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2010/08/09

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  • 第3313日目 〈それは慈善か? 欺瞞ではないのか?〉

    乗換駅が数年越しの改修工事を終わらせようとしている。ようやく工事壁がすべて外されて、その全貌が見えてきた。それに伴い地下の商店街に至る階段も改修が施されたのだが、今日ようやっと階段脇のエスカレーターの運用再開日が告知された。 とはいえ、駅前道路の反対側に出る地下道については手着かず。といいますのもそこにはホームレスの方々のねぐらとなっているため。行政としては形ばかりの退去勧告をしておりましたが、本気で行っているわけではない様子がありありと窺える。それで良いのだ。かれらを他の場所へ移そうにもその場所はなく、かというてすべてを迎え入れられるだけの受け皿を行政が用意することはできないのだから。 時どき、炊き出しのボランティアに行っている。そうしたときしかかれらと接することはできないけれど、理由あって自立への途を開けぬ人もあり、いまの境遇に至った事情も様々である、と知る。 自分が直接..

  • 第3312日目 〈「エズラ記(ラテン語)」の再読・ノートを始めました。〉

    「読みます/書きます詐欺」と嘲笑もしくは揶揄されぬうちに。 自分のなかで再読の意欲が削がれてしまう前に。──月曜日の宵刻、第1章の原稿を書き終えました。 偶々『旧約聖書続編 スタディ版 新共同訳』を開いていたのです。読み疲れて夕暮れ色に空が染まりつつあるのを眺めながら、「このタイミングを逃してはならない」と思うたのですね。いまなら書けるな、という目算もあった。これまで何度も読もう、書こうとして都度挫折した。でも、いまなら読める、書ける、と確信したのです。主語は常に、神にある。それが突破口でした。 ふしぎなことにそう思うと、少なくとも<第4エズラ記>と称される部分はすらすら読めてしまい、間髪いれずMac Book Airを立ちあげて原稿を書くことができた。 正味30分程度の執筆です。時間を置いて見直せば修正が必要となるでしょう。が、いまはこれでじゅうぶんと自負しております。生田..

  • 第3311日目 〈牧野良幸氏の本を読んでいたら、またビートルズが聴きたくなった!〉3/3

    イラストの稼ぎでどうにか生活できるようになった頃購入したミニコンポにPHONO端子が付いていた。押入で休眠中だったアナログプレーヤーを引っ張り出して繋ぎ、“アナログの復活”を自覚する。中古レコード店を渡り歩いてビートルズとポールのアルバムを買い求めてゆくのだ。 21世紀になると氏のビートルズ熱は完全に復活した。 アメリカのモービル・フィディリティが復刻したビートルズのLPをネット・オークションで競り落とし、オリジナルUK盤の蒐集に邁進する。 並行してビートルズの未発表音源LPやベスト盤『1』、『イエロー・サブマリン』を新譜で購入し、ポールの新譜を追いかけ、リマスタリングされたジョージ・ハリスンの名盤『オール・シングス・マスト・パス』を購う(余談あり)。 挙げ句に同じビートル・マニアの編集者に誘われてイギリスへ飛び、聖地巡礼を果たすまでになるのだ。当然、アビーロードで<アレ..

  • 第3310日目 〈牧野良幸氏の本を読んでいたら、またビートルズが聴きたくなった!〉2/3

    牧野氏がビートルズに嵌まったのは中学3年生のとき。クラス替えで一緒になった同級生Mからビートルズのミニ・アルバムを借りたのが始まりだ。まさに、「Meet The BEATLES」である。 サイモン&ガーファンクル派であった氏はMさんとレコードの貸し借り──な、懐かしい!──を繰り返して、都度オープンリール・デッキにダビングしてライブラリーを作りあげていった。Mさんが国内発売された順番にアルバムを買ってゆく(※3)、と決めていたから牧野氏も同じく順番にアルバムを借りてゆく。 どの時代にも同類がいるんだね、とせせら笑うこと君なかれ。ビートルズの場合はこれがいちばんの正解なのだから──「順番に聴いてゆく」ことこそビートルズ・サウンドの進化を目の当たりにする正攻法なのだ。 音盤の1枚1枚が実際以上の価値を持ち、輝きを放っていた時代。スピーカーから流れる音にじっくり耳を傾け、添付された..

  • 第3309日目 〈牧野良幸氏の本を読んでいたら、またビートルズが聴きたくなった!〉1/3

    実は本稿は或る日の午前2時過ぎ、唐突に書き始めて、いま午前3時を数分まわったところ。 目が覚めてもぞもぞと床を出た際、お供にした牧野良幸氏の新著『オーディオ小僧のアナログ放浪記』(シーディージャーナル 2022/03 ※1)を読んでいて、突然ポールのベスト盤を聴きたくなり、その傍らなんの考えもなしに筆を執って書いたのが、これ。 ポール・マッカートニーのベスト盤『All The Best!』を聴き、ジョン・レノンの『Imagine』を中葉まで聴いたところで擱筆となった。 ○ 自分のなかで最初のビートルズ・ブームが吹き荒れたのは5年程前のことであったか。 或ることをきっかけにTSUTAYAへ足繁く通い出し、『プリーズ・プリーズ・ミー』から『レット・イット・ビー』までオリジナル・アルバムの発表順に数ヶ月かけて借り、聴き、取りこみ、ジワジワと<ビートルズ>が染みこんでい..

  • 第3308日目 〈急ぎのお知らせ。──みくらさんさんか、釈明する。〉

    取り急ぎ読者諸兄に以下の件、お伝え致します。 第3308日目として半日をかけて改稿した、「第3308日目 〈牧野良幸氏の本を読んでいたら、またビートルズが聴きたくなった!〉」ですが、予約投稿してプレビューで確認したところ、例によってレイアウト崩れが発生。改行しているにもかかわらずそれが無視されている、という、過去にも何度かあったレイアウト崩れ。 今回は分量がすこしばかり長い(400字詰め原稿用紙約10枚)のと、自分でも愛着一入な原稿だものですから、手抜きのように思われるかもしれませんが全3回として分割掲載させていただくことに致します。 よって1日の分量は短いですが、その分多くの方にご覧いただけるかもしれない、とわずかな希望をかけて、明日から3日間、更新させていただきます。事情を加味のうえ、どうぞ宜しくお願い申しあげる次第であります。◆

  • 第3307日目 〈岩波文庫『ナグ・ハマディ文書抄』を買いました。〉

    初期キリスト教に影響を与えた異端思想に、グノーシス主義(グノーシス思想、グノーシス派)、があります。古代ギリシア語で「認識」「知識」という意味。 そのグノーシス派の教義に基づいた文書が1945年12月、エジプト南部はナイル河畔のナグ・ハマディ、という村で発見された。13冊の写本で構成され、4世紀以後のエジプトで使われたコプト語(コプト・エジプト語)で書かれている。但しその殆どが古代ギリシア語からの翻訳という。成立年代は350−400年頃、という。 世界中の聖書学者が本文解読と翻刻、校訂に着手し、発掘から数10年を経た頃から全13冊のファクシミリが公刊(1977年)されると、各国語への翻訳が本格化してゆきました。 日本では岩波書店から全5巻で出版。長らく研究の基礎文献として重宝されてまいりました。いまに至るもテキストとしてはほぼこれが唯一。 しかし前述の5巻本はあまりに大部..

  • 第3306日目 〈金田一耕助は、まだまだ書店の棚を騒がせる。〉

    先延ばしにしているうちいつしか年が明け、気附けば復刊企画第3弾がお目見えしてしまった。角川文庫から昨年08月から毎月、怒濤の如く進行中な横溝正史作品の復刊のお話、である。 横溝正史は明治35/1902年05月兵庫県神戸市に生まれ、昭和56/1981年12月東京都新宿区で没した。即ち昨2021年は没後40年、今年2022年は生誕120年のメモリアル・イヤー。 この機を逃すこと勿れ。角川文庫は自社文庫レーベル最大級の資産である横溝作品から、選定基準は不明だが何点かずつセレクトして昨夏08月から刊行開始、現在はいつの間にやら復刊企画第3弾の刊行が始まっている。 整理すれば、以下のようになる。即ち、── <没後40年記念・復刊第1弾> 令和3/2021年08月;夜の黒豹 令和3/2021年09月;魔女の暦 令和3/2021年10月;迷路の花嫁 令和3/2021..

  • 第3305日目 〈生きてゆくに欠くべからざる存在。──引用を主とした、つぶやき・なう〉

    (平井呈一の実兄、谷口喜作は)出世したり顕彰されたりすることを一切望まなかった。家族を愛し、自分を磨くことの方を望んでいた。弟よりも多くの作品を残したが、それがすべて忘れられていることが、その証拠である。なにしろ一冊の本も出さなかった。喜作はやはり、自分のために文や歌を書いていたのかもしれない。おそらくその気持ちがあったために、他の人々から信頼に足る人という判定を得たのだろう。 荒俣宏『妖怪少年の日々 アラマタ自伝』P280(角川書店 2021/01) いつだったか、わたしは友人たちとしゃべっていて、その場には男性が多かったから、 「もし出世と引きかえに何をとるか、ということになったら、それは何か」 が、話題になった。 (中略) しばらくして誰かが、しみじみと 「出世せんでもええ、毎日読みたい本を読んでたのしく暮らせたらええなあ」 といい、結局、それが一ばん..

  • 第3304日目 〈『ギネルト・ロウ』という同人誌小説を紹介するのが、わたくしの役目です。〉

    むかし、むかしのお話である。10代後半から20代前半のこと。夢は出版社を興して細々と商売してゆくこと、併せて小説と評論を主柱に据えた年間雑誌を刊行すること、であった。 ダーレスのアーカム・ハウスに触発され、生田先生の奢灞都館に刺激を受けて、自費出版ではない商業出版に乗り出して、息長く在庫が動く本を作りたかったんだ。まぁ当時のわたくしが手掛ける会社だから、怪奇・幻想文学の発掘・翻訳、本邦の新人作家を紹介する叢書の刊行が主たる事業内容。独り出版社で行くつもりだったから、採算ギリギリでも活動が継続できれば良いな、と甘い考えも抱いていたこと、否定はできない。 けっきょくどこかにそんな夢も忘れて、置いてきてしまった。不動産の世界に飛びこみ、令和の現在に至るまでその業界から抜け出せないでいる。コールセンターの管理者なんて、世を忍ぶ仮の姿だぜっ!! それはともかく、出版社の夢はむかしの話、時折..

  • 第3303日目 〈講談社学術文庫・編集部へのお願い。〉

    藤沢周平から赤穂義士、忠臣蔵へ地すべりして、立川文庫・復刻版を読みながら講談社学術文庫に入る歴史書をひもといている。書架から持ってきたのは、徳富蘇峰《近世日本国民史》から「元禄時代 義士篇」(初代は『赤穂義士』)と竹越与三郎『二千五百年史』下巻(中村哲・校注)の2冊。 先にお断りすると、本稿は上記についてあれこれ書くものではない。率直にいえば、版元へのお願い、といえようか。 竹越与三郎の著書は古代から大政奉還までを無骨ながら平易な文語文を語った名著である。講談社学術文庫からかつて全5冊で刊行されていたが(1977年)、その後1990年になって上下巻よりなる新装版として刊行された。 この本を手許に置きたい、と欲してしばらくは神田や早稲田、本郷や中央線の古本屋を歩いて回ったけれど、収穫はなし。バラ売りは何度か見掛けたが、揃いはただの1回、見掛けたのみ。しかもその前に散財してしまい..

  • 第3302日目 〈史実を巧みに織りこんだ講談の面白さ。〉

    ひょんなことから忠臣蔵の物語、赤穂義士の物語に関心を抱き、教科書や参考書の記述よりも深いところを探ってみよう、と思い立ち、まず手にしたる導入役が立川文庫の『大石内蔵助』でありました。著者は、雪花山人、とある。角川ソフィア文庫の袖書きに拠れば、明治・大正期に大阪を中心に活躍した講談師集団のペンネームである由。 物語がよく知る形で動き出すにはまだ至っておりませんが、さすが講談本、その面白さは尋常ではない。 いまの感覚に照らし合わせれば確かに古い表現で、昨今の巷談でも耳にすること少なくなった言い回しが乱舞するゆえ、馴れるまでは時間が掛かる(=チューニングに時間を要す)けれど、一旦リズムに乗ってしまえばするする読める。つっかかるところがあっても気にする必要、まったくなし。イケイケどんどん、で読めてしまうのが、講談本の魅力だ。とはいえ、人によっては時代小説、歴史小説のほうが取っ付きやすい、..

  • 第3301日目 〈使徒たちは如何にして使徒となりしか。〉

    遠藤周作『キリストの誕生』を粛々と、寝る前に数ページずつ進めて、ようやっとパウロの登場である。こう書いたからといって、わたくしはこれから遠藤のパウロ観について述べるつもりは、ない。そもパウロについて語る気が、元からない。 遠藤は臆病で弱腰で、ゲッセマネの園で師が捕縛された際四散してその後鳴りを潜めていた、或る意味で日和見的なところのあった11人の弟子たちが、如何にして<使徒>へ変貌していったか、筆をたっぷり費やして分析している。 福音書から「使徒言行録」へ読み進めたらば、恐らく誰しも潜在的に抱く疑問のひとつが、使徒たちの変貌の理由であろう。 正直なところ、数年前に「使徒言行録」を読み始めて真っ先に小首を傾げたのが、このペテロとユダを筆頭にした使徒たちをして逞しく教えを宣べ伝えてゆくきっかけになったのはなにであったか、という点であった。、師イエスを慕い思いその教えを宣べる強い姿..

  • 第3300日目 〈藤沢周平から『忠臣蔵』の世界へ。〉

    明日は積雪に注意してください。深夜のNHKニュースで空模様を気にかけた後、おもむろにテレヴィを消して奥方様を寝かせると、独りしリビングで読みかけの藤沢周平の文庫を開く。明日明後日が休みなのを理由に新しく開けた日本酒を呑みながら、肴は特に用意せず。 シリーズ第1弾『用心棒日月抄』(新潮文庫 1981/03)をそんな風にして、読了。 残りの短編2編を終えて巻を閉じたとき、青江又八郎や大富静夫の生き様の潔さが胸を去来し、身分や名を偽って又八郎や細谷源太夫と関わりを持った赤穂義士の清々しさに心動かされ、吉良の家士らにいわれようのない同情を抱いた。斡旋屋を務めるポーカーフェイスな吉蔵と、故郷で家を守る出で立ち勇ましき又八郎の祖母の仕草、台詞に吹き出し、ホッと一息安堵させられ、そうして婚約者の帰りを青江家に身を寄せて待った由亀のいじましさに、じん、と来た。 読み終えてからしばらくは各話を..

  • 第3299日目 〈図書館で区誌を借りてきた。〉

    図書館から非売品の区誌を借りてきた。思っていた以上に面白い読み物である。 プロット作成済みの小説に、きちんとした時代背景を与えるべく手にしたのが最初。並行して旧東海道にある宿場町の歴史や街並み、出来事等々をノートへ書き写しつつ読んでいると、これまで漫然と歩いて通り過ぎてきた街が途端に<時間>という奥行きを伴って刹那揺らめいた後に再出現し、時間のカーテンの向こう側から当時の人々が現れて、そのときそこでどんなことがあったのか、問わず語りで話し始めるような、そんな錯覚に襲われる。 改めて東海道の宿場町の歴史を勉強し直しているようなものだ。近世史に頻出するような用語、職業などについて、自分が案外と無知なのを思い知らされて、まさしく「いやはやなんとも、お恥ずかしい限り」と苦笑いしている。 助郷会所、は「え、それはなんですか?」と疑問に思うた点の1つだ。宿場に常在している人馬が足りなくな..

  • 第3298日目 〈君よ、この暗号を解読せよ。または、人生をささえる時代小説。〉

    卒業以来殆ど会っていなかった高校時代の友人との酒の席。思い出話を振り出しに、知る人らの消息や来し方のフラグメントなど訥々喋ったあと、いま読んでいる本の話題に移った。相手も本を読む人ならば、当然出て然るべき話題だ。 ちかごろは藤沢周平を中心に時代小説を読んでいるよ。 そう伝えたとき、相手は不意を喰らったかのような唖然とした顔で、じっ、とこちらを眺めていた。ヨセヨ、ソンナニ見ツメラレタラ顔カラ耳朶マデ赤クナッチマウゼ。日本酒を1口、絶品のアジフライを頬ばったあと飲んで、そういってやった。 極めて冷静に過去を検めれば、小学校中学年で芽生えた郷土史への関心がきっかけとなり、祖父が遺した講談本と怪奇小説からの地滑りで手にした岡本綺堂の捕物帖に背中を押され、途中に空白期ありと雖も専ら伝記の体裁を採った歴史小説を中心に読み継ぎ、そうして現在へつながってきた。見様によっては読む小説のジャンル..

  • 第3297日目 〈要するに又八郎は、派遣社員なんだな。〉

    藤沢周平のシリーズ物『用心棒日月抄』(新潮文庫 1981/03)を読んでいる。 訳あって江戸へ出てきた浪人、青江又八郎が雇い主の下で働きながら、なにかしらのトラブルに巻きこまれる(チャンドラーに”Trouble is my business”という短編があった)、という骨組みの連作長編。そうしてその背景に横たわって又八郎を否応なく搦め捕ってゆく、日本史上最も有名な仇討ち劇の計画……。 又八郎は、仕事斡旋屋の相模屋から用心棒や道場の代師範、時に人足の仕事をもらって、糊口をしのいでいる。これまで読んできたものにくらべて、物語の色調はずっと明るく軽やかで、弾むようなリズム感を持った小説。一読巻を置くに能わず、という言葉がぴったりの、面白小説だ。 読み進めているうちにふと感じたのは、この又八郎、まさに今日風にいえば<派遣社員>ではないか、ということ。仕事の紹介を受けて、雇用主になる相..

  • 第3296日目 〈「君、無理する勿れ」と知己の医師は言う。〉

    <男性更年期障害>と診断されました。小学生来の知己なる医師の曰く、── このまま仕事を続けても支障はないと思われる。が、たとえば体調不良を押して出勤するなど体に負荷をかけると、それが引き金になって、他のところにまで影響を及ぼして悪化し、そのまま欠勤を続けることになる。イコール、遅かれ早かれ退職を余儀なくされる、ってこと。 ──と。 やれやれ。遂にお出でなすったか。薄々察してはいたんだよな。 50歳を超えるあたりから、それまでと同じように働いたり、多少の無理が利かなくなったのを感じていた。年齢のせいかなぁ、と単純に思うておったが、そうではなかった様子。 奥方様には、流石に正直に話した。仕方ないね、の一言しか返ってこなかった。理由を訊けば、どうやら毎朝出勤するときのわたくしの顔は、相当辛そうであった由。帰宅したときは疲弊しきった顔をしていた、とも。 そろそろリタイアの時..

  • 第3295日目 〈夜の散歩は楽しい。〉

    終電を逃したため歩いて帰る仕儀と相成った。それを称して「散歩」と申す。この神経、大したものだ、とわれながら感心している。 もっとも、これは横浜の中心に就業場所が移転したからできる技。駅規模は大きいくても中心からずっと外れた場所でそのまま働いていたら、斯様な芸当は到底できぬ。歩いて帰ったら、夜が明けちゃうよ! カラスが喚く声、新聞配達のバイク音と投函される音。昨年06月01日の朝、とても苦しい思いをしながら聞いたあの耳障りな声と音、もう2度と聞きたくありません。 中心近くから自宅までは約3キロ、所要時間、約70分/信号待ち含む。国道と地方道が交差する大きな信号を3度曲がって、そのままずんずん、てくてく歩いてゆけば良い。歩道は広く、人通りは絶えている。実に快適な徒歩帰宅といえよう(呵呵)。 途中で知を刺激し、目をなごませる景物のあるのが、この徒歩帰宅を無味乾燥から救っている。この..

  • 第3294日目 〈某小説投稿サイトに新しい作品を投稿しましたが、……〉.pages

    l 先の見通しも定かでないまま、唐突に新しい小説を書きはじめた。昨年から先月にかけて、がっつりとしたプロットを作成していたけれど、本当に筆を執る日が来ようとは思わなんだ。 その小説を某小説投稿サイトに放りこんで半日が経過した。サイト閲覧者の反応は然程の数を稼いでいない。web閲覧を第一位としていないこともあり、他にくらべて読みにくいと思われているかもしれない。他の要因も様々あるだろう。 小説を書き継ぐことは当然として、件のサイトに投稿を続けるか否か、については迷っている。機械的に書くことを日々のルーティンへ巧く組みこめれば、物語の終わりに辿り着くことはできるだろうが……それとサイトへの投稿継続は必ずしもイコールではないのである。難しいね。 過去に執筆経験のあるジャンルとはいえ、投稿サイトで多数の目に曝すのは初めての経験。もうしばらくの間、閲覧者の反応を様子見しつつ、ここへの作品..

  • 第3293日目 〈この2ヶ月で手許に集まってきた太宰関連資料。〉

    探している本はかならず見附かる、見附けられる。それを今日、改めて実感しました。 昨12月、あまり状態の良くない太田治子『明るい方へ 父・太宰治と母・太田静子』(朝日文庫 2012/06)を、東京・蒲田の古本屋にて600円で購入した。 背表紙に痛みが目立ち、ページは折れ、一部にはシワが寄っている──濡れ跡の変色こそ目に付かなかったものの、あのシワの寄り具合から濡れた箇所が乾いたのであろうことは、間違いありません。 どこかの文庫の『斜陽』の解説を読んで以来、ずっと読みたくて所有したくて捜していた本です。読む分には支障がないし、価格も適性といえるだろう。それなら、と妥協してお金を払い、年末の休み、大掃除の合間を縫って拾い読みした。ほぼ1.5年ぶりに『斜陽』も引っ張り出してね。 ああ、実に良い買い物をしたな、と思うている。単行本でも文庫本でもなかなか店頭で見かけることのなかった本..

  • 第3292日目 〈お金を大事に。〉

    本稿の筆を、神奈川県平塚市中原で執っている。 いまとなっては思い出すもくだらぬ企みを実現させるため、使ったお金を悔やんでいる。 いまとなっては思い出すも忌々しい相手を籠絡するため、費やしたお金を悔やんでいる。 その額、230万円也。 資産に占める割合などこの際、問題ではない。それだけの金額をどうして──当時はかなり真剣であったとはいえ──未来への投資と己を偽って投下したのか、を悔やんでいるのである。 まったく以て、その投資に見合わぬ企みであったよ。投下した資本の回収に、かの人物をこき使いたい気分だ。 この負債がなければ心身穏やかに暮らせていたはず。 これを自身への戒めとして、永久に残す。 この経験も踏まえて、お金の話、投資の話、貯蓄の話、運用の話、なども今後、してゆこう。 お金の話、教育、大事。◆

  • 第3291日目 〈Appleのコールセンターは、大丈夫か?〉

    Macのメールソフトが、突然起動しなくなって困惑中である。起動しなくなった、というよりは、ネットワークが接続されていない旨メッセージが出るようになった。 Appleのサポートに連絡しても原因不明。プロバイダ側に問題なし。まぁ、プロバイダのWebメールが使えるから支障がないといえばないけれど、一々ログインしなくてはならぬ手間があって、それゆえにメール確認が間遠になっている。これはやはり、支障がある、というべきか……。 解決策は、Apple曰く、一旦メールソフトをアンインストールして、インストールし直すこと、と曰うが、あなたのMacのメールソフトが同じ不調に見舞われたときそれが出来ますか? 地に足附けた提案をしてくださいよ。 ここ2年ぐらいでAppleのサポートの質はかなり落ちたな、と思うてはいたけれど、今回はその決定打となった。もっとも電話口のオペレーターに当たり外れがあるのは..

  • 第3290日目 〈既読の小説は増える、されど未読の小説も増える。〉

    ここ数ヶ月の愉しみの1つは、帰り途に某喫茶店へ寄り道して、コーヒーを飲みながら時代小説を読み耽ること。これが帰宅前の、最後の切り換えになる。 時偶、溜まった雑用を片附けたり、ブログ用の原稿を書いたりもする。が、これは毎日決まったルーティンのなかで自分が自分に還る唯一の、何人にも邪魔されたくない大切な時間なのだ。 昨夏から本格化した時代小説読書、予想外にどっぷり塡まってもう半年になった。はじめは年内で切りあげる予定だったのにこうも長引いているのは、けっきょく、選んだ作家の作風と自分の性分から生まれた好みがぴったり重なり合っていたからだ。 これが、文章力の欠如した人の書く剣豪小説や史料に依拠した小説もどきだったら、疾うに放り投げていたに相違ない。すくなくとも時代小説読書の入り口、別のいい方をすればスプリングボードにはならなかったはず。 昨日も、いま読んでいる作家の、未読未蔵の..

  • 第3289日目 〈僕があなたに願うこと。〉

    震える小さな肩を 抱えるようになだめる 〜『銀河漂流バイファム』ED 「Never give up」より(歌:Move) 無駄なことや無駄な出会いなど、人生にはなに一つとして存在しない。すべてを糧にして、生きてほしい。他人を嘲笑するな。他人の悲しみや苦しみに寄り添える人になってください。 あの日の笑顔がいつまでもあなたにあり続けますように。ずっと祈っています。◆ もう ひとりぼっちじゃない あなたがいるから 〜『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』「愛・おぼえていますか」より (歌:飯島真理/リン・ミンメイ)□

  • 第3288日目 〈記憶にも記録にも残る男、石原慎太郎。〉

    天は二物を与えず。という。世の常として、但し例外あり、ともいう。誰もが羨んだ。生まれも育ちも経歴も、マスクも声も人柄も、その人はすべてを持った。男として羨望と嫉妬するしかない人だった。 今月01日に石原慎太郎が逝去した。89歳、膵臓ガンの再発、という。政治家として生き、文学者として生き、様々な誤解と偏見と妬みの中心で生き、そうして破天荒ながら理想的な背中を見せた父親だった。子息4人が報道陣の前に立ってコメントした一言一言が、それを証している。 ゆりかもめに乗って新橋からお台場方面へ向かう。台場駅を出てヒルトン東京お台場の脇を過ぎると、レールは大きく左方向へカーブする。その刹那。潮風公園の向こう側に、晴れた日ならば富士山を望むことが出来る。毎朝見るこの光景は、むかしからと思い、当たり前の景色と思いこんでいた。 と、これはしかし、石原都政の成果であったことを、FNNのニュースサイ..

  • 第3287日目 〈藤沢周平『闇の穴』を読みました。〉

    可もなく不可もなく、駄作にあらず平均的な仕上がりの作品が並ぶ、と、敢えて不遜極まりない感想を、まず掲げよう。藤沢周平の短編集『闇の穴』(新潮文庫 1985/09)を読み終えた。 7編の作品を収める。うち5編については、先に申した感想が当てはまる。そのなかから1編だけ、頭1つ抜きん出た作品を見出した。表題作の「闇の穴」である。初出は、『別冊 文藝春秋』第136号(文藝春秋 昭和51/1976年6月)。 裏店に暮らす人妻の許に、前夫が突然訪ねてきて、さる男のところへ届け物を月一で頼む。或る月、子供の病気で届けるのが1日遅れたことが原因で、──というのがあら筋。 じわり、じわり、と読み手の心は不快とも不安とも恐怖とも知れぬ感情に浸されてゆく。どうして前夫は理由を話さず、託し物について一言も触れず、「ただ決まった日に、決まった男のところへ届ければいい」などというのか。 はじめのう..

  • 第3286日目 〈病みあがりの頭には、時代劇がピッタリです。〉

    高熱に臥せっておりました。前回出勤日の夕刻あたりから悪寒がひどかった。帰宅して検温してみたら、39度近くの数字が! 家族に伝えたら、即効で寝支度整えられて、隔離されました。 2日欠勤してようやく起きあがったけれど、頭がまだボンヤリする。それでもブログ原稿は書いていたのだから、灰色の脳細胞もそのときだけは働いてくれたようです。 床上げしてからはCSの、時代劇専門チャンネルとホームドラマチャンネルで放送中の時代劇を、ずっと観ておりました。たまたま次の番組が始まるてふ時間帯でもあったので、懐かしい俳優さんたちが出演している時代劇を、まだ動きの鈍い頭でずっと観ておりました。 けっきょくこの2日間で、『剣客商売』と『鬼平犯科帳』、『大岡越前』と『江戸の激斗』を観た。『吉宗評判記 暴れん坊将軍』も、10数年振りで観た。藤沢周平原作ドラマも、『人情しぐれ町』を観た。池波正太郎原作の『侠客 ..

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