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ただいま読書中 https://blog.goo.ne.jp/mxd00665

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • ストレスを感じない心

    多くの大学ではリモート授業をやっていて、その(大学に行けないことと孤独な生活を強いられている)ストレスで参ってしまっている大学生がたくさんいるそうです。そのことも心配ですが、「全然ストレスを感じていない」人の中に、過剰適応している人がいるのではないか、と、私はそちらも心配です。【ただいま読書中】『「戦場のピアニスト」を救ったドイツ国防軍将校──ヴィルム・ホーゼンフェルトの生涯』ヘルマン・フィンケ著、高田ゆみ子訳、白水社、2019年、2800円(税別)『戦場のピアニスト』の最後のあたりに登場してシュピルマンを救うドイツ国防軍の将校の意外な行動は非常に印象的でした。そのヴィルム・ホーゼンフェルトが戦場で書き残した妻との往復書簡や詳細な日記をもとにし、さらに彼が“救った”人たちの証言を加えて構成されたのが本書です。ヴ...ストレスを感じない心

  • 戦争と平和の道具

    私にとって「トラクター」は、農業のための機械ですが、同時に、第一次世界大戦でトラクターが「砲弾で耕された荒れ地となった戦場」で物資輸送に大活躍したことや無限軌道のトラクターをヒントに戦車が生まれたことも思い出します。トラクターは平和なときも戦争でも活躍できたわけですが、トラクター自身がその“活躍”を喜んでいたかどうかは、わかりません。できたら平和時の活躍だけを喜んでいて欲しいものですが、これは私個人の願望です。【ただいま読書中】『トラクターの世界史──人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』藤原辰史著、中央公論新社(中公新書2451)、2017年、860円(税別)トラクターには、農業・工業・軍事・林業の四種類がありますが、本書で扱われるのは農業用トラクターです。各国別の農業の歴史の中でトラクターはそれぞれ扱われていま...戦争と平和の道具

  • 色々なものが色々なものの夢を見る

    最初に本日の本のタイトルを見たとき私が思ったのは『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(P・K・ディック)でした。ところが最初の数ページで、全く違う話であることを私は知ります。違うものは違う夢を見るのです。【ただいま読書中】『潜水服は蝶の夢を見る』ジャン=ドミニク・ボービー著、河野万里子訳、講談社、1998年、1600円(税別)著者は、バリバリと仕事をしている編集者でしたが、43歳の時脳出血に襲われ、脳幹部が機能不全となり、知性は保たれているが身体で唯一動かせるのは左眼の瞼だけ、という「ロックトイン・シンドローム(閉じ込め症候群)」になってしまいます。しかし左眼の瞬きだけで「イエス/ノー」を伝達するだけではなくて「文字」を選択することで「執筆」ができるようになりました。本書は20万回以上の瞬きで“書かれた”本で...色々なものが色々なものの夢を見る

  • 死後の相談

    父親が死ぬ前に私は“その後”のことについてざっくりとではありましたが話ができていたので、死亡後にも特にトラブルなく遺産相続などができました。そこまでもめるほどの財産の大きさではありませんでしたが、それでもきょうだいの間で露骨な不公平があったらいけませんから、父親の遺志をベースにしてから不動産や動産を客観的に評価してもらってあとは「大体こんなものだろう」でざっくり分けました。ただ、個人の場合に、相続人の間で争いがなければ「ざっくり」でも大丈夫でしょうが、法的な立場にある「法人」の場合にはこれは大変でしょうね。社長に対して「あなたが死んだ後、会社はどうしましょうか」なんて言うのは「会社乗っ取り」でも画策しているようだし「社長のあなたはもうすぐ死ぬんだよね」と言っているようでもあるし、これは言われる方は気分が良くあり...死後の相談

  • 勤労の喜び

    もし本当に「勤労」が「喜び」なら、なんでそれを強調したり強制したりするのでしょう?【ただいま読書中】『「働く喜び」の喪失──ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を読み直す』荒川敏彦著、現代書館、2020年、2200円(税別)ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は「キリスト教が資本主義を生んだ」と主張していると読まれることが多いのですが、そうではなくて「近代資本主義の精神および近代文化の合理的生活態度は、キリスト教的禁欲の精神から生まれた」と主張しているのだ、が著者の主張です。なんだか似ているように見えますが、「キリスト教が資本主義を生んだ」では無視されている「個人」や「天職という理念」をヴェーバーは重視していたのだそうです。「宗教改革によって資本主義が生まれた」という論...勤労の喜び

  • 動く静止画

    昭和の時代、白黒テレビで観ていたNHKの天気予報ではよく「明日は、晴れのち曇り、所により一時にわか雨」なんてとってもアバウトなことを平気で言っていました。ただその画面で、「晴れ」のマークが本当に太陽が照っているかのように回りにぴかぴかと線が点滅したり「雨」マークで雨が降っているように線が流れたりの特殊効果があったことを私は不思議な気分で眺めていたことを思い出します。当時はまだCGなんかありません。アニメのはめ込みもまだできません(というか、クロマキーブルーを使ったりして画面での合成ができたとしても、天気予報にそこまでのコストはかけられなかったでしょう)。あれ、スタジオでは静止画だけど、それを当時のカメラで撮影して当時のブラウン管受像器で走査線上に載せたら点滅しているように見える特殊効果の工夫がしてあったのではな...動く静止画

  • 呪術師

    私は子供時代に後進国(当時の呼び方)の奥地に呪術師が現存している、と聞いて「遅れているなあ」とあきれました。当時の日本に「おまじない」「こっくりさん」「星座占い」「姓名判断」「手相占い」「おまもり」などが現存していることは無視してそんなことを言っていたのですから、「遅れていた」のは私の感覚の方だったのかもしれません。【ただいま読書中】『まじないの文化史──日本の呪術を読み解く』新潟県立歴史博物館監修、河出書房新社、2020年、1650円(税別)新潟県立歴史博物館で2016年に「おふだにねがいを──呪符」という企画展が開催されました。県内で出土する呪符木簡を現代のおふだと関連づけての企画でしたが、展示は「人々を幸福にする」ものに限定されていました。それに「人を不幸にする(呪いをかける)」行為やものについても加えて...呪術師

  • フェアな謎解き

    推理小説では、読者にはきちんと手がかりが与えられる、という「フェア」さが重視されます。でも犯罪って、もともと「アンフェア」なものですよね。【ただいま読書中】『名探偵夢水清志郎事件ノートvol.1そして五人がいなくなる』はやみねかおる原作、えぬえけい漫画、講談社、2004年(2008年12刷)、429円(税別)自称「名探偵」の漫画です。なんともへんてこな人で、目立ちたがりで記憶力が悲しいくらいなくて、でも「みんなが幸せになれるように事件を解決してみせますよ」ときっぱり言い切る名探偵の造形です。漫画の絵柄は……かわいらしい。「少女漫画」だから当然なのかもしれませんが。事件は……第一巻では、いろいろ裏がありそうな子供の連続誘拐。さて、これを「みんなが幸せになれるよう」に解決できるのだろうか、と私は変な方向の期待をして...フェアな謎解き

  • トップだけ交換?

    森さんが会長を辞めても、その言動を支持していた人たちがそっくり理事会に残っているのだったら、結局「上」の体質は何も変わらないことになりません?【ただいま読書中】『カメハメハ大王──今へとつながる英傑の軌跡』小林素文著、風媒社、2019年、1300円(税別)今から1500年くらい前、マルケサス諸島から4000km離れたハワイに移住が行われました。移民だったのか難民だったのかはわかりません。ともかく、太平洋の真ん中で隔絶された世界で生きることになった人びとは「見返りを求めない助け合い」を基礎とする「アロハスピリッツ」で生きるようになります。ハワイ語に文字はありませんが、メレ(詠唱)で「歴史」は語り継がれました。「メレ」には、言葉だけの「メレ・オリ」と踊りとともに唱える「メレ・フラ」があります。1778年に北極海探検...トップだけ交換?

  • 感謝する相手

    スポーツ関連のニュースで、選手が「感謝の気持ちを持って」とよく言っていますが、その感謝する相手って、具体的に誰かも言った方が良いのではないです?少なくともそれが私ではないことは確実なのですが、では誰を念頭に置いているのだろう、とちょっと気になったもので。【ただいま読書中】『美術は地域をひらく──大地の芸術祭10の思想』北川フラム著、現代企画室、2014年、2500円(税別)1999年「平成の大合併」が行われました。その5年前から新潟県では「ニューにいがた里創プラン」を立ち上げていました。これは県を16の広域行政圏に分けて、それぞれの区域独自の魅力を発信するプロジェクトを県が後援するものです。「県が出す金」に様々な業者が群がってきましたが、「アートでの地域作りは可能か?」と新潟県が著者に声をかけます。十日町広域行...感謝する相手

  • 読んで字の如し〈人偏−11〉「信」

    「信者」……儲け口「狂信」……狂を信じる「信教」……信を教える「書信」……書き言葉は信じるに足る「所信」……住所は信じるに足る「信用金庫」……信用できる金庫「信濃町」……信が濃い町「通信」……通じると信じる「信頼」……信に頼る「信念」……信じろと念じている「確信」……確実な根拠の代用アイテム【ただいま読書中】『「盛り」の誕生──女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』久保友香著、太田出版、2019年、2400円(税別)SNSで「誰とつながっているか」を公表するのが当たり前の世界となりましたが、日本ではSNSが普及する前の1995年に、女の子たちは「プリクラ」と「プリ帳」で、「友人の友人の友人」とつながることが普通となっていました(実はプリクラ登場前には、自分たちでレンズ付きフィルムを持ち歩いて友人と“自撮り”...読んで字の如し〈人偏−11〉「信」

  • 上陸作戦

    「ナチスに対する上陸作戦」では「Dデイ(フランス、ノルマンディー上陸作戦)」が有名ですが、実はこれは「2番目の作戦」で、最初は「シチリア上陸作戦」でした。なぜかこちらはあまり注目されていませんけれど、なぜなんでしょう?【ただいま読書中】『ナチを欺いた死体──英国の奇策・ミンスミート作戦の真実』ベン・マッキンタイアー著、小林朋則訳、中央公論新社、2011年、2500円(税別)「白と黒と赤」で塗られた通常の戦争(勝者と敗者と戦死者が出るもの)ではなくて、欺瞞と誘惑と裏切りに満ちた「灰色の戦争」があります。本書で扱われるのは、シチリア上陸作戦を成功させるためにひそかに行われた「ミンスミート作戦」です。欺瞞情報を「死体」に持たせて、ヒトラーのところに届けてだまそう、というものすごい諜報戦です。まず登場するのは海軍情報部...上陸作戦

  • 他の人だってやってるもん

    国民には会食自粛や夜遊び自粛を要求し協力しない者には刑罰をちらつかせて脅していた国会議員が、自分たちは忘年会や夜遊びを平気でやっていたそうです(おそらくは「政治資金」を使ってたんでしょうね)。そして謝罪会見で言うのが「政治に対する不信を招いて申し訳ない」。これって変じゃないです?だって「夜遊びで補導された中学生」が「中学生に対する不信を招いたことを謝罪します」なんて言わないでしょ?そもそも夜遊びをしない政治家もいるのに、それも一緒くたにまとめて一般化して「政治に対する不信」ですって?これって「政治家は皆そんなことをしている」、ということ?どうしても「不信」を使いたかったら、「不誠実な政治家に対する不信」でしょう。これって、口先では謝っているように聞こえますが、本音の部分では「ぼくだけが悪いんじゃないもん」と聞こ...他の人だってやってるもん

  • 同じ数

    「交通事故で1年間に5000人が死亡する」と聞くと「気をつけなきゃ」と思う人が「大震災で5000人が亡くなった」と聞くと大きく動揺します。同じ死者数なんですけどね。【ただいま読書中】『災害の倫理──災害時の自助・共助・公助を考える』ナオミ・ザック著、阪本真由美・北川夏樹訳、高橋隆雄監訳、勁草書房、2020年、3200円(税別)「災害」とは「外部からの救助を要する突発的な物理的できごと」と定義されているそうです。だから金融破綻などでの“社会的災厄”は「物理的現象」ではないので「災害」ではありません。戦争の医療トリアージは「平等主義」と「効率的な功利主義」をめぐる議論から生まれました。「軽傷者」は治療が少々遅れても問題はないし「死にかけている人」にも治療は無駄だから治療しないことは誰の不利益にもならない、だから治療...同じ数

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