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大福 りす
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2011/01/21

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  • ハラカルラ 第49回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第49回農地沿いの道路にワハハおじさんが車を停止させると三人が車を降りた。続いていた二台目の助手席からもおっさんが降り、後部座席からは長と雄哉が車を降りる。他の車からも三人が降りてきて運転手が町中のパーキングに車を走らせて行く。この道路にはバスも走っているだろうから、交通の妨げをするわけにはいかない。「ここか」山を見ている長の隣に立ったキリが説明をする。「あの山の中腹です。裾の村が煩そうなんで車では入りずらいんです。少々歩かねばなりませんが」「ああ、かまわん。まだ大爺の歳にはなってないからな」山の手前に見える農地にはまだ稲の苗も見えない。あと少しすれば農地...ハラカルラ第49回

  • ハラカルラ 第48回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第48回畑仕事をしながらおっさんたちが話している。「長の話じゃ、朱門のしたことを許してくれたということだが、結局この先をどうするか水無瀬君はまだ決めていないようだ。っていうか、長に何も言わなかったらしい」「そうか・・・」「まぁそうだろう、朱門に居なくてはならない理由なんてないし、元の生活に戻るに戻れないってとこもあるからな」「あの戸田君ってのは?」「戸田君も戻れないだろう、水無瀬君と一緒に逃げたんだから。それに白門の考えていた話を知っているんだ、白門から追われるだろう」「ああ、あの話な、とんでもないことを考えやがって」「若い者たちはその話を知っているのか?...ハラカルラ第48回

  • ハラカルラ 第47回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第47回雄哉から目を転じて助手席を見る。俯いているライの僅かな横顔が見える。「・・・ライ、起きてる?」「うん」「・・・ライが謝ることなんてない。でもライはごめんって言ってくれた。それを受け取らないって言っちゃいけないと思うんだ。だから、ライが謝ってくれたことは受け取る」シキミが頬を緩ませる。「・・・言ってはない。書いただけ。だから・・・ごめん」「うん、ちゃんと聞いた。でもさっきも言ったけどライが謝ることじゃない。謝んなきゃなんないのは俺の方だ」短絡過ぎた。後悔してももう戻れないと思っていた。それなのに手を差し伸べてくれた。「何も考えず言い過ぎた、それに言葉...ハラカルラ第47回

  • ハラカルラ 第46回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第46回なんとか渓流を渡り切った水無瀬の尻と胸辺りに縄が巻かれ、縄を持ちながら走って登れと言われた。え?っと思う間もなく縄が前に引っ張られる。このまま足を止めていると完全にこけてしまう。必死で足を動かす。後ろには新緑がついている。遅れて渓流を渡って来た雄哉も同じように縄を巻かれ後ろには稲也がついた。その横をシキミが走り抜ける。「うそ、早っ」ライとナギ、他六人で岩から縄をほどいていく。それを持って岩を飛び越え渓流を渡る。同時に山側でも木に括られていた縄がほどかれていく。証拠品は置いていくわけにはいかない。「くっそ重てぇなぁ」水無瀬と雄哉の身体を巻き付けた縄を...ハラカルラ第46回

  • ハラカルラ 第45回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第45回新緑が後方の足音に耳を澄ませながら辺りも見ずに走る。目はナギだけを見ている。あと少しでナギの下に着くというときにナギの手がストップと合図を出し、もう一方の手で方向を示した。示した方向から敵が来ているということである。やはり水無瀬達の足に付き合ってしまっていては思いのほか遅れを取る。新緑の足が止まり後ろに手でストップをかけ家の陰に身を隠す、後ろを見ることは無い。ライと稲也が水無瀬と雄哉を見ているのだから、その二人の心配は無用である。怒号が聞こえてきた。「勝手な事すんじゃねー!」ガギっという音が響く。新緑が首をひねる。忍刀で打ち合っている音ではない、そ...ハラカルラ第45回

  • ハラカルラ 第44回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第44回「おい、畦を車が走ってくる!」村では見張りに立っていた者が大声で叫び出し、見回っていた者たちが集まって来た。「水無瀬を移動させろ!隠せ!」『水無瀬君移動、隠す』すぐに新緑がラインを入れる。『了解』「行きます」ライが誰よりも早く地を蹴り、その後をシキミや他の者たちが続く。渓流側でもキリを先頭にモニターのあった家に足を急がせている。ライは焦っていた。水無瀬を確認した後、シキミに願い出ていたがそれが通らなかったからである。『また場所を移動させられてはまた一からとなります。このまま見させていて下さい、お願いします!』だがそれは通すことの出来ない話。一人残す...ハラカルラ第44回

  • ハラカルラ 第43回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第43回八時を越した。既に村の外は月明かりだけになっていることだろう。現時点で黒門の動きはまだない。『山側渓流側、可能であるなら数人入って水無瀬君の位置を特定してほしい。正面側は村の見張りが立っていて簡単に入り込めそうにありません』『了解』と、山側、渓流側からラインに返事が入った。「かなり警戒してますね」正面側から見て村の連中が何人もうろうろとしている。「黒門の件があったからな、当分この状態は続くだろう」「無暗に村のどこかから入るのも危ないかもしれません、一旦引いてあっちの連絡を待ちますか?」必ず正面から入らなくてはならないわけではない。村は木々に囲われて...ハラカルラ第43回

  • ハラカルラ 第42回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第42回「渓流側が先に着く。そんな青ざめた顔してんなよ、ナギがお前の気持ちに共鳴したらどうすんだ。渓流の中、足滑らしたりするかもしれないだろ」双子に限らず三つ子にしてもそうだが、離れていても互いの気持ちが通じるということが間々ある。二卵性とはいえライとナギも双子であるし、ナギの気持ちを察知することは常ではないにしてもライとて経験がある。「・・・分かってる」「おっしゃー、ライ、とばしてやる!体ほぐしとけ!」若い者五人が乗った車のアクセルが踏まれ、シキミの運転する車をぶち抜いて走る。運転しているのは茸一郎である、前回も来ているので道は覚えている。「あんのバカヤ...ハラカルラ第42回

  • ハラカルラ 第41回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第40回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第41回夕飯を済ませたが、雄哉がそっぽを向いて座っている。話しかけてくるなということだろう。戸の外から声がかかってきた。「雄哉、ちょっと」広瀬の声である。雄哉が部屋を出て行くと外に出たようで玄関の戸が閉まる音がした。「監視が居なくなっていいのかよ」だからと言ってここから出ても、きっと玄関の外に誰か立っているのだろう、黒門の時のことを考えるとそうとしか考えられない。黒門の在り方は全てにおいてというところで賛成できたものではなかったが、この白門は最低だ。たしかに人間というものは魚介を生でも煮ても焼いても食べ、エキスにもしている。サプリとして気軽に飲んでもいる。...ハラカルラ第41回

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