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大福 りす
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2011/01/21

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  • 孤火の森 第20回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第20回「あの森、兵がのさばってるあの森に森の女王がいた。兵が森に入った時に女王の御子であるポポとブブが生まれた。お頭はこの旦那に頼まれてポポとブブを育てていたってわけさ」「それじゃあ、ブブが・・・女王になるってのか?森の・・・」「そうだよ。信じられないだろうけどね」「でも・・・森の民の御子なら、森の民が育てればそれで良かったんじゃないのか?あ、いや、ポポとブブのことはおいといてだ」どんな器用な置き方だ。だが言いたいことは分かる。「ああ、それに森の民ってのは銀の髪だってきいてる。ポポもブブも俺らと同じ黒髪だ」それにアンタも、そういう目をしてサイネムを見...孤火の森第20回

  • 孤火の森 第19回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第19回「お頭」お頭が振り向くとクロギツネが立っていた。「なんでぃ」昨日若頭から聞いた頭が痛くなる事を言われるのだろう。「若頭から聞かなかったか?」やっぱりか。「・・・聞いたよ」『お頭、みんながブブのことに気付いてきてますぜ』『まぁ、ちーっと、目立つか』『ちーっと、くらいじゃありませんぜ。それに時宜(じぎ)を計ったようにあの旦那だ』『計ったって言うか、元々こういう運びだったからな』『その元々を誰も知らないんです、怪しんでも仕方ないですぜ?』『気付いてるんじゃなくて、怪しんでるのかよ』『話せって迫られました』『おー、女に迫られない分、男に迫られたか』『・...孤火の森第19回

  • 孤火の森 第18回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第18回双子の二人を初めて手の中に収めた時の感触を覚えている。そしてもう息をしていないヤマネコの子を抱いた時の感触も忘れることは無い。きっとヤマネコもそうなのだろう。ヤマネコの産んだ我が子と双子は別なのだろう。もう目にすることは無いヤマネコの子だが、ヤマネコの中でいつまでも我が子は生きているのかもしれない。ポポとブブが居なくなってもヤマネコは大丈夫だろう。再び子を失くしたとは考えないだろう。「それにしても長年よく黙ってきたもんだよ」「あいつらが森に行ったと聞いた時にゃあ、目ん玉が落ちるかと思ったけどな」「え?なんでだい?森の民に守られ・・・あ、いや、呪...孤火の森第18回

  • 孤火の森 第17回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第17回横で見ておけというのなら、そうしてやろうではないか。ポポもサイネムの横に胡坐をかく。「足どうしが付いてもいい、真横に座れ。わたしの手の上にお前の手を置くよう」え?と言いかけて再度言葉を飲んだ。置けと言われてもどうやって置けばいいのだろうか。サイネムが椀を持つように左右の足の上に手の甲を乗せた。「わたしの手の上にお前の手を置き、お前自身の中に入り込むよう」「入り込むって・・・」どうすればよいのだ。「お前自身を見つめればいい。わたしが連れて出る」全く以って意味が分からない。「何も考えず、自分の内だけを見つめるよう」出来るか出来ないかなど、どうでもよ...孤火の森第17回

  • 孤火の森 第16回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第16回「そうか、連れて行こうと思っていたが・・・そうだな、どうせ寝るだけか」ポポが握り飯を喉に詰まらせかけた。「何やってんだ」アナグマが急いで木椀に水を入れるとポポに飲ませる。水で握り飯を流すとゲホゲホ言いながらポポがサイネムを睨む。「寝るもんかい!行くからな!」「では起きておけ」では連れて行こう、ではない。「お前・・・」「名を呼べ」「サイネム!罠に嵌めたのか!」ポポ自ら行くと言わせ、ましてや寝ないと断言させた。素知らぬ顔で握り飯を口に入れる。(こりゃ・・・ポポの扱いを慣れてやがるぜ)だがポポとは顔を合わせてどれ程も経っていない。ということは、このサ...孤火の森第16回

  • 孤火の森 第15回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第15回夕刻、石の群れの領域に兵の姿があらわれた。その姿は見るも無残なものだった。「本当だったみたいだな・・・」離れた所から見ていたタンパクが言った。その後ろにこの石の群れの長であるセキエイが立っている。「あれじゃあ、岩穴を潰されたりはしないな」「朝からだって言ってたから・・・」あの姿でここまで歩いて来るには相当な時を費やしたはずだ。まずあの身体で街まで戻れるかどうかも分からないだろう。「即、潰されたんだろうな」セキエイが腕を組んで言うと、見ていた者たちが口々に色んなことを言い出した。「森の民って、おっかねー・・・」「近づきたくもないな」「いや、見るの...孤火の森第15回

  • 孤火の森 第14回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第14回「ポポ、テメェー」「だって、あれ塗ると鼻が痛くなってたから。今は慣れたけど」「痛くって・・・そんなこと言わなかっただろ!」もし言っていれば、蛇ふさぎなど塗らなかった。「だって・・・蔦で遊ぶのが楽しかったのがあって。でもやっぱり痛かったから」「ははは!アナグマもやられたってことかい」いつも誰かがおちょくられていたが、これは結構大きい。おちょくる範囲ではない。「お頭、笑いごとじゃねー。おちょくる程度ならいいが、嘘はつくなと言ってただろうが!」「だって、ブブなんて喉まで痛くなってきたって言ってたから・・・」「ゼライアが?」突如入って来たサイネムにアナ...孤火の森第14回

  • 孤火の森 第13回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第13回今度は先程より長かった。ブブのことを置いていったい何をしているのか、そう思い始めた時にサイネムの瞼が上がり向き直ってきた。「話を止めて悪かった」あちこちに触手を伸ばしてみた。だが岩に囲われているという事と離れ過ぎているのだろう、どこに触れることも出来なかった。同じことを繰り返させるわけにはいかない。事が起こる前に他の方法で知らせなければ。「・・・いったい、さっきもだが、何をしてんだ?」「ちょっとな」言えないということか。ということは森の民の何某なのだろう。そこに首を突っ込むわけにはいかない。「もしそうなら・・・いや、疑っているわけではない。森に...孤火の森第13回

  • 孤火の森 第12回

    『孤火の森』目次『孤火の森』第1回から第10回までの目次は以下の『孤火の森』リンクページからお願いいたします。『孤火の森』リンクページ孤火の森(こびのもり)第12回兵が大砲に玉を詰めようとしている時だった。目の前から森が消えた。どこからともなく「森が・・・」と、さざ波のように聞こえてきた。玉を持ったままの兵が森を見ると、そこにあるはずの森が無くなっている。玉を持ったまま動きが止まる。「目!目くらましだ!さっさと玉を詰めろ!」兵隊長の叱咤がとぶ。目くらまし・・・それは森の民がした事なのか?それならばもう森の民は自分たちの存在を知っているということ。兵たちの間に動揺が広がる。若い兵たちは伝え聞いている。幻覚のことを、同士討ちのことを。あれだけ高揚していた気持ちが一瞬にして狼狽(ろうばい)へと変わる。カン、と若...孤火の森第12回

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