じつは先日より、久しぶりに日本にいる。出張での帰国というか、いつもどおり仕事の予定が多いので、会いたいひとたちにもろくに連絡をしていない滞在なのだが(みんなごめん)、仕事には都内の実家から電車に乗ってあらゆる場所へ行くため、移動時間が長くなり、結果的に読書がはかどって喜んでいる。それでも、電車内で本を読んでいるひとは、フランスから帰ってきて日本に拠点を置いていた五、六年前に比べても、ずいぶん減った印象だ。もったいないなあ、と思う。たしかに大多数の出版社はつまらない本を量産しつづけてはいるが、少数ではあれ、おもしろい本だって確実に刊行されているのだ。海外に住んでいると、本の購入も注文ばかりになり…
ボルヘスというひとをもっとよく知りたいとき、ぜったいに読んでおくべきだと思う本が個人的に二冊あって、一冊は先日紹介した『The Last Interview』に収められたリチャード・バーギンとの対談(邦訳なら柳瀬尚紀訳の『ボルヘスとの対話』)、そしてもう一冊が、この『詩という仕事について』である。これまで記事にしてこなかったというだけで、じつはこの本を読んだのは今回がたぶん三度目のことだ。全六回にわたって実施された、ハーヴァード大学での詩学講義録。 詩という仕事について (岩波文庫) 作者: J.L.ボルヘス,鼓直 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2011/06/17 メディア: 文庫…
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