異人ならばパン焼竈の暑と云はむ 山口誓子 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

いくたびか苺を殺す器かな 永田耕衣 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

昼寝ざめ剃刀研ぎの通りけり 西島麦南 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

甘藍をはめるニーチェはこゑ殺しあかるき闇ぞ見すゑたりける 江田浩司 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

鶯の古巣より立つほととぎす藍よりも濃きこゑの色かな 西行 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

たはけものの降臨を待つ機械都市 中村安伸 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

チユーリツプ黒き花粉を底に溜め 岡田一実 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

うしろより見る春水の去りゆくを 山口誓子 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

春の昼匙おちてよき音たつる 桂信子 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

真二つに別るゝ桃として会議 攝津幸彦 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

登山者のわが庭通る晴天なり 久米三汀（正雄） JUGEMテーマ：フィルムカメラ

系統樹のはてに我あり春のくれ 川上弘美 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

春月や犬も用ある如く行く 波多野爽波 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

昔拾ひし石の一つと春惜しむ 村越化石 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

捕虫網裏返し花を捨てるかな 長岡裕一郎 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

人入つて門のこりたる暮春かな 芝不器男 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

菓子を切る庖丁来たり雛の前 前田普羅 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

薄氷に投げしものなほ乗つてをり 高浜年尾 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

崖の美しさは、そこから先もはや眼に見えない架橋を予感せずに居られぬ、空間のもつ暈いの美しさである。丁度経験の果てまで行き尽した言葉のように。「神の果実」浜田到 JUGEMテーマ：フィルムカメラ

ハーモニカ二十六穴雁帰る 石原吉郎 JUGEMテーマ：フィルムカメラ