芝居「マリア観音」《「三河家劇団(座長・三河家桃太郎)〈平成21年8月公演・湯ぱらだいす佐倉〉》
芝居の外題は「マリア観音」、大衆演劇の名作である。配役は、父・阿部豊後守と母・お蔦(元芸妓・蔦吉)二役が座長・三河家桃太郎、その息子・霞の半次郎に三河…
芝居「三下旅鴉」《「三河家劇団」(座長・三河家桃太郎)〈平成21年8月公演・湯ぱらだいす佐倉〉》
今月、この劇団の見聞は5回目である。1回目の時「しばらくは、この劇団の舞台を見続けることになるだろう」と綴ったが、「同じ芝居を何度観ても飽きないのではない…
芝居「兄弟分」《「三河家劇団」(座長・三河家桃太郎)〈平成21年8月公演・湯ぱらだいす佐倉〉》
この劇団の舞台は、昨年、九十九里太陽の里で見聞したが、劇場の雰囲気が騒々しく、芝居、舞踊ショーともに印象に残る特記事項はなかった。今回、劇場の観客数は二…
芝居「質屋の娘」《「劇団朱光」(座長・水葉朱光)〈平成25年12月公演・小岩湯宴ランド〉》
この12月私は、芝居「かげろう笠」「雨の他人舟」「一本刀土俵入り」「へちまの花」「瞼の母」などの舞台を見聞したが、2年前に比べて「大きな変化」は見られ…
芝居「かげろう笠」《「劇団朱光」(座長・水葉朱光)〈平成23年12月公演・小岩湯宴ランド〉》
私はこの劇団の舞台を、今から3年半余り前(平成20年5月)、東京・立川大衆劇場至誠座最終公演)で見聞している。以後も、数回、柏健康センターみのりの湯あ…
芝居「雨の他人舟」《「劇団朱光」(座長・水葉朱光)〈平成23年12月公演・小岩湯宴ランド〉》
芝居の外題は「雨の他人舟」。幕が上がると、そこは金沢の浜(横浜~平塚間)。おりしも雷鳴轟く時化の海を見やりながら、一人の男(水谷研太郎)・が「おせん!おせ…
芝居「お吉物語」《「劇団朱光」(座長・水葉朱光)〈平成23年12月公演・小岩湯宴ランド〉》
芝居の外題は「お吉物語」。配役は、明烏お吉に座長・水葉朱光、船大工鶴松に水谷研太郎、大工棟梁に梅沢洋二朗、総領事ハリスと鶴松の母二役が舞坂錦、下田奉行に…
芝居「闇の大江戸」《「劇団翔龍」(座長・春川ふじお)〈平成26年6月公演・小岩湯宴ランド〉》
初日公演、夜の部芝居の外題は「闇の大江戸」。義賊とうたわれた怪盗小僧(座長・春川ふじお)が、お縄になって島流し、しかし奉行・佐々木某(藤美匠)の温情に…
芝居「三下仁義」《「劇団翔龍」(座長・春川ふじお)〈平成21年8月公演・蟹洗温泉蟹座〉》
芝居の外題は、昼の部「三下談義」、夜の部「幻お銀」。いずれも、大衆演劇には「よくあるお話」で、前者は「仁義間違い」をして斬られてしまった朋輩(藤美匠)…
芝居「娘に」《「劇団翔龍」(座長・春川ふじお)〈平成21年1月公演・川越三光ホテル〉》
芝居の外題は「娘に」。春川ふじお座長「自作自演(主演)」の現代劇、吉幾三作詞・作曲の「娘に・・・」をヒントに、ある夫婦(夫・春川ふじお、妻・大月瑠也)…
芝居「瞼の母」《「劇団翔龍」(座長・春川ふじお)〈平成20年11月公演・小岩湯宴ランド〉》
夜の部、芝居の外題は「瞼の母」。この舞台は、「演劇グラフ」(2008.6)で詳しく紹介されている。それによると、配役は〈番場の忠太郎(春川ふじお)、…
芝居「長崎物語」《「藤間劇団」(座長・藤間智太郎)〈平成23年11月公演・湯ぱらだいす佐倉〉》
相変わらず、この劇場の客席は閑散としている。土曜日の昼だというのに観客数は20人弱・・・。夜の部ともなれば10人以下になることもしばしばだとか。この前な…
相舞踊「お島千太郎」(「藤間智太郎劇団」・平成26年9月公演・島田蓬莱座)
今日はシルバーウィークの2日目、さだめし充実した舞台が展開されるだろうと期待して来場したのだが・・・。芝居の演目は「長崎物語」?、「大人の童話」?、「源…
芝居「大人の童話」《「藤間劇団」(座長・藤間智太郎)〈平成23年11月公演・湯ぱらだいす佐倉〉》
昨日は休前日だというのに、夜の部の公演は「観客不足」(観客は私一人)のため中止となった。いわば「幻の舞台」になってしまったわけだが、今日は、ぜひともその…
芝居「源吉渡し」《「藤間劇団」(座長・藤間智太郞)〈平成22年5月公演・大阪梅南座〉》
(夜の部)だというのに観客数はまばらで20人弱、さだめし他の劇場、他の劇団では「大入り」の活況を呈しているに違いないと思いながら、開幕を待った。第一部・顔…
私が初めて「藤間劇団」(座長・藤間智太郎)の舞台を見聞したのは、1年半前(平成22年5月)、大阪梅南座、芝居の外題は「源吉渡し」。観客数は20人程であっ…
「梅澤武生劇団」の芝居に「二人団十郎」という演目がある。その筋書きは要するに、東北の田舎で市川団十郎を名乗る役者(梅澤富美男)と、本物の市川団十郎(梅澤武生…
芝居「波に咲く花」(「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成23年11月公演・苫田温泉〉
幕が上がると、そこは漁師町の貧しい家内、一人の娘・お房(幼紅葉)が針仕事の最中、どこからともなく大漁節の唄声が流れてくる。帰ってきたのは兄の友蔵(座長・…
芝居「月とスッポン」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成22年4月公演・香川城山温泉〉》
座長の話によれば、この6月に息子の鹿島虎順が「三代目・鹿島順一」を襲名、自分は太夫元として「甲斐文太」を名乗るという。なぜ甲斐なのか、なぜ文太なのか。「甲斐…
三代目・鹿島順一の(たぶん?)初月忌にあたる6月25日、私もまた「急性心筋梗塞」の症状に襲われた。夜半から夜明けにかけて胸に違和感を感じていたが、午前6時を…
芝居「男の盃・孫次郎の最後」(「鹿島順一劇団」〈平成25年3月公演・湯ぱらだいす佐倉〉》
芝居の外題は「男の盃・孫次郎の最後」。飯岡一家に草鞋を脱いだ旅鴉の三浦屋孫次郎(三代目鹿島順一)が、親分・飯岡助五郎(梅之枝健)に使われて、(助五郎の)…
芝居「黒髪道中・縁結びの三五郎」(「鹿島順一劇団」・平成24年5月公演・大阪満座劇場)
芝居の外題は「黒髪道中・縁結びの三五郎」。私は、この芝居を昨年(平成23年4月))、尼崎・座三和スタジオで見聞している。その時の感想は以下のとおりであ…
芝居「アヒルの子」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成24年2月公演・大阪梅南座〉》
芝居の外題は「アヒルの子」。三代目鹿島順一が座長を襲名後、これまで劇団を支えてきた蛇々丸、春大吉といった名脇役が脱けたことによって、少なからず、その(国宝…
芝居「悲恋流れ星」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成24年2月公演・大阪梅南座〉》
芝居の外題は「悲恋流れ星」。生まれつき顔半分に疵のあるヤクザ・弁太郎(座長・三代目鹿島順一)の悲恋物語である。もともと「若い女に相手にされるはずもない」と諦…
芝居「浮世人情比べ」《「鹿島順一劇団」座長・鹿島順一・平成23年6月公演・大井川娯楽センター》
芝居の外題は「浮世人情比べ」。この演目は、近年、まったく上演することがなかったので、いわば「初演」と変わらない由、座員一同はすこぶる緊張気味とのことであった…
芝居「新月桂川」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成23年6月公演・大井川娯楽センター〉》
芝居の外題は「新月桂川」。私はこの芝居を、ほぼ2年前(平成21年7月)、ここ大井川娯楽センターの舞台で見聞している。以下はその時の感想である。〈芝居の…
芝居「長ドス仁義」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成23年4月公演・座三和スタジオ〉》
芝居の外題は「長ドス仁義」。赤穂の親分(三代目鹿島順一)が姐さん(春日舞子)、妹(幼紅葉)、三下(花道あきら)を連れだっての道中記である。親分より一足先…
芝居「身代わり道中」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成23年3月公演・大阪高槻劇場〉》
客席に一歩足を踏み入れて驚いた。すでにミニショーの幕は上がり、壬剣天音の舞台(個人舞踊・「雨の田原坂」)であったが、客が居ない。暗がりの中、わずかに一人…
芝居「恋の辻占」《「鹿島順一劇団》(座長・鹿島順一)〈平成23年2月公演・みかわ温泉海遊亭〉》
第一部・芝居の外題は「恋の辻占」。時代人情剣劇だが、そう単純な筋書ではない。主人公・宇太郎(三代目・鹿島順一)は、幼いときに母と死別、父とも生き別れ…
芝居「月夜の一文銭」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)平成23年1月公演・東海健康センター》
早朝に自宅を出発、新幹線で東海健康センターに向かう。「鹿島順一劇団」(座長・三代目鹿島順一)の舞台を見聞するためである。東海健康センターへは、名古屋駅…
芝居「木曽節三度笠」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)平成25年3月公演・湯ぱらだいす佐倉》
芝居の外題は「木曽節三度笠」。私が。この芝居を見聞するのは3回目だが、その間、配役に大きな変化はない。ある材木問屋の若旦那・新太郎に花道あきら、その弟(と…
芝居「木曽節三度笠」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成22年8月公演・大阪豊中劇場〉》
芝居の外題は「木曽節 三度笠」。私はこの狂言を1年半前(平成21年3月)、川崎大島劇場で見聞している。その時の感想は以下の通りであった。〈芝居の外題は…
芝居「命の架け橋」(「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成22年8月公演・大阪豊中劇場〉
6月に三代目虎順が18歳で鹿島順一を襲名(於・浪速クラブ)、7月は四日市ユラックスで順調に滑り出したように見えたが、8月、早くも試練の時がやって来た。劇…
芝居「越中山中母恋鴉」《「鹿島順一劇団」〈平成21年5月公演・九十九里太陽の里〉》
今日は座長・鹿島順一、54歳の誕生日、といっても特別な趣向があるわけではなく、強いて挙げれば、芝居の主役を三代目・虎順と交代 したくらいであろう。外題は…
芝居「人生花舞台」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成22年2月公演・奈良弁天座〉》
今日は「近江飛龍劇団」座長・近江飛龍がゲスト出演とあって、客席は満員、昼も夜もダブルの大入りとのこと、前売り券も売り切れという始末であった。私は1時間前に…
芝居「人生花舞台」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成21年2月公演・水戸ラドン温泉〉》
2月公演の千秋楽、芝居の外題は「人生花舞台」であった。先月(1月公演・つくば湯ーワールド)とは違って、旧版どおり、元歌舞伎役者(老爺)・座長、清水の次郎…
舞踊「忠義桜」(「鹿島順一劇団」座長・鹿島順一〈平成21年5月公演・九十九里太陽の里〉
午後1時30分から「九十九里オーシャンスパ・太陽の里」で大衆演劇観劇。「鹿島順一劇団」。この劇場の客筋は「団体」「家族」で「海水浴」「温泉浴」「砂風呂」「…
個人舞踊「ど阿呆浪速華」《「鹿島順一劇団」〈平成21年1月公演・つくば湯ワールド〉》
芝居の外題は「旅の風来坊」。清水一家の追分三五郎(三代目虎順)が、一宿一飯のお世話になった仏一家(女将・春日舞子、代貸・花道あきら、三下・三吉・蛇々丸)の「…
芝居「六十一賀の祝い」《「鹿島順一劇団」〈平成21年1月公演・つくば湯ワールド〉》
芝居の外題は「六十一・賀の祝」。還暦を迎える父(座長・鹿島順一)とその息子たち(兄・花道あきら、弟・春大吉)の物語である。兄は、父の羽振りのよかった時期…
芝居「里恋峠」(「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成22年4月公演・香川城山温泉〉
芝居の外題は「里恋峠」。金看板・更科一家親分三衞門・座長・鹿島順一、その息子三之助・鹿島虎順、その妹お里・新人・幼紅葉、親分の後妻おたき・春日舞子、代貸…
芝居「里恋峠」(「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成21年5月公演・九十九里太陽の里〉
芝居の外題は「里恋峠」。その内容は「演劇グラフ」(2007年2月号)の〈巻頭特集〉で詳しく紹介されている。それによると「あらすじ」は以下の通りである。…
芝居「紺屋高尾」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成20年3月公演・小岩湯宴ランド〉》
昼の部、芝居の外題は「紺屋高尾」、舞踊ショーは「女形大会」、夜の部、芝居の外題は「忠治御用旅」、舞踊ショーは「人生劇場」、いずれも特選狂言と銘打っていた。観…
芝居「源太時雨」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成22年8月公演・大阪豊中劇場〉》
芝居の外題は「源太時雨」。かつての座長、二代目鹿島順一(現・甲斐文太)は、座員それぞれの「個性」を見抜き、それを磨き際だたせる采配に長けていた。この狂…
芝居「源太時雨」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成21年1月公演・つくば湯ワールド〉》
芝居の外題は「源太時雨」。配役は、主役の源太・春大吉、その親分・蛇々丸、盲目の浪人・三代目虎順、その妻・春夏悠生という顔ぶれであったが、肝腎の座長・鹿島…
芝居「武士道くずれ」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成23年11月公演・苫田温泉〉》
幕が上がると、そこは硝煙立ちこめる戦場、今しも飛び出してきた一人の若武者・秋月一馬(幼紅葉)が、官軍の銃弾を浴びて倒れ込む。すかさず、戦友の直参旗本・真…
芝居「大江戸裏話・三人芝居」《「鹿島順一劇団」〈平成20年2月公演・川越三光ホテル〉》
芝居の外題は、昼の部「大江戸裏話・三人芝居」。、もう店じまいをしようとしていた、夜泣きうどんの老夫婦(爺・蛇々丸、婆・座長・鹿島順一)のところへ、腹を空…
芝居「吉五郎懺悔」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)平成23年10月公演・大阪オーエス劇場》
今日は三代目座長20歳の誕生日とあって、南條隆、龍美麗、南條勇希、大導寺はじめ、豊島屋虎太朗といった面々がゲスト出演で「ダブルの大入り」という盛況ぶり…
芝居「心模様」《「鹿島順一劇団」(座長・三代目鹿島順一)〈平成23年12月公演・高槻千鳥劇場〉》
芝居の外題は「心模様」。時代は明治から昭和初期にかけて(?)、役人の給料が2~3円の頃、場所は、貧しい人々のために医療を続ける橋本医院の一室、「それでは…
芝居「月とすっぽん」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成20年3月公演・小岩湯宴ランド〉》
芝居の外題は「月とすっぽん」。登場人物は「すっぽん」の兄・平太郎(座長)と「月」の弟(三代目虎順)、「すっぽん」の下女・おなべ(春日舞子)と「月」のお…
芝居「マリア観音」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成22年5月公演・広島ゆーぽっぽ〉》
今日は「鹿島順一劇団」の特選狂言「マリア観音」の公演日、それを観るために、はるばる(昨日は大阪途中下車、二劇場で観劇)広島までやってきた。劇場は「ゆーぽ…
芝居「噂の女」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成20年2月公演・川越三光ホテル〉》
夜の部の芝居は「噂の女」。主演・春日舞子、共演・鹿島順一。配役は、「噂の女」(お千代)、その父(蛇々丸)、弟(花道あきら)、弟の嫁(春大吉)、嫁の父(梅…
芝居「春木の女」《「鹿島順一劇団」(座長・鹿島順一)〈平成20年3月公演・小岩湯宴ランド〉》
「春木の女」は「鹿島順一劇団十八番の内」と銘打っている。さもありなん、この芝居は、これまで私が観た大衆演劇の中でも「最高傑作」といっていい舞台であった。春…
「鹿島順一劇団」の《魅力》とは何だろうか。ひと言で言えば、「レンゲソウ」の魅力とでも言えようか。俗に「やはり野に置け蓮華草」と言われるように、「大衆演劇…
(昭和50年代の)「梅澤武生劇団」の芝居に「二人団十郎」という演目がある。その筋書きは要するに、東北の田舎で市川団十郎を名乗る役者(梅澤富美男)と、本物の市…
昨晩、ハンドルネーム・Andorra氏(以下A氏という)から、私の拙いブログ記事にコメントがついた。その内容は以下の通りである。〈大衆演劇見るなら 高いお…
御多分に洩れず、大衆演劇の「裏舞台」は、インターネット「2チャンネル」(掲示板)で展開する。その演目の多くは「あやしい」「できた」「振った」「振られた」…
大衆演劇評論家・橋本正樹氏は、「大衆演劇『公式』情報サイト・0481.JP」・《演劇の楽しみ方》の中で、「ファン気質」について以下のように述べている。〈…
大衆演劇の音響は、つねに「大音響」であることが特徴である。役者の条件は「一声、二振り(顔)、三姿」といわれているが、その「一声」を描出すべき「音響効果…
さて、大衆演劇の「大衆」(観客)の中で見逃せない存在がある。私が行きつけの「健康センター」、舞台は二部の「舞踊ショー」に移っていた。ふと気がつくと、私の…
大衆演劇の観客は、ただ単に「芝居」や「踊り」を観に行くのではない。「役者に会う」ために通っているのである。特に私の場合は、「観客(大衆)を観る」ことを楽しみ…
大衆演劇の第三部(または二部)は舞踊・歌謡ショー、そのラストを飾る「フィナーレ」は、それぞれの劇団が、おのがじし趣向を凝らし、文字通り「百花繚乱」といった景…
「鹿島順一劇団」が演じる「芝居」は、その主題、役者の演技力において他を凌駕している。大衆演劇の「芝居」の主題は、儒教・仏教・神道など、伝統文化に基づいた「礼…
大衆演劇の役者は、テレビ(映画)俳優と違って、「やり直し」(NG)ができない。また、歌舞伎、新派、新劇などの役者と違って、(多くの場合)「台本」がない…
私が初めて「大衆演劇」を観たのは、昭和46年(1972年)8月、今から36年前の夏であった。場所は東京・足立区千住の「寿劇場」、出演者は「若葉しげる劇団…
付録・邦画傑作選「出来ごころ」(監督・小津安二郎・1933年)
ユーチューブで映画「出来ごころ」(監督・小津安二郎・1933年)を観た。昭和初期、人情喜劇の傑作である。主なる登場人物は男4人、女2人。男は、東京のビール工…
付録・邦画傑作選「生さぬ仲」(監督・成瀬巳喜男・1932年)
ユーチューブで映画「生さぬ仲」(監督・成瀬巳喜男・1932年)を観た。原作は大正時代に連載された柳川春葉の新聞小説で、ウィキペディア百科事典ではそのあらすじ…
付録・邦画傑作選「夜ごとの夢」(監督・成瀬巳喜男・1933年)
この映画の面白さ(見どころ)は、何と言っても「配役の妙」にある。小津安二郎作品でお馴染みの坂本武、飯田蝶子コンビが阿漕な仇役、齋藤達雄が救いようのない無様…
付録・邦画傑作選「青春の夢いまいづこ」(監督・小津安二郎・1932年)
ユーチューブで映画「青春の夢いまいづこ」(監督・小津安二郎・1932年)を観た。この作品は三年前の「学生ロマンス若き日」、二年前の「落第はしたけれど」に続く…
付録・邦画傑作選「落第はしたけれど」(監督・小津安二郎・1930年)
ユーチューブで映画「落第はしたけれど」(監督・小津安二郎・1930年)を観た。前作「学生ロマン若き日」の続編である。W大学応援部の高橋(齋藤達雄)たちは、い…
ユーチューブで映画「滝の白糸」(監督・溝口健二・1933年)を観た。原作は泉鏡花の小説、昭和世代以前には広く知れわたっている作品である。 時は明治23年(1…
付録・邦画傑作選「学生ロマンス若き日」(監督・小津安二郎・1929年)
ユーチューブで映画「学生ロマンス若き日」(監督・小津安二郎・1929年)を観た。 昭和初期における大学生の人間模様が詳細に描かれていてたいそう面白かった。 …
ユーチューブで映画「路上の霊魂」(監督・村田実・1921年)を観た。ヴィルヘルム・シュミットボンの『街の子』(森鴎外訳)とマクシム・ゴーリキーの『夜の宿(ど…
ユーチューブで映画「ことぶき座」(監督・原研吉・1945年)を観た。この映画が作られたのは、敗戦直前の昭和20年6月、当時の社会状況、日本人の意識を知るには…
ユーチューブで映画「港の日本娘」(監督・清水宏・1933年)を観た。戦前の男女の色模様を描いた傑作である。港の日本娘とは黒川砂子(及川道子)のことである。彼…
戦前の邦画「旅役者」(監督成瀬巳喜男・東宝・1940年)をユーチューブで観た。大変おもしろい。田舎町を旅する中村菊五郎(高勢実乗)一座の物語である。一座の…
付録・邦画傑作選「上陸第一歩」(監督・島津保次郎・1932年)
ユーチューブで映画「上陸第一歩」(監督・島津保次郎・1932年)を観た。何とも「摩訶不思議」な映画である。タイトルを見て、戦意高揚の国策映画と思いきや(しか…
ユーチューブで映画「虹立つ丘」(監督・大谷俊夫・1938年)を観た。舞台は竣工まもない箱根強羅ホテル、そこで働く兄妹の物語である。兄・弥太八(岸井明)はホテ…
冒頭のタイトルに続き、「配役」になると、女性の歌声が流れ出す。耳を澄ませると、「並ぶ小窓に はすかいに 交わす声々日が落ちる 旅暮れて行く空の鳥 母の情けを…
付録・邦画傑作選「兄いもうと」(監督・木村荘十二・1936年)
ユーチューブで映画「兄いもうと」(監督・木村荘十二・1936年)を観た。多摩川の川師・赤座一家の物語である。川師とは、洪水を防ぐために川の流れを堰き止めたり…
付録・邦画傑作選「淑女と髭」(監督・小津安二郎・1931年)
サイレント喜劇映画の傑作である。冒頭は剣道の大会場面、皇族の審判長(突貫小僧)も臨席しているが、興味なさそうに何かを吹き飛ばして遊んでいる。学生の岡島(岡…
原作は村松梢風、五代目尾上菊五郎(河原崎権十郞)の養子・二代目尾上菊之助(花柳章太郎)の物語である。冒頭は歌舞伎座の楽屋裏、これから「東海道四谷怪談」隠亡…
付録・邦画傑作選「桃中軒雲右衛門」(監督・成瀬巳喜男・1936年)
ユーチューブで映画「桃中軒雲右衛門」(監督・成瀬巳喜男・1936年)を観た。 原作は真山青果、明治から大正にかけ、浪曲界の大看板で「浪聖」と謳われ…
付録・邦画傑作選「芸者ワルツ」(監督・渡辺邦男・1952年)
DVD(新東宝【歌謡シリーズ】傑作選)で映画「芸者ワルツ」(監督・渡辺邦男・1952年)を観た。その内容は「元伯爵の令嬢から一転、花柳界へ身を沈めた薄倖の女…
ユーチューブで映画「島の娘」(監督・野村芳亭・1933年)を観た。昭和中期以前の世代にとっては、あまりにも有名な流行歌「島の娘」(詞・長田幹彦、曲・佐々木俊…
結婚してから四年、まだ子どもは生まれない。これからも期待できないだろう。たまの日曜日だというのに、夫婦には予定がない。朝食後、妻は編み物をし、夫は庭を眺める…
ユーチューブで映画「阿部一族」(監督・熊谷久虎・1938年)を観た。タイトルの前に「国民精神総動員 帝国政府」という字幕が一瞬映し出される。原作は森鷗外、九…
付録・邦画傑作選「簪(かんざし)」(監督・清水宏・1941年)
1941年(昭和16年)、山梨の下部温泉で一夏を過ごす人々の物語(原作・井伏鱒二)である。長逗留をしているのは学者・片田江先生(齋藤達雄)、復員兵とおぼしき…
付録・邦画傑作選「愛の世界 山猫とみの話」(監督・青柳信雄・1943年)
ユーチューブで映画「愛の世界 山猫とみの話」(監督・青柳信雄・1943年)を観た。戦時下における教育映画の名作である。 主人公は、小田切とみ(高峰秀子)16…
付録・邦画傑作選「春琴抄 お琴と佐助」(監督・島津保次郎・1935年)
原作は谷崎潤一郎、文学の世界では作者特有のマゾヒズム、耽美主義が取り沙汰されているようだが、映画の世界では、お琴(田中絹代)と佐助(高田浩吉)の「師弟愛」が…
付録・邦画傑作選「泥だらけの純情」(監督・中平康・昭和38年)
出会ってから、わずか七回の「逢瀬」で、見事な「情死」を果たした男女がいる。 日活映画「泥だらけの純情」(原作・藤原審爾 脚本・馬場当 監督・中平康 昭和38…
もともとヴォードヴィリアンだった渥美清を,国民的な俳優に仕立て上げたのが映画「男はつらいよ」のシリーズであったが,そのことで渥美清は本当につらくなってしまっ…
付録・邦画傑作選「三百六十五夜」(監督・市川崑・1948年)
ユーチューブで映画「三百六十五夜」(監督・市川崑・1948年)を観た。原作は小島政二郎の恋愛通俗小説(メロドラマ)である。登場人物は、川北小六(上原謙)、大…
付録・邦画傑作選「忠烈 実録忠臣蔵」(監督・マキノ省三・1928年)
ユーチューブで、映画「忠烈 実録忠臣蔵」(監督・マキノ省三・1928年)を観た。監督のマキノ省三は「日本映画の父」と言われ、邦画草創期の基礎を築いた人物であ…
付録・邦画傑作選「東京の合唱」(監督・小津安二郎・1931年)
ユーチューブで映画「東京の合唱」(監督・小津安二郎・1931年)を観た。保険会社に勤める男・岡島伸二(岡田時彦)が主人公の物語である。冒頭場面は、旧制中学校…
付録・邦画傑作選「東京の女」(監督・小津安二郎・1933年)
二組の男女(同胞)が登場する。その一は姉・ちか子(岡田嘉子)と弟・良一(江川宇礼雄)、その二は兄(奈良真養)と妹・春江(田中絹代)である。姉はタイピスト、夜…
付録・邦画傑作選「吾輩ハ猫デアル」(監督・山本嘉次郎・1936年)
ユーチューブで映画「吾輩ハ猫デアル」(監督・山本嘉次郎・1936年)を観た。原作は夏目漱石の小説、その主役は「吾輩」と名乗る猫だが、映画に登場する猫は、何と…
ユーチューブで映画「按摩と女」(監督・清水宏・1938年)を観た。監督・清水宏、戦前傑作の逸品である。山の温泉場(おそらく塩原か?)に向かう按摩の徳一(徳大…
付録・邦画傑作選「有りがたうさん」(監督・清水宏・1936年)
タイトルの「有りがたうさん」とは、ある男のニックネームである。彼は三島~下田間を往復する乗合バスの運転手、まだ二十代の二枚目(上原謙)、天城・下田街道を歩く…
付録・邦画傑作選「恋の花咲く 伊豆の踊子」(監督・五所平之助・1933年)
ユーチューブで「恋の花咲く 伊豆の踊子」(監督・五所平之助・1933年)を観た。タイトルに「恋の花咲く」という文言が添えられているように、この作品は川端康成…
付録・邦画傑作選「秀子の車掌さん」(監督・成瀬巳喜男・1941年)
ユーチューブで映画「秀子の車掌さん」(監督・成瀬巳喜男・1941年)を観た。甲府の甲北乗合バスに勤務する運転手・園田 (藤原鶏太)と車掌・おこま(高峰秀子)…
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