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大福 りす
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2011/01/21

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  • ハラカルラ 第32回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第30回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第32回なにか間違えたことを言っただろうか。「朱の守り人は今もだがもう長く来ておらん。最後に見た時が・・・おい、いくつだったかのぉ?」「ああ、ある日突然来なくなったな。そうさな・・・七十の歳を越したくらいだったか、あれからもう六十年近く経つのではないか?」そうであれば生きていて百三十歳くらい。きっと生きていないだろう。「光霊は来なかったんですか?」「言っておっただろう、光霊は与えられてその後二度の異変のあとに消滅すると」「朱の守り人が来なくなった頃・・・その数年前か、光霊を与えたのちの二度目の異変があった」だから亡くなっても光霊は烏の元に来なかった。だが光...ハラカルラ第32回

  • ハラカルラ 第31回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第30回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第31回「ったく、ナギもうちの煉炭も・・・」ワハハおじさんに出来ることは、身を隠しながら目を皿にして辺りを見張ることだけであった。ナギが水から顔を出した。目の前に机が見える。坂を上がって行き引き出しを見る。引き出しに袋は挟まっていない。そっと引き出しを開けるとジッパー付きの袋が中に納まっている。その上から触ってみると中にUSBスティックが入っているのが手の感触から伝わってくる。水無瀬はジッパー付きの袋に気付いて引き出しを開けた。引き出しの中にUSBスティックがあるのに気付いた。そしてそのUSBスティックをジッパー付きの袋にしまった。ここまでは煉炭の考えた通...ハラカルラ第31回

  • ハラカルラ 第30回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第20回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第30回ライたちのことを考えるとまた腹が立ってくるに違いない。いま烏と話していて少しは気が紛れた。別のことを考えよう。「別のことってなぁ・・・」頭に何か思い浮かべようとするが、すぐにさっきのライの顔が思い浮かぶ。キツネ面の下の表情は目だけで想像がつく。(ちょっとキツかったかな)いや、何を言ってるんだ、騙していたのは向こうの方で・・・。「あー、また考えてる・・・」烏は一年前と言っていた。二十年前は無理としても一年前なら記憶が抜けているところがあるかもしれないが、それでもいくらかは思い出せる。そちらに考えをシフトしよう。「一年前っていったら・・・」すぐに矢島と...ハラカルラ第30回

  • ハラカルラ 第29回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第20回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第29回ナギと練炭の二人が戻ってくるとまだ口論は続いていた。もう深夜を過ぎあと何時間かで明け方近くになろうとしているのに。人垣を押しのけてナギが中に入って行く。その後ろを煉炭がついて行こうとして首根っこを取られた。「あんたたち、こんな所で何してん?寝てるんやなかったんか?」「ひぇ・・・」「母ちゃん・・・」ナギがワハハおじさんの横に立つ。「煉炭がしたことがあります、長たちに話していいですか」真っ直ぐに前を向き長を見ながら言っているが、その声は横に立つワハハおじさんにしか聞こえていない。「煉炭が?」腕を組んだまま、こちらもまた長や爺に顔を向けている。「水無瀬と...ハラカルラ第29回

  • ハラカルラ 第28回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第20回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第28回顔を元の位置、腕に顎を乗せる。先に見える木々や山々に目を転じる。木々は山々は、水無瀬に何も言ってこない。それでもいい。それがあるべき姿なのだから。(力を抜いて・・・)脱力して肩の力を抜く。あるがままだけを見る。(あ・・・)水無瀬の目にハラカルラが見える。重なって見えていた木々も山も徐々に見えなくなっていく。魚たちが泳いでいる。藻が水にたゆたっている。(そうだった、気を抜いたり力を抜いたりしてボォッとした時に見えてたんだった)よく見ると水無瀬のアパートで見ていた風景と少し違う。岩が違うと言っていいだろうか。村から黒の穴に行く時は岩を目印にしていた。戻...ハラカルラ第28回

  • ハラカルラ 第27回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第20回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第27回「今回は俺がいましたが、その前の三度目の時にはここはどうしていたんですか?」「向こうで鳴海がしていたことが目に入ったように、水が落ち着いていくのが見えておったからな、誰なとが宥めておったのだろう」「でも烏さんたちの居ない間にここで誰も見かけませんでしたけど」「入って来ようとした時に鳴海が居ったからだろう」「守り人のやる気も昔と比べて薄れてきておるしな。来んかったのかもしれんし、それは分からん」白烏が水鏡に羽を伸ばしくるくると回しながら言った。「まぁ矢島はようやってくれておったからな。多分以前は全て矢島だろうて」矢島の名前が出た。矢島の方に話を持って...ハラカルラ第27回

  • ハラカルラ 第26回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第20回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第26回「そんなことって、兄心だろうが」まだ頭頂部を押さえ涙目になって言うが、それは禁句だろと思う水無瀬がこの兄妹喧嘩に口を出すつもりはない。ナギが踵を返し台所に戻って行った。まだ腹を立てているのだろう、盆をテーブルに投げた音が聞こえ、その盆がグワングワンと回っている音が聞こえる。「大丈夫か?」水無瀬がまだ突っ伏しているライを覗き込む。「絶対タンコブできる」「冷やした方がいいな」水無瀬が立ち上がろうとした時、不気味な音がした。ジョキンと。え?っと思ったのも一瞬。ライの後ろにナギが立っていて片手にハサミ、もう一方には切られたライの毛の束が握られている。「ええ...ハラカルラ第26回

  • ハラカルラ 第25回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第20回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第25回今日も布団が敷かれていた。朝起きた時、勝手に押入れを開けるのは失礼かと思い部屋の隅に畳んでおいたが、その布団が敷かれていた。エアコンもつけられている。昨日と同じようにリモコンと枕をどけると、布団の上にゴロンと寝転ぶ。「俺は烏に何を訊こうと思ってんだ?」矢島のことだということは決まっている。だが矢島の何を訊こうと思っているのか。烏は水見という人のことを、どこの門の人間かということを覚えていなかった。「言ったのは白烏だけど多分黒烏もそうだろうし」水見がどこの者か黒烏に訊いたが質問オーバーと言われた。水がざわつくなどと言っていたが、あれはきっと記憶が薄い...ハラカルラ第25回

  • ハラカルラ 第24回

    『ハラカルラ』目次『ハラカルラ』第1回から第20回までの目次は以下の『ハラカルラ』リンクページからお願いいたします。『ハラカルラ』リンクページハラカルラ第24回水見という人間の居た門がどこの門だったのか分かれば、何某かのヒントになったのかもしれない。「なぁ、長が水の世界を荒す者に警告を促してるって言ってたけど、ライたちの村の人が荒らすようなことはしないよな、だったら誰に警告してるんだ?」前を向いていたライが少し顔を下げて口角を上げた。(ん?なんだ?)顔を上げたライが言う。「村から入ってすぐに居るのは俺らの村の者。俺らは足を伸ばす。遠くに村の者以外が居るって聞いてるからな。早い話、朱、青、白の人間。その色を聞くと思うところも出てくるけど、どこまで何に関わっているのかは知らない」ライが水無瀬を見る。「日本地図...ハラカルラ第24回

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