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Fish On The Boat https://blog.goo.ne.jp/mask555

本や映画のレビューや、いろいろな考え事の切れ端を記事にしています。

本や映画のレビュー中心。「生きやすい世の中へ」をメインテーマとして、いろいろな考察、考え事を不定期記事しています。

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2014/07/08

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  • 『香水――香りの秘密と調香師の技』

    読書。『香水――香りの秘密と調香師の技』ジャン=クロード・エレナ芳野まい訳を読んだ。エルメスの人気調香師による、香水についての網羅的に概説する本。香水の歴史的部分、人間の嗅覚の構造、香水の原料や抽出方法、調香師になるための勉強、調香師の職業的な部分、香水とは何か、マーケティング、香水を市場に出す過程などなど、ほんとうに香水全般を扱っています。そして簡潔。どの章も興味深いのですが、たとえば抽出方法の章で解説される、植物から香り成分を抽出するいくつかの方法のどれもが、人間ってよく考えるものだなあ、と思えるものでした。どうしてそうやったらできるとわかったのだ?というように。いくつかの抽出方法のひとつを以下に書いてみます。揮発性溶剤にいれて香り成分を溶かし込んだ溶剤を回収し、をそれを気化して回収する。残った部分は...『香水――香りの秘密と調香師の技』

  • 『春の庭』

    読書。『春の庭』柴崎友香を読んだ。第151回芥川賞受賞作。くわえて、単行本未収録短編二点と、書下ろし短編一点を収録。表題作『春の庭』は、妙な出会いというか縁というかによって話をするようになった、取り壊し間近の同じアパートに住む主人公・太郎と西という女性漫画家。この二人を主要人物として物語は進んでいきます。しかしながら、物語はどうなっていくのか、中盤まで読み進めていってもまったく先が読めません。僕にとっては「物語」というものの引き出しの外にある「物語」で、つまりは自分にとっての新種の「物語」なのかもしれない、なんて思いました。あるいは、「物語」のどのようなコードに対してもそのまま従うということをしない、というカテゴリに分類される「物語」なのかもしれません。とはいっても、僕の中にある「物語」の類型のストックが...『春の庭』

  • 『デザイン思考が世界を変える』

    読書。『デザイン思考が世界を変える』ティム・ブラウン千葉敏生訳を読んだ。アップルコンピュータのマウスや、2000年前後にヒットしたPDA端末・パームⅤを手がけたデザインコンサルタント会社IDEOの社長兼CEOの著者によるデザイン思考を紹介する本。デザインとデザイン思考はちょっと違います。以下、引用を中心に本書の解説・感想を書いていきます。「デザイン」とは、たとえば自動車のフォルムや内装などがどうなっているかというようなものですが、「デザイン思考」になると範囲は広がり、その自動車の購買者はどういった用途でその自動車の使用を楽しむかというようなことを考えます。乗り心地の快適性、購入時やサポート時の体験、その自動車と共にある生活などを考えてデザインしていく。__________「私たちがデザインしようとしている...『デザイン思考が世界を変える』

  • 自己肯定感の裏側。

    僕らが暮らしている競争社会では、「言ったもの勝ち」みたいに、俺のほうが強いんだぜ、と胸を張ったもの勝ちのところがある。ハッタリという戦法があるのもそのためでしょう。そうやって言い張れる、胸を張れるのって、どきどきしながらやっているウブなタイプの人もいるけれど、それらを得意戦術にしている人にとっては自己肯定感がその精神性の源になっていると思います。僕が学生の頃、周囲を見ていて顕著に目を引いたものに、自分よりランクの高い大学の人たちを「頭でっかちだから」みたいにけなして、自分たちこそがまともだとするスタンスがありました。そのような、自分の属するグループこそが世界の中心あるいは中心を担うべきまっとうな存在だとする自己肯定感ってあって、たとえば競争社会でいくつものトップが乱立するのはこのメンタリティによるのではな...自己肯定感の裏側。

  • 『リバーズ・エッジ』

    年に数回の、昼間に自由な時間がある日が今日だったので、2018年度の作品『リバーズ・エッジ』を観ていました。監督は行定勲さん、主演は二階堂ふみさん。原作は岡崎京子さんの漫画で、舞台は90年代。いじめられっ子の山田(吉沢亮)とその山田を助けた若草(二階堂ふみ)の二人が回転軸となっている話です。強いストーリーはないのだけど、事件はいろいろ起こりますし、そんな日常に揺られる群像を描いたような作品と言えそうです。ふつうに生きていたらどんどん人間喪失していく90年代。若い人たちは、あがいている自覚はないのだけどあがいていたんだと思う。それも、安易な物語に組み込まれないために極端なところまで針を振る行為で。でも、欲していたのは新しい物語だったんだろうと、同じく90年代を10代で過ごしてきた僕には感じられました。僕とし...『リバーズ・エッジ』

  • 『恋歌、くちずさみながら。』

    読書。『恋歌、くちずさみながら。』ほぼ日刊イトイ新聞を読んだ。すべてがほんとうの話。Webサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』のコンテンツ「恋歌くちずさみ委員会」に寄せられた恋バナ集です。甘酸っぱかったり、苦かったり、切なかったりする内容には、でもあたたかみが宿っていたりしました。本書の書き手の方々にとっての恋のランドマークや記憶を呼び起こすトリガーになっている恋歌。それはきっと、ここに投稿された方たち以外の、たとえば読み手の多くにとってもそういった恋歌はあるのだろうと思います。取り上げられている恋歌はけっこう古いものが多いです。1980年前後くらいが多かったでしょうか。なので、語られるエピソードも、たとえばインターネットや携帯電話が普及する以前の話がほとんどでした。中年以降・老年手前くらいの人たちが楽しんで告白...『恋歌、くちずさみながら。』

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