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2014/09/27

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  • 古本から思い出すこと 2

    大久保さんと知り合ったのは、やはり横浜市内の古本屋がきっかけである。藤棚商店街には「一心堂」と「文林堂」という古本屋があった。「一心堂」の方は神保町、早稲田界隈や都内の古本屋にも劣らない品揃えの風格があった。店主は前掛け、下駄、はたきを必携するスタイルで、きっと小僧さん時代から鍛え抜かれた流儀と気概みたいなものがいつも漂っていた。自分が店番のアルバイトを頼まれたのは「文林堂」の方だった。藤棚商店街が今みたいに衰退していない頃だが、その中でも一番活況がない店舗だった。当時は野毛、吉田町、伊勢佐木町、白楽、鎌倉のような町には、それなりの古本屋を見かけたもので、新刊本を漁るよりも面白い青春の懊悩の捌け口としての古本取得趣味が芽生えた時期でもある。店主の山田さんは品揃えには全く関心がなかった。貧弱な漫画類、中間雑...古本から思い出すこと2

  • 古本から思い出すこと)

    猛暑になって盛り返す兆しがあったカフェ営業がまた低迷している。先日も近所にある山下町のジャズ喫茶「ミントンハウス」の「おいどん」マスターと茶飲み話を交わす。あちらは拠点そのものが、老朽化したビルの建替えに伴って近隣に移転先を探している。半世紀に及ぶ溜まったLPの移動先への選別準備を始める時間が迫っているようだ。もうフリージャズやインプロビゼーション優先な昔のLP盤を好んで聴く姿勢の客が激減している。そこで売却レコードの選別鑑定を一部、引き受けることにする。8月から先方は日中の営業をやめるので、隙間を見つけて手伝うようにするが、こちらも寄る年並みのせいか、昔みたいな素早いレスポンスは消失してしまった。SNSを眺めていたらアメリカの偉大な歌手トニーベネットが96歳、日本ジャズ喫茶界の大御所的存在のDUGオーナ...古本から思い出すこと)

  • 桜森から歩いて葬祭場へ

    弟の葬儀が西鶴間の辺鄙な葬祭場で行われた。、昨夜まで自分のクルマで行くべきか、近くのターミナルにて類縁者のクルマに便乗するか迷っていた。早朝に目覚めての決断は晴れているから、歩こうという気分になった。相鉄線の「相模大塚駅」が葬祭場への徒歩距離としては至近というのが、Googleマップで判明する。2キロにも満たないので、歩いていれば弟の思い出が湧いてくる筈と思った。相模大塚駅の周辺は未だ畑作地帯が残っている。駅前の地名は「桜森」。その北側には「上草柳」などと言う草木イメージを色濃く伝える地番が表示されている.これはクルマ通過時の記憶で親近感を覚えている。駅前の直線路地を1キロほど、左右をキョロキョロと見回しながら歩く。後悔しない歩行である。増えた新興住宅の隙間に緑地が残る風情。貸出家庭菜園、ビワ畑、栗園等がある。...桜森から歩いて葬祭場へ

  • 弟の訃報から

    深夜、下の妹からラインメールが届く。末期癌を患っていた弟が担ぎ込まれた緊急病院で息を引き取ったと書き込んできた。腸に穴が開いて手遅れだったらしい。癌の治療薬も弱っている臓器へ相当に悪さを加えたに違いない。カースト的には、思想家、吉本隆明のカテゴライズに喩えると横浜旧市街地的「都市下層庶民」の出自、現業公務員の下級的一生を送っている。酒、煙草、仲間宴会が大好き、貧乏しても大損しても類縁者には度のすぎるお人好しを重ねていたので、人に忌避される道理はなかった。自分も年子なので同じ幼少の空気を吸ったが、違う人生を歩んでしまった。太宰治の小説渦中の箴言的フレーズの影響を青春時期に擦り込んだ所為である。「家庭の幸福は諸悪の根源。。」こういう突っ張った逆説が含む両義性の味を知ってしまうと、その後の人生に陽が指す道理はなくて弟...弟の訃報から

  • スーパーカブの花見

    春めいてきた気候に誘われて、冬籠りしていたスーパーカブの拭き掃除する。座間の部屋の片付けと役所雑事への往復、ついでに道筋の桜見物にも使う。50ccの非力をカバーしつつ、安全コースを配慮した片道30キロの行程である。幹線道路の八王子街道、厚木街道といった混雑路を迂回しながらの桜見物も兼ねた最適ポイントを記憶に従って組み立てる。中区の麦田町がスタート地点、山元町、唐沢、平楽町、山谷という横浜の旧市街地の丘陵沿いに走って、米軍基地残存エリアの稲荷坂頂上を急降下するという道順だ。ここまでの桜の見どころは遊行坂の石川小学校、浄光寺付近。平楽町沿いの真言宗増徳院と根岸共同墓地へつながる下り坂付近が私的隠れ名所になっている。中村橋を渡って蒔田の商店街を抜けると、宮元町で鎌倉街道に出くわす。これを進むと次の桜名所が大岡川の両端...スーパーカブの花見

  • 彼岸過ぎ

    春分が過ぎて太陽の恵みを有難く感じることが多い近況である。ほぼ日課になっているベイサイドウオーキングをしていて気になることがある.その一番がその日の風向きだ。二番目が季節の進行を知らせる道端の樹木、草花の変化。三番目に水の色がくる。旧暦でいうところの「雨水」は二月だが、この冬は横浜港に流れ込む河口部の中村川(最下流は堀川)、大岡川の透明度に感嘆する日が多かった。寿町や石川町を挟んで流れる中村川等では川底を覗くと、尺(30センチ)を優に超える黒鯛、フッコサイズのスズキが静かに餌を漁っている様子をしばしば目撃した。この透明度も旧暦の「穀雨」がやってくる頃から、春の潮にブレンドされて青黒く濁り始める。水温が15度くらいに上がって水底を窺うことはできなくなる。いわゆる雑魚釣りの季節がやってくるのは、濁りが入って水も温む...彼岸過ぎ

  • 現物支給

    コロナウイルスの蔓延防止法が発動した頃から、平日の開店をしてみた.寒かった冬場のせいと老齢知人客のリピーターの減少に慌てる。そうなってからでは遅いが、臨時の業務請負バイトも混ぜる生活に戻している。昨日は早めに六本木駅へ向かい、古い友人宅の雑務を請負う。午前は収納庫の整頓だ。バカ重い115ボルトの電源トランスの移動に辟易していたら、その中に40年前に知人が買った浦上玉堂の全三冊画譜の美麗箱入りの大きな本が現れる。直ぐにネットを検索してみたら随分と値上がりしている。処分を勧めたらマージン率をしっかりと提示してきた。売却額の25%だ。数秒で思い直すように20%にならないか?と提示してきた。その辺が資産家インテリで吝(ケチ)のメンタリティを天性から備えている知人らしい。提示には邪気がないところが良い。吝嗇なのだが、幼児...現物支給

  • 体重が減る

    去年の夏場よりも4キロ体重が減っている。68キロになった。膝痛で苦しむのと医者通いは嫌で歩き始めたら、一年目にして効果が現れたようだ。麦田、元町、山下橋、山下公園、赤れんがパーク、合同庁舎、馬車道、旧横浜市役所、花園橋、元町西の橋というのがウオーキングコースで、たまには伊勢佐木モールの西外れ迄、馬車道経由の直進コースもある。昼飯はコリアキッチンの石焼ビビンパ660円。三吉橋バス停付近にある酔来亭の酔来丼、これは茹でもやし、焼豚、卵焼き、支那竹というまことに珍奇な組み合わせながら薄味のサッパリ系。400円という低廉価格にスープ迄ついてくる。独居爺さんには有り難いメニューだが、若い男女客はこれに軽い半ラーメンをオプションで注文する人も多い。昨日は徹底玄米派の友人に奢ってもらい、玄米ランチに恵まれる。ハタハタの薄塩開...体重が減る

  • 「山頭火の宿」大山澄太

    平日の高齢アルバイトから足を洗っておよそ一年経過。年初からカフェ営業日を増やしたら、皮肉にも変異型ウイルスが蔓延して客足もすっかり遠のく。少なめなお客さんとの宥和というか、懇親を心がける春近い日々である。音楽で隠遁しながら読書でも現実逃避の居心地を楽しむ。最新の安価古本の収穫は大山澄太「山頭火の宿」(彌生書房刊)。阪東橋バス停前の均一本から掘り出す。明治生まれの山頭火を逝去する昭和10年代まで、句友としてリスペクトしつつ物的にも誠実に支えた方である。その方が俳人山頭火の「行乞」旅の日記、句作品との照合をしながら論じたのが本書だ。「行乞」とは托鉢のようなものらしい。法衣、笠、草鞋、鉢持参の出立ちで、地域ごとに戸別訪問を繰り返す。山頭火の場合は禅宗系の経文を唱えて、その日の宿代に充てられる米や小銭のお布施を頂戴して...「山頭火の宿」大山澄太

  • ときどきの客

    店の付近には竹の丸、鷺山という町名の区画がある。横浜特有の坂を上り下りする丘陵地に住宅が密集している地域だ。その辺りに住んでいる同年輩に見える方がひょっこり現れた。ラヂオ亭が山元町から麦田へ移転した5年前頃、毎日のように寄られた方だが、久しく顔を見なかった。独居と聞いていたので病気でもして身動きが取れないのか?と時々思い出す人だが、以前受けていた病み上がり感は消えていて安心する。コーヒーを美味そうに啜るとせいぜい20分くらいで帰ってしまう。しかし時折交わす雑談は床屋政談やメディア受け売り風時局話にならない程度に面白い。昨日もカフェは定休日なのにドアを半開きにして夕方の読書タイムをしている時だった。そこへ先週に引き続いて寄って頂いた。昨日のチョッピリ雑談はコロナウイルスの世界的流行の原因説について。彼の珍見解では...ときどきの客

  • 豆柴の気質

    歩いて数分のところに知人の一家が年末に引越してきた。その知人が昨年の初夏に柴犬の生後3か月の雄犬の通称「豆シバ」を購入した。郊外のペットショップへ引き取りに行くクルマ運搬の手伝いから、その柴犬とは縁ができた。指を嗅いだり、用心深く舐める様子が可愛い。引っ越し後は接触機会も増えてなついている。仔犬といえどももうすぐ一歳。人間換算にするとティーンエイジャーの青年だ。忙しい知人が構ってやれない外出に際した時の情けない鳴き声、表情をみると不憫に思ってしまう。そこで店開け前の午前散歩の代役を引き受けることがある。「鍵っ子」ならぬ「鍵犬」状態から解放されてか、喜んで路地裏や坂道を牽引する筋力は勇ましい。ポール毎のマーキングは躾が行き届いている。しかし「出物腫れ物ところ嫌わず」通り、高名なファッション街の舗装路へ差し掛かると...豆柴の気質

  • お宝持ち寄り会

    オミクロン型の急速蔓延でまたまた人の流れが変化してきた。慢性的に暇なカフェが輪をかけて暇になっている。今年からウイークデイもラヂオ亭を一部再開してみた。しかし、客足は低調である。せいぜい2〜3人の馴染み客が現れる程度だ。しかしその渦中に、趣味の合う少数の爺さん同士がマスク会談をして茶飲み話するのも一考と思い声を掛け合ってみた。結果三人が集まって、私を加えた4人の平日雑談会に。ドアは半開き、換気扇もぶん回す。コーヒー、煎茶の菓子は気の効いた粋人の持参品、鎌倉の老舗、豊島屋名物「鳩サブレ」だ。最高の茶請けに一堂は感謝する。本日の話題は「低山に名山あり」どこか御殿場在辺りの三国山から御殿場線の駿河小山駅までの軽登山でも実行したいね等というプランが浮かび上がってきた。これは3〜4月中にでも実行しようという結論になった。...お宝持ち寄り会

  • あの頃の雑誌

    古本屋のカタログ等の積み上げコーナーをひっくり返していたら、雑誌「映画芸術」の1968年7月号が紛れていてこれを買う。110円。54年前の新刊定価が230円。ジャズ喫茶のコーヒー代が100円くらいしていた頃で、おいそれと買える雑誌類ではなかった。どなたか?定期購読者用のバックカーボン納品伝票が、ページ中に挟まっている。「流水書房」!聞き覚えのある都心型の本屋さんだったな。54年も経ているだけに紙の黄ばみ、劣化は著しいけど、グラビアの新作邦画のモノクロPRページを捲るのは楽しい。勝新の兄貴、若山富三郎が日本刀を片手に、物凄い威嚇顔をして仁王立ちしていている「極道シリーズ」のスナップショット等も時代を物語っていて笑える。菅原文太が端役からのし上がっていったのもこの時節だったような気がする。特集ページはルキノビスコン...あの頃の雑誌

  • ハゼの甘露煮

    2021年の夏から秋にかけて汽水域のハゼ釣りをよくした。場所はJR桜木町駅に近い大岡川の河口、金沢八景の平潟湾である。どちらも昔に比べれば水質は格段に良くなっている。釣行回数は12回くらいなので、最高記録である。アルバイトを辞めて閑居時間が増したせいであろうか。夏に釣った小型サイズは唐揚げが最適。10月頃の秋口に育ったものは、焼いてから風干しする。乾いたら冷凍ストックして溜め込む。これを京番茶の煮汁で下煮する。煮詰まったら、昆布、三州本味醂、ザラメ糖、本醸造醤油、日本酒を出汁にしてコトコト煮詰める。良書「自然流だし読本」(農文協)で展開されている化学調味料否定論旨を自分も貫いているのは自明の理である。これを大晦日に集まった友人やお客さんに振舞えたことは2021年の喜びの一つになっている。その甘露煮もそろそろ終わ...ハゼの甘露煮

  • 冬の夜と似た人

    年々、寒さに弱くなっている。エアコンの熱は嫌いだ。寝る前に石油ファンヒーターをつければ、部屋は暖まるのに切らしている灯油をガソリンスタンドへ買いに出かけるのが面倒である。そこで寝床の脇に電気ストーブを点けて読書している。寝入る前に電気ストーブを消す頃には、先に布団へ入れてある湯たんぽと自分の体温が効いてきて朝まで何とかなる。湯たんぽの微温が心地良いのはここ数年の発見である。寝床で読むのは古本屋の均一本コーナーで見つけておいた釣り随筆本、民俗学、食文化本の類いである。この前に読んで印象に残ったのが、「無限抱擁」くらいしか知らない滝井孝作(文豪志賀直哉の信頼厚き一番弟子格的小説家)の角川新書の「釣りなかま」。さすがに場末の古書店もこの手のやや古目な趣味本は100円棚に投げださないところが、商売というものの矜持なのだ...冬の夜と似た人

  • 雪歩きの古本屋

    麦田から歩き始めるほぼ日課のベイサイドウオークの会。2022年を迎えて近隣の仲良しと三人歩きが続いている。凡そ10ヶ月持続しているお陰で右膝の変形関節痛が消えてきたのは、気のせいでもない。時々、愛読している吉本隆明の晩年インタビュー本、例えば「生涯現役」(洋泉社新書2006)のような本には、老年期を迎えた自分にも当てはまるような格好の省察がたくさん含まれている。思うように働かない身体の機能と心との日常的ディレイ事象、老化という誰もが通る自然の摂理への対処法がシンプルにマルクスや親鸞の自然哲学を経た十分なる咀嚼の上に語られているところが、この本からの学びどころである。さしずめ私などの日課歩きもこの本の語りによれば狭くなって横着に堕しやすい自然過程へのソフトなる負荷くらいに思って、頑張りすぎない散歩ペースを維持して...雪歩きの古本屋

  • ラヂオ亭日曜本読み会。メンバー募集中

    2021年1月から始めます。現在参加予定者2名。亭主が詳しい日本の戦後文学、現代詩、人文思想、ジャズ本等からテキストをピックアップします。ひ弱なインテリ文芸アカデミシャンを軽く凌駕する森羅万象的人間解析学の立場にたって笑いのある本読み会を目指します。参加費。コーヒー、紅茶、煎茶付き800円。テキストは入手可能品を各自実費負担。詳細は本欄コメントへ。ラヂオ亭日曜本読み会。メンバー募集中

  • メルカリ入手品の喜び

    既視感の夏も満ちたり木版画メルカリ入手品の喜び

  • 久しぶりのLP愉楽

    ずっと使っていたドイツエラック社のアナログプレーヤーがコロナ自粛期間中も含めて昨冬から調子が悪くLPから遠ざかっていた。しかし近所でフィルムカメラの交遊をしているSさんが原因を突き止めてくれて、この古い1970年代の優れたオートマティックプレーヤーがようやく復活してくれた。調子が良くなると愛聴盤はともかくとしてまだまだ知らないジャズLPが欲しくなってしまう。先日もコロナ自粛が解除になった町田のディスクユニオンへ珍しく寄り道してみた。「三密」状態を避ける為にも空いていそうな平日狙いで寄ってみた。人気堅調なブルーノート、プレステッジ等の有名オリジナル盤を狙うという下心も小遣い銭もない貧乏数寄者のことである。知名度で劣るモダン期以前の中間派に属するような平凡盤の中に好きな曲が入っているかどうかを見つけるのが私的優先基...久しぶりのLP愉楽

  • 残念 益子陶器祭り

    栃木県益子町の陶器祭りは毎年、春と秋の二回という年中行事になっている。ちょうどゴールデンウイークの今頃はどこもかしこも凄い賑わいになって町の全てが陶器祭りの会場になってしまう。このお祭りライブ感が楽しくてここ三年は訪問を欠かしたことがないという益子好きな自分がいる。とうとう今年はコロナウイルスの世界的感染拡大に巻き込まれて陶器祭りも中止になってしまった。全く残念だ。惜しむべき事態である。益子町を訪ねてたまにその益子的味わい作風を自分なりに満足させて頂いている陶芸職人の諸氏も、気が良い町の人々もさぞかし落胆していることだろう。そこでやはりGWの客足がすっかり途絶えている我がラヂオ亭の暇風景を潤す、ここ三年の益子マインドな普段使いできて愛しい陶器を並べることにする。但し益子会場で購入したものとは限らない。11月の再...残念益子陶器祭り

  • 電車も町もガラガラ

    横浜市内で生活の大半を過ごしているが、コロナウイルスによる外出、営業自粛のせいで付近の街は静まり返っている。本牧、石川町、元町、中華街等にある諸分野で通い慣れた店がどこも自粛休業、または短縮営業という張り紙。こういう風景は横浜の戦後生まれでだいぶ歳を重ねてしまった自分にとっても初体験のことである。先週末の金曜日だったか?夜の8時頃、夕飯目当てに中華街を歩いてみた。前田橋という堀川(中村川の延長)にかかっている橋を元町側から渡って中華街を一周してみる。沢山ある大小の料理店、土産物屋、雑貨屋、占い屋の全てが閉まっている。市場通りの小路、本通りに並行する南側の関帝廟通り、いずこも同じだ。商売への意欲や執着だったら日本商人を遥かに凌ぐ南支華僑末裔、又は福建、東北系新興料理店、どこも今回のコロナウイルスにはほとほと困って...電車も町もガラガラ

  • 巣籠もりの癒し

    コロナウイルス感染拡大によるアルバイトの自宅待機、外出自粛要請等、不安が押し寄せる毎日だ。懐の方の行く末も十分に不安を煽られる状況だが、徹底的な「都市細民」暮しの幼少時で鍛えられた天性の忍耐力と心の足腰は曲がっていないので未だ持ち堪えることはできそうだ。外出も自己責任で平常の気持ちで自由自在にこなし、質素な和風伝承食生活にも工夫を凝らす毎日である。先週の平日は真鶴半島に住む音楽を含むアート嗜好が同類の高齢単身老人宅を訪ね旧交を温める。ガラガラに空いた東海道線の車窓から海辺を背景とする西湘地方の沿線桜の絶景をまるで独り占めする様相、そしてこんなにも桜を静謐に味わう四月というものは初めての経験である。知人が住む海を眺望する家に繋がる崖上の斜面を彩る花々が開花する季節も良い。菖蒲、菜の花、大手毬、などの花塊と後方で凪...巣籠もりの癒し

  • コロナ事変

    コロナウイルスの蔓延を受けてアルバイトの出勤予定日が勤務先の都合で二転三転と覆る日々である。次は4月8日迄出勤がないから、それなら週末カフェを連日オープンにすればいいのでは?と一瞬は思うのだがことはそう甘くない。世の中が異変等で鎮まる時はしがないカフェも一緒に鎮まってしまうのだ。ついでに便乗閉店にするか?と夜半になって思案してたら寺島靖国氏からの電話がくる。月に数回の電話による時局雑談というところ。「世間ではライブハウスへ碌々行ったこともないような沢山の人たちの間で、ライブハウスという言葉がとんでもないところですっかり有名になった」「TVなどで繰り返し人が密集するライブハウスが汚染源になったと言うなら超満員電車に一時間も密閉されるのはどうなんだ」とお互いがコロナ時局への応酬を重ねる。電話の向こうで皮肉に失笑して...コロナ事変

  • 山口小夜子さんの墓詣り

    歩いて10分もかからない所にひと昔前の世界的トップモデルとして有名な山口小夜子さんのお墓がある。そのお墓の近所に住んでいたSさんから聞いた話で場所は知っていた。そのSさんの消息も最近は聞かない。数年前の晩秋にSさんの敷地に成った渋柿を貰いに行ったことがある。日本で最古というテニスコートの脇の道を抜けて山手公園を降りれば近道と言う案内をされた時に教わった。M寺の敷地でも西側の外れにあたる陽当たりの良い墓地である。Sさんから「あそこだよ」と指指された小夜子さんの墓石は普通の墓地にある中くらいの平凡なもので何故か好感を感じた。但し、そのお墓が一際目についたのは鮮度の良い供花でいっぱいに囲まれていたことである。一度、碑面でも眺めさせて頂き拝礼でもと思っていたらとうに二年が過ぎている。昨日は近所でカラオケスナックをしてい...山口小夜子さんの墓詣り

  • 三鬼の句 雨の宵闇 珈琲啜り

    コロナウイルスの蔓延騒動の余波を喰らって、しがないアルバイトも一時的に失職する。このような時期は人生の水位が低い方で肝が据わっている本に囲まれてゴロッとしているに限る。先日、たまに来てくれる近所に住む映画マニアで独居老人の安否確認アルバイト等もしているTさんが置いていった琉球が産んだ大正期の詩人、山之口漠の詩集。伊勢佐木町の古本屋で350円で買った昭和初期から戦後にかけて活躍する西東三鬼の存在論的モダニズム俳句本の中の面白い貧乏歌や斬新句を拾い読みしながら、三月七日の終日曇天日を過ごす。最近、自分が推してやはり近所に住む仲良しのSさんが購入後に預けていった、独テレフンケン製の小型スピーカーがとてもよく鳴っている。左右幅が20数センチという長円形の躯体。メッシュのグリルに囲まれたチーク合板材の堅牢ボディは、ドイツ...三鬼の句雨の宵闇珈琲啜り

  • 蓄音器改造のジャズボーカル専門スピーカー❶

    10月に近所の山手駅の方で元骨董商をしていたHさんから入手したビクトローラ1-90という古い小型蓄音器の活用を考えている。その蓄音器は針を挿入するサウンドボックスが一部破損、アーム、手回しする為のクランク棒もない。それらの不足パーツをネットオークションなどで暫時揃えていけばSPレコードが近いうちに可動となる。SPレコードを電気媒介しないで聴く条件が整う迄の一時的楽しみはないものか?とあれこれ思案していたらやはり近所の趣味的畏友のSさんが蓄音器の下部にはWE14という優れものの木製ホーンが収まっていることを知っている。これの拡声器部分イコール「ホーン」を活用させる為のユニットを持って来てくれた。大助かりである。アメリカのオーディオメーカー、エレクトロボイス社の立派なホーンドライバーユニット「T10A」という強力磁...蓄音器改造のジャズボーカル専門スピーカー❶

  • 益子「日々是」陶房の愛しい器

    益子から戻って模様替えも済んだ。夜になってジョースタッフォードがゆるりと歌う「テネシーワルツ」でも聴きながら益子で買ってきた戦利品を眺めている時間が初冬を思わせる季節の至福である。「日々是」の田中さんと知り合ったのは昨春の陶器祭りだ。猫を鉄絵でヘタウマ風に描いてフランス語で「ありがとう」とキャッチコピーを乱雑に書いた陶板があったので、売って欲しいと言ったら「これは非売品」とあっさり断られた。仕方なく女性の顔を鉄絵で描いたメローな香りがする第2候補をその時は買ってきた。今ではそのメロー顔の陶板はラヂオ亭の古物オーディオの隙間で昔からあるように馴染んで収まっている。今回はコーヒードリッパーを物色していたらお気に入りが見つかった。春の陶器祭りではたくさん売っていた粉引の白いヘラ目がラフでゴツゴツした器体のポット類もド...益子「日々是」陶房の愛しい器

  • その後

    8月半ばからブログアップを怠ってしまっている。根が無精だがパート的高齢アルバイト、近隣や各地への趣味品漁り、古本屋漁りなども20年前に輪をかけるくらいに毎日のように動き回っている。先週は帰りのバスが常磐自動車道で事故渋滞に巻き込まれたが、秋の「益子陶器祭り」にも行ってきた。中堅陶芸家田中さん夫妻のブース「日々是」では良いフォルムの焦げ茶コーヒードリッパー、茶器等ラフな粗造りが取り柄の民芸精神溢れる近作をゲットしてきた。益子町の街中で気にいっているアンティーク店では古い時期の薩摩龍門司の中型壺を入手。細筆にて流し掛けした緑と黄色の交差模様が神道的ミスティシズム風古さを象徴している。11月の連休が済んで今週は「ラヂオ亭」のずっと引っかかってきた模様替えを終了。奥の部屋で仮眠しっぱなしだったドイツザクセンベルグの管球...その後

  • ビル エヴァンスの映画で思い出したこと ❷

    映画館で貰ったパンフにも誰かが詠嘆と音楽的絶賛の両義的意味を込めてビルエヴァンスの人生は「長い時間をかけて仕組んだ自殺」と譬える巧妙なフレーズがあった。このドキュメント映画の構成はエヴァンス音楽をよく知っている様々な関係者のインタビューが軸になっていて実生活上の近親者も登場する。麻薬禍で苦しむ時代、敬愛した兄の死去、救抜的出会いのあった最愛女性との短い幸福生活、映像の語りを修飾するようにエヴァンストリオが奏でる美しくポリフォニックな現代ジャズの達成点を象徴するようなリバーサイド時代の名演「イスラエル」「ナルディス」「ワルツフォーデビイ」「ハウンテッドハート」等が流れる。実に美しい演出である。これらのエヴァンス音楽の核をなす懐かしい曲が鑑賞者の琴線に触れて決してハッピーとは言えなかったエヴァンスの不如意な実人生へ...ビルエヴァンスの映画で思い出したこと❷

  • ビル エヴァンスの映画で思い出したことその

    子供の時分にジャズ音楽に出会った。アートブレーキーとジャズメッセンジャーズのヒット曲「モーニン」が巷を席捲した時期だ。その頃好きになったジャズピアニストには近くに住む高校生だったお兄さんから教わったセロニアスモンクやデイブブルーベックがいたが、麗しいブルーベックはともかくとしてモンクというピアニストが弾く、当時流行った「ブルーモンク」のようなけっしてメロディーが流麗とは言えない即興ジャズが何故心を捉えたのか今でも不思議だ。少しジャズを意識して聴く事を覚えたハイティーンになってバドパウエル、ソニークラーク、ビルエヴァンスの音楽と出会わなければジャズピアノ好きな今の自分はなかった。その面で早熟なお兄さんのモンク鑑賞という背伸び的ジャズ指南を受けた契機は分からないなりにとても大きな意義があったと思っている。5月のGW...ビルエヴァンスの映画で思い出したことその

  • 6月の収穫

    かって隠居仕事としてパート仕事をさせて貰っていた職場から要請があって毎週土日の朝方3時間のアルバイトを引き受けている。屋内の各部屋、廊下、男女便所の清掃から庭の手入れをマニュアル通りに単独でこなす仕事内容だ。昔風の言葉なら「掃除夫」今時体裁の良い言葉では「美化スタッフ」である。これを引き受けたのは慢性的に来客が少ないカフェ維持の為の幾分かの足しにしたいという自分なりの形而下的浅知恵もあるのだが、何より大切な事は忍び寄る身体の老化に抗う心身鍛錬に繋がる効能、現代版「森田式作業療法」みたいな心の浄化という目論見も兼ねている。誰かが脱糞した後の便器にこびりついている残滓を硬い柄つきブラシで無心に洗い流すのも、昔の怒りっぽい修行不足の自分ならとても引き受けるような内容ではない。しかしこうした作業を内的呪詛フレーズを奔出...6月の収穫

  • ラッパの再練習

    高齢者風バイトと遊びに追われた相変わらずの2019年5月だった。土日のカフェ営業はシンパ的来店者も狭く決まってしまって進歩も退歩もない平衡状態が続いている。それでもポツンと一人きりの店でビルエバンストリオの1958年頃の大愛好する演奏、「EverybodyDigs」中の「PeacePiece」「WhatisThereToSay」「SomeotherTime」などの曲に浸っている時の静かな幸福感が零細な店を続けているという意義なんだと思って、開き直っている。開き直りついでに7〜8年振りのラッパ練習を再開することに決めた。メルカリ検索の達人である近所のS女史が見つけてくれたコルネットが契機になっている。前にはヤマハのコルネットを持っていたが、零細自営業を畳んで貧窮の自粛生活に入った頃に処分してしまった。今度はアメリ...ラッパの再練習

  • ヤムチン雑器好き

    沖縄では土もの陶器のことを昔から「ヤムチン」と呼んでいる。「ヤムチン」を好きになったのは泡盛酒などを入れる一種の陶器製水筒として使われてきた抱瓶(ダチビン)に魅せられた事が発端である。魚紋様や草木紋の絵柄。赤や青の色使いの素朴なダイナミズムに魅了されて古めな抱瓶を何個か集めてきた。酒を嗜む習慣がない自分としてはこれに季節の野花を挿すという野暮な喜びが陶器好きに拍車をかけてきたのだと思っている。その抱瓶も古格のあるものは最近は高くなって入手が難しくなっている。昨日も伊勢佐木町の古道具屋で抱瓶を見つけたが、1300円という値段はさておいていかにも現代沖縄観光土産風な趣きに触手が動かなかった。その代わりと言っては何だが、数日前に友人の佐々木さんと歩いていて見つけた壺はやはり同じ値段の1300円。2キロ以上はある重いも...ヤムチン雑器好き

  • 花見

    横浜の南部地区でアルバイトをしているせいか、運転しているクルマの中から春を迎えた樹木の表情を毎日のように感じ取っている。辛夷、紫木蓮の街路樹が盛りを過ぎる頃、桜が咲き出し公孫樹や柳も健やかな青い芽を吹き出す。この週末は店の合間に友人との花見散歩が楽しかった。土曜日が八分咲きの根岸森林公園、日曜日は麦田の至近にある山手公園の満開を迎えた大きな古木の桜を見物する。根岸の方は旭台、滝の上付近からの遠景長尺景色に霞んでいる桜が味わいに溢れていた。山手公園の方は量より質を愛でるべき横浜の桜名所だ。同行した5名の中のS女史は審美眼も繊細のせいか、花見会場に敷かれている毎度お馴染みのブルーシート使用をドレスコード風に規制すべきと語っている。確かにあのブルーが齎す浮かれすぎな俗流リアリズム的質感は日本最古の西洋式公園の色彩には...花見

  • 季節の恵み

    3月16日の大和骨董市は予想されたお天気の崩れもなく穏やかな散歩日和に恵まれた。この日の駄物収穫はどれもこれも1000円から100円迄のジャンク山からの掘り出しに面白味のある逸品が見つかって小さな満足を得る。ひとつは益子の昭和40年時期と思われる番茶用土瓶だ。これが100円。糠白釉薬の素地に柿釉がたっぷりと覆っている。その上を滲んで垂れ零しに余勢を感じさせる黒釉の刷毛目がとても良いアクセントをつけている。同じパターン柄の品物を別なブースで3500円で発見するもこちらは精々、昭和50年代以降の益子的実用品から力感というものを駆逐した薄弱品に過ぎず100円という当方の選択に溜飲を下げることになる。しかし入手にもそれなりの苦労は伴なうものだ。家財整理品の山の中でこの土瓶は最初に蓋がなかった。これでは生活上の「用の美」...季節の恵み

  • 春の香り

    地域の産直品を意欲的に並べるコンビニで菜の花の束を買う。198円でついでに花も楽しむという二重な幸せである。菜の花はブツ切りにしてにんにくと一緒にオリーブオイル、ベーコンを加えて炒める。これをパスタに合えて春を感じながら食べてみる。もう一品はバイト先の仲良しさんからの互恵品として頂いた湘南地方の野山で採取したばかりの蕗の薹。これは薄皮を剥いで泥を落とす。次に数分茹でて灰汁を抜く。水気を切ってみじん切りした蕗の薹を胡麻油で炒めて、酒、味醂、砂糖、味噌を加える。水分が飛べば出来上がり!草木が活性化し始める二十四節気の「雨水」の時候を感じるほろ苦さの口腔への広がり、やはり春を感じる一瞬である。フランスの1950年代のジャズピア二スト、モーリスベンダーが弾く「四月の思い出」「ハウアバウトユー」「ニアネスオブユー」あたり...春の香り

  • 根府川 真鶴 湯河原

    ラジオ亭の数少ないお客さんの足は、猛暑日、厳寒日の時候が続くと極端に遠のいてしまう。これはここ二年間の四季を経てきた間違いのない傾向である。旧暦カレンダーに記載された一月「藪入り」などの言葉を眺めていたら好きな神奈川の西端地区に「避寒」でもしようという気分になって三連休を取ることにした。自己流慢性「藪入り」だ。2月4日の「立春」も過ぎたので湯河原、幕山公園の梅林、真鶴半島を覆う海洋林に注ぐ弱い初春の陽射しでも浴びれば幸いと出かける。根府川に連泊して、付近を電車、バス、徒歩で行き来することになった。ところが根府川の初日は西湘では珍しい雪景色になっている。戸外温度は5度程度という冷え込みだが、翌日は雪が止んで晴れたが高地にある幕山公園付近は寒い。梅林の梅は寒さに竦んで三分咲き、梅祭りの売店で売っている甘酒で暖を取っ...根府川真鶴湯河原

  • 二階の絵

    春三月末くらいからようやく片付いて来たラジオ亭の二階スペースをラジオ亭ブックカフェにする。無垢材の座卓を囲んでお茶を飲みながら、読書も小懇談もできる程度の質素な昭和風居間である。伊勢佐木町の古道具屋を仲良しの佐々木さんと覗いていたらその二階に相応しいよいスケッチ画を発見した。パリの街路の遠景を描いたもの。村山俊夫という日展系の画家の小さな作品。1958年という好きな時期の作品で仏文のサインタイトルは「ビクトル3世橋」となっている。若葉が芽生える頃の大きな橋付近をそぞろ歩きする人物の点描と背後の街の遠望構図がとても心を和ませる小品である。年月を経ているだけにくすんで茶色っぽく変色も進んでいるものだが、これが昔からラジオ亭に棲んでいるようななじみ具合だ。大和の骨董市で入手した1960年代作のアメリカ人の来日記念木版...二階の絵

  • スーパーカブ散歩

    昨年の年末にやって来たスーパーカブの黄色い中古車、通称「リトルカブ」が横浜の市内散歩で活躍している。錆びも浮いて窶れている走行1万キロの中古だが、整備に出してから調子が良い。湘南や三浦方面のやや遠方地域へ出向くには50CCの動力性能では如何にも非力だが、市内5キロ圏程度の足としては十分である。昔、吉祥寺の「メグ」へ出入りしていたHさんなどは新潟迄スーパーカブで往復したという勇猛話をしていたことがあるが、わたしの今の気力では座間市への20キロ程度もよほど気力が横溢していないと無理だと思っている。「リトルカブ」というのは標準のスーパーカブよりもタイヤのインチ径が小さいせいか、小柄なスタイルをしている。これで横浜市内の本牧通り、鎌倉街道、国道16号といった幹線道路の裏道を4速トップスピードの3〜40キロ以内でトコトコ...スーパーカブ散歩

  • 新春を愛でる

    寺島靖国さんによる「日本一うらぶれたジャズ喫茶」という呼称を受けた我がラジオ亭は、その一面では「チェットベイカーの落胆感が日本一ピッタリ似合う」店でもあるらしい(「テラシマ円盤堂」所載記事、音楽之友社月刊「ステレオ」1月号参照)貶して褒めるという皮肉精神溢れる寺島節を玩味しながら2018年から2019年への年を越す。「うらぶれたジャズ喫茶」の年末大晦日の来訪者は夜半11時迄10人の知己で賑わうことになってつくづくと新旧友人の有難さを味わう。このところ遠ざかっている年越し蕎麦は出雲の十割蕎麦による熱い煮込み鰊蕎麦を食べる。新年初頭のバイト休業日は少年時代の懐かしい真言宗弘明寺観音へ初詣。100円お神籤での今年の運勢は「凶」、昨年本牧神社で引いたお神籤では「大吉」と出ただけに我が人生の反転落差を物語るようで面白い。...新春を愛でる

  • 2018 年の瀬の消息

    ネットで魅せられた1950年代、米RCA製真空管小型ラジオが大晦日に届いた。ジャンク品の出品を日頃検索で依存しているS女史が偶然見つけてくれた可愛らしさに魅せられて格安で入手した。購入価格以上の手入れ料が嵩むのが予想されるが、本牧に住む真空管ラジオエキスパート壮年のYさんが趣味的情熱でやってくれそうなので、ブルーツース用入力端子でも付けてラジオが生誕した頃のボーカリストの歌をしみじみと楽しめたらと願っている。裏蓋のスペックによれば再生のレンジの狭い事、540から1600ヘルツというナロウレンジである。ほぼ人声だけの用途だがこれで落胆する方は失礼ながら、人生もオーディオも未だ青二才の域をでない方だと思う。このレンジスペックからあのモニカルイス、バーバラリー、テディキングの声色が憂いとかコケトリーを微細に含んで具象...2018年の瀬の消息

  • ラフな燻製講座の出来栄え

    元在籍していた公的施設のアルバイト先は各種の市民催事を季節ごとに行なっている。初秋の頃にそこのイベント立案女子から、「正月のお節の脇役にもなるような簡単な燻製作りの講座をしてみませんか?」と打診された。何かの雑談の折に渓流魚の虹鱒燻製を作った体験を話ししたことを覚えていたらしい。一瞬迷ったが引き受けてみた。どこの家庭にもあるフライパンやステンレスボウルなどを容器にするアバウトな燻製作りである。少々の頓挫も楽しめれば良いと思ったからだ。用意したものはカセットコンロ4台、廃棄しても構わない各家庭の中華鍋、フライパンの類である。燃焼材料は桜の木のチップ、ザラメ砂糖、各種燻製向き食材は、立案女子と打ち合わせして決める。16日までに準備できた食材は6パック容器に入っている熱処理済みチーズ、本牧通り裏手にある地物魚が中心の...ラフな燻製講座の出来栄え

  • 寺島靖国との靴談義の余話ー横浜ラジオ亭篇2

    24日の土曜日は、元町中華街駅の改札口で寺島靖国さんと合流する。その2日前には昔のバンドホテルの跡地にあった「ドンキホーテ」が大型メガ店舗に変身したばかりで、元町付近は大混雑しているが待ち合わせには細心な寺島さんは約束時間よりも前に到着していたらしい。1時間前から付近の空気を嗅いでいたらしく開口のセリフは自分が住む地元の吉祥寺よりも街の品格がはるかに格上と強調している。この日の予定は元町から近い麦田町のラジオ亭への初訪問。時間が余れば近隣のシニア世代が出入りするジャズ喫茶店にも寄ることにした。そして最後は中華街で食事でもしようという予定になっている。元町商店街の裏通りには代官坂、汐汲坂といった山手の丘へ通じる坂道がある。その辺りの小さめな物販店、飲食、カフェの類は気の利いている佇まいがするから麦田町への徒歩行が...寺島靖国との靴談義の余話ー横浜ラジオ亭篇2

  • 寺島靖国との靴談義

    ジャズやオーディオに就て書いている寺島靖国さんとの付き合いはおよそ40年になろうか?吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」もすでに代が変わってしまった。昭和13年生まれの寺島さんも80才を超えてどんな境地に達しているのか?時々気になることがあって先日も久し振りに電話をしてみた。滅多にかけない電話の声色で私の識別が一発でついているようだから、当節増えている「認知症」高齢者には縁遠い明晰性は健在の様子である。昨年は9月に吉祥寺東急の中にある神田須田町の「まつや」分店で蕎麦を食べて、駅ビルのカフェで互いの持病のことや近況について雑談を交わした。それからあっという間に一年が過ぎて、今回も都内用事の折に吉祥寺で会おうという話が起こった。コーヒーが高い「カフェラミール」での談義は共通した知己の消息、読書傾向の情報交換に花が咲く。その中...寺島靖国との靴談義

  • 神保町古本祭り

    カフェを臨時休業日にして神保町の古本祭りへ出かける。前日3日の好天が恨まれるような小雨混じりの曇天日だ。雨が本降りにならぬことを祈りながら靖国通りを三省堂辺りから神保町交差点へ向けて歩き出す。小雨にもかかわらず古本祭りの最終日は見物客でごった返している。目玉の仮説店舗の陳列書籍を物色する。目が眩むような膨大な本の中にお目当ての本を探す。それもリーズナブルな値段で掘り出す快感が古書祭りの醍醐味だ。今回もそんな喜びを味わえる数冊の本に出会えた。中野重治短編小説集「眺め」中村汀女句集「都鳥」畑中純、アルミトランクケース入り限定春画集「月光」大阪市立美術館、根津美術館他編集「美濃古陶」等である。この日の極めつき優品は中村汀女の昭和26年初版「都鳥」に尽きる。スワン堂古書店さんの出品からゲットする。通常価格1500円の半...神保町古本祭り

  • ハゼ南蛮漬けようやく

    バイトの出勤時間が午後の日を選んでハゼ釣りのチャンスを伺っている。場所は横浜港へ流入する河川の汽水域だ。このところ通っているのは新山下の運河沿いに繋がっているヨットハーバーの船溜りをポイントにしている。この運河は山下橋という元町付近で湾口と小港方面に注ぐ分水路で二分されている。ヨットの水路よりも岸に近いカケ上がりの底ににハゼは生息している。前回が小時間の制約でしきりに餌追いのアタリがあったところだ。舫ロープに上げ損ねた針を引っ掛けないように注意しながらポイントに脈釣り仕掛けの餌を投入する。すぐに反応があって10センチくらいのハゼが上がってきた。小1時間くらい遅れてきた近所に住むHさんも久しぶりのハゼ釣りらしい。Hさんは横で繊細な長竿に簡素な仕掛けを準備するも老眼の進行はお互いさまで仕掛けセットや交換に結構時間を...ハゼ南蛮漬けようやく

  • メリッサ アルダーナの音が好き

    持久戦っぽい店舗移転後二年目の秋になっている。バイトが主で店が從という望ましくはない本末転倒な暮らしになっているが、これらの隙間で見出す良き音楽に沈潜する秋もよいものだ。目下のトップ愛聴盤は黒人系若手女性テナー奏者メリッサアルダーナの最近発売のCD「BackHome」だ。なんといっても一押しは最後を締めくくるタイトル曲の「BackHome」である。これは鮮度感溢れるJochenRueckertの快活なドラミングもメリッサのテナーと同じように聞かせどころを満載していることに気がつく曲でもある。彼女の怜悧な即興スピリッツと豪快なテナーブロウが良い塩梅のビート感で躍動するとても好きな曲である。どこか懐かしいジャズ巨人ソニーロリンズのコンテンポラリー盤「WayoutWest」の曲想に通じるテンポ感を満喫できる曲だ。Yo...メリッサアルダーナの音が好き

  • ラジオ亭の秋

    麦田の市街地にあるラジオ亭も裏通りの階段を上ると山手町のゆったりした住宅地が控えている。その辺りにはまだまだ緑地帯の隙間も多く小高い斜面には繁茂する芒が東寄りの涼風になびいている。散歩の途中に悪戯心から数本を採ってきて常滑の古い時代のごつい焼き締め大壺に挿してみた。一挙に秋が深まる室内情景の出現に気をよくする。先週はアルバイトの余白時間帯に貧果続きのハゼ釣りをようやく挽回するチャンスに恵まれた。新山下にあるヨットなどの船溜りへ自転車で出かけてみた。船の舫いロープに邪魔される釣り辛い岸からのチョイ投げ釣り場である。小雨が降り始める午前の1時間という釣りタイムながら、黒鯛の子供の「カイズ」一匹とハゼが十匹というそこそこの成績だ。塩でぬめりを落とす。鱗の汚れと、頭、腹わたを切除、塩こしょうでまぶす。片栗粉を軽く付けて...ラジオ亭の秋

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