北野幸伯『(新版)日本の地政学』(育鵬社) 歴史に『勝利の法則』を学べる分野は日本人の不得手な地政学だ 鼓腹撃壌、複雑怪奇な世界情勢を説く秘訣はここにある
著者はモスクワ滞在が28年に及んだ地政学者の泰斗。アメリカで国際政治学を身につけた学者が日本のアカディミズムの主流だから、本書のような複眼的でユニークな分析は、趣きがことなるのは当然だろう。トランプの分析に日本のメディアの解説が「おかしい」のは無意識的にアメリカ的リベラリズムの変更プリズムが作用しているからだ。著者はマッキーダー、マハン、スパイクマンと地政学の古典から現在活躍中の地政学の権威とされるミアシャイマーやルトワックの見解にも言及している。くわえてプーチンの頭脳といわれるドゥーギンにも焦点を充てている。ドゥキンを危険視する風潮がつよいが、タッカーカールソンがインタビューした記録をみても、ロシア人の世界観が如実に反映されていて大いに参考になる。北野氏は、世界的な展望で地球儀を読み取ろうとするわけだ。...北野幸伯『(新版)日本の地政学』(育鵬社)歴史に『勝利の法則』を学べる分野は日本人の不得手な地政学だ鼓腹撃壌、複雑怪奇な世界情勢を説く秘訣はここにある
2025/06/25 16:02