2703 合格の祈念あふれて丑悲鳴 北の轍

2792 会話さえ消して黙食味なき膳 北の轍

2701 九十路描く絵筆を買い替える 北の轍

2700 乳搾る子ら継ぐ農へ祈る明日 北の轍

2699 屁理屈がまた増え老いが加速する 北の轍

2698 捨てたはず影は未だに元教師 北の轍

2697 ゆで卵きれいに剥けてつりる落ち 北の轍

2696 さざれいし亡妻との愛は巌となり 北の轍

2695 道楽はネクタイですと笑う首 北の轍

2694 柳友八十路パソコン句集成し遂げる 北の轍

2693 存えて自分史飾る彩も果て 北の轍

2692 熟睡の枕抱きたい眠れぬ夜 北の轍

2691 がん癒えて余命確かめ凛と発つ 北の轍

2690 川柳に遊ばれ脳みそ右顧左眄 北の轍

2689 夫婦とは色紙一文字愛と書く

2688 柳誌飾る時事川柳の説く世俗 北の轍

2687 ワクチンの春待つ老いを誘う句座 北の轍

2686 厳寒の裸体操青春期 北の轍

2685 縦に振る首も老いたか横ばかり 北の轍

2684 玉響の命愛しみ明日の風 北の轍

2683 ありがとう謝して卒寿の暮のそば 北の轍

2682 駄菓子屋へ昭和のボクを買いに行く 北の轍

2681 真ん丸い小石が語る負の軌跡 北の轍

2680 玉響の命愛しみ卒寿越え 北の轍

2679 まだ詠めるまだ書く脳と屠蘇を酌む 北の轍

2678 激痛に耐えた証の句を綴る 北の轍

2677 焦るまいまだ九十路明日がある 北の轍

2676 いい話目がその先を待っている 北の轍