い落とし式(頭上にタンクがあって、鎖を引くと水が流れる)」だと20リットルの水が必要...恥

  • 認知症

    現在の「認知症」は、昭和の時代には「ぼけ」「痴呆」と呼ばれていました。真っ正面からそのテーマに取り組んだ有吉佐和子さんが『恍惚の人』で評判となったのは1972年(昭和47年)のことです。やがて「ぼけや痴呆はあまりにその人に失礼」という意見が高まり「認知症」という名前に変更されました。もっとも本当は「認知機能低下症」の方が正しいんですけど。さらに認知症に何種類もあることが知られると、その中の最大勢力である「アルツハイマー病」が認知症の代表とされ「アルツハイマー」が「認知症」の代名詞として使われることもあります。本当はそれ以外にも「認知症」はいくつもあるんですけどね。【ただいま読書中】『レビー小体型認知症──正しい基礎知識とケア』内門大丈著、池田書店、2020年、1800円(税別)認知症の50%はアルツハイマー型で...認知症

  • 緊急事態

    緊急とは「事が重大で、その対策などが急がれること」「重大で即座に対応しなければならないこと」などと辞書にはあります。しかし日本の政府の「緊急事態宣言」への対応を見ていると、とてつもなく腰が重い。もしかして「禁急事態」だとでも思ってるのかな?【ただいま読書中】『このTシャツは児童労働で作られました』シモン・ストランゲル著、枇谷玲子訳、汐文社、2013年、1600円(税別)ノルウェーのオスロで青春を謳歌しているエミーリエは、ひょんなことで、自分が買おうとしたTシャツが遠いバングラデシュで奴隷的な児童労働によって製作されたことを知ります。本書では、エミーリエが「児童労働に反対するグループ」に参加して活動をする過程をメインにしていますが、同時に、実際に児童労働をしているバングラデシュの少女リーナの生活もそこにからめて語...緊急事態

  • 攻撃者の謎

    水俣病が「奇病」だった時代、「奇病患者」は「気持ち悪い」とバッシングを受けました。実はメチル水銀が原因であることがわかり「チッソ」に「水俣病患者や家族」が抗議をすると「チッソ城下町でチッソに逆らうのか」とまたバッシング。裁判になり、賠償金を勝ち取ると「働きもしないで大金をせしめた」とまたまたバッシング。SNSがあったら、どうなっていたんでしょうねえ……というか、現在のSNS時代には、たとえば「風評」とか「炎上」という形で不当なバッシングをする人は多い。バッシングをしてそんなに楽しいのかなあ。可哀想な人を攻撃することがそんなに楽しいのだったら人格が変だし、楽しくないのだったらなぜ楽しくないことをそんなに熱心にやるのか、謎です。【ただいま読書中】『四大公害病』政野淳子著、中央公論新社(中公新書2237)、2013年...攻撃者の謎

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、おかだ外郎さんをフォローしませんか?

ハンドル名
おかだ外郎さん
ブログタイトル
ただいま読書中
フォロー
ただいま読書中

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用