BL小説「凸月の狼たち −逆遺言篇−」を掲載します。
アメーバブログ、FC2ブログ、小説家になろう、の3サイト同時掲載です。
この度は『凸月の狼たち』シリーズを三巻に渡り完読下さり、誠にありがとうございました。 この物語は、以前書いたストレートものヴァンパイア作品『カゲロウCAV…
確信を得た男は冷静さを取り戻し、もう一度、引き戸を開けるように板を右から左へ押してみた。 すると、嘘のようにスーッと板が動き、四方板に囲まれた、低く狭い通路…
すると、左の道には無反応で、右の道に翳した時には一際明るく輝いた。 “どっちに行くべきか?” 左の道の光への興味は尽きなかったが、折角、老人にもらった竹なの…
「ハッハハ・・・それは人間界での話じゃろ?ここはあの世とこの世の狭間じゃからな。色々と違うのじゃよ。 じゃあ、聞くが、主の名は?歳は?・・・」 老人は男を試…
近づくにつれ、背後の竹林は茶屋の建物の影になって眩しさは和らいだが、まるで茶屋に後光が射しているみたいだった。 「御免下さい・・・」 暖簾を潜りながら言い、中…
“何でこんなに眩しいんだ?” あまりに不自然で強烈な光に、男は手を翳して光源の方を見上げると、何やら密集した木々が揺れていた。 “何だ?あれ・・・” 両手で…
“冷てぇー・・・” 額に当たった水滴で男は目覚めた。 「どこだ?ここは・・・」 起き上がると、そこは洞窟のようだったが、山を貫くトンネルのような出入口以外が…
三峰自身が前世で経験しているはずなのだが、転生によって抹殺の臨場感は全く記憶に残っていない。 せめてもの救いは二週間程度で砂になるということだった。 人間だっ…
思考に疲れると洞内の水滴や水脈の音に耳をそばだてたり、“炎苔”の光とゆらぎが映し出す影に目を凝らしたりして、勇夜の気配を待ちわびた。 普通、真っ暗な洞窟の中で…
11月17日、三峰は下調べのつもりで広大なセミナーハウス敷地内にある洞窟、『北上第一プラント』に行ってみることにした。 18年前、三峰がここで大神に発見された…
翌日、昼少し前に勇夜は瞬間移動で三峰の自宅の玄関に現れた。 いきなり音も無く家の中に現れるという、ヴァンパイア同士では許容する来訪シーンではあるが、何かに集中…
4月になり、三峰は再び北上にあるセミナーハウスで働くこととなった。 二人常駐体制の相方は去年と同じ『私立洞ノ沢学園』校医の巌谷(いわや)で、約4ヶ月振りの再会…
沈黙を紛らわせるかのように三人は茶を頻繁に飲んだ。「それでね・・・抹殺にあたっては周囲の者の記憶操作が必要になって来る。神住君がカゲロウ洞に入った日に彼に関す…
春まで暇な三峰が手伝うことになって、『迷月』は大神、那智、大学生のバイト、三峰の4名体制となった。「これだけいるんじゃ、何かクリスマスや年末年始のイベントをや…
「それより、こっちの店はどう?アルバイト雇ってるんでしょ?」三峰も自分のセミナーハウス行きで抜けた穴をバイトが上手く埋められたのか、半ば責任を感じて気にしてい…
11月下旬、三峰は今期の北上セミナーハウスでの仕事を終え、後は閉館中管理を引き受けてくれる地元の管理人に任せて東京の自宅に戻った。那智はちょうど『迷月』で仕事…
学園高等部『カップリング・ツアー』が三泊四日で利用することになっていたのだった。そのツアーは、1年生はヴァンパイアもアンチボディーも全員参加だが、2、3年はカ…
4月は冷えると時々雪が降り、それも次第に雨に代わって、冷えと湿気とで鬱陶しい日々が続いた。ホワイトボードに書かれていたメンテナンスは、オープン準備で定期点検よ…
考えてみれば、入口のバリアも自動ドアの施錠もされておらず、このまま声を掛けなければ誰も姿を現しそうにない静けさである。 三峰は上着を脱いで、職員が居る可能性の…
「夏休みはハッテン場人口が増えるから、猫の手ならぬ吸血鬼の手も借りたいくらい・・・。秋から年始にかけても街のイベントが目白押しだから、そこまでは手伝って!」…
本日は、FC2ブログ、『小説家になろう』へ分岐した内容がまだ戻って来ませんので、アメーバブログでは、二度目の“待ちぼうけ”として、久々に雑記らしく、「私的B…
「ところで、そちらのハーレム状況はどうなってんの?」 自分達の関係云々の前に那智が進化形ヴァンパイアとしてちゃんと使命を果たしているのかが問題であり、それを…
※ 本日は性的表現自主規制のため、途中から二分岐します。 「・・・それで、光樹とはその後、どうなった?」光樹にカノジョができて巣立って行ったという話は三峰か…
学園に居る理由であった光樹との関係が終わったので、一学期の終業式を見届けて三峰は学園から去り、那智に留守番をお願いしていた中目黒のマンションに戻った。衣類の替…
垂れ込めた雲と湿度が鬱陶しい日々が続き、梅雨明けが遅れるとの予報の中、あと一週間で夏休み、という時に“凸月”に入ってしまったので、三峰は欲求を満たすために光樹…
「そう?俺は元から紳士な吸血鬼だよ」三峰はキザを装って人差し指で光樹の顎をクイッと上げ、「あ、もしかしたら、那智さんの吸血スタイルと混同してる?」と、ちょっと…
※ 本日は性的表現自主規制のため、途中から二分岐します。 余裕を持って45分後、三峰は瞬間移動を使って光樹を自室へ連れて来た。「心さんの瞬間移動に同乗さ…
『私立洞ノ沢学園』で二度目の春を迎えた三峰は、やっと朝起きて夜寝る生活が定着し、生活サイクルに関しては完治した。 そうなると、リハビリ中は三峰が起きている間…
翌朝、光樹は勇夜を伴って三峰の部屋に現れた。 三峰は病人のように丁度、ベッドで朝食を食べていた。 「体調、悪いの?」 勇夜が心配そうに聞いた。 「いや、そう…
三峰が目覚めた時、妙に学園を包む雰囲気が賑やかなのを感じた。 医務室があるフロアは静かなのだが、遠くから何やら運動でもしているらしい若者達の声が聴こえてきた…
「風呂とトイレは共同になります。トイレはまあ、学校なんで、いたるところにありますから、風呂に案内しましょう」と、巌谷は再び一行を廊下へ促し、「こちらの風呂は教…
「まあ、どうぞ、お座り下さい」学園長に勧められて三人は三峰を真ん中にソファに座った。女性が茶を運んで来て退出すると、それを待っていたかのように、「私は学園長を…
「学園の方には私が話を付けてありますから、大丈夫ですよ」 何事も調整役の白谷が口添えした。 学業スケジュールには疎い大神と那智は、初めてそのような支障が発生…
2月、“凸月”の期間に入ったと同時に三峰は目覚めた。 時雨をはじめとする病院スタッフも大神など三峰の私的人間関係も、その周期性は把握していたので、もはや誰も…
那智の太腿に光樹の体温が直に伝わって来て、それは瑞々しく吸い付く温かさだった。二人は病院の大浴場で三峰や勇夜と一緒に風呂に入ったことはあったが、至近で互いの裸…
※ 本日は性的表現自主規制のため、途中から二分岐します。 「お腹は空いてない?飲み物何がいい?」那智はこれから情事に誘う(いざなう)少年に気を遣う。「僕、心…
数日後、大神と那智は瞬間移動で三峰の寝室へ直行した。修繕されて綺麗になった部屋には木材の匂いが立ち込めていて、リフレッシュ効果がありそうだった。「やっぱりパッ…
突然の役割終了となった光樹は自宅に戻り、受験生に専念することとなった。とはいえ、既に『私立洞ノ沢学園』高等部の合格は決まっており、あとは手続き的な面接を済ませ…
那智と光樹は示し合わせたように連れだってトイレに行き、個室の中で吸血行為をした。 大神からはまだ吸血対象にアンチボディーを選んで良いという許可は出ていなかっ…
そんな他愛も無い話をしていると、突然と部屋に黒マントのような布がはためき、勇夜の瞬間移動で光樹が戻って来た。「あれ?今日は二人とも少し早いんじゃない?」三峰が…
昼食を済ませて少し経った頃、今度は那智が一人で見舞いに現れた。那智は瞬間移動を使って三峰の病室にダイレクトに降り立つことはせず、ナースステーションを経由してド…
浴場は男女兼用の貸し切りで、「入浴中」の札をドアの外に掲げて内鍵をして入るルールになっており、四、五人は余裕で入れそうな湯船とシャワー付きカランは三箇所あった…
朝のニュース番組を見終わった頃、ノックがして時雨が回診に現れた。「気分はどうです?」「極めて快調です。まだ食事、普通食に戻せないんですか?」三峰はまずは最重要…
天井にはベッドの周りをぐるりとカーテンレールが走っていて、普段、カーテンが開けられている時はホテルの一室に居るような気がするが、カーテンが閉められると病室であ…
食後、光樹は机に向かい、宿題と予習を済ませると、部屋に備え付けのシャワーを浴びることにした。個室にはシャワーブースしかないので、明日、院内に大浴場があるかどう…
「んーーーー、その申し出は有難たく、今後の可能性を考える上でも興味深いのですけど、那智さんはヴァンパイアになってしまったので・・・。ヴァンパイアがヴァンパイ…
那智はヴァンパイア・デビューを無事に終えたが、“凸月”が終わって一週間経っても吸血した人間の誰からも再会を望む“念”を送られて来なかった。 「あの、門番をし…
ヴァンパイアは元々人間より頑丈にできていて、三峰は意識が戻ったのと同時に健常者と変わらないくらいにまで回復したので、ヴァンパイア・デビューに勤しんでいる那智…
「考えられることは、那智さんが三峰さんと無理心中をした日を境に時空を乗り換えてしまったってことなんだと思います」 時雨がとりあえず皆で共有している推論を言っ…
「吸血欲が無いのは、毎日“擬血薬”の点滴をしているからですよ」 三峰に不安を与えまいと時雨が言った。 「それよりも・・・那智さんの雰囲気が随分変わったように感…
那智の前世を最も知る三峰の目覚めは、那智にとっても待ち望んでいたことであり、一刻も早く記憶の有無を確認して、もし、可能なら無理心中事件の詳細を聞き出し、詫び…
那智はそのジャッジを笑い飛ばすわけでもなく、クラブに興味を示すこともなく、ある一点をジーッと見ていた。 視線の先にはドアの脇に立っているセキュリティーらしい…
久々のスーツ姿に上機嫌で口笛を吹きながらドレッサーの前で肩に達するくらいに伸びた髪をセンター分けにして撫でつけ、満足そうにキメのポーズをとった。 大神は吹き出…
すっかり目が冴えてしまった大神は、寝ることを諦めて洗顔を済ませ、ソファに座って冷えた緑茶を飲み、胃に伝わる冷たさで体内をも覚醒させた。 寝汗が引いて多少は快…
案の定、那智の周りは寝汗でぐっしょりで、これでは不快な夢を見るのも頷けた。 本当はシーツを替えてあげるのが最善なのだが、魘されているとはいえ、寝た子を起こす…
※ 本日は性的表現自主規制のため、途中から二分岐します。 二人それぞれ病室で静かな午後を過ごしていると、時雨が那智の容態を診に来た。 「安定剤と睡眠薬の…
その日は忙しさのピークが予想されたので、午前中に大神は三峰の容態を確認しに病室を訪れた。 三峰は相も変わらず涼し気な顔をして寝入っていた。本当に童話の世界の眠…
“もしや・・・” と、思って、大神はお節介を承知で、 「那智さん、もしかして張って来たんじゃありませんか?三峰君の時もそうでしたが、それは“擬血薬”の濃度を下…
「えっ!?アンチボディーですか?・・・霧系の・・・。周囲にヴァンパイアがいないところを見ると、高校卒業後の18か19ってところですか?」 那智は感知した情報を…
「服も買い揃えたし、それじゃ、これから今日の目的を果たしましょう。 疲れたし、お腹も空いたので、焼き肉でもどうです? “凸月”を前にスタミナを付けなきゃ・・…
大神は翌日から那智の進化形ヴァンパイアとしての自立トレーニングを始めた。 “擬血薬”濃度を10%下げたのを機に外出してみて、好みの吸血対象を物色する訓練をす…
「ええ、本に書いてありましたね」 記憶力もヴァンパイア化した那智はその内容が書いてあったページの行まで頭に浮かんできた。 「じゃあ、もう受験は終わったも同然…
「いいなあ、ハーレム活動が生業だなんて・・・」 時雨がボソッと言った。 「時雨先生、浮気願望でもあるんですか?」 那智が揶揄った。 「いや、いや・・・そうい…
翌日、午前中、大神は那智のヴァンパイアとしての自立に手を貸してくれるという時雨を交えて那智の病室で簡単な打ち合わせをしていた。 「進化形ヴァンパイアの“盛り…
無職になった大神の一日は、午前中は家事をし、午後に病院に行って、依然、眠り続けている三峰と進化形ヴァンパイアとして自立を目指す那智の二人を見舞い、夕飯の配膳…
「今、遡れる最も古い共通点が那智君の双子の息子の妊娠ということになるので、彼らは今、中1だっけ?つまり、13、4年前は分岐していなかったということなんでしょ…
大神は赤坂見附駅からほど近い所にある黒御影のような光沢のある中層ビルの前に立っていた。 店子の看板は掲げられていない分、品は保っていたが、エントランスは照明…
冷酒に鰤大根の定食を頼んでちびちびやっていると、ハーレムの一人から“念”が送られて来た。<大神さん、今晩空いてたら会って・・・>と、健気なものだった。“克己(…
「奥さんが刺客を送ったというのは証明されていません。だけど、奥さんの兄も認める推察ですから、ほぼ事実でしょう。奥さんは極道の組長の娘ですから・・・」「ご、極道…
「まず・・・ですね。あなたは当面、単独での外出は禁止です。今は“擬血薬”で吸血欲は抑えられていますが、それを必要としないで人間社会で生きていけるようにならなけ…
大神は那智が三峰の家に残したスーツ、靴、カバンを抱えて那智の病室へ瞬間移動で降り立った。 「うわっ!・・・何だ!?」 ベッドに座って雑誌を読んでいた那智は、…
オーナーが帰って行き、大神と白谷は示し合わせたように同時に大きな溜息をついて、ソファに背を預けるように座った。大神は茶を淹れ直し、二人は三峰と那智の今後につい…
那智に睡眠をとらせるために大神と時雨は退室し、この時間を利用して、大神は昼食と那智に必要な日用品等の買い物に出かけることにした。別れ際、時雨は、「今朝、白谷会…
「進化形とか前進化形とか、蝙蝠族とか霧族とか狼族とか、ヴァンパイアってそんなに種類が多いんですか?」那智は半ば呆れたように言った。「霧族と蝙蝠族には霧・蝙蝠族…
「病院内の売店で入浴グッズや下着を買ってこようと思いますが、拘りとかありますか?」大神は那智の食事中を利用して必要な物を買ってこようと考えた。「あの・・・俺、…
「大丈夫ですよ。そちらも命に別条はありません。隣の部屋で寝ています。まだ気を失った状態ですが・・・。 歩けるようなら、顔を見てきます? あなたが声を掛けたら…
「あんた、誰?・・・何で俺と一緒のベッドで寝ているんだ?・・・ここ、病院か?・・・ベッドで一緒に寝てるとか、どういうことなんだ?」 那智は赤の他人に向ける警…
「それだけじゃなくて・・・。これは大胆な仮説になりますが、那智さんは、もしかしたら、進化形ヴァンパイア狼族に変化してしまったのではないかと・・・。それで、時…
「いや、データによると、息子達の母親はシングルマザーとして子供を産んでいる。父親の名は不明で、妊娠中に死亡したということになっている。 つまり、何というか・・…
大神はタオルを捨て、新しいのを開封した。 ローブの袖から腕を外し、腕を持ち上げながら表裏と拭き、特に汗が溜まりやすい脇の下は入念に拭いてやった。上半身前面は…
大神は那智が寝ている左側のスペースに膝を突いて吸血で体内に“気”を送るべく左首筋に犬歯を立てた。ブスリと那智の皮膚に穴を開け、その反動で溢れて来る血を“気”と…
大神は瞬間移動で直接那智の病室には行かず、ナースステーションの近くに降り立ち、まずは常駐の看護師に那智と三峰の容態を聞いた。大神が病院に戻って来たことを看護…
業者は午後4時に来るという話だったので、大神は3時半に三峰宅へ飛び、リビングで待機していた。待っている間、寝室で自主的に片づけを始めていても良かったのだが、一…
大神はガラス越しに三峰の様子を窺ったが、先ほどから寝相は全く変わらず、顔は真上を向いたままで、胸の微かな上下動から命の綱が辛うじて繋がっているのが確認出来る…
那智とは『迷月』に勤めていた時に三峰の客として時々見かけ、お愛想程度に会話を交わしていたに過ぎない。『国立絶滅種博物館』に転職し、三峰と住居が離れてしまってか…
「集中治療室はこちらになります」時雨はさっき来た方向へ戻って更に廊下の奥の方へと進み、左壁に並んだドアの一つを開けて大神を促した。そこには更に細い通路が廊下…
「まず、首の傷を吸血と唾液の塗布で塞いで、治癒力を高めるために性交によって“気”を注入しました。ちなみに那智さんには三峰君との性交の痕跡がありましたが・・・」…
着替え終えてベッドのスペースから出て来ると、「これ、使って下さい」と、時雨はビニール製のスリッパを大神に勧めた。その時、初めて大神は自分が裸足だったことに気づ…
急を要しているので、大神は那智の腰を持ち上げ、手っ取り早く進化形ヴァンパイアならではの淫らな治療を終わらせようと思った。しかし、那智のそこには三峰との情事の…
※ 本日、途中から性的表現自主規制のため2分岐します。 ものの数分も経たずに血の海の寝室にモクモクと冷気を帯びた煙が湧き立ち、白衣を着た二人の男が煙の中…
“凸月”の盛りが冷めて最初の休日、大神はこの暇を使って秋物から冬物へと衣替えをしておいた方がいい気がして、まずはいつもより入念に掃除を済ませた。 “綺麗にな…
本日は、FC2ブログ、『小説家になろう』へ分岐した内容がまだ戻って来ませんので、アメーバブログでは、追加登場人物をまとめておきます。 読み進める上での参考に…
どれくらい微睡んだか、ベッドが軋んで、トイレかどこかへ行っていたらしい那智が戻って来たのを三峰は感じたが、目を開けるまでもなく、再び眠りの淵に身を投じようと…
勢いよく背中から倒れた三峰は、 「せっかちだな・・・」 と、肝を冷やしたのを誤魔化すように言った。 「どんだけ会えなかったと思ってるんだよ?・・・俺、今日は…
※ 本日、途中から性的表現自主規制のため2分岐します。 「またハーレムか?」 その問いは皮肉を帯びていた。 「うん・・・まあ、それもあるけど、俺の前世・…
“いったい俺はどうすればいいんだろう?” 三峰は自身のハーレム構成員の一人である岩狭光樹(いわさ・みつき)のボディーガード、神住勇夜(かすみ・いざや)が前世…
「そうですか・・・。残念ながら俺には神住勇夜だったらしい前世の記憶が全く無くて実感が湧かないのですが、でも、自分はどこから来たのか?・・・という疑問はずっとあ…
中には赤い粉末と小さな紙片が入っていた。ビニール越しに紙片に見入ると、<影清へ サンキュ>と、ボールペンらしい黒インクで書かれてあった。「その赤い粉は、“擬血…
「そうですか・・・。そんなことがあったんですか・・・。でも、“たら”、“れば”を言ってもしょうがないですからね。実現しなかったこと自体が運命だったんですよ。そ…
谷山は直近の週末に三峰に勇夜の後見人二人と会わせるセッティングをした。 双方にとって最優先で時間を作るに値する要件だったので、それを可能とし、場所は三峰自身…
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