コロナもウクライナも散弾銃もあなたは知らずに永い眠りに寝つけぬわたしの不完全な孤独...
コロナもウクライナも散弾銃もあなたは知らずに永い眠りに寝つけぬわたしの不完全な孤独...
すべては昨日のことのようなすべては明日のことのようなでも本当は遠い過去と遥かな未来どちらも手が届かない...
昔の映画を見た昔の映画を見る今のわたしがいるわたしの中に時の流れがある戻らない時の流れがある...
懐かしいという言葉がキライ既に懐かしむ場所もなくもう懐かしむ人もいない懐かしいという言葉がツライ...
もうすぐまた桜が咲くこうして時が流れていくそれだけが淋しい友だちがいても恋人がいてもそんなことは大したことじゃないあっという間にまた桜が散るどうしたって時は過ぎていくそれだけが哀しい思い出があっても希望があってもそんなことも大したことじゃない...
過日、フィギュアスケートの羽生結弦選手が、試合後のインタビューで「あと何回この風景を見れるのかと思うと、涙が出そうになった」と、いうようなこと語っていた。彼が語ったのは、スケート選手として、ということだったのかもしれないが、コロナのまたしてもの広がりやら、痛ましい事件やらが続く日々、彼のこの言葉は胸にしみる。また明日があるかどうか。肝に銘じて今日を大切にいきなくてはとしみじみ思い入る。来る年が、少...
憎んでいる方が嫌悪している方がずっと楽だからそんなふりをしているあなたのことも私のこともだからどうか誰も私にかまわないで温もりを思い出させないで...
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なんの列かもわからぬまま私はなんとなくわくわくしながら途方もなく長い列に並んでいたここからではどこが列の始まりなのか全くわからないほどあまりの長さに気が遠くなりそうな一方その長さゆえの安心もあった切望しながらも手に入る日など実はこないかもしれない列の膨大な長さが私の心の安寧を保ってくれていたそれがあるときふいに前に並んでいた人々の姿が消え次が私の番になったたぶん延々と待ってやっと訪れた私の番だった...
大事なブレスレットをなくした腕から気配もなく消えていたまるであなたのよう大切なものを失うとこの世への未練がすこし薄くなるようなこの世との縁がすこし細くなるような哀しいようなほっとするような...
馴染んだ風景は消え果てこの世に老婆の居場所はなく見知らぬ景色に包まれてわたしはすっかり死んでいるような...
あなたの気配が少しずつ薄れているあなたのものが少しずつなくなっているあなたの記憶が少しずつ曖昧になっているひとりの暮らしがいつの間にかあたりまえになっている...
気づかぬほどに少しずつ紡ぎなおされる記憶それを思い出と呼ぼう大切に抱きしめよう戻りようのない遠い不確かな過去それを人生と呼ぼうそっと胸にしまおう...
愛し方がわからないよりもっとやりきれないのは愛され方がわからないこと...
花曇り、という言葉が好きである。 辞書によると、桜の花の咲くころの薄くぼんやりと曇った空模様のことだそうだ。花曇りの空も、その空の下で咲く桜も好きである。 桜には、晴れ渡った青い空もよく似合うが、満開に咲くわが身の美しさを充分に承知しながら、敢えてちょっとその美しさを恥じらっているかのようで、花曇りの空の下の桜はどこかなまめかしい。 おとなの女ならぬ、おとなの桜という趣を感じる。...
はじまるとき終わりもはじまっている終わりにむかってはじまっている誰も彼も終わりにむかって進んでいるそれならいっそはじまらなければよかったのに...
明日がくる重ったるさ明日がこないおそろしさその 間はざまで生きている...
淋しさにつかまらぬようわたしは走って走って走って思い出と出くわさぬようわたしは逃げて逃げて逃げてふいをつかれぬよう全身をかたくかたく閉ざして...
昨日まであったと思ってた今朝もあったと思ってた明日もあると思いこんでいたでも知らなかっただけもうなくなってしまっていたあっけなく消えてしまっていた...
驚いたなぁ一人ってこんなに退屈なんだ知らなかったなぁ独りってこんなに寂しいんだ気づかなかったなぁ孤独ってこんなに自由なんだ...
すべては昨日のことのようなすべては明日のことのようなでも本当は遠い過去と遥かな未来どちらも手が届かない...
昔の映画を見た昔の映画を見る今のわたしがいるわたしの中に時の流れがある戻らない時の流れがある...