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  • パパはかわら版 I4

    弥生「どうあなたたちの近況は。告白するっていってたじゃない」初江「だめですよ、全然。それに良江ちゃんがもう受験だから、抜け駆けっていうのもね」弥生「何、あなたはずいぶん律儀なのね」幸江「いくじがないだけよ。友情もないくせに」初江「あんたはずいぶんなことをいうよね。勇作を手玉に取ってるからね」弥生「そう。うまいことやっているの」幸江「そんなじゃないよ。あんたが無理矢理押しつけようとしてるだけじゃない。そもそも、いつ私が勇作に気があるっていったよ」初江「そりゃ、見てりゃわかるのよ」幸江「わかるわけないよ」初江「あんたは自分で、勇作と一緒に明和館に行くのだって決めたじゃない」弥生「へえ、それはよかったじゃない。あなたが、あのこと一緒にね」幸江「たまたま、同じ私塾にいくだけですよ。それも、この辺の子がみんな行くところで...パパはかわら版I4

  • パパはかわら版 I3

    弥生「大変だったみたいね」橋龍「ああ、君にも知れ渡ったか。兄さんからでも聞いたのか」弥生「そうよ」橋龍「なんていっていた」弥生「あなたが幕府批判をしたって。取り調べを受けたんでしょ」橋龍「そうだよ。今日、奉行所へ行って来た」弥生「そう。それで、どうだったの」橋龍「うん。いいたいことはいってきたよ。起訴されるかどうかは、何日かしたら分かるよ。それまでは、保留だ」弥生は橋龍の懐に入るようにして抱きついた。弥生「それで、どうするの」橋龍「なにをだ」弥生「瓦版よ」橋龍「平凡屋か」弥生「辞めるの」橋龍「分からないよ」弥生「分からないって、あなたもう決めているんじゃないでしょうね」橋龍「決めるも何も、、、」弥生「辞める気なのね」橋龍「いいや、そうじゃない。それは、起訴されたら、そうするしかないだろうが、されなかったら辞めな...パパはかわら版I3

  • パパはかわら版 I2

    左吉「橋龍さん。こんな大事にしてしまってどうするんですか」橋龍「ははは、、、」左吉「笑い事ではすまされませんよ。他の瓦版の連中、本当に怒ってましたよ」橋龍「そうか。悪者になっちゃったか」諭吉「まさか、そこまで言うとはね、私も思わなかったよ」左吉「水野様を悪くいったのはまずかったですよ。完全な幕府批判じゃないですか」橋龍「そうだな。全部私の責任だよ。君らの問題じゃない」左吉「どうでしょうね。橋龍さん一人が責任をおって収まる問題かどうか。というり、平凡屋だけの問題で収まるかどうか」有吉「まあ、そう大げさに騒ぐな。別に、しょっ引かれたわけでもないんだ。明日いってみないとまだ分からんよ」左吉「でも、これからどうするんですか」有吉「そりゃ、明日も続けるさ。そういったことは処罰が出てからだよ、考えるのは。お前は明日から、龍...パパはかわら版I2

  • パパはかわら版 I1

    第9話橋龍は、陽子と外で初江のことについて話をすることになったが、茶店というわけにもいかないので、個室のあるところで料理を食べながらということになった。橋龍「どうして急に、そういったことを言い出したんだよ」陽子「そりゃ、私だってあの子の母親よ、ちょっと意地悪はしたかもしれないけれど、どうせそのうち帰ってくるって思っていたのよ」橋龍「ほんとうかね。君は、この間、私にあったときだって、しらん顔したじゃないか。あの時は、邪魔になったとまでいったんだよ」陽子「そうだったわね。ただ、あのとき、あなたは酔っぱらって、昔のように私を抱いたじゃない。それであんなことを言ってしまったんだわ」橋龍「しかし、信じられないね」陽子「そうかしら。昔捨てられた男に、都合よくまた抱かれたのよ、そんな気を起こしたって、不思議じゃないじゃない」...パパはかわら版I1

  • パパはかわら版 H4

    橋龍「もう私らは、なにがなんだか分からないよ」一弘「勘定方の話か」橋龍「裏金を公金にしようって話だって聞いたぞ」一弘「そうだな。それは誰も納得しないだろうな」橋龍「おい、それでは、困るよ。私らは所詮、幕府で決まったことを書いてるだけのしごとをしてるだけだよ。それでも、真剣に考えてやってるんだよ」一弘「そんなの分かってるさ。しかし、そういった理屈が通るんだったらいいが、そうはいかないときもあるんだからしょうがない」橋龍「なんだよ、それじゃほんとうに、そんなことになるのか」一弘「まあ、そう騒ぐなよ。その話は単純じゃない。勘定方でも、いろいろ策を巡らす連中もいてね、それに同調する人間が増えているというのも事実だ」橋龍「だったら、なんかこれからあるということか」一弘「いや、そうじゃない。同調するというは、考えとしてはと...パパはかわら版H4

  • パパはかわら版 H3

    初江「しかし、弥生さんは料理なんかできるんですか」弥生「私。まあ、一通りはね」初江「ほんとうに。旗本のお姫様ってそんなことしないでしょ」弥生「そんなことないわよ。好きな人はいるのよ」初江「でも、毎日、侍女か誰かが作ってくれるんでしょ」弥生「そうだけど、堺家は、自分でできることは自分でやってかまわないのよ。よーし、作ろうよ」勇一「それでは、みなさん、今日はうどんにしませんか」幸江「えー、それじゃ、作ってくれるんですか」勇一「いや、うどんを私が打ちますから、みなさんでだし汁を作ってください」良江「初めてですね。勇作君のお父さんにうどんをうってもらうのは」幸江「そうだね、何てったって、うどん職人だからね」勇一「まあ、それでもうどんなんて言うのはだし汁次第ですから、みなさん次第ですよ」弥生「だしはどうやってとるんですか...パパはかわら版H3

  • パパはかわら版 H2

    橋龍は、いつものように平凡屋で打ち合わせをしていた。景気が悪くなってからは、もうしばらくたった。米相場には、幕府が介入して、なんとか庶民生活も落ち着いたかのように見えたが、それでも、あくまでそれは米の値段に関してであって、生活自体がよくなったわけではない。そのあたりは、これからどうなっていくのかというのは、本当に分からないことだった。この時代は、不景気というのは、長引く傾向にあったので、そう簡単に元のようになるわけはないし、徐々に更に悪くなると言うことは、一つのパターンだった。改革の案というのは、いろいろな方面から出されるのだが、しかし、酒井大老の体制のもとでは、どうしてもあるところから上には、そういった話は持ち込まれないのかもしれない。勘定方は、優秀な人材をそろえていたが故に、もめもするのだが、その議論も勘定...パパはかわら版H2

  • パパはかわら版 H1

    幸江「パパ、昨日も飲んできたの」橋龍「君ら本当に私に干渉するのが好きだね。私がなにしようがかってだろう」幸江「とりあえず形だけでも心配してあげてるのにね」良江「そうですよ。本当に心配してるんですよ」橋龍「ほんとかね」良江「ええ、ほんとうです。それでなんですが、私は私塾を受けたいんですが、その手続きはお父さんはしてくれるんですか」橋龍「はあ、手続き。なんだよ、そんなの自分でしなさいよ」良江「そうしたいのですが、私は、保護者がいないので、恐らくお父さんのお世話になるしかありません」初江「ちょうどよかったじゃない。私達のことを認めて、これからも仲良く暮らしていこうよ」橋龍「なにいってんだ。君は、おばさんがいるだろう。おばさんのところへ帰りなさいよ」初江「なによ。私は、あそこは追い出されてきたんだよ。もう行くところなん...パパはかわら版H1

  • パパはかわら版 G4

    3人が帰ってきて席に着いたが、それと入れ替わりに今度は橋龍がトイレに行った。この雰囲気にはやはり耐えられなかったんだろう。祐子「よお、お帰り。悪巧みは終わった」幸江「なんですか、悪巧みって」祐子「いいや、あんたら、私達のことが嫌いなんじゃないの」良江「そうですね。よく、分かってますね」祐子「はっきりいうね。それでどうなった」初江「大丈夫ですよ。なにもしないことにしました」祐子「なによ、なにもしないって」初江「ええ、だから、誰の肩も持たないって言うことですよ」祐子「なによそれって、なんの話。誤解なんじゃない」初江「なにがですか」祐子「もしかして、橋龍さんを狙ってるとでも思っているの」幸江「違うんですか」祐子「違うわよ。礼子ちゃんは分からないけど」そういったところで、みんなが礼子を見たが、礼子は格段なにかをいうわけ...パパはかわら版G4

  • パパはかわら版 G3

    食事中だった料理を店員に中央のテーブルに持ってくるように頼んで、3人は、席に着いた子供たちと弥生のところへやってきた。弥生は少しだけ立ち上がって、どうぞご一緒にということを言った。祐子「いいや、参りましたね」弥生「なにがですか」祐子「これはどういう組み合わせなんでしょうね」弥生「そうですね。それは、私も驚いてるんですよ。ははは、、」祐子「そうでしょうね。ははは、、」弥生「いいえ、この子たちの話を聞いたら、以前もお見かけしたと言うんで、それならばといったんです」祐子「ああそうですか。でも、それは礼子ちゃんかな。私はこの子たちのことは、話では聞いたことはありましたけど、それだけで、それにしても、立派なお子さんたちでびっくりしてます」弥生「礼子さんというのはこちらの方ですか」礼子「はい。こんばんわ」弥生「こんばんわ」...パパはかわら版G3

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