アブディダ(Neobesseya abdita => Escobaria abdita => Pelecyphora abdita)の白くて短い刺にビシッと覆われた姿を写真で見て,これは自分でも増やしみなくちゃと思いました.幸い地元のカクタスクラブの方から種子を分けてもらい,なんとか発芽したものをキリンで育成してみました.あっという間に大きくなり,播種して10ヶ月ほどで開花し始めました.これはVM1018で,コアウイラ州オカンポが故郷です.現地の写真と比較する...
マミたちが次々と咲いていますが,そんな中で交配種もまたマミ棚に彩りを添えています.随分前から居る絞り花のラウイ,多分交配種だろうなと思っていますが,このインパクトのある花が好きで,毎年これが咲くのを楽しみにしています. これは偶然に見つけた絞り花の白刺カルメナエ,上の絞り花ラウイとそっくりの花です.時々交配種の中にこのような絞り花が生まれるようで,web上でも同じような花をつけたマミラリアが時々登...
ロフォフォラ属は,うば玉などの地域変異を亜種としたり変種としたりして色々な名前のものがあるのですが,Kewは種として4種のみを認めています.この銀冠玉はLophophora williamsii var. fricii としたり,L. friciiとしたりです.日本ではこの銀冠玉の色々な変異が園芸的に磨かれ,イボ銀冠などは完全に品種化しています.また銀冠錦を追求する余りに,銀冠なのか分からないものと交配された形跡があり,銀冠なの?ってものが...
この花が咲くのをずっと待っていました.Mammillaria hermosana VZD1181です.2月に入って蕾が見えたので,あー今年は咲くんだと嬉しくなり,毎日眺めていました.素敵な花ですね,もちろん写真では知っていました.鮮やかなピンクのストライプの花はちょっと他にはない花,しばし座り込んで眺めてしまいました. VZD1181の故郷はサカテカス州El Encinoです.一昨年の12月にメキシコで見た ことを記事にしました.ウチでも花を...
このラウイの大株はもう10年以上前からウチにいます.一体群生株としてどれほどまで大きくできるのかと,移植のたびに鉢サイズを大きくして来ました.今やかなりの大きさです.いつ崩壊するかちょっと心配な感じになって来ました.両方から写真を撮っておきましたが,40頭を超えるようになりました. 穏やかなピンクの花が黄色刺に映えて,全体として柔らかな雰囲気を醸し出しています.早春のハウス定番の花です.最近はやや刺...
今年もフラフェスの時期がやってきました.一昨日と昨日が会期でしたのでその報告をしておきます.早春の恒例行事で,大勢の方が来られました.香川カクタスクラブ(KCC)も品評会と販売の両方でフェスに貢献しました.サボテン・多肉植物品評会には,17名の会員から総計84点とまずまずの出品が集まりました. 昨年から始めた来場者の「いいね」投票も今年は男女に分けて集計ができるように工夫しました.結果もっとも「いいね...
4年前にスタンフェリー(M. longiflora subsp. stampferi)を友人から頂き,交配して種子を蒔き,次世代の株が仕上がって来ました.元の株は4つありましたが,一つは大切な人へのプレゼントとして出陣し,残る3株が今年も元気に咲いています. 最も小さな株の開花,1円玉ぐらいで十分開花します.こんなサイズでもいくつも蕾を着ける逞しいマミです. これは実生バットの中で他の諸々のサボテンたちを共におしくらまんじゅう...
マミラリア協会誌の2月号が届きました.表紙はペクチニフェラです.この号も魅力満点の記事が満載でした. 最初はロドリゴさんのM.julianaeの記事です.これが2月号に載ることは事前にFBで知っていました.実はこのジュリアナエを2年前にロドリゴさんのガイドでモンテレイ付近を歩いた時に見せてもらっています.典型的な金平糖マミなので,近縁種との関係は判断の難しいところです.果たして主として生き残れるかどうかは,今...
日本でマガラニー(Mammillaria lasiacantha subsp. magallanii)と言えばは,渋い花を咲かせる雅卵丸がそれにあたります.ラシアカンサの1タイプなのだから色々変化があることは承知していました.ここに紹介するマガラニーはMesaの種子,FNのないマガラニーです. いわゆる雅卵丸のような薄茶色の中筋が目立つ花を咲かせる個体はなく,クリームからうすピンクです.ロゼオケントラとした方が良くないか?というような個体もあ...
ボクの誕生花と勝手に決めているバラ丸たちが丁度開花期を迎えています.以前に誕生日記念にバラ丸の絵を書いてもらったことを記事にしましたが,その群生株が綺麗に咲いています.また一つ歳をとったなと思うとともに,この花に励まされて,今年も1年頑張るぞとの思いを新たにしました. 如月の始め,蕾が目立って来ました. 気温が低めの日が続き足踏みしていましたが,誕生日に今年も立派に咲きました. 群生株が欲しいと...
これはMammillaria haageana subsp. schmollii FO239,故郷はプエブラ州San José Axuxco,テワカンの南東です.このFO239というFNのついたハーゲアナは,HaageでもMesaでも売っているのですが,このFNを検索サイトで打ち込むとオプンチアがヒットするという奇妙なことになっています.ハーゲアナとしては小型の亜種です. 次はハーゲアナF60,これの故郷は同じくプエブラ州Coxcatlán,上のところに近いところです.これもまた小...
サンチェスメホラダエ(Mammillaria sanchez-mejoradae)は,小さなサボテンで,かつ生育もそんなに早くはありません.この株は頂いたものなのですが,今年も元気に蕾を出して来ました. 小さくとも元気に華を咲かせる姿は,見ているものを幸せにします. 昨年の今頃実生苗を紹介した小苗も今年はちゃんと花をあげました.小さいのに幾つもの蕾を上げています.大丈夫かなーと心配になります. せっかくなので交配して少し種...
1年前の2024年お正月,地元のカクタスクラブで久しぶりの競作苗配布が行われました.お題は日の出丸です.正直えーっと思いました.苦手だからです.その時の様子がこれ,5mm程度の実生苗が配られました. 3ヶ月後の様子です.だいぶしっかりして来ましたね.でもまだ日の出らしさは見えていません.この後他の実生苗とともに育苗バットに植え替えました. 半年後の様子です.7月上旬1円玉ぐらいになってきました.まだ日の出...
古生物系雑貨を扱う店で,古本が並べられていて,その中に旧制中学の植物学の教科書がありました.大正時代のものです.所有者は旧制岩手県立遠野中学校の学生,名前は伏せておきますが,たくさんの書き込みがあり,よく勉強していたことがうかがえます.教科書の著者は安藤伊三郎,明治から大正にかけて理科関係のいくつかの教科書をまとめた人です. パラパラと眺めていると3箇所にサボテンが出て来ました.この教科書では「...
頂き物の赤花烏城丸(T. schwarzii)が咲いて来ました.実に艶かしい花ですね.烏城丸は懐かしのサボテンです.子供の時に眺めた烏城丸は清楚な白花でした. ツルビニは若い顔を大人の顔が違うし,分類も色々意見があるようで,懐かしの烏城丸も今はT. schmiedickeanus subsp. schwarziiとするのが良いのでしょうか.ツルビニは和名と学名の対応が難しい仲間の一つです. 魅力的なツルビニたちですが,実際にたくさん手にして...
今年もラウセリー(Thelocactus lausseri)の花の季節がやって来ました. 長い刺の個体とアレオレが螺旋状になる個体の後代が今一つ良い風貌にならないという記事を書いたのは3年前のことでした.ようやく本領を発揮して来たようで,スッと伸びた白い中刺が美しい個体に育って来ました. ラウセリーの花は,鉄板の美しさです.本当にオシャレな花ですね. 昨年秋に赤城とラウセリーの交配種ができていることを記事にしましたが,...
サボテン話をしてくれないかと頼まれ,その用意をするためにあたふたと過去の写真を見回して,ネタになりそうなものを考えました.植物としてのサボテンの特徴は色々あれど,やはり特異なのはアレオレの存在です.子供の頃,このアレオレという言葉に何やら特別なものを感じ,その意味を知っていることに得意になっていました. サボテンの刺は単純に葉の変形したものではなく,この刺の生えている場所である刺座(アレオレ)は...
この白刺カルメナエが初めてブログに登場したのは12年前のことです.毎年立春の頃に綺麗に咲き揃い,何度も記事にしてきました.この花は安心の美しさです. 蕾が見え出すのは年末で,ポツリポツリと年明け早々には咲き始めます. 1月中旬だいぶ花数が増えて来ました. 1月下旬全ての分頭で花が開き始めました. 2月になり立春の頃より長期間満開の状態が続きます.株としてもかなり大きくなり,突然の崩壊に備えて仔を一つ...
先日東京へ出掛けた際の帰路に,三河さんに寄って来ました.名古屋は雪でした.前日夜に名古屋に入り,いつもの櫃まぶしを堪能してぐっすり寝ました.朝起きると辺りは銀世界,まだ結構降っていました。新幹線も名鉄も遅れが出ていましたが,西尾駅に着く頃には小雪が舞いながらも日が射して来ました。ハウスの周りは薄らと雪が積もっていました. 土曜日だったこともあり、次々とお客さんが来ていました.いつものようにハウス...
正月明けの頃,それまでじっとしていた白斜子(Mammillaria pectinifera)の刺の隙間から一斉に蕾が覗きます.これを見ると外は寒いのですが,春に向けて動き出しているのが分かりワクワクした気分になります.実際にはまだ春が遠いのに,春が来るぞって思わせるサボテンたちの動きは本当に嬉しく,良いものですね.去年も今頃同じような写真を載せて記事を書いていますが,毎年このワクワク感は変わりません. 開花始めは1月の...
ウチに以前から居る剣恋丸が咲き始めました.いかにも旧エチノフォッスロカクタスらしい風貌,紫のストライプの花が素敵です.これから春先までかなり長い期間次々と咲いて来ます. 剣恋丸というのは,Stenocactus kellerianusの種小名ケレリアヌスからの当て字でしょうか.そうすると種子か植物か分かりませんが,学名を伴って日本に入って来て,和名がつけられたことになります.ものの本によるとこの剣恋丸の命名者は中島巌...
そろそろ植え替えをちゃんと始めようかという時期ですが,ちょっと出かけて来ます.よく出かけるねーと言われますが,現役の時の出張頻度からみれば,リタイア後の出歩く頻度は激減していると言えます.毎月1度ぐらいはどこかに出かけないと何となくソワソワして来るのです. 今回もマルチタスクの弾丸トリップ.世間ではよく退職したらのんびり旅行でも,なんてことを聞きますが,サボテンやってるとそうのんびりは出来ません...
ナザセンシス(Mammillaria pennispinosa subsp. nazasensis)はこの時期を華やかに彩る素敵なサボテンです.陽炎の亜種だけあって,刺の美しさは格別です.黄刺と赤刺があり,交配すると後代には両方が出て来ます.こうして横から光を透かすように眺めるのがこの刺の美しさを最もよく見ることができます. これはSB489, 故郷は デュランゴ州Rodeo付近です.園芸的に流通しているナザセンシスとの違いないようです.ただ黄色とげ...
この素敵なマミラリアを自分で増やしてみたい,でも実生には苦戦をしています.以下3枚の写真は昨年の開花の様子,こんなに咲くのですからそりゃたくさん種子は採れます. これまでに何度か種子を蒔いてみています.生えないわけではありません,でも極めて発芽率が低いのです.この世のあらゆる現象には必ず理由があります.ただ人間がこれを知らないだけです.ベルソルディの種子も何か発芽のCueがあるはずです.これまで,硫...
今日は立春,昨年より1日早い日付です.太陽と地球の地軸の関係は,人が編み出した太陽暦グリニッジ標準時間と微妙なズレがあり,太陽高度で定義された立春は2月3日だったり4日だったりします.先週までは異様に暖かい日が続きましたが,今週は平年並みの気温です.春を待ちかねたマミたちは一斉に花を咲かせ始めています.個別に取り上げ損ねそうなモノを少し載せておきます. 豊明丸はウチに古くからいます.赤刺と黄刺それぞ...
昨年夏にはキリンの花がたくさん咲き,ランダムに結構な数を交配しました.開花後,花の部分はポロリと取れるのですが,子房と思われる部分は緑を保ってあまり変化しない時期が続きました. 10月に入り,子房が段々と膨らんできたものが見受けられました. 一方であまり膨らまず,先端から再び栄養芽が伸びたものもあります.これは受精,未受精の違い何のか,ステージの差なのか,はたまた個体差なのか,今のところ判然とはし...
カルメナエ(M. carmenae)は冬に咲くマミラリアの中では最も普及しているのではないでしょうか.サボテン栽培を再開した時,色々なカルメナエがあることに興味を覚え幾つも手にしてしまいました.近縁のものと交配された種間交雑種もいくつかあることも知りました. カルメナエは,毎年これでもかってくらいたくさんの蕾をつけ,長い間咲いてくれます. この株はごく初期に手に入れたもので,群生株になっていますが,胴体の...
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アブディダ(Neobesseya abdita => Escobaria abdita => Pelecyphora abdita)の白くて短い刺にビシッと覆われた姿を写真で見て,これは自分でも増やしみなくちゃと思いました.幸い地元のカクタスクラブの方から種子を分けてもらい,なんとか発芽したものをキリンで育成してみました.あっという間に大きくなり,播種して10ヶ月ほどで開花し始めました.これはVM1018で,コアウイラ州オカンポが故郷です.現地の写真と比較する...
先週のことです.梅雨空の下,他のサボテンは全く咲いていいない中で鮮やかなピンクの花がポツンと見えました.銀牡丹(Pelecyphora strobiliformis)です.硬い菱形の鎧を纏ったような姿は,覗き込むとなかなか趣があるのですが,遠目には実に地味で,花が咲いていないと栽培棚ではその存在そのものが目に入って来ません. そんな地味系サボテンの代表のような奴ですが,花時は華やかです.なるほど精巧丸(P. aselliformis)...
これはMammillaria glochidiata var. xiloensis ML45です.故郷はメキシコ イルダゴ州AlmolónとGiloの間付近とのことです. 肌色が黄緑に近くカギ刺の色が黄色なので,全体としてボヤッとした印象です.小型のマミで,花は大変小さく覗き込まないとよく分かりません.草姿とともに大変地味ですね. このグロチディアータM. crinita のシノニムという見方もありますが,KewはM. glochidiataを認めています.佐藤さんの事典に...
ヤヨイアーナという種小名をみて弥生を連想するのはボクだけではないはずです.しかも女性の弥生さんを勝手に連想するのは行き過ぎでしょうか.紅傘丸なんて色気のない名前は好きになれません.Lobivia jajoianaはのど黒系ロビの代表選手,この春にL. jajoiana var. glauca WR218の花が咲いたことを報告しました.その後もいくつか連続して花を咲かせてくれましたが,今はすっかり成長の方に力が入っているようです. そんな中...
これはMesaから入れたMammillaria meridiorosei RAR34です.故郷はアリゾナ州Madera Canyon,このFNは検索サイトでヒットしないのですが,Mesaのカタログでは使っています.かなりの大輪で,ピンクの細弁がスッキリ伸びてとてもよく目立ちます. 横から見ると長いカギ刺を持っていることが分かります.側刺は白いので全体として優しい雰囲気でもあります. このメリディオロゼイはM wrightii subsp. wilcoxiiとされたり, Kewは...
春に咲いたマミラリアの実が見えるようになりました.少し繁殖しておこうと思ったものは積極的に手交配しますが,そんな意図とは関わりなく生まれた果実は眺めるだけに留めます. アルビコマは果実の様子を確かめたくてきちんと手交配をしました.記載では果実は赤いとされていたのですが,本当にそうだっけ?と不安になり,実際に見てみたかったのです.なるほど赤い果実でした.アルビコマはダラダラとずっと先続けるので,こ...
6月中旬には梅雨がどこかに行ったような日が続き,その後やっぱり梅雨だったのねと言った天気に戻りました.そして昨日,異例の速さで梅雨明け宣言.そんな天気の気まぐれに左右されず,夏マミたちが始動しました.全体としてマミたちの成長がひと段落して花も少なくなるこの時期にしっかりと主張してくる彼らの花を見るとおおっと思います. まずは舞衣ことライティーくん,小さいながらも立派な花をグンと広げています.仲間...
曇天の日は黄色い花を観賞するのに良い日です.黄色い花がとても綺麗に見えるとともに写真に撮ってもあまり違和感を感じない黄色に写ります.まずはロビビア(エキノプシス)オーレア(Echinopsis aurea var. quinesensis WR112).これまでなんとか咲いてくれましたが,やはり曇りの日が良いですよね. 次は旧トリコテレ金星(Mammillaria longimamma).子供の頃から馴染みのサボテンですが,今ウチにいるのはごく幼い株です...
昨日アストロの接降ろしを話題にしたのですが,コピはどうやってんの?って聞かれたので,ご紹介しておきます.コピは基本キリンで育成するので,キリンの降ろし方そのものです.残すキリンの茎の長さは3cmほど.決して長くしません. カットした後は乾かすことなく6cmポリポットに普通の用土を入れてそこに挿して,最初の1−2週間ほどは新聞紙をかけておきます.用土が乾かないように水はきちんとやります.高温期なので腐る...
梅雨の中頃,季節のお仕事がやって来ます.いわゆる接降ろしです.柱類もキリンもこの高温の時期に一斉に接降ろしすることにしています.なぜこの時期なのかって聞かれるのですが,第一には作業の都合上そうなっているだけですが,高温期は勝負が早いというのも理由の一つです. アストロは基本もぎ取りで,台木を付けずに降ろします.もぎ取った面に台木の維管束が残っている時は彫刻刀などできれいに取り除きます.1週間ほど...
あるサボテンに人気が出る,これは末端の趣味家にとってみると実に不思議な現象です.誰もが知ってはいるが,決してメジャーではなかったコピアポアが注目され始め,黒王丸,孤竜丸そして栗星玉(Copiapoa griseoviolacea)へと広がりました.サボテンを始めたばっかりの方からグリセオはありませんか?と聞かれ,何でそんなもんが欲しいの?と驚きました.それじゃ種子を蒔こうかと思っていたら,友人から実生苗をいただきまし...
しばしば花を着けたサボテンが人の顔に見える事はいろんなサボテンの項で書いて来ました.あるところでサボテン話をした時に「Human-face cactus」としていろんな写真を見ていただいたのですが,面白いと喜んでいただきました.ヒトの脳にある顔認識機能は共通するようで,誰かからこれは顔に見える!と言われた瞬間に本当に顔に見えてくるのです.実に面白いことですね. さて,この春から撮った「顔」の写真を見ていただくこ...
鬱陶しい天気が続きましたが,気温はそれなりにあるので,プシスの仲間は,色々と蕾を上げて来ます.レウカンサ(Echinopsis leucantha HUN409)が,まるでカタツムリのように2本の蕾をあげていました. お天気が不安定でいつ咲くのか気をもみましたが,なんとか無事開花しました.すっかりカタツムリの面影はなく,シャキッと目を見開く様は,何か別の生き物の顔のようでもあります. 梅雨時に花の写真を撮ろうと待ち構えてい...
月影丸には古くから綴化が知られています.ウチにいる綴化株はすでに古参の仲間入りをするほど古株で,これまで素晴らしい開花を見せてくれたり,死にかけたりしましたが,今もなんとか生きています.その株と普通の月影丸を交配して得られた種子を何度か蒔いてみました.出てきた苗の大半は,こんな感じのごく普通の株です.大きくなってから綴れ出すのが理想です.なので我慢して待っていましたが,なかなかそんな風にはなりま...
ウチには大してギムノはいませんが,梅雨時にハウスで何かしらが咲いているとすればギムノだったりします. このホルスティは,2012年に鶴仙園さんで手にしたものです.当時はまだ駒込の本店が自由に入れた時代でした.時を経てそれなりに大きくなったのですが,肌もやや汚れ歳をとった風体になりました.でも相変わらず大きな花をポツポツと咲かせます. 次は子供の頃から馴染みのバッテリー.最近やたら強刺のバッテリーが出...
曇天の日は,黄色の花の写真を撮るのに最適な日です.明る過ぎる光条件ではカメラに収まった黄色の花は,人の見た目を大きく異なる色に写ります.後で画質調整はできるのですが,なにもする必要のない曇天での撮影がやはり最高です. このマグドガリーは随分前から居るのですが,上に伸びることもなく扁平な群生株に仕上がりつつあります.一昨年から交配相手ができ,開花時期がなかなか合わない中でもなんとか種子を得られるよ...
曇り空が続く中,ハウスのマミ棚では小さくもとても目につく緑の花が健気に咲いていました.M.heidiae L1154です.3年前にまだ本当に小さな株だった姿を紹介しています.あれから2回りほど大きくなり,元気に過ごしています. この黄色とも緑ともつかない花は,晴天下より曇天のもとで見た方が,幾分蛍光色のようにも見えて綺麗です.また写真を撮る際も晴天日より明るい曇天日の方が黄色の発色が良くなります. このヘイディ...
鬱陶しい天気が続く中で,風蓮丸(M.fraileana = Cochemiea fraileana)など夏マミが咲き始めています.この個体はREP580で,カリフォルニア半島の先端ラパス付近が故郷です.毎年比較的早い時期から咲いてくるのですが,ウチに古くからいる国内実生の個体は完全に夏咲きです.開花特性においてかなりの系統間差があるようですね. バハ付近に分布するマミはいずれも先端が長く割れた特徴的な雌しべを持ちます.これを覗き込ん...
この時期フェロたちが花をあげて来ます.特に緑花とも言える黄花のフェロはとても目につきます.この紅裳竜は2011年サボテン趣味を再開した直後に西沢サボテン園さんから通販で手に入れたものです.小さな株でしたが,時間の経過とともに大きくなりました.でも小型のフェロなので場所を取ることもなく,それなりの刺ものらしい姿になり,花も咲かせるので良い種だと思います. もう一つは偉壮玉.これもまた2011年にヤフオクで...
紅葉ヘキランを初めてご覧になった方は,たいていその派手な色合いに驚かれます.そしてこれが初夏になると色を失い緑のヘキランに戻るというとなお驚かれます.ただ,どうしてそうなるのかという原理についてはちゃんとした説明がなされていません.そして成長するに従い紅葉が現れにくくなるものが多いことも面白いことです. さて昨年接木した紅葉亀甲ヘキランの3月の様子はこんなでした.他ものも綺麗に紅葉しています. ...
パキプス オペルクリカリアがあまりに人気なので,一体何が良いのだろう?と一鉢手にしたのが2019年春のことです.ラベルを見ると62歳の誕生日に自分のプレゼントとして購入したようです.手にしてみて,ああこれはただの盆栽やな,と直感したのですが,何故かこの盆栽が今も衰えることない人気を保っています.地植えが良いと聞いて鉢を埋めたのが2年前のこと.鉢が傾いて来たのは,どうやら地中で鉢から外に出た根が,押し上...
銀姫(Mammillaria slevinii)が大好きなマミラリアの一つだということを何度か書きましたし,事実何度も登場して来ました.少し前にFN付きの種子を蒔いていたのですが,ようやく開花して来ました.このSB1251の故郷はカリフォルニア半島の先端近く,San Juan de la Costaです.何か種内変異が見られるかなと思っていましたが,基本皆同じ顔つきでした.花は大小あるように見えますが,まだ小株なのでなんとも言えません. 下の...
数年前からこの短刺の琴系丸(Mammillaria camptotricha)が出回り,マミ好きのボクとしてはぜひ観察してみたいものでした.なかなか良い機会に恵まれず最近ようやく手にしてじっくりと観察してみました.ユーモラスな感じさえするこの短刺カンプトくん,人気者となったのがなんとなく頷けます.なおこのタイプの琴系丸をモンストと称する向きもありますが,これはモンストに当たらないと思います. 下の写真はウチに居る普通に...
昨年の夏に種採りのことを記事にしました.今年も春から手交配をして種採りに励んでいます.毎朝見て柱頭が出ているものに小さな絵筆で花粉をつけます.柱頭は先が3つに分かれ赤いのですぐに目に付きます. しばらくすると丸三角の果実が見えて来ます.手交配しても100%着果するわけではありませんが,放置して,アリさんに任せているよりは格段に着果数は増えます. 今年はタピオカストローなる胴太のプラスチックストローが...
雨がちの日は,何となく暗い雰囲気です.こんな時は黄色の花がハウスを明るくしてくれます.最初はバウミー綿花玉(M.baumii),春から何度も咲いてくれます.この鮮やかな黄色は本当に素敵です. 次は金星(M.longimamma)です.子供の時始めて金星を見た時,なんと大味なサボテンだろうと思いました.種小名にあるように長いイボが特徴です.株が大きくなるに従いこのイボの大きさも増し,なんとなく大味なマミラリアになるの...
接降ろしの時期がやって来ました.大体7月にキリンの接木をするのですが,1年で降ろすか,もう一年台の上に居てもらうか,いつも悩むところです.ただ1年である程度のサイズまで成長したものは,2年間据え置くと穂木はすっかり間延びしてしまいます.下の写真は昨年の接木たち,この中でサイズの出たものは,降ろすことにします. 太平たちはいつもキリンの上に2年間居てから接降ろし,その際は短い茎を着けて挿し木します.今...
昨年のこと,マグドガリーはありませんか?と友人から聞かれ,ウチに居るのは一株だけで,種子は採れませんとお答えしました.そしてネットを探すと結構な値段,おやこんなものが品薄なのかと驚きました.早速小苗を手に入れ開花するのを待っていました. 不思議なことですが,ウチに以前からいる大株はまだ蕾さえ見えない4月の初旬に次々と開花しました.そんなに開花期が違うのはどうしてだろうかと唸ってしまいました.とり...
梅雨の最中,ウチにいくつか居る神竜太平の一つが開花しました.実に綺麗な花です.神竜×太平は,用いた太平のタイプが異なるためでしょうか,それぞれ花の様相が少しずつ違うのが楽しいですね. この株は神竜×翠平と言うことで入手したものですが,ただどんな翠平なのかの情報はありません.しかし,神竜×太平は大概このような形態のサボテンになります.肌は燻んだ緑で,稜の数は多く,刺は太平と神竜の中間型ですが,大抵は...
この3月にカクタスクラブのツアーでお邪魔しましたので,それほど間が空いたわけでもありません.ただボクの気分は随分久しぶりのような感じがしていました.ハウスの入り口には多肉の寄せ植え、こんな寄せ植え置いてあったっけ?と見つめてしまいました. ようやく梅雨入りした三河地方,曇りがちなのでハウスも過ごしやすい温度でした。遮光のない強刺類のハウスでは,フェロの大株たちが気持ちよさそうに過ごしていまし...
前年に採種したパキポジウムの種子は,いつも気温が上がる6月以降に播種しています.パキポの芽生えが揃った様子はなかなか可愛いものです.この段階では全く普通の双子葉類の芽生えですが,この後下胚軸が肥大して,あのパキポになってゆくのですから面白いことです. 今年はプラグトレー育苗にも挑戦してみました.箱蒔きに比べて生育はどうか,植え替えが楽になるかどうか見ておきたいと思います. 今年の3月に交配したパキ...
いよいよ関東も梅雨入りしたようですね.何事も東京中心のこの国では,お天気の話でも東京の暑さや風雨,そして雪に至っては国の一大事のようにテレビで盛んに伝えられます.梅雨入り直前の西武屋上を覗いてみました. しばらくぶりの西武屋上です.あの騒動以降,屋上のベンダーさんの多くが店を閉めてしまい,かつての賑わいはありません.でも嬉しいことに鶴仙園さんは現在です. いつもながら,幅広い品揃えはビギナーから...
3年前にフレーム1号を作り,ウチに居るほとんどのテフロをその中に移しました.最初は少し焼けたのですが,だんだん慣れたのか今はごく普通に過ごしています.ここに置くことで長らく咲いたことのなかった白狐が咲いたことを以前に記事にしました. 今年もいくつかのTephrocactus articulatusたちが花を咲かせたり,気まぐれに新しい茎節を伸ばしたりしています.アルティクラータスたちは,刺の有無を始め, 刺の形も実に様々...
全国的にようやく梅雨に入ったのかと思われる天気になっています.先日,梅雨の中休みを狙って,ハウスに遮熱遮光資材ふあふわを掛け,夏の備えも完了しました.ハウスは陽が射すと40℃に迫る状態ですが,サボテンたちもだんだん慣れてきています.幸い今のところ最低気温は20℃以下まで下がるので,まだ暑さはあまり心配する必要はない状態です. ハウスでは夏マミが咲き始めており,朝のうちにハウスに入る楽しみを作り出してく...
Frailea buenekeri var. densispina の花が綺麗だという記事を書いたのはもう3年も前です.当時3株あったのですが,だんだんと調子を崩して今は一株になっています.株自体はそれほど大きくはなっていませんが,以前と変わらない綺麗な花です.フライレアの仲間は花を開かずに種子を残す性質があり,花が咲かずに種子ができてしまうことがあります.このデンシスピナは比較的よく咲いてくれます.今ウチのフライレア達の多くは少...
昨年秋にFNの着いたグラウカム(Acanthocalycium glaucum=Echinopsis glaucina)種子由来の初花を記事にしました.春になり幾つもの個体が花を着けました.それぞれ特徴があることが分かりましたので,記録しておきます. 最初はFR970,爽やかなレモンイエローの花です.アカントカリキウムは大体球体の側面のアレオレに花芽が着き,花筒は短いのが特徴です.FR970の故郷は,アルゼンチンCatamarca州North of Belenです. グラ...
早春に咲いたマミたちが赤い果実をあげています.中には花よりもこっちの方が観賞価値があるんじゃないかと思われるものもあります.花と実,2回楽しめるのは嬉しいですね. 景清(M.sempervivi).この時期白い綿毛に赤い身が突然生えてきてしばらくこの姿を楽しめます. 小型のマミ,コロンビアナ(M. columbiana)です.花時もやや地味な彼らですが,赤い実を着けた今が一番の見頃なのかもしれません. 小型のタイプのグラ...
この偉壮玉は,〇〇偉壮玉と岡山のO氏の名を冠につけたものとして随分前に入手しました.長い間ゆっくりと成長していましたが,ここ数年で急に大きくなってきています. 偉壮玉にはFerocactus acanthodes var. rostiiという学名が使われ,鯱頭の変種とされていましたが,現在ではF.cylindraceusの1タイプとされています.花を見ると確かに鯱頭と同じなのだなと思えてきます.鯱頭といえば,赤やオレンジのうねる刺が特徴ですが...
この紅裳竜は2011年に西沢さんのところからきたウチに居る古参のフェロです.毎年元気成長して花も咲かせていますが,株の下側がだんだん萎縮するのか,この十数年で大してサイズは伸びていませんが,すっかり大人顔.これはある意味フェロの理想形です. この紅裳竜はFerocactus viridescens subsp. littoralisすなわち竜眼の変種とされます.littoralisとは海岸に生えるという意味で,バハカリフォルニア北部の西海岸が主な生...
サボテンの花に赤や黄色があるのは,花弁の中にベタシアニン系の色素があるためです.生体内で前駆物質から様々な酵素により修飾され最終的に色のついた物質になります.その過程で何らかの突然変異が起こる,多くの場合はある酵素の機能が欠損すると色がつかない花,すなわち白花になります. これは太陽の白花変異品種.太陽の特徴である赤紫の雌しべも色が抜けて緑になり,大変印象的な白花になります. 次は白花テレサエ....
テレサエ(Mammillaria theresae)は,軟質マミの代表選手.水を吸うとぐっと伸び,成長が止まると思いっきり縮みます.なんといってもその刺の奇妙な形態と柔らかさが彼らの最大の特徴でしょうか.あるサイトでテレサエの刺はクラゲのようだと書いてありました.なるほどクラゲねーと眺めて感心しました. まずは咲き始めの写真.花は柔らかな雰囲気で,開いてまもない時間に最も色が濃く,二日目になるとより柔らかな色合いに...