2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
2022年に公開されたアメリカ・イギリス合作映画です。原作はアガサ・クリスティの代表作のひとつ「ナイルに死す」で、1978年にも映画化されています。原作への忠実度でいえば、1978年作と比較して、ストーリーはともかく登場人物の設定はかなり手を入れていますね。もちろん、エンターテイメント作品ですから、知財上の問題がなければ製作者の見せ場でもあります。私の感想としては、せっかく手をいれたのんであれば、もう少し登場人物と主人公との細部の関わりに拘って欲しかった気がします。そのあたりは「オリエント急行殺人事件」の方がしっかりしていましたね。映像は綺麗でしたし、ガル・ガドットの存在感も流石だっただけに、正直ちょっと期待外れ感が否めませんでした。まあ、そこは“期待値の高さ”故でもあるのでしょうが・・・。ナイル殺人事件...〔映画〕ナイル殺人事件
2012年に制作されたTVシリーズです。2002年に放映された「機動戦士ガンダムSEED」の再構成版ですが、主要なストーリー構成は本放送版に沿っているとのことです。1970年代に始まった「機動戦士ガンダム」シリーズのひとつですが、本作品はかなり重いモチーフを扱った物語で、「従来のガンダムシリーズからよりターゲット年齢層を下げた作品」というにはショッキングなエピソードがかなり織り込まれていたように思います。私のような年代の者ですら、シーンによってはここまで踏み込むのかと、ちょっと辛かったですね。【メーカー特典あり】機動戦士ガンダムSEEDHDリマスターCompleteBlu-rayBOX(特装限定版)(メーカー...4934569367013バンダイナムコアーツ〔アニメ〕機動戦士ガンダムSEEDHDリマスター
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。こういったタイトルに代表されるような「●●思考」をテーマにした本は、いままでもあれこれと読んでいます。今の私の立場では、もう目の前の仕事に活用するといったシーンはほとんど考えられなくなっているのですが、やはりちょっと気になります。実態を把握・整理し論理的アプローチにより事象や対策を評価・判断するには、一段階抽象化した「モデル」を設定することは有益です。本書は、その「モデル分析」の具体的作法を紹介したもので、それそれの章ごとに興味深い気づきはありましたが、それらの中から特に印象に残ったところを1、2覚えとして書き留めておきます。まずは著者の栗田治さんが本書で紹介している「モデル」の定義を端的に示しているくだり。(p40より引用)モデルとは目前の現実を...思考の方法学(栗田治)
2014年に制作されたアメリカ映画です。「エクスペンダブルズ」シリーズの3作目の作品ですが、公開中の最新作を近々観ようかと思っているので、予習がてら直前作を観ておきました。たぶん2度目だと思います。言わずもがなですが、ストーリーはこの上なく単純、“指示された相手と戦い捕まえる”だけ。とはいえ、ここまで“アクションがウリの大物”を集めての制作は、それだけでも大変なことなのでしょう。シルヴェスター・スタローンを筆頭に、ジェイソン・ステイサム、アントニオ・バンデラス、ジェット・リー、ウェズリー・スナイプス、ドルフ・ラングレン、メル・ギブソン、ハリソン・フォード、アーノルド・シュワルツェネッガー・・・、このキャスティングはエグイです。その肝心のアクションですが、本編でも感じはしましたが、最後のメイキング映像をみる...〔映画〕エクスペンダブルズ3ワールドミッション
2014年に制作されたイタリア映画です。実際のところはわかりませんが、“まさにイタリアン・コメディ”といった作品ですね。私のような素人から見ると、登場人物も、キャラクタの設定も、またシナリオの構成もコテコテの“陽気なイタリア”という印象です。なので、観る人によって、合う合わないはハッキリするでしょう。私はといえば、ときどき1本ぐらいはOKですが、正直なところ、こんなノリの作品を何本も連続して観るのはちょっと無理ですね。これが私の人生設計[DVD]パオラ・コルテッレージバップ〔映画〕これが私の人生設計
2013年に制作されたアメリカ映画です。ちょっと前に観た「RED」の続編の“アクション・コメディ”作品になりますが、やはり第一作目に比較すると、ストーリーとしてのインパクトは今ひとつのようです。まあ、そのあたりは前作の主要メンバは残したうえに、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、イ・ビョンホン、さらにはアンソニー・ホプキンスまで加えた超重量級のキャスティングでカバーしたという感じでしょうか。ともかく、主役のブルース・ウィリスにとっても結構得意とするテイストで、彼らしい存在感を発揮していました。このところの“残念モード”の作品に首を突っ込んでいるのは、どうにももったいないですよね。REDリターンズブルーレイ[Blu-ray]ブルース・ウィリスウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕REDリターンズ
NHKスペシャル 人類誕生 (NHKスペシャル「人類誕生」制作班・馬場 悠男)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。こういったタイトルの本は、ともかく気になります。本書は、“NHKスペシャル「人類誕生」”の書籍版、テレビ放送を観ていないのが残念です。最新の研究成果が豊富なグラフィックとともに紹介されていてとても興味深い内容でしたが、その中から私の関心を惹いたくだりをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「ネアンデルタール人」のイメージの変遷について。(p112より引用)ネアンデルタール人ほど、そのイメージが二転三転した人類はいないだろう。1868年にフランスでクロマニョン人の化石が見つかったことで、ネアンデルタール人は祖先ではないと認識され、凶暴な原始人の代表と見なされるようになった。しかし、その後、さまざまな人類種の発見によって、アウス...NHKスペシャル人類誕生(NHKスペシャル「人類誕生」制作班・馬場悠男)
1969年に公開されたイギリス/西ドイツ/アメリカ映画です。第二次世界大戦における英本土上空の制空権を巡る英独の戦い「バトル・オブ・ブリテン」を描いた戦争映画ですが、正直なところ、この上なく退屈な作品でした。惹き込まれるようなストーリー展開があるわけでもなく、スポットライトを当てた主人公がいるわけでもなく、ただただ戦闘の経過を映像でなぞっていっただけのように感じましたね。大物俳優さんも数多く出演していたようですし、当時はCGによる映像処理もなかったので、画面に登場する爆撃機・戦闘機等は実物やそれを模した模型が使われたのでしょうから、そのあたりの苦労は膨大なものがあったのだと思いますが・・・、だから「映画として楽しめるか」といえば、それはそれで別物でした。空軍大戦略[DVD]サー・ローレンス・オリビエ20世...〔映画〕空軍大戦略
2020年に制作されたフランス/ベルギー映画です。フランス革命前夜を舞台に、貴族の料理人を解雇され、身分に関係なく楽しめる食事処(レストラン)を開いた主人公を描いた作品です。ストーリー自体にはあまりリアリティはありませんが、ライトタッチでとてもお洒落な出来栄えのエンターテイメントに仕上がっていますね。フランスの片田舎の美しい風景を活かした映像がとても印象的でした。配信サービスを利用していると、確率的には大雑把なつくりのアメリカ映画に触れることが多いのですが、時折こういったテイストの作品に出逢えると素直にホッとしますね。デリシュ![DVD]グレゴリー・ガドゥボワTCエンタテインメント〔映画〕デリシュ!
2019年に制作されたアメリカ映画です。往年の人気テレビドラマシリーズの映画化版で、今までも劇場映画としては2作制作されているので、この作品は3作目となります。テレビシリーズも含め以前の作品との連続性はキープしていますが、メンバーは刷新されています。私ぐらいの年代では、ファラ・フォーセット・メジャーズのインパクトがあまりに強いので、さすがに当時から40年以上経った「エンジェル」にはついていけそうもなく、また、映画の出来としてもほとんど期待していなかったのですが、豈計あにはからんや結構楽しめました。主役の3人のキャラクターにそれぞれエッジが効いていたところが大きいですね。チャーリーズ・エンジェル4KULTRAHD&ブルーレイセット[Blu-ray]クリステン・スチュワートソニー・ピクチャーズエンタテインメン〔映画〕チャーリーズ・エンジェル
いつも利用している図書館の新書の棚で目についたので手に取ってみました。少し前に同じ岩波新書の「玄奘三蔵」を読んだところだったので、彼の足跡と重なるインド国内の仏教遺跡を紹介した内容に関心を持ったというわけです。本書は、多くの写真とともに本家本元のブッダの布教・伝道活動の旅程を辿ったものですが、巻末には解説として「ゴータマ・ブッダ―その人と思想」をいうタイトルで、仏教学者で東京大学名誉教授前田專學氏による仏教誕生の概要が紹介されています。そういう点では、初心者向けブッダ入門でもあり、私のような無学者にとっては有益な本であるはずなのですが、正直なところ、ブッダの生涯の旅路に沿って史跡や風景の写真を眺めるだけで終わってしまいました。それでも私の無知故の気づきですが、今のインドにはブッダ所縁の仏教遺構はほとんど廃...カラー版ブッダの旅(丸山勇)
2010年に制作されたアメリカ映画です。シリアスなアクション作品かと思ったのですが、DCコミックスが原作の“コメディ”テイストの作品でした。ブルース・ウィリスが主演だったのであまり期待していなかったのですが、ストーリー自体はともかく、展開にはメリハリがあって予想外に面白かったですね。メアリー=ルイーズ・パーカーのちょっと場違いなキャラは効果的でしたし、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレンも持ち味を十分に発揮していました。続編もあるようなので、これなら(あまり過度な期待はしないで)トライしてみましょう。レッド(Red2010)(JA-Subbed)BruceWillis〔映画〕RED/レッド
2014年に制作されたイギリス・アメリカ・ドイツ合作映画です。スパイ映画の巨匠ジョン・ル・カレの作品が原作でフィリップ・シーモア・ホフマンが主演ということなので、作品の空気感は想像できますし、ラストの方向性も見当がつきますね。その点では“予想どおり”でした。キャスティング面でいえば、フィリップ・シーモア・ホフマン、ウィレム・デフォーは無難なところですが、ヒロインのレイチェル・マクアダムスはこういったテイストの作品にもマッチしますね。それは、トーンにあっているというよりは、ちょっとしたアクセントとして効果的ということですが、決してシニカルな意味ではありません。誰よりも狙われた男スペシャル・プライス[DVD]フィリップ・シーモア・ホフマンTCエンタテインメント〔映画〕誰よりも狙われた男
2022年に公開されたアメリカ映画です。実際に起こった事件をベースにしたエンターテイメント作品で、ちょっと時代がかった雰囲気が印象的でした。クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ラミ・マレック、ロバート・デ・ニーロと並ぶキャスティングはかなり豪華でしたが、興行的には今ひとつ。批評家による評価もあまり芳しくなかったようです。とはいえ、クリスチャン・ベールの役作りと演技力は十分見るべきものがありましたし、マーゴット・ロビーも華やかさは隠せませんが、それでもちょっと抑えた感じの存在感で結構良かったように思います。私としては、結構楽しめた作品でした。アムステルダムブルーレイ+DVDセット[Blu-ray]ブルーレイ+DVDデヴィッド・O・ラッセルウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕アムステルダム
かなり以前に読んだ内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第15作目(13冊目:この前の作品「鏡の女」は3編の短編集でした)」です。今回の主な舞台は“愛知県”と“岐阜県”。愛知県は名古屋があるので年に数回は顔を出しますが、岐阜県への仕事関係の出張はありません。新幹線では何度となく通過していますが、実際訪れたのは、40年以上前、高校時代の友人と飛騨高山に旅行したときぐらいです。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、本作は、シリーズの中では...美濃路殺人事件(内田康夫)
2022年にイギリス・アメリカ制作の映画です。「ハリー・ポッター」に代表されるいわゆる“魔法ワールド”シリーズの中の1作品で、これ以前に「ファンタスティック・ビースト」シリーズとしては2作品ありました。いずれも観ているのですが、主要登場人物の「顔」以外はほとんど記憶にありませんでした。なので、続編というよりも「単独作品」として観てみたわけですが、まあまあといった印象ですね。ストーリー展開は、それほどファンタジックなテイストではないので、そういった楽しみを期待していたファンにとっては少々期待外れに感じたのではないでしょうか。ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密ブルーレイ&DVDセット(2枚組)[Blu-ray]デイビッド・イェーツワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密
2016年に制作されたアメリカ映画です。ときおり見かける“法廷サスペンス”ですね。ただ、そうだとするとプロットもストーリーも結構淡白です。もちろん、ラストにサプライズは準備されているのですが、その決着のつけ方も“尻切れトンボ”なので今ひとつ満足感がありません。キアヌ・リーブスとレネー・ゼルウィガーの共演の割には、物足りなさが残りますね。ググ・バサ=ローの役どころが、同じころ制作された「女神の見えざる手」のときのように、もっとストーリー展開の擾乱要因として活かすことができていればよかったのですが。砂上の法廷(字幕版)キアヌ・リーヴス〔映画〕砂上の法廷
2021年に制作されたアメリカ映画です。結構最近のブルース・ウィリス主演作品ですが、やはり“しっかりした作りの大作”とは程遠いですね。設定は何とも無理筋ですし、演出も単純、そもそも、“作品としての完成度の追求”といった類のものは狙っていないのでしょう。引退した“凄腕エージェント”の復活というモチーフも目新しさはありません。エンディングのシーンで続編が準備されているのは明らかですが、どうでしょう、次作も観るかといえば、「たぶんない」という印象ですね。ドント・サレンダー進撃の要塞【DVD】通常盤ブルース・ウィリスアメイジングD.C.〔映画〕ドント・サレンダー進撃の要塞
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。五木寛之さんのエッセイをみると、いまだについ手が伸びてしまいます。「地図のない旅」というタイトルの本ははるか昔読んだ記憶があるのですが、長い年月を経ての“新”版です。先に読んだのは「Ⅰ」で、こちらは同時期に出版された「続編」になります。内容は、「Ⅰ」と同じく、特に目新しい視点があるわけではないのですが、それでもやはり気になるフレーズには出会えますね。それら中から私の関心を惹いたくだりをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「悲しいときに歌う歌」との小文で心を止めたくだりです。ここでの五木さんが語る心情は、先に読んだ「NHKラジオ深夜便絶望名言」という本のメッセージにも通底しているんですね。(p76より引用)私は少年時代の一時...新・地図のない旅II(五木寛之)
2023年に公開されたアメリカ映画です。ジェラルド・バトラーが製作と主演を務めた作品で、アフガニスタンを舞台にしたアクションものです。基本的なストーリーラインは“脱出”というシンプルな設定ですが、登場人物のプロットがそれぞれにしっかりしているので結構見応えがありました。荒涼とした風景とともに流れる音楽も効果的でした。同じようなモチーフをシルヴェスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガーが演じても、こういう骨太のテイストにはならないでしょうね。カンダハル突破せよBlu-ray&DVD[Blu-ray]通常盤ジェラルド・バトラー,ナヴィド・ネガーバン,アリ・ファザール,バハドール・フォラディHappinet〔映画〕カンダハル突破せよ
2006年に制作されたドイツ映画です。なんとも直截的で強烈なタイトルです。原題は「ImAuftragdesVatikans」、直訳すると「バチカンを代表して」という意味らしいのですが、確かに、そのタイトルでは何のことだかよくわかりませんね。ジャンルとしては、パニックもののサスペンス作品です。ただ、そもそもの犯人像やその動機の設定が雑ですし、ドイツ映画なのにカンフーベースのアクションというのもかなり違和感があります。敵役でアーノルド・ヴォスルーが出演していますが、この作品は、彼が存在感を示した「ハムナプトラ」シリーズよりも後のものです。彼の役どころとしては、正直ちょっともったいない印象ですね。死亡特急(字幕版)マティス・ラントヴェアー〔映画〕死亡特急DeathTrain
2023年に制作されたアメリカ映画です。観る前から完全に予想できる「確信犯」的な“超B級SF作品”ですね。ともかく、柱となるストーリーの設定自体が安直ですし、登場人物にも惹き付けられるような魅力が全く感じられません。映像自体は、最近の作品なのでCGで何とでもなるはずですが、古生代であるべきの背景は実際の“自然林でのロケ映像”のようで違和感満載です。さらには、登場する古代生物も奇妙奇天烈な造型で・・・、まあ覚悟して観たわけですから仕方ありませんね。65/シックスティ・ファイブAdamDriver〔映画〕65/シックスティ・ファイブ
2007年に公開されたアメリカ映画です。北極の四季折々の大自然を舞台にして、そこに棲むホッキョクグマやセイウチを主人公にその生態を描いたドキュメンタリー作品です。ストーリー性も加味された意欲作ですが、やはり何年間にもわたって対象を追いかけて捉えた“生の映像のリアリティ”には感嘆します。エンドロールで製作スタッフの撮影風景が紹介されていますが、その様子も十分にドキュメンタリー作品として成り立つでしょう。そういった視点からの映画も観てみたいですね。北極のナヌープレミアム・エディション[DVD]ナヌージェネオンエンタテインメント〔映画〕北極のナヌー
最近聴き始めたpodcast番組で「玄奘三蔵」の解説をしていて、その人物と業績に興味を持ちました。「大唐西域記」にトライしようかとも思ったのですが、まずは「玄奘」その人に焦点をあてた新書レベルで様子をみようと手に取った本です。ともかく、“途轍もない人”ですね、玄奘という人は。仏法のみならず諸学を極めた卓越した知力、そしてどこまでも根源に迫ろうとする止めどない探求心、それを行動にまで導く強靭な意思。本書で紹介されている玄奘の数々のエピソードの中から、特に私の関心を惹いた2つのシーンを覚えとして書き留めておきます。まずは、玄奘が経を求めて西域へ向かう決意の場です。幼い頃より俊才の覚えめでたく、国内各地の高僧の元を訪れては教えを受けていた玄奘、23歳のときです。(p9より引用)さて、ここまで来て玄奘の悩みが深く...玄奘三蔵(前嶋信次)
2014年に制作されたアメリカ映画です。大げさなエピソードもないライトタッチの“熟年ロマンティック・コメディ”の王道的つくりの作品ですね。ストーリーはともかく、マイケル・ダグラスとダイアン・キートンという安定感のかたまりのようなキャスティングで決まりでしょう。もちろん、こういったテイストではまったく物足りないという声もあるとは思いますが、私としては素直に楽しめて好みの映画でした。最高の人生のつくり方[DVD]マイケル・ダグラスアメイジングD.C.〔映画〕最高の人生のつくり方
2008年に公開されたアメリカ映画です。キアヌ・リーブスとフォレスト・ウィテカーが出演しているということで観てみました。始まって間もなく(というか、始まる前から?)“黒幕”の見当がつくキャスティングですね。作品の印象ですが、ストーリーのモチーフも「警官の汚職」という何の工夫もないものでしたし、エンディングでこういう形の“正義”が認められるというのも、正直なところどうにもスッキリしませんでした。キャスティングの割には“今ひとつ”といった出来ですね。あと、まったく脈絡のないつぶやきですが、フォレスト・ウィテカーさんを観ていると、いつも“笑福亭鶴瓶さん”が浮かんできてしまいます。どちらも“怪優”ということでしょうか・・・。フェイクシティある男のルール<特別編>[DVD]キアヌ・リーブス20世紀フォックス・ホーム...〔映画〕フェイクシティある男のルール
2023年に公開されたアメリカ映画です。「ワイルド・スピードシリーズ」の第10作目で、制作にはかなり力が入っていますね。映像もそうですが、キャスティングも豪華です。ストーリーは“復讐モノ”で単純なんですが、過去のエピソードに引っかけて次々に大物キャラクターを登場させては、ノンストップアクションを繰り広げていきます。ずっとシリーズを観続けているファンなら、大いに楽しめるのではないでしょうか。ラストに彼女まで戻ってくるのは、正直“反則(販促)技”ですね。これだけの面々が揃ってくると、公開は少し先のようですが、準備されている後編まではフォローしたくなります。ワイルド・スピード/ファイヤーブーストブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510074689ヴィン・ディーゼルNBCユニバーサル・エンターテイメント...〔映画〕ワイルド・スピード/ファイヤーブースト
2022年に公開されたアメリカ映画です。ご存じのとおりDCコミックスの「バットマン」がモチーフのヒーロー映画ですが、もう何度となくリバイバル作品群が作られているところをみると、よほどアメリカでは人気があるんでしょうね。本作品は、過去の作品との連続性があるものではありません。もちろん主要な登場人物はお馴染みの面々ではありますが、それぞれのキャラクタは本作ならではという感じですね。全体のトーンは、いつもながらの「どんよりと沈み込んだダークイメージ」ですが、バットマン自身、等身大のヒーローとして描かれています。ビッグネームは出演していない分、過去のシリーズものよりも落ち着いた作りで私としては好印象を持ちました。THEBATMAN-ザ・バットマン-[DVD]4548967465440ロバート・パティンソンワーナー...〔映画〕THEBATMAN-ザ・バットマン-
かなり以前に読んだ内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第12作目」です。珍しく3編収録されている短編集なので作品数としては「第12~14作目」になりますね。それらの舞台は、一作目は“東京”、二作目は“東京”と“札幌”、三作目は“伊豆”です。ちなみに札幌は出張で最も数多く訪れた街です。毎週のように行っていところがありますから、延べ100回は下らないでしょう。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、内田さん自身、あとがきで「僕は短編が苦手...鏡の女(内田康夫)
2015年に公開されたアメリカ映画です。いわゆる“ロマンティック・コメディ”ものというステレオタイプのイメージをもって観始めたのですが、まあそのとおりでした。この手のテイストの作品としては“並”の出来栄えでしょう。ともかく、エマ・ストーン、レイチェル・マクアダムスといった好きな役者さんが登場しているというだけで、私としては“及第点”の映画だということです。特にエマ・ストーンは、取り立てて“深みのある役柄”でもなかったので、かえって軽い感じの印象が新鮮でしたね。あと、娘役で出演していたダニエル・ローズ・ラッセル。とても将来性を感じたのですが、どうやらそのあとの作品には恵まれなかったようで残念です。アロハ(字幕版)エマ・ストーン〔映画〕アロハ
2011年に公開された日本映画です。有川浩さんの小説が原作の作品ですが、観るのは2回目だと思います。関西の私鉄、阪急今津線を舞台に、登場人物ごとのエピソードが相互に絡みながら物語は進んでいきます。予定調和的な流れなので物足りなさを感じる向きもあるかもしれませんが、私としては、こういった“ほのぼの”系の作品は好みです。中谷美紀さん、戸田恵梨香さん、有村架純さんと並ぶキャスティングは贅沢ですし、抑えた役柄の南果歩さんもよかったですね。あと、宮本信子さんと芦田愛菜さんのコンビ。宮本さんは別格として、まだ小学校低学年だった戸田さんの“表情のみ”での演技は天性のものでした。阪急電車片道15分の奇跡[DVD]中谷美紀ポニーキャニオン〔映画〕阪急電車片道15分の奇跡
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
1985年公開のアメリカ・オーストラリア合作の映画です。「マッドマックス」シリーズの第3作目の作品ですが、最初のテイストとかなり変わってきましたね。完全に“劇画”路線に舵を切ったようです。キャスティング面では、“ロックンロールの女王”ティナ・ターナーも出演していますが、正直なところ、「話題性」以外に彼女である必然性は感じられないですね。かなり“もったいない”感じがします。マッドマックス/サンダードーム[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス/サンダードーム
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)
1992年に公開されたアメリカ映画です。ブラックコメディ作品ですが、こういったノリは好き嫌いがはっきり分かれるでしょうね。ちなみに私には全く合いませんでした。ラストで語られるメッセージも、そのあとのシーンで混ぜ返されてしまったようで・・・。キャスティング的には、メリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーンとかなりの重量級が並んでいます。それぞれコメディもこなす演技派だとは思いますが、まあ、こういったテイストの作品であれば“この面々でなくては、”といった感じでもありません。そのあたりも、ちょっとちぐはぐな印象でした。永遠に美しく・・・[DVD]メリル・ストリープジェネオン・ユニバーサル〔映画〕永遠に美しく…