無事に年内のレッスンが終了いたしました。 生徒の皆様、一年間本当にありがとうございました。 同じクラスでも新しい方、長い方とレッスン課題は様々ですが、 それぞれの課題に真剣に取り組んでくださり感謝しております。 来年は、楽しんでいただけるような新たな課題作りに励みたいと思います。 ブログ、facebook、インスタグラムとのんびりな投稿にもお付き合いくださり ありがとうございました。来年も引き続きお付き合いいただけましたら幸いです。 どうぞよいお年をお迎えください。
オートクチュール刺繍アトリエ ・教室 “オ・フィル・デュ・レーヴ” のブログです。
オートクチュール刺繍の作品制作の舞台裏やフランス生活の思い出など、様々な情報をみなさんにお届けします。パリの有名オートクチュール刺繍メゾン “ルサージュ” で学んだ技術を使って、横浜のアトリエでレッスン・作品制作を行っています。ホームページ:http://aufildureve.com Facebook:www.facebook.com/aufildureve
日本の針、フランス、イギリス、インドと各地で買っては色々と使っていますが、 ずっと気になっていたのが京都で400年の歴史がある針屋さん‟みすや針” 京都で欲しいものはと聞かれ、お菓子ではなく一番に答えたのがここの針。 ネットでも買えるのですが、実際に見て買いたいものリストの一つで次回にと思っていたのですが、 自分ではまだしばらく京都には行けないのでお願いしました。 針の刺し心地を実感したく、受け取ったその日に使ってみました。見た目も少し黒っぽく既に違う印象。微妙な違いかもしれませんが、個人的にはす~っと生地通りがいい感触。白糸刺繍の1本取り用に細目の針をいくつかとフランス刺繍針、曲がり難いと書いてあったビーズ針も。桐箱にぎゅっと詰まった素敵な裁縫セットとわんこの待ち針も頂いてしまいました。 他にはと聞かれ、針を磨くものはあるか尋ねると、手芸店などに針磨きが置いてあるけど、お勧めしないとのことで、針は消耗品なので新しい針に替えた方がいいとのことでした。 錆びたり、曲がったり以外は、使う頻度が針ごとに違うのでなかなか替え時が難しいですが、少し違和感や針通りが良くなくなってきたと感じた時、ある程度使ったと思ったら替えるタイミングなのかもしれません。 使用後は、柔らかな布で一拭きして桐箱で保管するといいとのアドバイスをいただきました。
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無事に年内のレッスンが終了いたしました。 生徒の皆様、一年間本当にありがとうございました。 同じクラスでも新しい方、長い方とレッスン課題は様々ですが、 それぞれの課題に真剣に取り組んでくださり感謝しております。 来年は、楽しんでいただけるような新たな課題作りに励みたいと思います。 ブログ、facebook、インスタグラムとのんびりな投稿にもお付き合いくださり ありがとうございました。来年も引き続きお付き合いいただけましたら幸いです。 どうぞよいお年をお迎えください。
更紗という言葉が最初に気になったのは、随分前にバリ島に行った時にバティック(ジャワ更紗)を目にした時。その後日本に戻りすっかり忘れてしまい、でも更紗という言葉なのか生地の模様なのか、どこか気になったままになっていました。フランスの更紗というタイトルに、思わず手に取った"フランスの更紗手帖”という本。 アンティークの生地の柄や色合いをぱらぱらと見るだけでも楽めるけど、歴史がとても興味深かった。ペルシャで綿花栽培がはじまり、その後インドでも作られるようになり、その作られたコットンの生地にブロックプリントが施されたものがインド更紗の始まり。織りではなく天然染料でプリントされてそれが洗濯しても落ちない技術に、魅了されたフランス人たちがインド更紗の虜に。それまでシルク、リネン、ウールが主だったフランス人はコットンの快適さに惹かれたのだそう。(インドに住んでいた頃、インド更紗の洋服が風通しがよく快適で既製品を買ったり、仕立ててもらった思い出も。) その後インド更紗がフランスで発展を遂げ、版がインドでは木版なのに対しフランスでは金属のロール状になって連続で模様が印刷出来るようになったようです。 技術だけでなく柄もフランスでヨーロッパらしいデザインになり、日本でも大人気のトワル・ド・ジュイやソレイヤードもインド更紗が元で生まれたもの。Sajouで見た、トワル・ド・ジュイのLes coquecigrues(コクシグル)の柄は、もう可愛い過ぎて。その時は、インド更紗と結びつきがあるなんて想像もしませんでしたが、ソレイヤードの柄のいくつかは、少しインドのブロックプリントを感じるのも納得出来ました。 インド更紗から、フランスでこんなにも素敵な柄の生地が生まれたことも手芸好きにはとても嬉しく、またいまだインドで木版でブロックプリントが受け継がれ作り続けられていることにも改めて感慨深く感じました。 クラフト好き、手芸好きにお勧めの一冊です。 フランス旅行で少しパリから足を延ばしてトワル・ド・ジュイ美術館、ミュルーズ染織美術館、ソレイヤード南仏テキスタイル美術館にも行って見たくなりました。それと同時にジャイプールのブロックプリントの工房や職人さんを思い出しました。 とても素敵な本に出合えました。 インド更紗やフランス、イギリスで発展した染織が見られる展示が 10月22日日曜日まで大倉集古館で"恋…
ロンドンV&Aで見ることが出来きなかったディオール展が東京で見れるとなり、 とっても楽しみにしていた展示会。 たまたま3月のチケットをチェックした時には、結構残っていたので4月に行こうとのんびりしていたら、 4月の予約は全く取れず、やっと5月に行くことが出来ました。 展示スペースが広いのでどんな感じなのか、心待ちにしていた東京都現代美術館での展示。 メゾンのドレスなのでもちろん衣装は美しいのですが、その空間演出に惚れ惚れ。 ドレスの刺繍も気になり、覗き込むようにじっくり観察 5月28日日曜日までです。
今年のレッスンは、無事に終了いたしました。 通って頂いた生徒の皆さま、本当にありがとうございました。 今年はお休みをいただいたり、新規入会申し込みをお待ちいただいたりと大変ご迷惑をおかけいたしました。 このような中、お待ちくだっていることにとても感謝しております。 起こりうるとどこかでは分かっていても、 突然すぎて、予想外で、戸惑ってしまうことなど色々あった一年になりました。 受け入れることが難しいこともありますが、考える機会にもなりました。 また、クリスマス前に少しほっと出来るご連絡もいただきました。 刺繍が生活に寄り添うような、心を穏やかにしてくれるような そんな作品やお教室になれるよう、進んでいけたらと思っています。 また、ゆっくりなペースにもかかわらず、ブログ、facebook、インスタといつもお付き合い、 ご覧いただきありがとうございます。 素敵なクリスマス、そして少し早いご挨拶になりますが、 良いお年をお迎えください。
レッスンの課題でもアクセントに使っている銀糸や金糸。 この時期、刺繍を少し華やかにと糸刺繍を銀糸のみで刺してみました。 ただ銀糸や金糸は張りがあり、刺し難いのも事実。針の穴に通すときの針の穴と糸の位置にも注意が必要で 糸の痛みが早いので、糸を短めにカットするのもポイントの一つ。 25番刺繍糸に慣れている方は、いつもとちょっと違った刺繍をと思った時に、ぜひ試していただきたい糸の一つです。
チカンカリ刺繍と聞いて、知らない方のほうが多いのではと思う白糸刺繍の一種(チカンカリ刺繍)ですが、 生徒さんの中でも楽しかったとの声が多かったので、もう少し繊細な白糸刺繍を色々と試しています。 白糸刺繍(White work)と一言にいってもとても奥が深く、フランスに住んでいた頃アンティークの白糸刺繍が施されたものを買ったりはしていたけど、その時は調べたことはなく、調べていると色々な国でそれぞれの刺繍があったり、聞いたことはあるだけの刺繍、聞いたことないもないような刺繍があったりと、どんどん出てきて調べているだけでも楽しくなります。 アジュール刺繍、ドレスデンワーク、ドローンワーク、シュヴァルム、マデイラ(ポルトガル)、ボッテンソム(スウェーデン)などなど。国を渡って進化したりと、とても興味深い白糸刺繍の世界。 まず、アジュール刺繍、ドローンワークを試したり、針の動きの確認、模様を楽しんだりととにかく刺してみました。 糸も取り寄せて、何種類か試してみたりとひたすらちくちくと刺しゅう。 綺麗に輪郭を出すには、模様を綺麗に浮き上がらすにはと色々と変えてステッチをしてみる日々。気になる所や刺し直したいところは盛り沢山だけど、色々と試して使いたいものもたくさんできたので、これはこれでステッチのサンプルとしては終わり。 白糸刺繍ならではの雰囲気があり、個人的には好みの仕上がり。ちょこちょこと進めていたので、トータルの刺繍時間はとても長く愛着が湧きました。とにかく時間のかかる白糸刺繍。カシミール刺繡の3倍!?もっと!?かかっているかもしれません。 これからデザイン、試作、本番とまだまだ先は長いので、気長にお待ちください。途中、挫折しそうになったら白糸刺繍大好きな生徒さんに感想などお聞きするかもしれません。挫折しない様に完成しますように頑張ります。
日本の針、フランス、イギリス、インドと各地で買っては色々と使っていますが、 ずっと気になっていたのが京都で400年の歴史がある針屋さん‟みすや針” 京都で欲しいものはと聞かれ、お菓子ではなく一番に答えたのがここの針。 ネットでも買えるのですが、実際に見て買いたいものリストの一つで次回にと思っていたのですが、 自分ではまだしばらく京都には行けないのでお願いしました。 針の刺し心地を実感したく、受け取ったその日に使ってみました。見た目も少し黒っぽく既に違う印象。微妙な違いかもしれませんが、個人的にはす~っと生地通りがいい感触。白糸刺繍の1本取り用に細目の針をいくつかとフランス刺繍針、曲がり難いと書いてあったビーズ針も。桐箱にぎゅっと詰まった素敵な裁縫セットとわんこの待ち針も頂いてしまいました。 他にはと聞かれ、針を磨くものはあるか尋ねると、手芸店などに針磨きが置いてあるけど、お勧めしないとのことで、針は消耗品なので新しい針に替えた方がいいとのことでした。 錆びたり、曲がったり以外は、使う頻度が針ごとに違うのでなかなか替え時が難しいですが、少し違和感や針通りが良くなくなってきたと感じた時、ある程度使ったと思ったら替えるタイミングなのかもしれません。 使用後は、柔らかな布で一拭きして桐箱で保管するといいとのアドバイスをいただきました。
刺繍を続けてきて、また教えてきて感じていることについて少し書いてみようと思います。 絵を描くとき、人それぞれに筆圧やタッチが違うのと同様、刺繍にも刺す人によって出来上がりはさまざまですが、 それは、個性でとてもいいことだと思っています。 一般的にいう"きれいな刺繍"(揃っている、整っている刺繍)がいい刺繍とは感じていなくて、全体にバランスが取れ、流れがあり、糸の引き具合などが均等であれば、味のある刺繍だと感じます。 なかなか本を買って一作品を仕上げるというのはないのですが、少し時間が取れたのである作家さんの刺繍をしてみました。随分前に本屋さんで一目惚れをして買ったままになっていた本で、個人的にとても大好きな作家さん。実際楽しみに刺繍をしてみると、完成した刺繍は自分の中で何かが違い、一味も二味も足りないんです。そのくらい、デザインなどによって刺し方がとても重要で、この刺繍に関しては、スムーズに刺し過ぎて、動きや躍動感が足りなかったと反省。(生徒さんは、どの作家さんかご存知で、生徒さんの中でもその本をお持ちの方が多くいらっしゃいます。) でも出来上がった刺繍は、勉強も兼ね自分で額装して、お教室部屋以外のところに飾っています。 デザインによって何に注意しながら、どう刺繍するか、イメージしてイメージした通りに刺繍が出来てくれば、どんどん上手くなっていくと思います。ステッチの種類、デザインによって注意するポイントなども様々ですが、まず始める前にイメージを持って終わったときにちゃんと最初の自分の中にあったイメージに近づいたか、出来上がったときに見つめ直すといいかもしれません。 もちろんレッスンでは、ポイントポイントでコツなどちゃんとお伝えします。 そして、綺麗にさせないと一部だけを見るのではなく、少し距離をとって全体のバランスを見てみるなど、ガチガチになり過ぎないで、ゆったりとなにより楽しみながら刺繍すると流れにのり、刺繍もきれいになったりします。 刺繍時間に手は動かしているのに、頭では刺繍以外の全然違う事を考えてしまうことが多いので、 そういう時は、心を穏やかにするために動画を流したり(ほぼ見ないで聞いている)、音楽をかけて なるべく考え事をしない様にしたりもします。心も穏やかだと刺繍もそうなるような気がしています。 基礎の基礎にはなってしまうけど、手刺繍のポイントが盛り沢山…
カッチ刺繍の課題用に色々と刺繍を試している時に、 基本的な四角を伝統的な直線や曲線に沿わせる以外には出来ないのかなぁ、 もうすこしインドから離れたデザインにはしてみるには…などど模索していました。 カッチ刺繍1でしっかりと基礎を理解した方を対象に、イレギュラーな動きが入ったカッチ刺繍の応用課題を作ってみました。理解をもっと深めたい方、カッチ刺繍にはまってしまった方にぜひ勧めの課題です。 フレームのような装飾的なデザインで、枠の中に各自自由に刺繍が出来るスペースがあります。 もちろんそのままでもいいし、個人的にはイニシャルを刺繍したら可愛いのかなぁと思っています。 最後に、お一人お一人がお好みの刺繍をプラスして仕上げるという楽しみが、一つ加わってくれると嬉しいです。
ちくちくと地道にさしていたカッチ刺繍の課題が完成しました。 今までの刺繍とは少し異なるタイプの刺繍になります。 今回も試作で色々と試し、新たな発見もありました。 万が一ベース作りを間違えても最初からやり直しではなく進める方法も発見しました。 (ただベース作りをしっかり理解して間違えないのようにするのがベストです) しっかりと理解してもらえるように、刺繍量もたっぷりかつバリエーションもたっぷりと詰め込んだので、終了時にはすっきりとマスターできているはず。 すんなりと理解される方、最初少し混乱される方といらっしゃると思いますが、日本にはないこの少し変わったカッチ刺繍に、はまってくれる方がいらっしゃったら嬉しいです。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます 2022年が皆さまにとって幸多き年となりますように 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます au Fil du Reve
今年のレッスンは、全て終了いたしました。 昨年に続き、コロナ禍で遠方の方はお休み、休会となかなかお会いできない生徒さんもいらっしゃいますが、 そのような状況でも熱心に刺繍、課題に取り組んでくださる生徒さんの皆さまのおかげで、2021年も乗り切ることが出来ました。一年間、感染対策等にもご協力いただき、ありがとうございました。 多趣味の方々の興味深いお話が聞けたり、新しい発見があったりと刺激を頂いております。 手をつけるのは、もう少し先になりそうですが、海外から本を取り寄せたりと色々な誘惑に囲まれています。 モール刺繍や針刺繍などの課題も増え、額装した作品を飾る壁のスペースもそろそろ限界になってきました。 でも、来年も手を止めないで少しでも楽しんでいただける作品作りが出来たらと思っております。 また、ゆっくりなペースにもかかわらず、ブログ、facebook、インスタといつもお付き合い、 ご覧いただきありがとうございます。 では、楽しいクリスマス、そしてよいお年をお迎えください。
インドで初めて見た時、どう刺繍されているか不思議だったこの刺繍。 裏側には殆ど糸が見えない。 この刺繍をするのはインド以来だったので、出来るか少し心配でしたが、手を動かすとちゃんと覚えていました。 色々な形状を試して、サンプルは無事に終了。 ただ凄い刺繍の量。。。この課題を終えた頃には、すっかりマスター出来るはず。 慣れてくると最初はどっちに進むか悩む方向も、悩まずにデザインに合わせて手と針がくるくると回っていくので不思議。 ミラー刺繍、カシミール刺繡、チカンカリ刺繍に続いての針刺繍も楽しんでいただけたら幸いです。
アリ刺繍の最後の課題になるのは、モールを使った刺繍作品です。 こちらは、アリ刺繍レベル6まで全てのレベルを終了した方が受講頂ける課題になります。 モール刺繍は2種類。 まず一つ目のモール刺繍の課題は、基本となるモールの扱い方やモールに慣れるための課題になります。といっても、個人的に一番大変だと感じたモールを使ったヴェルミセルがあるので多少大変に感じる部分も。(やりがいはあります) 1つ目のモール刺繍課題を終えられた方は、以前のブログでもご紹介した一面モール刺繍の課題に移ります。(以前の写真と一部異なる部分がございます。ご了承ください。) 他にもモールを使った編み模様やノットなどの練習課題もあり、さらにモール刺繍に挑戦したい方向けの課題です。 アリ刺繍の課題は、このモール刺繍2つを含めた全8つで今のところ終了予定です。 今までのアリ刺繍とは少し異なるモール刺繍。最後まで楽しんで頂けたら幸いです。 (*モールと糸の刺繍を混ぜたアリ刺繍の課題も作りたいとう気持ちもあるので、もしかしたら課題が追加されることもあるかもしれません。今の所未定です。)
レッスンで他の刺繍を習われてる方のお話を聞いたり、はまってることをお聞きしたりレッスンの度に刺激をいただいています。 そんな時、本屋さんでも見かけたことのない刺繍の本をお借りしました。アイヌ刺しゅうの本。その土地々々で受け継がれる刺しゅう、どのような模様やステッチが施されているのかなぁと興味深く本を開きました。 ステッチの名前もアイヌ語でしたが、イカラリと呼ばれるコーチングステッチ、オホと呼ばれるチェーンステッチ、フェザーステッチなど。アイヌ語での角や植物の棘の意味のキラウは、アイヌ文様に用いられ、魔よけとされています。 ステッチ以外にもルウンぺと呼ばれる棒状にした布をメインの生地に縫い留めその上から刺しゅうをしたもの、カパラミㇷ゚と呼ばれるフレームのように切り抜いた部分に別の布を重ね合わせその上から刺しゅうをしたものなどなど。 インドの刺しゅう、ミラーワークも魔よけとされています。 まだまだ知らないことの多い刺繍の世界。 ご興味のある方は、ぜひ一度手に取ってみてください。 アイヌ刺しゅう入門 著者:津田命子 発行者:株式会社 クルーズ (札幌市)
一般的な刺繍に一番よく使われている、25番の刺繍糸。 アンカー(全460色)、オリムパス(全434色)、コスモ(全500色)、DMC(全500色)とありますが、どうやって選ばれていますか? お好みの光沢、はり柔らかさなどでメーカーさんを選ばれる方も多いと思います。 本当は、一作品に使う糸のメーカーは揃えたいと思っていましたが、実際に選ぶと微妙な色合いが見つからない事も多々あり、一番イメージに近い色を選んでいくとメーカーがミックスになることもよくあります。 各メーカーさんが400~500色あるので十分にも感じますが、生地との組み合わなどもあるため、実はそうでもないんです。 ロング&ショートステッチなどミックスして使う場合は、何とかなりそうですが、単色使いする時はやはり色選びは慎重になります。でもそれが刺繍を始める前のとても楽しいひと時。 スパンコールやビーズなど他の材料と比較にならない程、刺繍糸は沢山の色があるので刺繍糸選びは色の世界に浸れて幸せ。いつか手芸店に置いてある什器が欲しいなぁなんて思ってしまいます。 色選びが楽し過ぎて、カシミール刺繡課題の色違いを刺繍してみました。少しシック過ぎたかなぁ?
カシミール刺繡は、お好みの色の糸を選んでから刺繍を始めていただきます。 それぞれ選ぶ色が異なるため、どんな雰囲気に仕上がるのか出来上がりの作品を心待ちにしていました。 ひと針ひと針丁寧に仕上げられた生徒さんの作品を紹介させてください。 実物は、どの作品もしばらく眺めていたくなる、写真ではその魅力を伝えきれないほどです。 一色の糸でも、光の当たり具合で濃淡ができ、ついゆらゆらと揺らしながらゆったりと鑑賞してしまいます。 まずは、ぱっと目を引く鮮やかなブルーの作品(M様) 刺繍部分が浮き上がるような、とても際立つ素敵な作品になりました。 生地と糸と何とも言えないニュアンスの落ち着いたグレーブルーの作品(K様) 写真では伝えきれない、この絶妙な色合いにうっとりしてしまいます。 優しく可愛らしいラベンダー色の作品(F様) 気分が上がり、きゅんとなる可愛らしさです。 淡いのに甘くなり過ぎない、大人なペールエメラルドグリーンの作品(F様) 爽やかさのなかに落ち着きのある、飾っておきたくなる作品です。 サイズの割にびっちりと刺繍が施されているので、終わったときに達成感を感じられた方が多かったと思います。 「頑張りました」、「やっと終わりました」と笑顔で出来上がった作品を見せてくださる生徒さんたち。 「完成する嬉しさと終わってしまう寂しさが」というこちらがぐっときてしまう感想もいただきました。 どの作品も実物の方がとても素敵で、写真だけでは伝えきれませんが、クロシェとはまた違う、針刺繍の楽しさも感じていただけたら幸いです。
パリのルサージュでは、縫い針を使いモールを刺繍する金刺繍を学びましたが、 今回はアリの針で刺繍しました。 (*余談ですが、ルサージュがパリの19区にお引越ししたようです。) 正直にいうと縫い針で刺繍した方が簡単です。アリ針でも全然問題ない箇所もあれば、多少苦労する箇所もあります。インドで刺繍を習った時に一番苦労したのが、最初のアリの針に慣れるところではなく、このモールを使ってヴェルミセル(パニワーク)をすること。モールの中で糸が外れてしまうと糸が拾えるところまで戻る羽目になってしまいます。。。 使う素材はというと、どちらも似ていますが、立体にする時に使う素材が異なります。 イギリスのゴールドワークに使う素材には、本物の金(2%または0.5%)が含まれているものもあり、王室、教会や軍などの装飾に使われたりと、とても貴重なものです。 インドでは、ウェディングの衣装などにも使われていたりと、モール刺繍はやはり特別な刺繍のようです。 モール刺繍を綺麗に仕上げるには、いくつかコツがいりますが、コツや感覚を掴めると糸、ビーズやスパンコールとはまた異なる素材に引き込まれる魅力があります。 課題は、このデザインではなくこれからまた新たに作る予定ですが この作品をインスタにあげたら、生徒さんからの反応が早く、課題が出来る前からぜひやってみたいとの声を頂き本当に嬉しい限りです。
素敵な木箱入り色鉛筆セットをいただきました。 学生時代、画材屋さんで見つけたウォーターカラー用の色鉛筆に惹かれ、いくつか購入。その後もなかなか使わないのに旅先で見つけるとつい買い足し、スイス、ドイツ、イギリス製などメーカーもバラバラ。。。 Faber-Castellの木箱入りを見た時、美し過ぎてそんなに使わないのに一瞬欲しいと思ってしまったほど。デザインの下書きなどで、下書きに色鉛筆を使うことがないので素直に諦めていたけど、見かける度に美しいなぁと思っていました。 伊東屋さんで一緒に買い物をしているときに、見かけた木箱入りの色鉛筆が美しいとつぶやいたのを覚えていてくれて。 英国で1938年から色鉛筆を作っているDerwerntの木箱入り色鉛筆セット。 色の組合せの勉強にもなるかなぁと買ったままになっている塗り絵もあるので、 大切に大切に使いたいと思います。 つい惹かれてしまうもの、心を強く惹きつけるもの。 手に入れたいけど、なかなか入らないもの。そういうものに出会えるのことが嬉しい。
今回は、 ① ざっくりとにかく自由に刺繍。 ② デザインをし直して再度刺繍。 ③ ②の刺繍を調整して再度新たに刺繍。3度目で完成の予定が。。。 大きさ、位置、色など全て調整して、最終と思って刺繍していたのに何かしっくりこない。。。足したりしてみたけどなにか違う。。。結局何か所かほどいてみる。刺繍をするよりもほどくのに時間がかかってしまった。 ほどいたところの 大きさ、角度、カーブを変え、位置を数ミリずらして再刺繍。 濃淡を変える為、密度を変えて刺繍をしてみる。 少し寂しく感じ、足した部分の刺繍もほどくなどなど。 ほんの少しの違いで良しとなる事もあれば違うと感じる事も。。。 下書きでバランスを調整していても、実際刺繍をすると違うと感じてしまう場合もある。 そういう時は、じっくり眺める。 写真を撮って、画面で見てみる。 時間を少しあけてから、再度見てみるなど。 どこが変わったのと言われるようなことなのかもしれないけど。 出来上りとするかまだ途中なのかの判断も難しい。 今回の課題は、ラインストーンチェーンやリボンなどの新しい素材も加わり、装飾的なアリのステッチも入っています。 *アリ刺繍の課題の順番が変わる予定です。ご了承くださいませ。
更紗という言葉が最初に気になったのは、随分前にバリ島に行った時にバティック(ジャワ更紗)を目にした時。その後日本に戻りすっかり忘れてしまい、でも更紗という言葉なのか生地の模様なのか、どこか気になったままになっていました。フランスの更紗というタイトルに、思わず手に取った"フランスの更紗手帖”という本。 アンティークの生地の柄や色合いをぱらぱらと見るだけでも楽めるけど、歴史がとても興味深かった。ペルシャで綿花栽培がはじまり、その後インドでも作られるようになり、その作られたコットンの生地にブロックプリントが施されたものがインド更紗の始まり。織りではなく天然染料でプリントされてそれが洗濯しても落ちない技術に、魅了されたフランス人たちがインド更紗の虜に。それまでシルク、リネン、ウールが主だったフランス人はコットンの快適さに惹かれたのだそう。(インドに住んでいた頃、インド更紗の洋服が風通しがよく快適で既製品を買ったり、仕立ててもらった思い出も。) その後インド更紗がフランスで発展を遂げ、版がインドでは木版なのに対しフランスでは金属のロール状になって連続で模様が印刷出来るようになったようです。 技術だけでなく柄もフランスでヨーロッパらしいデザインになり、日本でも大人気のトワル・ド・ジュイやソレイヤードもインド更紗が元で生まれたもの。Sajouで見た、トワル・ド・ジュイのLes coquecigrues(コクシグル)の柄は、もう可愛い過ぎて。その時は、インド更紗と結びつきがあるなんて想像もしませんでしたが、ソレイヤードの柄のいくつかは、少しインドのブロックプリントを感じるのも納得出来ました。 インド更紗から、フランスでこんなにも素敵な柄の生地が生まれたことも手芸好きにはとても嬉しく、またいまだインドで木版でブロックプリントが受け継がれ作り続けられていることにも改めて感慨深く感じました。 クラフト好き、手芸好きにお勧めの一冊です。 フランス旅行で少しパリから足を延ばしてトワル・ド・ジュイ美術館、ミュルーズ染織美術館、ソレイヤード南仏テキスタイル美術館にも行って見たくなりました。それと同時にジャイプールのブロックプリントの工房や職人さんを思い出しました。 とても素敵な本に出合えました。 インド更紗やフランス、イギリスで発展した染織が見られる展示が 10月22日日曜日まで大倉集古館で"恋…