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  • 小説 死神 第二十章 海神様

    第二十章海神様ヨーコさんの運転するクルマの中にいた。それもレトロなフォルクスワーゲン・ビートル。六十年くらい昔のものではなかろうか?カーステレオらしきものは見当たらないけれど、車内にはジョン・レノンのイマジンが鳴り響いていた。クルマは外に明かりも見えない闇の中を走り続けているので、どこを走っているのかさっぱりわからない。東北震災直後の道路や町中を思い出した。電力不足が懸念されたために街灯が消され、都心でも夜の街中は不気味なほど暗かった。震災二日後に、支援物資を持っていく銀行の一員に加わって夜半から明け方にかけて東北自動車道を走ったが、道路の街灯が消されており、ひたすら闇の中を走っていたような感覚だった。ここはどのあたりだろう?恐ろしいほど何もない。「佐渡島の北西百キロくらいですね。」え?今なんと?佐渡島の北西っ...小説死神第二十章海神様

  • もう一つおまけに、なんだかなぁ

    年末年始がどのくらい荒れる天候になるのか?とりあえず今日はいい天気で良かったのですが、急斜面は雪崩の危険が出てました。スキー場ではネパール人引き連れて仕事をしましたが、なにげにジャンパーを脱いだら着ている服がノースフェイスのダウンジャケットや、マムートのセーターなど高級品ばかり。こっちは行きつけのブティックのワークマンなのに。そのノースフェース、ヒマラヤで転落死した登山者の衣服引っ剥がしてきたんだろう。と、聞くと、とんでもない。日本で買ったんですよ。リッチだ。ネパール人リッチだ。ルンビニのネパール人、日本で働いた金を仕送りして家を建てている最中だとか。昭和の時代、まだネパールが王国だった頃。「ネパ-ルの王様は世界で二番目に金持ち。でもネパール人は世界で二番目に貧乏。」なんて言ってましたが、日本人は貧しいよなぁ。...もう一つおまけに、なんだかなぁ

  • さらに、なんだかねぇ

    羽田総理の息子が死んじゃったんですね。しかもニーハオウィルスで。日本の国会議員じゃ初めてらしいけれど、これが与党側なら蜂の巣をつついたような騒ぎになるんでしょうね。ニュースバリューの問題じゃなく、立憲民主党側だからメディアが抑えているような感じがします。国会議員がコロナで死んだのだからもっと、大きく取り上げて、なぜ観戦したか、新種のコロナか?など突き詰めるべきだと思うけど、妙に静か。とは言え、テレビ見ていないけど。国民に危機感を告げるのに国会議員が役立たなくてどうするの?そんな渦中。ほとんど人と接しない生活しているのに27日から毎年恒例の年末年始のスキー場に行ってます。先日の大雪で一晩で2m超えた地域ですね。このところ天気が良くて雪もしまってきてずいぶん減ったかに見えますが、まだ雪に埋もれて動かせないリフトの除...さらに、なんだかねぇ

  • なんだかねぇ

    なんだかねぇ。変な夢を見て目が覚めたんですよ。伊豆半島の先っぽで海底火山が活動して、アジが干物になって浮き上がってくるんですよ。ちゃんとひらきになってですよ。なるほど地熱で干物になる訳か!って変に納得して、海辺でそれを拾って持ち帰ろうとしているのですが、ウミネコが横からかっさらっていくんですよ。ウミネコってのはカモメのお仲間だと思っていたら、鳥の格好はしているものの顔が猫で、三毛とか茶トラとかいろいろいるんですね。山と違って海は不思議がいっぱいだ。と、アジの干物拾い集めているのですが、そこで目が覚めて、なんか疲れているのかなぁ?って、枕元の雑記帳に夢のことを書いて、もう一度寝たんですが、何なんでしょうね。何なんでしょうね。と言えば、今月の初めに隣の地区の家の外に変な物が捨てられておりました。以前、流し台などの廃...なんだかねぇ

  • 小説 死神 第十九章 犬神と化け猫

    第十九章犬神と化け猫次に私たちが来た場所は政治家の別宅らしかった。玄関には何度かテレビで見たことがある絹田代議士のポスターが張られており、玄関に出迎えてくれたのはその政治家当人・・・ではなさそう。眼光鋭い憑き物の類?「犬神様。ご無沙汰しております。」忍さんがあいさつすると、「忍ちゃん!本当に久しぶりじゃない。忍ちゃんが犬猫専門の時だから五千年ぶりくらいかな?元気そうで何より。」「はい。犬神様がアヌビス神をなさっておられ、エジプトに王朝ができる頃でしたから。かれこれそのくらいになろうかと。」「そうだったねぇ。あんときゃ僕がアヌビス神でタマちゃんがバステト神やってた頃だ。あの後はプトレマイオスの頃までエジプトにいたけど、いろいろせちがらくなってしまったからねぇ。」犬神様は腕を組んで遠くを眺める目線になっていた。「ア...小説死神第十九章犬神と化け猫

  • 森の別荘地の話

    冬至も過ぎ、四、五日前から日が延びてきているのを感じていますが、寒さはこれからが宴もたけなわです。宴もたけなわ。ニーハオウィルス蔓延中で忘年会など国賊的行為となります故、今年は縁が無い言葉になるのかな?別荘地に行って雪かきをしてきましたが、ガイジンさんの別荘地なので、クリスマスになると人が集まってくるようです。一昨年までは23日は祝日だったので、今頃は人が集まっていましたが、今年はまだ誰も上がってきていません。おかげで一日じっくり雪かき作業でした。雪で車が簡単に入ってこられるような場所ではないので、宅急便は下の道路にクルマを停めて歩いて配達をしていました。車道から1km近く山奥なので大変な作業です。一日天気が良かったので日差しが目にきつかったのか、家に戻ってから雪目状態で目が渋いです。およそ正常な日本人ならこん...森の別荘地の話

  • 小説 死神 第十八章 邪心

    第十八章邪心「本日はつまらぬ雑魚ばかりですが、もうしばらくお付き合いくださいませ。ここはあなたのお力をお借りする事にしました。」スタジオのような機材が並んだ部屋の隅に私たちはいた。中央には机が置かれて、その机にはデスクトップパソコンが置かれ、そのパソコンのモニターにつけられたカメラに向かって中年の女性がしゃべっている。ユーチューバーと言う奴だろうか?そしてパソコンが置かれた机の前にはヘヴィーメタルロックスタイルのレンちゃんが腕を組んで立っていた。その周辺にはお初にお目にかかる数十人の疫病神さんが、こちらを見て微笑んでおり、さらにその周囲には無数のタヌキにキツネが飛び交っている。忍さんの仕事って?結界張るの?「忍ちゃん、お忙しいところお呼びたてして悪かったんね!え?ああね。こいつら?疫病神の皆さんは黄泉平坂(よも...小説死神第十八章邪心

  • 雪よりネギ

    また今夜あたりから雪になりそうな気配です。なんでも、私の街で2mを超える雪が降ったと、某国営放送が報道していたらしいけれど、ご町内にそういう地域もあるけど、アーバンライクな私の家の周りはそんなに降っていません。峠の向こうの湯沢あたりでは高速道路が大雪のためにクルマが立ち往生して自衛隊が出動しているようで、昨日の昼過ぎからヘリが頭上を飛び交ってました。2日近くの長時間、道路の上で閉じ込められている人たちに、長岡の岩塚製菓の配送トラックが、高崎まで配達の途中だった自社のせんべいを配布したそうです。こういう心遣いが日本人の美学ですね。黒豆せんべいはよく食べているせんべいで、土日に開催している茶屋では常時おいてますし、今日も薪ストーブの火に当たりながらおじさん達とお茶菓子に食べてましたが、帰宅してニュースを知って、なん...雪よりネギ

  • 小説 死神 第十七章 腐生獣

    第十七章腐生獣貧乏神、疫病神、死神と言った憑神は向こう様のご都合でやって来るらしいが、餓鬼、狸、狐の類の憑き物は、どうやら人の欲望が招き寄せるものらしい。百八つの煩悩と言われるが、煩悩がなければ解脱もない、悩みがなければ悟りもない。表裏一体で裏か表かの丁半博打よりも、何事も波風立てずに穏便にと行きたいところだが、己が抑えて穏便ならばまだしも、あざとさでその場をやり過ごす穏便もまた憑き物を呼ぶようだ。忍さんに連れてこられた事務所には見覚えがあった。ついこの春まで私が派遣で働いていたファミリーレストランの事務所だった。この会社もレンちゃんや白川さんたちの活躍で平山会長と会長夫人が立て続けに亡くなり、息子と娘に疫病神の鳩山さんと貧乏神の白川さんが憑りついているから、今は葬儀で大変なことになっているはずだ。でも、ファミ...小説死神第十七章腐生獣

  • 小説 死神 第十六章 三途の川

    第十六章三途の川新宿駅を離れた私たちは、覇気のない人々でごった返す空港のターミナルのような場所に来ていた。羽田でも成田でもなさそうなこの景色、関空だろうか?「三途の川の渡し場でございます。」え?こんな近代的で大きな施設なの?否、否、これは私の理解できる範囲で見えている光景で、実態はあるような、ないような、なんだかわからないけれどそういう言う世界なのだ。理解できるかできないかではなく、受け入れなければならないというだけのことなのだ。「随分ご理解いただけるようになられたようで、よろしゅうございます。」忍さんはいつの間に着替えたのか地味な絵柄の小紋の着物姿になっていた。付け下げのようにも見えるけど手描き友禅。加賀小紋か?「あたりでございます。格式のある場ですから、紬ではいささか無礼かと思い、小紋に召し替えてまいりまし...小説死神第十六章三途の川

  • 小説 死神 第十五章 正義の人

    第十五章正義の人人混みの中に私たちはいた。新宿駅の西口だろうか?台風で電車にも影響が出たのであろう、ただでさえ混雑しているこの駅が足止めされた人たちであふれかえっている。京王線の改札付近で「私の詩集」と書かれた看板を首にぶら下げたベレー帽姿の初老の女性がいた。私が学生時代にも見かけた顔だ。その頃はまだ少女の気配が抜けない二十代前半だったと思うが、年を経てもその頃の面影は残っていた。茶色いワラ半紙にガリ版印刷だった詩集が、漂白されたコピー用紙に変わっていたが、四十年近くこんなことをしていたのだろうか?継続は力なりか?力がなかったから継続していたのか?あまりの混雑に立っていることもままならなくなった詩集売りは、看板も手作り詩集も片付け、人ごみの中へと消えていった。「来ました。」京王線の改札から手提げの袋をぶら下げた...小説死神第十五章正義の人

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