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1件〜100件

  • 物語の終わり

     プラットホームのベンチに座って本を読んでいると男が隣に座ってきた。その男がこちらを見てきているようだったが、私は話し相手を必要としているわけではないので視線…

  • 電球が切れた

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「このところ、僕は昔の人が書いた小説を読んでいるのだけど、その作品の中に『電球が切れた』という見慣れない…

  • 立派な大人になる教育

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「あの学校の教育について考えてみたのだけどね」 「どうしたの?学校が気に入らないの?」 「あの学校は立派…

  • 満点を取れなかった

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「また満点を取れなかったよ」 「満点なんて簡単に取れるわけがないから落ち込む必要はないよ。そもそも、生徒…

  • 星を見て占う

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「星占いって知っている?」 「知っているよ。星を見て運命を占うのだろう?君はそんな大昔の迷信を信じている…

  • 鹿を王にしていた

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「このところ、様々な古代文明について解説している本を読んでいるよ。その本によると昔は鹿を王に見立てて敬う…

  • 浸水した街を鹿と歩く

     夢の中で水に浸かった街路を歩いていた。足首の高さまで浸水しているのだが、水の感触が鮮明なので私は夢を見ているとはまったく気付いていなかった。一頭の鹿と並んで…

  • 鹿が話し掛けてきた

     「こんにちは」と森の中の獣道で一頭の鹿が話し掛けてきた。 久しく人間の言葉での通信を受けていなかったので私は驚いた。喉の奥にある発信器が正常に機能するだろう…

  • 魚が話し掛けてきた

     「こんにちは」と一匹の魚が話し掛けてきた。 久しく人間の言葉での通信を受けていなかったので私は驚いた。喉の奥にある発信器が正常に機能するだろうかと心配しなが…

  • 海の箱

     「これは『海の箱』ですよ」と館の主人は言った。テーブルの上には一個の木製の箱が置いてあった。 客は箱の表面に彫刻されている魚や蛸などを見ながら感心したように…

  • 足音の箱

     「これは『足音の箱』ですよ」と館の主人は言った。テーブルの上には一個の木製の箱が置いてあった。 「『足音の箱』ですか。そのような名が付けられている理由がある…

  • 犬達の箱

     「これは『犬達の箱』ですよ」と館の主人は言った。テーブルの上には一個の木製の箱が置いてあった。 「『犬達の箱』ですか。表面に犬達の姿が彫られているわけでもな…

  • 犬を真似る息子

     夜、私は息子と一緒に線路沿いの道路を歩いていた。時々、列車が通り掛かると辺りに大きな騒音が響き渡るのだが、それ以外の時でも息子がずっと犬の声真似をしているの…

  • 犬のように吠える集団

     今日、犬のように吠える集団の会合に初めて出席した。皆で犬の声真似をしたのだが、私は他の参加者達の声と比較すると自分の声があまりにも犬と似ていないような気がし…

  • 逆さ言葉を言い合う集団

     今日、逆さ言葉を言い合う集団に初めて参加した。単語の発音の順序を逆様にしながら参加者同士で話し合ったのだが、私はまだ頭が慣れていないせいで会話になかなか参加…

  • 石を持ち寄る集団

     今日、石を持ち寄る集団の会合に初めて出席した。皆で持ってきた石を披露し合い、それぞれの石について紹介した。私は会合の趣旨をよくわかっていないまま参加したので…

  • 青空のような石

     旅先の土産物屋で美しい青色の石を見つけた。まるで青空のようだと思い、気に入ったので購入した。 それから私はその青色のような石を肌身離さずに持ち歩いている。雨…

  • 宇宙のような石

     旅先の土産物屋で美しい漆黒の石を見つけた。まるで宇宙のようだと思い、気に入ったので購入した。 それから私は暇があると漆黒の石を手に取って観察している。虫眼鏡…

  • 丸窓から見た人間達

     宇宙船の休憩室で二人の船員達が話し合っていた。 「誰が丸窓の映像の設定を勝手に変更した?」 「知らないよ。丸窓の映像がどうかしたのか?」 「宇宙船と並んで泳…

  • 丸窓から見た鯨

     宇宙船の丸窓から外の様子を見てみる。星空の中を泳いでいる一匹の鯨と目が合う。それは窓に映された架空の像でしかないのだが、こちらと同じ速度で泳いでいる鯨の姿を…

  • 白い垂直の雲

     友人が入院したと知ったので休日に見舞いに行った。大きい病院なので建物の入口から病室までが随分と長く感じられた。友人は窓辺のベッドに横になっていたが、彼と挨拶…

  • 頭が大きな看護士

     物音が聞こえてきたような気がしたので意識が覚醒した。目を開けると天井の照明が点いていた。白衣を着た看護士が病室の中にいた。寝台のすぐ近くに立っているのだが、…

  • 頭が大きな蛇

     休日に息子と一緒に遠方の動物園に出掛けた。ひどく風が冷たいので私は建物の中にある温かな爬虫類の展示場に長居したくなっていた。 「頭が大きな蛇がいるよ」と息子…

  • 不老不死の蛇

     休日に息子と一緒に遠方の動物園に出掛けた。ひどく風が冷たいので私は建物の中にある温かな爬虫類の展示場に長居したくなっていた。 「この蛇は不老不死らしいよ」と…

  • 不老不死ではない人類

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「君は医学の発展がいずれ人類を不老不死にすると思うか?」 「ひょっとすると、可能なのかもしれないけど、す…

  • 寿病を知る能力

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「もし君が人間の寿命を知る能力を持っていたとしたらどうする?」 「あまり嬉しくない能力だね。しかし、誰も…

  • 速く竹を上がる能力

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「もし君が誰よりも速く竹を上がる能力を持っていたらどうする?」 「自慢したいところだけど、それはどうも微…

  • 一日を記憶できる能力

     二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「もし君が一日の間の体験だけ細部まで完璧にずっと記憶できる能力を持っていたらどうする?」 「その一日をい…

  • 殺してしまった 2

     二人の生徒が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「随分と古風な言い方だな」 「どの言い方だ?」 「今、君は『殺してしまった』と言っただろう?それはまるで古…

  • 殺してしまった 1

     二人の生徒が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「ああいう言い方は気に入らないよ」 「どの言い方だ?」 「さっき、君は『殺してしまった』と言っただろう?そ…

  • 蟷螂男

     二人の生徒が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「この間、河原の草むらで蟷螂男が出現したらしいよ。また蟷螂の着ぐるみを着ていたらしい」 「どこかの虫好きの…

  • 飛ぶ虫になる

     「この間、久々に地上に行ってきましてね」 「地上ですか。何か、用事があったのですか?」 「ちょっとした気晴らしのつもりで行ったのですけどね。しかし、地上は広…

  • 遠くの山を見る

     「この間、久々に地上に行ってきましてね」 「地上ですか。何か、用事があったのですか?」 「ちょっとした気晴らしのつもりで行ったのですけどね。しかし、地上は広…

  • 陽光に照らされる世界

     「この間、久々に地上に行ってきましてね」 「地上ですか。何か、用事があったのですか?」 「ちょっとした気晴らしのつもりで行ったのですけどね。しかし、地上は広…

  • 嘘っぽい景色

     「この間、久々に地上に行ってきましてね」 「地上ですか。何か、用事があったのですか?」 「ちょっとした気晴らしのつもりで行ったのですけどね。しかし、地上は広…

  • 耳当てをしている人々

     初めて外出許可証を入手できたので私は早速地上世界に出掛けてみようと思い立った。それで、地上へのエレベーターがある場所に足を運んだのだが、その前の通路に長い行…

  • 彼等の規則 4

     彼等はとても臆病な性格なので我々に自発的には接触してきません。それどころか、露骨に無視します。彼等の街を歩いていると透明人間になったような錯覚に陥ると現地の…

  • 彼等の規則 3

     彼等はたくさんの個人的な規則に従いながら生活しているわけですが、その行動によって自分の生活圏に個性的な痕跡を幾つも残します。彼等はそれらの痕跡によって自分個…

  • 彼等の規則 2

     規則を好むという彼等の性格は彼等の芸術活動にも強い影響を与えています。彼等は詩と音楽と絵画と数学とゲームなどに強い愛着を持っているようです。それらの中に潜む…

  • 彼等の規則 1

     今回は彼等の規則に関する報告をしたいと思います。彼等は臆病な性格であり、非常に規則を好んでいます。ほぼ、全員が規則を堅く守りながら生きていたいと望んでいます…

  • 彼等の内と外 3

     内と外という概念は彼等の世界観にまで影響を及ぼしています。彼等は内と外が相互に密接に結び付いて世界を形作っていると考えています。特に、『内と重複している外』…

  • 彼等の内と外 2

     わざわざ細分化されている状況からも察せられる通り、内と外という概念は彼等の文化にとって重要な基盤になっています。それらの単語は厳密に使い分けられており、法則…

  • 彼等の内と外 1

     今回は彼等の言語における内と外という概念ついて報告したいと思います。我々の言語において内と外という概念は二つの区別でしかないのですが、彼等の言語においてはさ…

  • 鶏達と砂粒の形状

     二人の老人達が並んで縁側に座っていた。庭で放し飼いにされている数羽の鶏達が頻りに嘴で地面を突つきながら何度も鳴き声を発していた。 「あの鶏達は餌を探している…

  • 本物の鶏ではない

     二人の老人達が並んで縁側に座っていた。庭で飼われている一羽の鶏が唐突に甲高い声を発して鳴いた。 「なんだか鶏の声が妙ですね」 「気が付きましたか。実はあれは…

  • 目が四つある鳥

     休日に友人が住んでいる家に行った。茶の用意をするから応接室のソファに座っておくようにと言われたのだが、応接室に入るとソファの上に一羽の鳥が立っていた。鳥は私…

  • 棚の上の鳥型機械

     友人宅に招かれて酒を呑んでいたのだが、酔いが回り過ぎたので私はすっかり無口になって壁をぼんやりと眺めていた。すると、視界の端で何かが動いたので私は咄嗟にそち…

  • 鳥型機械を撫でる

     休日に夫がマンションの居間でソファに座って鳥型機械の頭を人差し指で撫でていた。鳥の身体は機械だが、夫の指先には体温が伝わっていた。鳥型機械は心地良さそうに目…

  • 犬型機械の反応

     休日に友人が住んでいるマンションに初めて訪問した。友人は部屋の中で犬を飼っていた。私は動物が苦手なので近付きたくなかったのだが、犬の方からこちらに駆け寄って…

  • カメラ犬

     休日に友人が住んでいるマンションに初めて訪問した。友人は部屋の中で犬を飼っていた。私は動物が苦手なので近付きたくなかったのだが、犬の方からこちらに駆け寄って…

  • 犬ガム

     休日の午後、小腹が空いたので台所の戸棚の中を探っていると『犬ガム』と書かれた袋を見つけた。見慣れない菓子だが、どのような味なのか興味が湧いたので私はその袋を…

  • 馬ガム

     休日の午後、小腹が空いたので台所の戸棚の中を探っていると『馬ガム』と書かれた袋を見つけた。見慣れない菓子だが、どのような味なのか興味が湧いたので私はその袋を…

  • カメラガム

     「これはカメラガムだよ」と公園で友人が言った。友人はガムが入っているらしい紙の塊をこちらに差し出してきていた。 「カメラガムだって?どんな味なの?」と私は訊…

  • 写真の中の海

     「先日の休暇中に海に出掛けましてね」 「海ですか」 「とても美しい海だったので感動しました。それで、私はカメラで撮影したのです。しかし、この街に帰ってきてか…

  • 自動車を見つけた記憶

     休日の夕暮れ時に外出先から帰宅すると妻が居間のテーブルに数枚の写真を並べていた。十年以上も前に二人きりで行った旅行先で撮った写真だと一目でわかった。「懐かし…

  • 妻の長い後ろ姿

     休日の昼下がり、私は畳の上に寝転がってラジオを聴いていたのだったが、いつの間にか眠りに落ちていたようだった。目が醒めるとラジオの音が消えていたので私は家族の…

  • 病院ではない

     夢の中で病院の通路を歩いていた。私は知り合いが入院しているので見舞いに来たつもりだったのだが、病室の場所がわからなくなっていた。それどころか、知り合いの名前…

  • 牢屋に戻りなさい

     夢の中で刑務所の通路を歩いていた。両側に牢屋が幾つも並んでいるのだが、それらの中に囚人の姿はなかった。それどころか、すべての扉が開いていて自由に出入りできる…

  • 刑務所の静かな通路

     夜、私は刑務所内を巡回していた。牢屋の中は既に消灯されているのだが、通路から照明の光線が差し込んでいるので囚人達の様子はよく見えていた。ほとんどの囚人達は静…

  • 刑務所として改築

     「先日、夢の中でマンションの大家であるらしい女が私の部屋に訪ねてきましてね」 「その大家は実在する女なのですか?」 「いいえ。しかし、夢の中ではその女が大家…

  • 殺人犯を匿っている

     「先日、夢の中でマンションの大家であるらしい女が私の部屋に訪ねてきましてね」 「その大家は実在する女なのですか?」 「いいえ。しかし、夢の中ではその女が大家…

  • バッタを住まわせる

     「先日、夢の中でマンションの大家であるらしい女が私の部屋に訪ねてきましてね」 「その大家は実在する女なのですか?」 「いいえ。しかし、夢の中ではその女が大家…

  • 猿が引っ越してくる

     「先日、夢の中でマンションの大家であるらしい女が私の部屋に訪ねてきましてね」 「その大家は実在する女なのですか?」 「いいえ。しかし、夢の中ではその女が大家…

  • 猿が泣いている

     「ほら。あそこで猿が泣いているわよ」と恋人が言った。 それを聞いて私は恋人が指差している方を見遣った。すると、公園の芝生の上で猿が二本足で立っていた。声は発…

  • 猿と目が合う

     夜、私は無人駅でベンチに座っていた。列車がまだ当分は到着しないはずなので私はぼんやりとした気持ちで夜空を見上げていた。晴れているので月や星がよく見えていた。…

  • ないはずの視線

     夜、私は無人駅でベンチに座っていた。列車がまだ当分は到着しないはずなので視線を夜空に向けていた。晴れているので月や星がよく見えていた。 ふと、視界の端に人影…

  • 鳥肉ゾンビ

     夜、食卓に着くとテーブルの上に大きな籠が逆様にして置いてあった。その中で何かが動いているような音が聞こえてきていた。 「これは何が入っているの?」と私はテー…

  • 違う惑星の鳥肉

     宇宙人と商店街を歩きながら話し合っていた。 「鳥肉が売られているね」 「あそこは鳥肉屋だよ。君の故郷の星にも鳥はいるのか?」 「ああ。たくさんの種類の鳥がい…

  • 違う惑星の肉

     宇宙人と商店街を歩きながら話し合っていた。 「肉が売られているね」 「あそこは肉屋だよ。君も肉を食べるのか?」 「ああ。食べるよ。しかし、この惑星の動物を見…

  • 宇宙人との出会い

     駅のベンチに座っていると隣に一人の男が腰を下ろした。ちらりと視界に入った服装が自分とまったく同じだと気付いたので私は当惑した。それで、思わず男の顔を見遣った…

  • 素足を見せない

     居間で宇宙人と一緒にソファに座ってテレビを視聴していた。私は番組の内容に興味を持てなくて眠くなってきたので背伸びをしていた。 すると、横から宇宙人が質問して…

  • 宇宙人と言語の数

     居間で宇宙人と一緒にソファに座ってテレビを視聴していた。私は番組の内容に興味を持てなくて眠くなってきたので背伸びをしてから宇宙人に問い掛けた。「ところで、こ…

  • 故郷の石

     宇宙人に誘われて宇宙旅行に出掛けたのだが、目的地に到着するまで長い時間が掛かると言われたので私は暇を持て余している。どうにかならないかと宇宙人に相談してみた…

  • 魚そっくりの宇宙人

     下校途中に二人の生徒達が歩きながら話し合っていた。 「昨日、ちょうど今くらいの時間帯にこの辺りの路上で宇宙人と遭遇してね」 「そんな一瞬で嘘だとばれそうな話…

  • 歪んだままにならない

     下校途中に二人の生徒達が歩きながら話し合っていた。 「テレビの番組を視聴して得た知識だけど、重力は空間を歪ませているらしいね」 「ああ。それは僕も何かの本で…

  • 青色ばかりの街角

     下校途中に二人の生徒達が歩きながら話し合っていた。 「なんだか今日はいつもよりも街が青くなっているみたいに見えるね。空がよく晴れているせいかな?」 「そうい…

  • 青い服の街

     旅人と宿屋の主人が窓の外を眺めながら話し合っていた。 「この街では住民は必ず同じ服を着なければならないという規則があるのですか?」 「古くからの慣習でこの街…

  • 青い服を着る会

     「青い服を着る会に入りませんか?」 「そういえば、あなたは青い服を着ていますね。その会に入っているのですか?」 「はい。私は既に入会しています」 「しかし、…

  • 空気が美味しい会

     「空気が美味しい会に入りませんか?」 「あなたは空気が美味しいと感じているのですか?」 「空気が美味しい会に入っているのですから入会していない人間よりも空気…

  • 夜通し歩く会

     「夜通し歩く会に入りませんか?」 「どこを歩くのですか?」 「全員がそれぞれの意志で別々の場所を歩くので順路は決まっていません。ただ、たまに仲が良い人間同士…

  • 空を見上げる会

     「空を見上げる会に入りませんか?」 「空を見上げるだけなら会に入らなくてもできますよね?」 「あなたは空を見上げている時に自分以外にも空を見上げている人間が…

  • 青空の下に白色はない

     夜の公園で二人の少年が空を見上げていた。 「今夜は月が大きく見えるね。かなり明るいね」 「大きな月が明るいね。でも、周りの夜空は黒いよね。あの明るくて大きな…

  • 月に落書き

     夜の公園で二人の少年が空を見上げていた。 「今夜は月がすっきりと見えるね。表面の岩や砂まで見えるような気がするよ」 「月には岩や砂があるだけで他には何もない…

  • 靴に似た物体

     公園で二人の少年が地面に落ちている物体を見ながら話し合っていた。 「これは何だろうね?」 「多分、これは靴だよ」 「こんな奇天烈な形の靴はないよ。靴にしては…

  • 土と水と光と空気

     公園の片隅で二人の少年達が腰を下ろして苔を観察していた。 「コンクリートが割れた隙間にも苔が生えているね。隙間の奥にも土があるのかな?」 「そうだろうね」 …

  • 苔が生えている腹

     公園のベンチに腰掛けて青空を見上げていた。ゾンビになってから長い年月が経ち、私は両足が腐って移動できなくなっていた。 「苔が生えているね」と話し掛けられた。…

  • ゾンビになった夢

     休み時間中に二人の生徒達が学校の廊下で話し合っていた。 「昨日、ゾンビ映画を観ていたのだけどね」 「ああ。テレビで放送されていた映画か。僕は観ていなかったけ…

  • 行きましょう

     学校の廊下で突っ立っていた。周りには制服を着た生徒達が行き交っているのだが、私は制服を着ていなかった。それで、私は肩身が狭いと感じていた。なぜ学校の廊下など…

  • 子供に袖を握られる夢

     真夜中に目が醒めた。さっきまで見ていた夢の一場面がはっきりと記憶に残っていた。私は交差点の手前で信号待ちをしていたのだった。すぐ横に幼い子供が立っていたが、…

  • 交差点が見える

     休日に自宅のマンションの一室で友人と二人で昼間から酒を呑んでいた。呑み始めてから数時間が経ち、私は頭の中がくらくらとしていて口数がめっきり減っていた。 「こ…

  • 不揃いのグラス

     友人が住んでいる高層マンションの一室に数人で集まって真っ昼間から酒を呑んでいた。呑み始めてから数時間が経ち、私は頭の中がくらくらとしていて口数がめっきり減っ…

  • 薄暗い部屋

     友人が住んでいる高層マンションの一室に数人で集まって真っ昼間から酒を呑んでいた。呑み始めてから数時間が経ち、私は頭の中がくらくらとしていて口数がめっきり減っ…

  • 庭の洗濯物

     雷鳴に驚かされて目が醒めた。屋外からは雨音も聞こえてきていた。かなり激しく降っているようだった。私は庭に洗濯物が干したままになっていると思い出し、暗澹とした…

  • 目も口もない

     昔、私が子供だった頃に暮らしていた家のすぐ近所に同い年の友人が住んでいた。私達はよく互いの家を訪れて遊んでいた。 その日も私は彼の家を訪れていた。正確な日時…

  • 目と口の位置が逆

     居酒屋で友人達と酒を呑んでいた。私は酔いが回って頭が回らなくなっているせいで友人達との会話にはほとんど参加できなくなっていた。 「君は目と口の位置が逆になっ…

  • 指が長くなる

     居酒屋で友人達と酒を呑んでいた。私はすっかり酔いが回って頭が回らなくなっているせいで友人達との会話にはほとんど参加できなくなっていた。 「君は酔うと指が長く…

  • 顔が変わった

     居酒屋で開かれた新年会で二人の男達が語り合っていた。 「君はなんだか顔が変わったようだね。それとも、僕が酔っているせいで別人のように見えているのかな?」 「…

  • 居酒屋の雑音

     二人の男達が居酒屋で酒を呑みながら語り合っていた。 「騒々しいね。酔っ払って興奮している客がいるようだね」 「この程度の音なら僕は気にならないけどね」 「ど…

  • 長い耳の聴力

     山道を下りながら二人の猟師達が話し合っていた。 「今日はよく兎が捕れたね」 「そういえば、前から疑問に思っているのだけどね」 「何?」 「兎の耳は長いけど、…

  • 鯨の耳の穴

     学校の美術室で二人の生徒達が海の生物を描くという課題について話し合っていた。 「ねえ。これから僕は鯨の絵を描こうと思うのだけどね」 「君は鯨を描くつもりなの…

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