「イモの煮えたもご存じない」という言葉がある。これは『江戸いろはかるた』に出てくることわざ。いろはの「い」は、もちろん「犬も歩けば棒に当たる」。『江戸いろはか…
小さな外国語スクールの代表者が発信する日常的なエッセイ。 好奇心と知性的な笑いを心がけている。
2009年暮れよりはじめて、 どこまで続くかな? おっ、まだ続いている!
「敬老の日特集」などでは決まって、聖路加病院の理事長である日野原重明氏へのインタビューなどが紙面を賑わしていたが、もう亡くなってから5年余りが経過した。彼に代…
思えばコロナ発生から3年ほどが経過する。新型コロナ発生時は、様々なパニックを生んだ。人々が、日本のクルーズ船の様子を固唾を飲みながら見ていたこともあり、正体の…
哺乳動物には尻尾(しっぽ)があるのに、人間は尾てい骨あたりにそれらしい名残をとどめているだけで、それに類するものもない。あったからと言って、尻尾を使って木の枝…
トムとジェリー("Tom and Jerry")の漫画は、1940年代頃にアメリカでスタートし、一時期、テレビアニメでかなりの人気となったキャラクター。トムと…
人生の終盤を感じるのか、人の伝記物を読むことが多くなった。その一つ、コメディアンの榎本健一氏(エノケン)は、彼の自伝『喜劇こそわが命』に、エノケンの型やぶりの…
最近、歳のせいか運命論者になってきた。「運こそすべて」などと思えてくる。運命論を語ると言えば、京セラを創業し、日本航空を立て直し、名誉会長を務めた稲森和夫氏が…
古代ローマの五賢帝と呼ばれた皇帝の一人、ハドリアヌス帝は、古代ギリシャの彫刻をことのほか愛したという。別荘であるヴィッラ・アドリアーナ(Villa Adria…
『屋根の上のバイオリン弾き』は、帝政ロシア領となったウクライナ地方シュテットルに暮らすユダヤ人の生活を描いた物語。ロシアの政変と、それに巻き込まれ揺れるのユダ…
映画『男はつらいよ』シリーズは、全部で50作を数える。その中で、指を折っては数えきれないほど、かなりの本数を観た。山田洋次監督の映画では、このシリーズが格段に…
ゲーテと並び称される詩人であり劇作家のシラーが著した劇『群盗』の中で、主人公である医者のヒポクラテスが強い語調で語るセリフがある。「薬で癒(なお)らぬものは、…
1973年にホラー映画の魁となった『エクソシスト』が封切られた。タイトルは「悪魔払い祈祷師」の意味で、内容としては、イラクでの遺跡発掘の中から出て来た悪霊が、…
先週の日曜日にIKEA に出かけた。北欧家具やインテリア用品のショッピングゾーンで知られる大型店舗。立地は駅前ではなく郊外型。つい立ち寄ったり、ついでに来たと…
男というのは、馬鹿な生き物だと思うことがある。ちょっとしたところでプライドが傷つけられたと、矜持(きょうじ)の虜(とりこ)になったように反撃の行動をとってみた…
「21世紀は日本の世紀」と語ったアメリカの未来学者・ハーマン・カーン氏が、日本にやって来たのは1968年のこと。この言葉は、日本人を大いに喜ばせ、鼓舞し、誇ら…
マトリョーシカ人形は、ロシアの木製の民芸品。人形には、たいていロシア人少女の顔が描かれている。このマトリョーシカだが、歴代の大統領が描かれているのもある。この…
『ウルトラQ』というテレビ番組があった。あのウルトラマンがテレビに誕生する前作で1966年に放送された。1回完結のドラマで、1作について1つの怪獣ないし怪奇の…
夏の夜空を支配していた蠍(さそり)座が、西の方に傾き、天の川の延長線上にある”ティーポット”と呼ばれる星群の中に、射手(いて)座が見えるようになってきた。星座…
「夏になると、妻は、貝殻を窓辺に置いた」これは、アメリカの画家・アンドリュー・ワイエス(Andrew Wyeth)の『海からの風』と題する絵のキャプションとし…
我が人生の最初の海外旅行はインドだった。ビートルズがインド音楽に傾倒しているなど、世界的にインドブームを巻き起こしていた頃のこと。バックパッカー達がインドを目…
金子みすゞに『昼のお星は めにみえぬ。見えぬけれども あるんだよ』という詩がある。昼間の星は見えないけれど、そこには星は存在しているんだよ。金子みすゞの詩には…
小説『カモメのジョナサン』を書いたリチャード・バック氏は、操縦する飛行機で墜落する事故から10年が経過した。大事故ながら、一命をとりとめ現在は86歳だという。…
コストコ(Costco) やイケア(IKEA) などの外資系のマーケットに行くと、やたらとショッピングカートが大きく感じる。カートの大きさが違うのは、ひとつに…
能の演目に『松風』というのがある。日本文学の研究者として知られたドナルド・キーン氏は、この演目に魅かれ、これほど優れた文学作品はないとまで言っているのを眼にし…
ここ暫く、フランスのエリック・ロメール(Éric Rohmer) 監督の映画作品を観ている。彼は、ゴダールやトリュフォーなどと同じ、いわゆる、ヌーヴェル・ヴァ…
「風刺の笑い」と「ユーモアから生じる笑い」は、どちらもゲラゲラ笑うことができる代物だが、微妙に違う。それを表す言葉に「風刺(サタイア)には日付があるがユーモア…
今は、さすがにネットの時代。古い映画を検索していると『本日休演(フランス語: Relâche)』という映画作品を見つけた。これは1920年代のパリが垣間見える…
アメリカのペンシルベニア州や中西部などにアーミッシュ(Amish) と呼ばれる人たちが生活している。ドイツ系移民を中心とする宗教集団で、基本的に、自然に即した…
成功する人には、共通する類型となるものがあるようだ。そのひとつは、信念とも言える大きな望みを持つこと。すなわち「大志を抱け」ということらしい。シェイクスピア『…
フェルメールの作品に『絵画芸術の寓意(ぐうい)』という一風変わった作品がある。寓意とは、ある意味を直接ではなく別の物事に託して表す意。まさしく、この絵は、様々…
わが生業とする外国語スクールでいつからスウェーデン語のレッスンが始まったか、記憶を辿ってみても朧げだ。おそらく30年近く前のことだろう。わがスクールは、創設か…
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「イモの煮えたもご存じない」という言葉がある。これは『江戸いろはかるた』に出てくることわざ。いろはの「い」は、もちろん「犬も歩けば棒に当たる」。『江戸いろはか…
「煮ても焼いても食えない奴(やつ)」という表現がある。あまりに強情で 自分の考えを変えることも他人の言うことも聞かない。扱う方法がなく、どうすることもできない…
映画『PERFECT DAYS』は、役所広司主演の2023年の映画。実際に2023年をモデルとして描いている。主人公は東京の公園のトイレ掃除を職業とする初老の…
古代中国の思想家の一人に老子がいる。彼の考え方に「無為自然」というのがある。これは、自然の摂理に従い無理な力を加えないという考え方。もう少しわかりやすく言えば…
「乙(オツ)」という表現がある。昔の落語家なども、よくこんな言葉を使った。趣きがあって、ちょっといい感じ、と思わせるものに使う言葉。用法としては「乙(オツ)で…
「実存主義哲学」なるものがある。実存主義というので有名なのは、フランスの思想家J・P・サルトルだが、その祖とされるのは19世紀のセーレン・キェルケゴール。今は…
当方は四字熟語に、つい惹かれるところがある。漢字クイズなどで難解な文字が入った四字熟語が出題されると妙に燃える。例えば「喧々囂々(けんけんごうごう) 」と「侃…
先月の「休筆」から1ヶ月ほど経ったことになる。医師が施すべき処置が済み、自然治癒に任せるほどになったということで、一応の「癒え」に入って2週間ほど経った。人か…
こんなに暑くなるとビールが欲しくなる。ビールの誕生は、およそ紀元前4000年のメソポタミアでのことだという。誕生は、予期しないものが偶然生み出されるというセレ…
「なめんなよ」という表現は、あまり、紳士的な言葉とは言えない。今日の石破首相の発言「なめられてたまるか」という言葉が話題になっている。これは、トランプ大統領と…
我が地域の裏山に相当するところに六甲山(ろっこうさん)という山がある。931メートルという高さで、ケーブルカーなどもあり気軽に登れる山だが、意外に遭難も多々あ…
アイルランドと言えば、何かにつけてケルト人やケルト文化が取り上げられる。多神教の雰囲気を持った文化だが、そのケルトと言っても、それほどの昔の話ではなく、紀元後…
心の中にあることを言わないで溜めておくのは精神衛生上良くない。『徒然草』十九段に「おぼしき事言わぬは、腹ふくるるわざなり」と出てくる。著者・吉田兼好の時代には…
「もったいない」という言葉がある。漢字で表すと「勿体無い」となるが、この「勿体」という言葉はもともとは仏教用語で、「本来のあるべき姿」を意味する言葉。「もった…
芥川賞は、今はそれほど大きな話題とならないが、1969年の受賞作・庄司薫『赤頭布ちゃん気をつけて』は、大きな反響があった。この小説は、大学紛争のため東大の入試…
「ここがロードスなり、ここで跳べ」という言葉がある。これは、イソップの寓話に出てくる話。あるホラ吹きの男がいて「オレは、(ギリシャの)ロードス(島)にいた頃、…
いつの頃からか、スポーツニュースが始まると大谷選手の活躍から放映される。メジャーの選手とも伍して戦える日本の選手がいることが素直に誇らしく思える。もう、メジャ…
「不如意」という言葉がある。これは、漢文のように返り点をつけて読み下すと「意の如くなら不(ず)」となり、これを簡単に表現すれば「思い通りにならない」。この「不…
今年のカンヌ映画祭、最高賞のパルム・ドールは、イランの映画監督ジャファール・パナヒ氏の"Un Simple Accident" が受賞して閉幕した。世界には、…
「何もなければ、また来週」先週、わが外国語スクールの生徒さんが帰り際に外国人講師に発した言葉。言われた時には、その講師は真意が良くわからなかったが、すぐに納得…
フランスの劇作家・ジャン・ジロドゥの劇『オンディーヌの呪い』というのがある。この主人公となるオンディーヌは、美しい妖精のこと。オンディーヌは、水の世界に住む妖…
いよいよ梅雨明け。本格的な日差しが照りつけるようになった。日傘は必需品。百貨店での商戦では、男性用の日傘が人気のようだ。そして、目立つのはインバウンドの観光客…
時々、書棚に並ぶ夏目漱石の小説を開いて拾い読みをすることがある。読めば「やっぱり漱石らしい」と感じさせられる。その当時の小説家は、それぞれに個性的な文体を持っ…
「もうどうしようもない」という意味を表わすフランス語に"ニンジンが煮えてしまった(Les carottes sont cuites)" という表現がある。様々…
パリ・オリンピックも、いよいよ開幕間近となる。今回は、32競技329種目で熱戦が繰り広げられる。ロンドンでは、26競技302種目であったことから思えば、ブレイ…
松尾芭蕉の句に「這(は)い出(いで)よ かいやが下の ひきの声」とある。「かいや」は養蚕部屋。「ひき」とは蟇(ヒキガエル)のこと。これは、『奥の細道』の中で詠…
高村光太郎は彫刻家でもあるが、詩人としても知られる人物。彼の詩に「根付(ねつけ)の国」というのがある。「根付け」とは印籠(いんろう)などを帯と結ぶための紐(ひ…
四字熟語に『捲土重来 (けんどちょうらい)』 というのがある。ちょっとむずかしい表現だが、意味としては、「一度失敗した者が、再び勢力を盛り返してやって来る」こ…
イタリア料理のお店で「リストランテ」と呼ぶのは、高級なレストランで、大衆的な食堂は「トラットリア」と呼ばれるのが通例。「オステリア」は居酒屋を意味する言葉だが…
バイデン大統領の次期大統領選への出馬に関して日増しに反対の声が高くなってきている。現在81歳。もしトランプ大統領が返り咲いたらそれも恐怖だが、バイデン大統領が…
いよいよ大阪万博が近づいてきた。その大阪だが、江戸時代は、庶民が作った自由な街。幕府のお膝元、官僚的な江戸とは違う文化が形成された。当時の大坂は、公共事業に関…
思いを寄せている人に、「あなたのことは忘れました」と言われるとショックだろう。ところが、これを逆手に取ることによって、かえって想いの深さを表現する場合もある。…
『奇貨居(きかおく)べし』という言葉がある。「奇貨」とは、めずらしい貨幣のことで、これをとって置いておけば、値打ちが上がり大変なものとなるという意味。この言葉…
日本のプロ野球の優勝チームは、健闘を讃えて”ビールかけ”を催すが、アメリカのメジャーリーガーたちは、ビールではなくシャンパン。すなわち、"シャンパン・ファイト…
アフリカのタンザニアで1936年に撮られた写真には、奇妙な二人が写っている。これは、この地方に古くから伝わる呪術師。今でもタンガニーカと呼ばれる地域では様々な…
新紙幣がスタートした。20年ぶりとなる新紙幣。今日、銀行で預金を引き出すと全て新紙幣になっているのに驚いた。それで当然なのだが、こうやって少しずつ変えられてい…
オーロラや流星群など、自然が織りなす現象と都会とは相容れないところがある。自然現象を見たければ、極地の大平原に限るが、都会にあるビル群と自然とがタッグを組んで…
「洛陽(らくよう)の紙価を高める」という表現がある。これは、ベストセラーの本になることを婉曲的に表現する言葉。この語源となったのは、中国、魏蜀呉が擡頭していた…
「あべこべ」という意味をあらわす英単語に"topsy-turvydom" というのがある。明治時代になって日本を訪れたアメリカ人は、よくまあ、これだけ逆なもの…
初代・引田天功氏は、水中や爆発などの極限状態から脱出するというマジックで知られ、1970年代に命からがら「脱出」するといったパーフォーマンスで人気をさらった。…