113方弘は、いみじく(126)その12019.11.11方弘は、いみじく人に笑はるる者。親いかに聞くらむ。供にありく者ども、いと人々しきを呼び寄せて、「何しにかかる者には使はるるぞ。いかがおぼゆる」など笑ふ。物いとよくするあたりにて、下襲の色、うへの衣なども、人よりはよくて着たるを、「これをこと人に聞かせばや」など、げにぞことばづかひなどのあやしき。◆◆方弘は、ひどく人に笑われる者だ。いったい親はどう聞いているのだろう。供として歩いている者たち、その中のひとかどの者を呼び寄せて、「どうしてこんな者に使われているのか。どう思うのか」などと笑う。方弘の家衣服などの調製をとても上手にするところで、下襲の色、袍なども、人よりは立派に着ているのを、「これを他の人に聞かせたいものだ」などと、なるほど言葉遣いなどが変だ。【...枕草子を読んできて(126)その1
111はるかなるもの(124)2019.11.9はるかなるもの千日の精進はじむる日。半臀の緒ひねりはじむる日。陸奥国へ行く人の、逢坂の関超ゆるほど。生まれたるちごの大人になるほど。大般若経、御誦経一人してよみはじむる日。十二年の山籠もりの、はじめてのぼる日。◆◆はる先の遠いもの御嶽詣でのために千日間精進潔斎をはじめる日。半臀の緒(はんぴのお)袍と下襲との間に着る、袖のない衣■はるかなるもの=先の遠いもの。112物のあはれ知らせ顔のるもの(125)2019.11.9物のあはれ知らせ顔のるもの鼻垂り、間もなくかみつつ物言ひたる声。眉ぬくをりのまみ。◆◆何かにつけてのしみじみとした気持ちを知らせ顔であるもの鼻が垂れて、ひっきりなしに鼻をいみながら物を言っている声。眉毛を抜くときの目つき。◆◆枕草子を読んできて(124)(125)
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