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  • ライオンになる茸

    「世の中には食べるとライオンになったと思える茸があるらしいね」 「そうなのか」 「大抵の動物達はその茸を食べてライオンになったと錯覚すると自分が強くなったと…

  • 鹿を捕獲したライオン

    草原で鹿を捕獲したライオンを遠くから見ながら二匹の象の子供達が話し合っていた。 「ライオンが鹿の首を噛んでいるね」 「ライオンはいつも獲物の首を狙うようだね…

  • チーターが楽しんでいる

    獲物を追って草原を走っている一匹のチーターを遠くから見ながら二匹の象の子供達が話し合っていた。 「あんなに速く走れたら楽しいだろうね」 「そうだろうね。きっ…

  • 鼠と象

    夜、一匹の鼠が草原地帯を走っていて大きな物体に衝突した。その拍子に聞き覚えがある大きな声が辺りに響いたので鼠は当たった相手が象だと気付いた。 「やあ。ごめん…

  • 鼠と駝鳥

    夜、一匹の鼠が草原地帯を走っていて大きな柔らかな物体に衝突した。その拍子に聞き覚えがある声が辺りに響いたので鼠は当たった相手が暗闇の中で座っていた駝鳥だと気…

  • 鼠を飼っている

    森の中でたまたま出会った二人の不死者達が岩の上に座って話し合っていた。 「その籠の中には何が入っているの?」 「鼠を飼っている。今は五匹しか籠の中に入ってい…

  • 将棋を指そう

    森の中でたまたま出会った二人の不死者達が岩の上に座って話し合っていた。 「それにしても自分以外の人間には二度と出会えないかもしれない思っていたよ」 「ああ。…

  • 昔の百科事典

    森の中でたまたま出会った二人の不死者達が岩の上に座って話し合っていた。 「それは何だ?」 「これは百科事典だよ。かなり昔から持ち歩いているのだけど、僕達の身…

  • 口が多い不死者

    森の中でたまたま出会った二人の不死者達が岩の上に座って話し合っていた。 「君は口がたくさんあるね。そんなにたくさんの口が必要になるの?食べる口と話す口と空気…

  • 脚が多い不死者

    森の中でたまたま出会った二人の不死者達が岩の上に座って話し合っていた。 「君は随分と脚が多いね。しかも、生えている場所がおかしいよ。どうして背中とか脇腹から…

  • 天辺の新しい脚

    二体の生き物が喫茶店でコーヒーを飲みながら話し合っていた。 「それは新しい脚かね?随分と珍しい場所から生えてきたね」 「ええ。私もまさか身体の天辺から脚が生…

  • 新しい臓器

    二体の生き物が喫茶店でコーヒーを飲みながら話し合っていた。 「君はしばらく会っていなかった間に太ったようだね。新しい臓器が増えたのかね?」 「さあ。どうです…

  • 肩の穴

    二体の生き物が喫茶店でコーヒーを飲みながら話し合っていた。 「その肩の穴は何だね?」 「肩とはどこですか?」 「君は自分の身体に肩がないと思っているのかね?…

  • 頭頂部の穴

    二体の生き物が喫茶店でコーヒーを飲みながら話し合っていた。 「今、コーヒーを飲む為に俯いたから気付いたのだけど、君は頭頂部に小さな穴が開いているのだね。昔は…

  • 手の新しい口

    二体の生き物が喫茶店でコーヒーを飲みながら話し合っていた。 「その手の先端にに穴が開いているようだけど、どうしたのかね?」 「ああ。この穴ですか。この穴が新…

  • 穴が開いた手

    夢の中で私は洗面所に立っていた。手の平に穴が開いていると気付いたので私は動揺した。その傷を負った経緯は思い出せないのだが、穴が手の平を完全に貫通している様子…

  • 『幸運を』

    朝、洗面所で鏡を覗き込むと額に『幸運を』という文字が書かれていた。それは私の渾名だった。その言葉の発音が私の本名とよく似ているので昔から友人達から『幸運を』…

  • 『腕』

    夏に今の学校に転校してきてから私の渾名は『腕』になった。本名に発音が似ているから一人の同級生が誤って『腕』と呼んできたのだが、それから他の同級生達も私を『腕…

  • 腕の重さ

    夕暮れ時、侍と一緒に広い田畑に挟まれた畦道を歩いていた。遠くにある山々の方から冬の冷たい風が吹き付けてきていた。辺りに人気はなく、私達はしばらく会話を交わし…

  • 腕を食べてはいけません

    「頂上に着くまでは腕を食べてはいけませんよ」と遠足で山を登っている最中に教師が言ってきた。 突拍子もない内容の指示なので聞き間違いだろうと思ったが、私は疲れ…

  • 日の出を見に行こう

    「日の出を見に行こう」と飲み会の最中に友人の一人が言い出した。 その提案に皆が挙って賛同したので私達は居酒屋から出て東に向けて歩き出した。とりあえず外にいれ…

  • 初めての朝を見たい

    なかなか夜が明けないので私は東の空を見ながら不安になっていた。先程まで丘の上には私以外の人間達がたくさん集っていたのだったが、待ち草臥れたようで明らかに数が…

  • 雪になれ

    夜明け前に私は丘の上に立ち、空に向けて「雪になれ」と叫んでいた。雪を願う丘の上には真夏には誰も来ないはずなので私は好きなだけ大きな声を出せていた。高揚感に身…

  • 晴れになれ

    夜明け前に私は丘の上に立ち、空に向けて「晴れになれ」と叫んでいた。私の周りに立っている人々も口々に大声で同じ言葉を空に向けて放っていた。高揚感に身を任せて何…

  • 真夏の夜明け

    真夏の夜明け前、私は兄と一緒に海へと続く道路を歩いていた。早く海で泳ぎたいという気持ちを抑えられずに真夜中に家から出発したのだった。辺りはまだ暗くて街灯の光…

  • 蝉を真似る友人

    友人と一緒にプラットホームのベンチに座って列車の到着を待っていた。私達は日陰にいるのだが、真夏の日差しが辺り一帯を照らしているせいで蒸し暑くて仕方がなかった…

  • 物語の終わり

    プラットホームのベンチに座って本を読んでいると男が隣に座ってきた。その男がこちらを見てきているようだったが、私は話し相手を必要としているわけではないので視線…

  • 電球が切れた

    二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「このところ、僕は昔の人が書いた小説を読んでいるのだけど、その作品の中に『電球が切れた』という見慣れない…

  • 立派な大人になる教育

    二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「あの学校の教育について考えてみたのだけどね」 「どうしたの?学校が気に入らないの?」 「あの学校は立派…

  • 満点を取れなかった

    二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「また満点を取れなかったよ」 「満点なんて簡単に取れるわけがないから落ち込む必要はないよ。そもそも、生徒…

  • 星を見て占う

    二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「星占いって知っている?」 「知っているよ。星を見て運命を占うのだろう?君はそんな大昔の迷信を信じている…

  • 鹿を王にしていた

    二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「このところ、様々な古代文明について解説している本を読んでいるよ。その本によると昔は鹿を王に見立てて敬う…

  • 浸水した街を鹿と歩く

    夢の中で水に浸かった街路を歩いていた。足首の高さまで浸水しているのだが、水の感触が鮮明なので私は夢を見ているとはまったく気付いていなかった。一頭の鹿と並んで…

  • 鹿が話し掛けてきた

    「こんにちは」と森の中の獣道で一頭の鹿が話し掛けてきた。 久しく人間の言葉での通信を受けていなかったので私は驚いた。喉の奥にある発信器が正常に機能するだろう…

  • 魚が話し掛けてきた

    「こんにちは」と一匹の魚が話し掛けてきた。 久しく人間の言葉での通信を受けていなかったので私は驚いた。喉の奥にある発信器が正常に機能するだろうかと心配しなが…

  • 海の箱

    「これは『海の箱』ですよ」と館の主人は言った。テーブルの上には一個の木製の箱が置いてあった。 客は箱の表面に彫刻されている魚や蛸などを見ながら感心したように…

  • 足音の箱

    「これは『足音の箱』ですよ」と館の主人は言った。テーブルの上には一個の木製の箱が置いてあった。 「『足音の箱』ですか。そのような名が付けられている理由がある…

  • 犬達の箱

    「これは『犬達の箱』ですよ」と館の主人は言った。テーブルの上には一個の木製の箱が置いてあった。 「『犬達の箱』ですか。表面に犬達の姿が彫られているわけでもな…

  • 犬を真似る息子

    夜、私は息子と一緒に線路沿いの道路を歩いていた。時々、列車が通り掛かると辺りに大きな騒音が響き渡るのだが、それ以外の時でも息子がずっと犬の声真似をしているの…

  • 犬のように吠える集団

    今日、犬のように吠える集団の会合に初めて出席した。皆で犬の声真似をしたのだが、私は他の参加者達の声と比較すると自分の声があまりにも犬と似ていないような気がし…

  • 逆さ言葉を言い合う集団

    今日、逆さ言葉を言い合う集団に初めて参加した。単語の発音の順序を逆様にしながら参加者同士で話し合ったのだが、私はまだ頭が慣れていないせいで会話になかなか参加…

  • 石を持ち寄る集団

    今日、石を持ち寄る集団の会合に初めて出席した。皆で持ってきた石を披露し合い、それぞれの石について紹介した。私は会合の趣旨をよくわかっていないまま参加したので…

  • 青空のような石

    旅先の土産物屋で美しい青色の石を見つけた。まるで青空のようだと思い、気に入ったので購入した。 それから私はその青色のような石を肌身離さずに持ち歩いている。雨…

  • 宇宙のような石

    旅先の土産物屋で美しい漆黒の石を見つけた。まるで宇宙のようだと思い、気に入ったので購入した。 それから私は暇があると漆黒の石を手に取って観察している。虫眼鏡…

  • 丸窓から見た人間達

    宇宙船の休憩室で二人の船員達が話し合っていた。 「誰が丸窓の映像の設定を勝手に変更した?」 「知らないよ。丸窓の映像がどうかしたのか?」 「宇宙船と並んで泳…

  • 丸窓から見た鯨

    宇宙船の丸窓から外の様子を見てみる。星空の中を泳いでいる一匹の鯨と目が合う。それは窓に映された架空の像でしかないのだが、こちらと同じ速度で泳いでいる鯨の姿を…

  • 白い垂直の雲

    友人が入院したと知ったので休日に見舞いに行った。大きい病院なので建物の入口から病室までが随分と長く感じられた。友人は窓辺のベッドに横になっていたが、彼と挨拶…

  • 頭が大きな看護士

    物音が聞こえてきたような気がしたので意識が覚醒した。目を開けると天井の照明が点いていた。白衣を着た看護士が病室の中にいた。寝台のすぐ近くに立っているのだが、…

  • 頭が大きな蛇

    休日に息子と一緒に遠方の動物園に出掛けた。ひどく風が冷たいので私は建物の中にある温かな爬虫類の展示場に長居したくなっていた。 「頭が大きな蛇がいるよ」と息子…

  • 不老不死の蛇

    休日に息子と一緒に遠方の動物園に出掛けた。ひどく風が冷たいので私は建物の中にある温かな爬虫類の展示場に長居したくなっていた。 「この蛇は不老不死らしいよ」と…

  • 不老不死ではない人類

    二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「君は医学の発展がいずれ人類を不老不死にすると思うか?」 「ひょっとすると、可能なのかもしれないけど、す…

  • 寿病を知る能力

    二人の生徒達が下校途中に歩きながら話し合っていた。 「もし君が人間の寿命を知る能力を持っていたとしたらどうする?」 「あまり嬉しくない能力だね。しかし、誰も…

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